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ささき @gz_ssk

で、お決まり通りソースを口の端に付けてしまうディミトリ。「ディミトリ、ソースが」とハンカチ片手に手を伸ばすドゥドゥーに「ああ、すまない」となされるがまま拭われているディミトリ。

2019-09-15 23:38:53
ささき @gz_ssk

名前で呼べと言い、敬語もやめろと命じて、でもドゥドゥーが細やかに自分の世話を焼くのを当然のものとして受け止めてるディミトリ、王様のワガママだ〜〜!!甘えがすごい〜〜〜!!!っていう感じでめちゃくちゃ萌える。

2019-09-15 23:41:40
ささき @gz_ssk

で、食事も終えて、2人で茶を飲み一服する。目の前にはどこまでも続く青い水平線が広がっている。王都フェルディアは海に近い街だ。当然、城からも海が見える。だが、港街として整備され数々の船が行き交うその様子と、眼前に広がるただただ青いだけの海は、同じ海でも違ったものに見えた。

2019-09-15 23:48:08
ささき @gz_ssk

「ダスカーの海は、どんな海だった」ポツリと呟かれたディミトリの問いにドゥドゥーはしばし考え込む。「…ここよりは、フェルディアの海に近い。毎朝漁師たちが漁をし、市場にはいつも多くの人が集まっていた。フェルディアの港に比べれば粗野な港町だったとは思うが、…おれにはそれが好ましかった」

2019-09-15 23:57:01
ささき @gz_ssk

ダスカーの港は漁港で、フェルディアの港は交易港なんじゃないかなぁ。という妄想。

2019-09-15 23:59:12
ささき @gz_ssk

どこか誇らしげに語ったドゥドゥーの横顔を見届けてディミトリは微笑んだ。「そうか」と。そう言って2人はしばらく静かに海原を眺め続けた。

2019-09-16 00:00:50
ささき @gz_ssk

海に沈む夕日もきっと美しいのだろうが、不慣れな地で暗闇に取り残されるわけにもいかない。2人は少しばかりの名残惜しさを感じながら、日が暮れる前に海の見える丘を後にした。

2019-09-16 12:24:05
ささき @gz_ssk

んで、屋敷に帰り着く。軽くかいた汗を流しに浴室に向かうディミトリと、ディミトリの湯浴みの間に夕食の準備をしてしまおうと厨房に向かうドゥドゥー。浴室の準備は空気を読んだ騎士団の者がそろそろ戻られる頃だろうとやっておいてくれました。

2019-09-16 12:28:01
ささき @gz_ssk

屋敷の周辺警備にあたっている騎士団は、周囲が騒がしくては陛下の気も休まらないだろうというドゥドゥーの言に賛同して付いて来ている少数精鋭の近衛騎士団の者たちという名のディミトリシンパの集まりなので、そういう気は利きすぎるほどに気を回してくれている。そういうことにしてください。

2019-09-16 12:32:30
ささき @gz_ssk

湯を浴びてさっぱりしたディミトリが厨房に向かうと、流石にまだ夕食の準備はできていなかった。「すまない、まだ用意が…」「いいんだ。急かしに来たわけじゃない。続けてくれ」「は」背後からの視線を感じているのだろう。ドゥドゥーは少し居心地悪そうにしながらも、それでもテキパキと手を動かす。

2019-09-16 12:38:38
ささき @gz_ssk

厨房の片隅に置かれた椅子に腰掛けたディミトリは楽しげにドゥドゥーの調理風景を眺めていた。「…そう、見られると、やりにくいのだが」「そう言いながらも見事な手際じゃないか」上機嫌なディミトリに厨房から去る様子は微塵もない。ドゥドゥーは諦めて手を動かすことに集中した。

2019-09-16 12:51:10
ささき @gz_ssk

ディミトリが俺も手伝おうと言い出さないのは王様だからってより前科持ちだからのような気がする (自分の妄想なのに「気がする」とは一体?)。調理器具を壊すか何かしてドゥドゥーからやんわりと戦力外通告を受けたことがあるんじゃないか。

2019-09-16 12:53:48
ささき @gz_ssk

料理が一品できあがるたびにディミトリ小さく歓声を上げる。ドゥドゥーは面映ゆい気持ちでそれを受け取った。ディミトリが自分の料理に喜んでくれる。笑顔を向けてくれる。それがドゥドゥーにとってどれほど幸福なことか。感謝の気持ちを多分に込めて、ドゥドゥーは一品一品を仕上げていった。

