『摂食障害の問題行動と対応~司法が関わるものを含めて~』浅見知邦・野村俊明、『摂食障害治療における学校との連携』高宮静男、
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以下、参照までにぶら下げ。 『摂食障害の問題行動と対応~司法が関わるものを含めて~』浅見知邦・野村俊明、精神科治療学33(12) ; 1437-1442, 2018 より Ⅵ. 摂食障害患者の万引き 高木は外来の摂食障害患者の43.9%に、梁瀬らは大学病院精神科外来の摂食障害患者の37.8%に asahi.com/articles/DA3S1… pic.twitter.com/v1hicE2bnN

2019-01-28 11:48:36
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万引き歴があり、いずれもかなりの累積犯行があると報告している。 (鈴木健二、武田綾 : 常習万引きを伴う摂食障害の特徴と治療. 精神医学, 52 ; 647-654, 2010 高木洲一郎、大森美湖、浜中禎子他 ; 摂食障害患者の万引きの法的処分をめぐってー現状と問題点ー、臨床精神医学、37 ; 1421-1427, 2008)

2019-01-28 11:52:00
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Yaoらはスウェーデンの9万人の女性の調査で、摂食障害以外の母集団で5%であった窃盗経験はANでは12%、BNでは18%と報告。摂食障害治療を継続し万引きを止める強固な対策がないままでは、近い将来に「執行猶予取り消し加算の長期実刑が本人をより苦境に置く」こととなる現実を重く受け止める必要がある。

2019-01-28 11:58:22
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治療優先を与えたくても膨大な累犯があり猶予歴が限界を越えれば、実刑未満の判決を司法も繰り返せない。「摂食障害患者は食べ吐きで食物が不足するから万引きする」というほど単純ではない。第一には万引きが問題となった摂食障害患者でも、経済的には困っていなかった症例が多数派であった。

2019-01-28 12:04:27
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第二にANRでは食物消費がほとんどないにもかかわらず食物の万引きは多く、むしろその勢いがより著明な症例すらいた。第三に摂食障害の症状と解離して万引き自体の嗜癖化がより著しくなり、窃盗症化した場合などである。 Ⅶ. 摂食障害患者の万引きは窃盗症なのか 竹村は、強迫的な万引きの繰返しの

2019-01-28 12:11:47
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過程で「万引き行動」が独り歩きして嗜癖化し、食べ物のために実行するという観念は韮薄化し、食べ物が対象となり続けるのは熟知した食物分野での万引き行動が脳内パターン化しており成功しやすいからにすぎない。さらに対象物の報酬期待値はリスクに比べ著しく低く、「金銭的価値のためでない」という

2019-01-28 12:18:52
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診断基準項目にも矛盾しない。社会逸脱性を理解しつつも報酬刺激を求め万引きを繰り返す状態はすでに独立した嗜癖行動と言えるとした。摂食障害患者の万引きを解離状態や低血糖で説明した報告もあるが少数派である。

2019-01-28 12:23:13
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摂食障害患者の万引きについては、①強迫的な要素、②衝動的な要素、③意識障害(低血糖や身体危機など)や解離状態、認知機能障害的要素の他に、④行動嗜癖性の強さ等を見極めて治療方針を考える必要がある。 ⅷ. 摂食障害患者の問題行動への対応 患者は日々悪循環を重ねるため家族は食の改善と治療の

2019-01-28 12:28:35
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説得に焦りがちだが、それは本人をかえって頑なにして治療を遠ざける結果となる。📌摂食障害は疾患である一方で本人の人間性や価値観に固着しているので、「直しなさい」という態度は通用しない。本人が家族に怒りや自傷を含む行動異常を示す際には家族側にも共感や受容が不足している可能性があり、

2019-01-28 12:35:17
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また摂食障害では対人関係不全が核に必ずあることから、治療困難な症例には症状を直接扱わない家族療法や対人関係療法が有効かもしれない。優れた治療技法があっても重症者ではそもそも治療に参加しないか脱落が多い。形式や治療契約にこだわらず間接的にでも本人への支援のアクセスが途切れないことが

