(※自分用のメモです。抜け漏れや余計なツイートがまじっているかも)
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matsunaga @zmzizm

制度的事実の虚構主義を理論的にがんばって擁護しようとすること(比喩や素朴な思いつきではなく)のモチベーションが本気でわからないんですが、われわれの生活の大半はフィクションだみたいなアクロバティックな帰結を導けてうれしいとか現実がつらいから存在を格下げしたいくらいしか思いつかない

2020-09-10 12:41:44
matsunaga @zmzizm

虚構主義以外だと制度をうまく説明できないみたいな主張ならわかるけど、そういうかたちの反応になることはあまりなく、たいてい虚構主義でもいけますよね(制度とフィクションは似てますよね)みたいなかんじなので動機が気になる。いけたからなんなのという

2020-09-10 12:46:18
matsunaga @zmzizm

歴史や科学をフィクションと言う場合などはある種の相対化のモチベーションがあるんだろうけど、それもフィクションと言わず構築と言えばいい話なので

2020-09-10 12:50:20
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm 昨日は質問に丁寧に答えて下さりありがとうございました。このあたり私の方でもいくつか話を混ぜてしまったのでよく分からないと思われたのはもっともなことで、少し補足できればと思っていたのですが、その前にせっかくご教示頂いた論文を読んでからの方がよいでしょうから、その後でまた書きますね。

2020-09-10 15:11:47
matsunaga @zmzizm

@kotani_eisuke こちらこそありがとうございます。またお話しさせていただけるとありがたいです(元ツイートは小谷さんのコメントについてのものというより、これまでいろいろな機会に聞いてきた考えについてのものなのであまりお気になさらず…)。将棋の話もお聞きしたいですね

2020-09-10 23:11:42
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm いえ、私自身は制度を虚構的なものとして解釈する文化(文学研究では優勢です)に馴染んでいて、それと十分に切り離さずに質問してしまったので、本当は別の観点をお聞きしたつもりだったにもかかわらず、単に制度の虚構主義をしつこく押し付けてしまっているように聞こえてしまったのだろうなと。

2020-09-11 09:38:46
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm そして、ご教示頂いた論文、読みました。松永さんのそれへのコメントも含めて色々考えるところはあるのですが、補足はTwitterで書くには長くなりそうですので、また参加させて頂いたときにでもお願いいたします。

2020-09-11 09:39:43
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

制度的事実を虚構としての側面から考えることって文学研究ではかなり優勢なので、あまり疑問を持たずに来たけど、分析美学の界隈では否定的な見解が優勢?ということを先日参加した研究会で知って、新鮮だった。

2020-09-14 14:32:51
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

「社会存在論」が有力なものという示唆がいくつかあったので、 twitter.com/deinotaton/sta… twitter.com/ryoueharaS2/st… 定番はこのあたりかな?と思ってサール『社会的世界の制作』をめくっている。これも普段読んでるものと全く考え方・論じ方のスタイルが違って面白い。

2020-09-14 14:34:30
難波優輝 @deinotaton

ぼくも制度的事実を虚構世界における事実と同じレベルで虚構的なものとするうれしさが分からん。「制度もフィクションだ!」的にフィクション概念をインフレさせても概念混じって話めんどくさくなるやん。制度的事実が人工的に構築されてますよ、でよくないか? ふつうに社会存在論やればいいのでは。 twitter.com/zmzizm/status/…

2020-09-10 20:01:54
植原亮 @ryoueharaS2

社会存在論やろうぜ! (私はしばらくやらない)

2020-09-10 22:02:48
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

サールは虚構については正面から考えないというイメージがあったけど、興味深いのは、サール『社会的世界の制作』を見ると、制度的事実を虚構と無関係のものとは位置付けていないように読めるということ。

2020-09-14 14:35:54
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

サールは、人間が制度的現実を創出するにあたって想像力が重要で不可欠(P60、190など)と述べているが、虚構を想像と同様のものと述べているくだりもあるし(P21)、想像力によって「ごっこ遊び」ができるようなことを「人間がもつ制度的事実の創出能力の起源」と述べている(P191)。