2019-09-16 13:03:02
ささき @gz_ssk

んで、夕食。やはりドゥドゥーの料理はどれも味が分かる。それにどれも美味しいとしか思えない。その不思議さ、幸福に、ディミトリは舌鼓を打って食事を楽しんだ。

2019-09-16 13:09:45
ささき @gz_ssk

食後。食休みの時間をまったり過ごし、2人は居間(食堂か?)を後にする。ディミトリは寝室へ、ドゥドゥーは浴室に向かう。その別れすがら、ディミトリはふと立ち止まった。「…ディミトリ?」それに気付いたドゥドゥーも浴室へと向かおうとしていた足を止める。

2019-09-16 13:18:34
ささき @gz_ssk

「ドゥドゥー」常夜灯の明かりを受けた青い瞳が、灯りの炎の揺らめき合わせてゆらりゆらりと色を変える。「あとで俺の部屋に来てくれ」

2019-09-16 13:23:56
ささき @gz_ssk

「ッ…」ドゥドゥーはこくりと唾を飲み込んだ。その誘いの意味するところを理解したからだ。「…分かった。少し、待っていてくれ」先ほど紅茶で喉を潤したばかりだというのに、そこはもうすっかり乾いてしまっていた。

2019-09-16 13:29:13
ささき @gz_ssk

「ああ、待っている」そう告げるとディミトリは今度こそドゥドゥーにくるりと背を向けて自分の寝室へと歩を進めた。その背中を見届けたあと、ドゥドゥーも浴室へと向かった。少しばかり早足になってしまう自分を止められないのも無理のないことだと、ドゥドゥーは思った。

2019-09-16 13:31:55
ささき @gz_ssk

@R18_tweet コンコンと扉をノックする音がディミトリの寝室に響いた。「入れ」ディミトリが短く告げると扉がゆっくりと開く。「…失礼します」褐色の巨体が扉を開き、室内に踏み入り、後ろ手に扉を閉める。パタン、という音がことさら大きく響いたような気がした。

2019-09-16 14:34:00
ささき @gz_ssk

@R18_tweet 「…朝までそこに立っているつもりか?」寝室に踏み入ったはいいものの、そこから動こうとしないドゥドゥーにディミトリは苦笑した。「…いえ、そういうわけでは…」「早くこちらに来い」「は」ディミトリが招くとドゥドゥーはようやくその足を動かし始めた。

2019-09-16 14:39:29
ささき @gz_ssk

@R18_tweet 2人が肌を重ねるのはこれが初めてではない。王国の復興とフォドラの統一という大事業に勤しむ中、予定をこじ開けては体を重ねてきた。だからそこまで緊張することもないだろうと言いたかったが、それを言葉にすることは避けた。妙に気持ちが昂ぶっているのはディミトリも同じだったからだ。

2019-09-16 14:42:40
ささき @gz_ssk

@R18_tweet この非日常感に酔っているのだろう。ディミトリも、ドゥドゥーも。

2019-09-16 14:43:10
ささき @gz_ssk

@R18_tweet 簡素な寝間着に身を包んだ巨躯が寝台に腰を掛けるディミトリの前に立つ。「このままでは話しづらいな」見上げる首が少し痛かった。ディミトリは自身の左手でシーツをポンポンと叩く。その意図を察したドゥドゥーは大人しくそこに腰掛けた。

2019-09-16 14:48:08
ささき @gz_ssk

@R18_tweet 「まるで生娘の相手をしているようだな」すっかり固くなってしまったドゥドゥーにディミトリはそう笑った。「…陛下」少しむくれた様子で己を呼ぶドゥドゥーがなんだかおかしくて、ディミトリは少し笑った。が、それとは別に言わなければならないことがある。

2019-09-16 14:53:12
ささき @gz_ssk

@R18_tweet 「ドゥドゥー」「なんでしょうか」「それだ」敬語が戻っている。そう指摘すればドゥドゥーは少しだけしまったという顔をした。

2019-09-16 14:55:20
ささき @gz_ssk

@R18_tweet 「名前を呼んでくれ」陛下などという敬称ではなく、俺の名を。ディミトリはドゥドゥーの首に手を回し力を込めて引き寄せた。2人の顔がぐっと近付く。吐息が触れ合うほど、近く。「…ディミトリ」「ドゥドゥー…」