2019-01-28 12:40:16
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重要である。本人の衝動性等の問題性を把握し生活上の困難をストレスなく聞き出せる何らかの場が必要とされる。一部の患者では入院後に混乱や抵抗を示し治療対応に反した体重急減や約束違反、対人操作等でたびたびトラブルを起こすため、スタッフの陰性感情を昴らせ、時にはスタッフ間に

2019-01-28 12:49:09
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スプリッティングが起きる他、主治医に対する批判も起こる。スタッフ間ではミーティングを密に行い、患者の情報と治療方針を共有することが大切である。治療上の混乱状態で患者が生命危機を自覚し、その後の回復する途上は本人自ら治療に向き合うチャンスにもなり得るので、治療者は身体治療に並行して

2019-01-28 12:54:20
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治療関係構築を目指すべきである。そして身体状態が改善した上で適切な治療技法を選択し慎重にアプローチすべきである。 日本では問題行動の強い摂食障害患者を抜本的な治療の場として受け入れようとする病院は少なく、採算の合わない困難な治療にどう向き合うかは医療界と行政側の今後のテーマである

2019-01-28 12:59:14
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「肛門は閉めておく」なんてマニュアルよりももっと大事な履修課程が学生には必要なので、以下、ぶら下げておく。『摂食障害治療における学校との連携』高宮静男、精神科治療学、33(12) ; 1463-1468, 2018より引用。 asahi.com/articles/DA3S1… pic.twitter.com/PA0iRVb4dL

2019-02-04 14:22:52
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摂食障害治療において、学校ー医療機関間の連携は非常に重要と言われてきたが、実際には学校から紹介できる医療機関は少なく、積極的に活動している学校ー医療機関連携はさらに少ない。実際の連携は20~50%という結果が得られている。

2019-02-04 14:28:59
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小児科医への調査では、学校医が「学校と連携がとれていて、学校からの相談を受けている」と答えたのは32.8%であった。学校医でない小児科医の連携は11.1%とさらに低かった。連携の困難さの理由は、医師の多忙さ、守秘義務の壁などの医療機関側の問題と学校行事などの教師側の忙しさ、

2019-02-04 14:35:00
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両者間の面談に対する考え方の差が挙げられている。一方、連携が行われた場合、小、中、高等学校の養護教諭とも高い割合(88~100%)で有効であったと感じていることもあり、連携実施の問題点を相互の協力、工夫を通して改善し、医療機関と学校が連携していくことは児への支援には欠かせないと思われる。

2019-02-04 14:44:22
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学校での調査によると、摂食障害の気づきのきっかけは、急激なやせ(28.2%)、健康相談(22.5%)が1位、2位とくるが、本人の訴えは15.5%にすぎない。最初に摂食障害に気づいたのは、家族で53.3%、学校で22.1%、医療機関で17.8%という報告もある。

2019-02-04 14:50:16
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著者らの調査では、「学内で一番に摂食障害児童生徒を見つけた経験」があるのは運動部顧問の19.5%、一般教諭の9.5%、養護教諭の42.1%である。このように学校は気づきの場としての機能があり、家庭以外では早期発見の最重要機関である。

2019-02-04 14:54:01
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体重に大きな変動があった場合、養護教諭により、標準体重比の計算、小学校1年生からの成長曲線の作成、担任や部活顧問からの情報収集がなされている。特に成長曲線を作成することにより身長、体重の変化は一目瞭然である。成長曲線作成後、担任からの情報(摂食障害特有の症状を理解したうえで、

2019-02-04 15:00:22
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給食の摂取量が減ってきた、やせてきた、活動量が増してきたなど日常の様子)を得て児童生徒に働きかけることになる。ANの場合は、自分がやせていることに無関心であったり、やせていると思っていなかったりすることが多く、体型に対する感じ方に問題がある。

2019-02-04 15:04:00
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本人、保護者へ成長曲線の身長・体重の変化を見せ、視覚的に現在の状態を示すことになる。体重の伸び率の低下と同時に、身長の伸び率も比較的早期から低下する。伸長を伸ばしたい子が多いANにおいては身体の病気として認識されやすい。