2020-09-14 14:38:41
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

すると、サールの社会存在論に依拠したとしても、制度的事実を虚構と明確に区別できるものと考えるべきということにはならなそうだけど、どうか。

2020-09-14 14:41:17
難波優輝 @deinotaton

新書だと倉田剛さんの『日常世界を哲学する存在論からのアプローチ』がおもしろいです。 amazon.co.jp/%E6%97%A5%E5%B… twitter.com/kotani_eisuke/…

2020-09-14 19:18:40
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@deinotaton ご教示ありがとうございます。いま、倉田さんのいくつかの論文や『現代存在論講義』を取り寄せて読んでいますが(倉田さんの文章は分かりやすいですね)、そちらも見てみます。

2020-09-14 19:40:35
matsunaga @zmzizm

この件少し考え直してるんですが、自分の立場は、形而上学的なレベルでの制度の本性を問題にしたいわけではなく、制度をフィクションと同種のものと考えることで実践レベルでなされている(少なくとも自分が重要だと思っている)区別を軽視する方向の議論に反対したいということなんだろうなと思えてき

2020-09-14 20:58:37
matsunaga @zmzizm

この立場は「理論的に考えると、その区別は根本的なレベルで(あるいは究極的なケースで)あやしくなる」という考えと両立するんですが、その立場を押し出す場合はその(実践において区別される)違いがどのような違いなのかを厚く記述する必要があるんだろうと思う

2020-09-14 21:05:12
matsunaga @zmzizm

それはともかくサールの社会存在論から虚構主義的な考えを引き出すのは難しいとは思う(想像力が制度的事実の創出に一枚かんでいると言ってるだけなので)。ウォルトン的なフィクション概念を採用すればいけるかもしれないが、これはかなり異常な理論的概念なのでそれを引き受けるコストのほうが問題

2020-09-14 21:15:35
matsunaga @zmzizm

『社会的世界の制作』では基本的に制度的事実の創出は「宣言による地位機能の成立」として定式化されるが(構成的規則による創出はその一部)、そこから出てくる問いを論じているところがいろいろ面白い(5章5節)

2020-09-14 21:20:11
matsunaga @zmzizm

とくに問題6は「制度的事実がただ信じられるかぎりで存在しているにすぎないとしたら、それについてどうやって(すでに知られている以上の)新しい知見を引き出すことができるのか」という問いで、たとえば誰も不況だと思ってなくても不況という事実は成り立ちうる(つまり発見できる)のはなぜか

2020-09-14 21:28:14
matsunaga @zmzizm

みたいな話だけど(これは一階の制度的事実とは別の「派生事実」として説明される)、こういう志向性独立的な事実は制度や社会については明らかに言えるが、フィクション作品の内容についてそれが言えるかどうかはかなり微妙ではという気がする(誰も知らない虚構的真理がありえるのどうか)

2020-09-14 21:28:14
植原亮 @ryoueharaS2

@kotani_eisuke 社会存在論はナンバさんもご示唆されている通り倉田さんの新書がよい導入だと思います。手前みそで恐縮ですが、制度的対象に関しては、反サール・反倉田的な方向の試みとして書いた下記の拙稿「制度的対象の特別視をやめる」があります。 researchmap.jp/ryouehara/publ…

2020-09-14 21:39:14
matsunaga @zmzizm

あと5章前半で制度的事実の創出のタイプが3つ挙げられていて、そのうち地位機能を持つ対象(抽象的な実体)を宣言と同時に作り出すタイプ(たとえば会社を作る場合)だと、制度的対象は虚構的対象のあり方に近いかもしれないが(対応する物理的実体がないという意味で)

2020-09-14 21:51:24
matsunaga @zmzizm

すでにある物理的な実体に対して宣言によって地位機能を付与するタイプだと、そこで作られる制度的対象(チェスのナイトやホームラン)は典型的な虚構的対象(ホームズ)のあり方とはだいぶ違うだろうと思う。そういうケースでの制度的対象は時空間的な位置を普通に持つので、現実的と言いたくなる

2020-09-14 21:51:24
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@ryoueharaS2 ご教示ありがとうございます。サールの意図主義に対してウォルトンの実践主義に利点を感じるのと同様に、サールや倉田さんの集団志向性説に対する植原さんの「ふるまい説」に利点を感じる部分がありますね。 この立場では狭義の虚構やごっこ遊びがどう説明されることになるのかも気になりました。

2020-09-14 22:17:34
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm ホームランだと物理的対象は常にあると思いますが(ビデオゲームの野球は野球そのものではない、という意味で)、チェスは抽象化され得る(物理的対象と切り離されたゲームメカニクスもチェスそのものだ、と松永さんの枠組みでは整理される)ので、そこにも微妙な違いがありませんか?