2019-09-16 14:59:56
ささき @gz_ssk

@R18_tweet どちらともなく吸い寄せられるように唇を重ねあった。初めは唇の輪郭を確かめるような浅い触れ合いを。しかしそれは次第に口内を探り合う深いものへと変わっていく。

2019-09-16 15:02:42
ささき @gz_ssk

@R18_tweet 深まる口付けの中、ドゥドゥーがそっとディミトリの肩を押した。その力に逆らわず、ディミトリはその身を寝台の上に横たえた。少し乱れた呼吸を整えながら、ディミトリは背を撫でるようにその手をドゥドゥーの身に這わせた。ぞくりとした快楽がドゥドゥーの背中を走り抜けた。

2019-09-16 15:09:06
ささき @gz_ssk

@R18_tweet 「…今夜は、添い寝だけとは言わないだろうな?」昨夜、主人の体を気遣って主人からの誘いをやんわりと断ったドゥドゥーを揶揄っての一言だった。ドゥドゥーは背筋に走る快楽を逃すようにハッとひとつ息を吐くと、ディミトリを見据えてこう言った。「今夜はもう、…おれが、止まれない」

2019-09-16 15:12:46
ささき @gz_ssk

@R18_tweet まあそんなわけでセッする。王城のディミトリの寝室はディミトリの私室ではあるが、そこが王の居室である以上 周囲に人が絶えることはないし、またいつ火急の用が飛び込んでくるかも分からない。まあ火急の用があれば知らせが来るのは王城でもこの邸宅でも変わらないが。

2019-09-16 15:21:16
ささき @gz_ssk

@R18_tweet それに休暇はまだ1日ある。明日も休みなのだ。明日の予定を気にせず、人目を恐れることもなく体を重ねる。それは2人にとって初めてと言って良い体験だった。

2019-09-16 15:24:57
ささき @gz_ssk

@R18_tweet で、ヒートアップするんですよそりゃ。今まで寝台が軋む音が周りに聞こえちゃいけないからってあまり激しく動くようなのはしてこなかったし、声も抑えてばかりだったし。それが不満だったわけじゃないけど(2人ともスローセッそれなりに好きそうだし)、でも燃えちゃうじゃないですか。

2019-09-16 15:30:46
ささき @gz_ssk

@R18_tweet ガツガツばちゅばちゅ鳴るような激しいセッをして、抑えることなく嬌声を聞かせ合う。いつもは明日の予定に響くからと多くても2度ほどしか行わないけど、それも今回だけは考えなくていいので際限なく求め合う。2人の熱く激しい夜はディミトリが気を失うまで続いた。

2019-09-16 15:37:05
ささき @gz_ssk

鳥の鳴き声と室内に射し込む朝日にディミトリは目を覚ました。ぼぅっとする頭で現状を確認する。昨晩それなりにドゥドゥーと色々やらかしたのだが、シーツは染みひとつない清潔なもので、ディミトリの体は綺麗に清められていた。

2019-09-16 15:55:54
ささき @gz_ssk

自分がそうした処理を行った記憶はないので(というかそもそもいつ終わったのかどのようにして終わったのかすら記憶にない。途中から記憶が途切れているのだ)、これは全てドゥドゥーが行ったものだろうとディミトリは判断した。が、そのドゥドゥーの姿が室内のどこにも見当たらない。

2019-09-16 15:59:02
ささき @gz_ssk

ドゥドゥー?そうその名を呼ぼうとして、それをできずにディミトリは激しく咳き込んだ。声が渇れている。紛糾する会議の果てにもここまで喉を痛めたことはない。いったい昨晩の自分はどれだけ喉を酷使したのか。

2019-09-16 16:01:38
ささき @gz_ssk

ベッドサイドを見やるとサイドテーブルの上に飲み水とコップが用意されていた。気の利く従者に感謝しつつ、ディミトリは気だるい体をなんとか動かして水を飲んだ。ハーブか何かが入れられているのだろう。爽やかな風味が痛んだ喉を優しく潤した。

2019-09-16 16:03:43
ささき @gz_ssk

ドゥドゥーはおそらく朝食の用意をしているのだろう。この寝室があるのは屋敷の2階で、厨房と食堂は1階にある。1階へ向かうべく、ディミトリは枕元に用意されていたガウンに袖を通し、寝台から立ち上がった。――立ち上がろうと、した。

2019-09-16 16:10:19
ささき @gz_ssk

「…は?」立ち上がろうとして寝台の横にへたりこんだ自分に対して、ディミトリは思わず間の抜けた声が出た。そんなバカな。今は机に向かうばかりの生活とはいえ、ほんの数年前までディミトリは戦場の最前線で槍を振るっていたのだ。――それが、たった一晩の行いでここまで腑抜けるものか?