2019-02-04 15:07:58
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神戸市では、成長曲線は学校と医療機関を結ぶ共通の言語となり、医療機関と学校間のやりとりにも使われ始めた。対応面では、対応チーム(担任、養護教諭、学年主任、スクールカウンセラー、管理的教師など)を作り、役割分担を決め、1人で対応を背負わないこともキーポイントとなっている。

2019-02-04 15:12:40
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例えば、児童にとり話しやすい教師が話を聞く担当、身体管理は養護教諭が担当するなどして役割を分担し、チーム内で情報を交換し方針を決め、支援の困難さを認識してお互いの批判を避けていく、などである。

2019-02-04 15:17:07
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平成26年度から3年間の厚生労働科学研究費補助金「摂食障害の診療体制整備に関する研究」班のワーキンググループの研究成果に基づき、「エキスパートコンセンサスによる摂食障害に関する学校と医療のより良い連携のための対応指針」が完成した。→ edportal.jp/sp/material_01…

2019-02-04 15:29:32
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対応指針は、一般児童や生徒、学生の定期検診に基づく段階1~6における対応指針(段階1: 他の児童より密に経過をみる段階、段階2: 学級担任・学年教師等と見守り体制を作る段階、段階3: 保護者に連絡する段階、段階4: 学校医に連絡や相談をする、本人や保護者に受診を勧めるなど医療に繋げるための

2019-02-04 15:37:32
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行動をとる段階、段階5: 受診を強く勧める段階、段階6: 緊急の対応が必要な段階)が具体的に示されている。これまで対応に苦慮した養護教諭にとって、動きやすい内容となっている。また、エキスパートが学校で観察される症状について4つの軸(①頻度、②発見のしやすさ、③身体的重症度、④教職員・

2019-02-04 15:43:14
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部活動顧問などにも知って欲しい症状)でその程度を評価し、結果をレーダーチャートで図示し、共有しやすい症状を青色、発見しにくい症状を黄色、発見しにくいが身体的重症度が高く重要な症状を赤色に色分けした。これらの対応指針は摂食障害全国基幹センターのホームページからダウンロード可能である

2019-02-04 15:48:01
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「摂食障害の子どものこころと家族ケアー保健室でできる早期介入ー」も保健室で活用できる資料である。これは養護教諭向けの保健指導用として2012年に開発されたパンフレットであり、2013年に改訂され、2018年に増補改訂版が出ている。→コミュニティ家族ケア研究会、岡山、2018

2019-02-04 15:53:21
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「小児摂食障害サポートパンフ」は日本小児心身医学会摂食障害ワーキンググループにより作成されており、学会ホームページよりダウンロードが可能である。→ jisinsin.jp/documents/sess… )

2019-02-04 15:58:00
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初診時に、本人と保護者に学校との連携(特に養護教諭との連携)をとることの了解を得る。本人の受診時に、毎回、学校での様子とともに、情報提供書を用意してもらう。医療機関も心身の状態を養護教諭へ知らせ、学校と医療機関が情報を共有して、児の支援にあたる。

2019-02-04 16:13:10
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養護教諭の積極的なチームへの参加は児の再入院や不登校予防、良好な転帰に効果があったが、養護教諭は医療機関からの要請がなければ関与し難く、主治医からの学校管理職への依頼が重要である。そして養護教諭からの面談依頼があれば、協力を惜しまないでほしい。

2019-02-04 16:17:23
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また、学校との連携には、マンパワー不足、共通理解の確認、対立関係の回避、引き継ぎ内容の確認、守秘義務や親の関与・同意に関して医療とは異なる文化があることへの理解、学校の忙しい時期、行事への配慮が必要である。

2019-02-04 16:21:46
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予防のため、教師による生徒への過剰な頑張り礼賛の見直し、部活動での過剰な減量の防止、摂食障害の講義を保険授業に組み入れる等の対策が提案されている。

2019-02-04 16:26:35