2020-09-14 22:36:05
matsunaga @zmzizm

@kotani_eisuke おっしゃる通りですね。サールも目隠しチェス(物理的な駒を使わない)を会社と同じタイプとして扱ってますね。ゲームメカニクスを抽象的なものとする主張(ご指摘の通りビデ美ではこの点をわりと強調しています)との整合性は、正直なところ自分でも整理できていません。もうちょっと考えます

2020-09-14 22:43:42
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm twitter.com/zmzizm/status/… はい。あと、この動機については少し気持ちは分かったような気がします。 一方、制度を虚構と考えることには、似ているという以上の動機があって、それがこれまで分析哲学的に十分記述されてこなかったのかなと思えてきました。 もう少し読んでからまとめてみたいと思います。

2020-09-14 22:54:15
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

twitter.com/deinotaton/sta… 教えて頂いた社会存在論の本を読んだら、意外なことに「虚構は存在する」派であった。「端的に存在する、しかも現実的に存在する」と念を入れた書きよう。 てっきり、「虚構は現実には存在しないので制度とは根本的に違うよ」という話かと思っていたので意外であった。

2020-09-15 00:11:05
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

虚構も現実に存在して、制度も現実に存在するとなると、そこを存在論的に分ける『ビデオゲームの美学』とはかなり違う立場なのですね。ただ、存在論的に分けないとしても(虚構は現実的に存在するという立場をとっても)、なお「制度は全く虚構ではない」という立場はあり得そう。そこが論点なのかな。

2020-09-15 00:15:37
matsunaga @zmzizm

@kotani_eisuke 倉田本で紹介されているのは主にトマソンだと思いますが、基本的には虚構外的な言説についての実在論のはずで、ビデ美の立場と相反するものではないと考えています。抽象的人工物のレベルではフィクショナルキャラクターは制度と同じであると言うことにはとくに反対しないです

2020-09-15 01:27:36
matsunaga @zmzizm

@kotani_eisuke 虚構外的言説というのは「このキャラクターはフラットだ」「このキャラクターのモデルは誰々だ」のように制作物としてのキャラクターの性質を記述するような文脈なんですが、ビデ美で問題にしているのは虚構内的言説(「ドラえもんは猫型ロボットだ」)や虚構構成的言説(作品のテキスト自体)です

2020-09-15 01:29:37
matsunaga @zmzizm

@kotani_eisuke このへんはビデ美6章2節でも多少の説明をしていますが、以下のサーベイで実在論 vs 反実在論の論点がきれいに整理されていると思います(虚構内的言説については実在論者もふり説を認めるはずという) onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.111…

2020-09-15 01:30:41
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm ありがとうございます。 「抽象的人工物のレベルではフィクショナルキャラクターは制度と同じであると言うことにはとくに反対しない」というのは少し意外でした。今ちょっと手元にないのでページ数が示せませんが、存在論的関係の図示を見ると、虚構だけ存在の仕方が違うという意味かなと思えたので。

2020-09-15 02:01:03
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm 倉田さんのトマソン紹介では、「キャラクターは、結婚や契約が何らかの言語行為によって創造されるのと同様の仕方で、あるいは貨幣が存在するものとして信じられることによって存在するのと同様の仕方で、創造され、存在する」という言い方になっているんですよね。同様の仕方で存在すると。

2020-09-15 02:02:19
matsunaga @zmzizm

@kotani_eisuke はい、倉田さんの書き方は悪い(本来はいろいろ限定があったうえで出てくる主張のはずなので、これだけ読むとミスリーディングになる)とは思いますが、内容的にはとくに反対しないですね

2020-09-15 02:07:48
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm なるほど、いろいろな限定を暗に踏まえて書くか、「内的言説のドメインとしての虚構世界を考える」ことを重視するかで、書き方の上では一見かなり違うような変化が出るけど、大枠ではともにトマソンに依拠していて共通した発想に立っている、ということですか。