2019-09-16 16:14:07
ささき @gz_ssk

「ディミトリ、目は覚め――」まずい。この姿を見られるのはおそらく色々とまずい。そう思ったディミトリだったが、どうすることもできぬうちに寝室の扉が開き、2人の目が合った。

2019-09-16 16:17:34
ささき @gz_ssk

「…ッ、陛下!?」顔を青くしたドゥドゥーが室内に駆け込んでくる。「どうなさったのです、陛下!」ディミトリの元に駆け寄ったドゥドゥーが、床に座り込んだ主人の身を支えるように抱いた。

2019-09-16 16:21:06
ささき @gz_ssk

「大丈夫だ。だから落ち着け、ドゥドゥー」「しかし…!」「大丈夫だと言っている。俺の言葉が信じられないのか?」ディミトリはドゥドゥーの目を見て一音一音を言い含めるように言い聞かせた。ドゥドゥーはその言葉に落ち着きを取り戻し、自らを戒めるようにひとつ大きなため息を吐いた。

2019-09-16 16:25:46
ささき @gz_ssk

「…大事は、ないのですね?」「ああ」朝一番で自分の状態を弁えずにいつも通りに動かそうとしたから体が言うことを聞かなかっただけで、落ち着いてみれば体はディミトリの思う通りに動いた。ゆっくりと立ち上がり、寝台に腰掛ける。その姿を見てドゥドゥーもようやく本当に落ち着きを取り戻した。

2019-09-16 16:28:57
ささき @gz_ssk

「…どうなさったのです、陛下」ドゥドゥーが様子を伺うように尋ねた。それは疑問の体を成してはいたが、答えぬことを許さぬ威圧感があった。ディミトリはどうすればドゥドゥーの導火線に火を点けることなくこの問答を切り抜けられるかを考えながら、慎重に言葉を選んだ。

2019-09-16 16:34:09
ささき @gz_ssk

が、特に良い案も浮かばない。ディミトリは端的に状況を伝えることにした。「少し腰が立たなかっただけだ」「…」「…」「…医者を呼びます。少々お待ちください」「待て、やめろドゥドゥー!」

2019-09-16 16:37:06
ささき @gz_ssk

「しかし、陛下」「大丈夫だと言っているだろう。この程度、医者を呼ぶようなものじゃない」ディミトリは無茶をすることには慣れているのだ。自分の体の許容範囲も把握している。限界がどこにあるかは分かっているのだ。そしてこれは、本当にディミトリにとっては軽く足を捻った程度のものだった。

2019-09-16 16:41:39
ささき @gz_ssk

「ドゥドゥー、頼む」それはもはや哀願だった。ここに人を呼べばディミトリとドゥドゥーの2人きりの休暇は終わってしまう。それを拒んでの願いだった。

2019-09-16 16:46:07
ささき @gz_ssk

ドゥドゥーは軽く息を飲むと、次に重いため息を吐き出した。ドゥドゥーはディミトリのためなら何だってする。しかし、ディミトリの頼みには弱かった。命令ではなく願い乞う。そこに込められた想いがドゥドゥーには分かってしまうからだ。

2019-09-16 16:49:06
ささき @gz_ssk

「…症状が酷くなるようでしたら、すぐにおっしゃってください」結局ドゥドゥーは白旗を上げた。ディミトリの顔がぱぁっと明るくなる。これに弱いのだ。

2019-09-16 16:51:43
ささき @gz_ssk

「いま、朝食をお持ちします。少しお待ちください」「分かった。ありがとう」ドゥドゥーは階下に用意した朝食を取りに1階へと降りた。

2019-09-16 16:55:27
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まとめたひと
ささき @gz_ssk

オムライスだいすき成人腐。