2020-09-15 02:10:02
matsunaga @zmzizm

@kotani_eisuke はい。倉田さんは作品の内容にはあまり関心がないとは思いますが。「作品の部品(作品の内容ではなく)として考えるかぎりは、キャラクターは作品全体と同じ仕方で存在する」という言い方にすると倉田さんが言いたいことがわかりやすいかもしれません

2020-09-15 02:12:21
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm 倉田さんはキャラクターの話に限定する、と書いていたので、ではキャラクターに限定しなければどういう話になるのだろうというのも気になっていたところでした。 ここで松永さんが「作品全体と同じ」というのは、物語言説全体ですか?物語内容全体の意味ですか?

2020-09-15 02:15:34
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm すると、「作品の内容にはあまり関心がない」というのは、キャラクターと物語言説というレベルの違うものが一足飛びに(作品の内容をすっ飛ばして)同様なあり方だと結び付けられている、というあたりも含めてというわけですか。(質問ばかりですみません)

2020-09-15 02:19:46
matsunaga @zmzizm

@kotani_eisuke というより、そこでいう「キャラクター」が虚構内存在として考えられていないんですね。たとえば、その意味でのシャーロック・ホームズは、「人間である」「探偵である」「ベイカー街に住んでいる」のような述語が文字通りには帰属されないものとして考えられています

2020-09-15 02:25:53
matsunaga @zmzizm

@kotani_eisuke ある意味ですっ飛ばしだとは思いますが(外的言説上でキャラクターの性質を言おうとすれば、作品の内容をある程度は経由しないといけないはずなので)、ともかく存在のレベルとしては現実に存在する作品(抽象的なレベルで同定されるもの)と同じだという話だと思います

2020-09-15 02:29:51
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm ああ、「人工物説の五つのテーゼ」の「創造テーゼ」のあたりでそういう話が書かれていますね。人工物説の批判者にとって「もっとも受け入れがたい概念」だと倉田さんも書いてますが、改めて聞くと確かに奇妙な話に響きますね。

2020-09-15 02:31:40
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm すいません、話が戻るんですがもう一つだけ教えて下さい。「内的言説のドメインとしての虚構世界を考える」からあの図式になるというのは、トマソンの話ですよね。トマソンの内的言説や外的言説などの区別の枠組みは、制度の方には同様には当てはまらない、という違いがあるというお考えですか?

2020-09-15 02:37:37
matsunaga @zmzizm

@kotani_eisuke 難しいですね。制度外的/制度内的みたいな同様の区別は可能だと思いますが(たとえば「xすることは犯罪だ」は制度内的で、「どこどこの国だと、xすることが犯罪と見なされる」は制度外的)、そこで主語が指示する対象(例だと行為x)が存在する領域はどちらも同じであるように思います

2020-09-15 02:48:35
matsunaga @zmzizm

@kotani_eisuke ただ前のツイートでも触れましたが、それは時空間的な位置を持った物理的な実体(具体的な物や出来事)に制度的な地位が付与されるケースだからそう言えるのであって、そういう物理的な支えがないケースだと微妙になるかもしれません

2020-09-15 02:50:49
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm 目隠しチェスだと、かなりトマソンの枠組みを適用できる度合いが上がりそうですね。この辺、僕ももう少し考えてみたいところです。

2020-09-15 02:53:05
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm ともあれ、改めてご説明頂いたおかげで、私が違う立場になるポイントがどこなのかも整理できてきたように思います。ありがとうございます。 違う立場(制度の虚構主義)を取りたいモチベーション、またお伝えできればと思いますが、そのために今日よく分かったのは、

2020-09-15 02:55:25
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm (1)虚構が制度として存在している →特に否定しない (2)制度が一種の虚構である →この考え方は拒否したい ということなのですね。 最初は(1)も争点なのかなと思っていたんですが(2)だけが問題なのですね。それを踏まえて、せっかくなのでそこも少しまとめておきたいと思います。

2020-09-15 02:56:21
Kotani Eisuke @kotani_eisuke

@zmzizm 夜遅くまで初学者の質問にお付き合い下さってありがとうございました。

2020-09-15 02:57:37
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まとめたひと
murashit @murashit

インターネットを殺して俺も死ぬ