■こいつが、たった一人を定めて告白すればそれですべては終わるのだ、とそれだけは俺だって自分一人の胸にしまっておくさ。今それを知ることは、彼の来世の可能性を狭めるだろう。たった一人を定めて、告白し、受け入れられて、華々しく幸福な来世を誓うたった一つのエンディングを迎えれば、
2021-10-17 23:54:40そいつが彼の「運命の相手」だ。神にかわいがられたこいつの、来世での連れ合いを神が認め、守り定めるということだ。 ■俺はただ、その箱庭ができるだけ長く続くことを祈って鬼の首を刈ればいい。一体で一日、百体で百日だ。 ■でも俺にだって意識あるまま狩れる鬼とか、弱すぎじゃない?嘘過ぎない?
2021-10-17 23:54:41■まるでシューティングゲームの動かねえ的みたいだぞ、あの湧きっぷりと雑魚っぷり。雷の呼吸を使うまでもない。走りながら刀振り回してれば終わるみたいな。いいの?神様にとっては鬼ってそれくらい雑魚キャラにしか見えなかったの?すいませんね人間弱くて!討伐に千年かかっちゃって!
2021-10-17 23:54:41■うーん、形だけならば軟禁かも。不満以前に、そうしないとほとんど生活が成り立たないからだけど。 ■ああ、でもたんじろとスーパーに行くのとかはとても好きだ。今日の夕飯は、明日の朝食は、とやんややんや言いながら、優しい音が、際限なく守ってくれると錯覚する。
2021-10-18 00:48:39■たんじろうが己の運命を本当に見つけたら。 ■その時、善逸はまるで天命だったみたいにその鼓動をやわく止めるだろう。そっとその息をのんで、吐き出すことを止めるだろう。天命だったと、寿命だったのだと言わんばかりに、そっとそっと、優しい顔で死ぬだろう。 ■俺は、それを楽しみにしている。
2021-10-18 00:52:40■勤務中、眠たいな、とちょっとでも思ったときには、遠慮なくエナジードリンクをごくごくと飲んだ。死にたいのか、と言われると、そうだね、と頷いちゃう自分がちょっと危ういのはわかってる。エナジードリンクの殺傷能力舐めるんじゃないよ。 ■入念に歯磨きをして、たっぷり水を飲んで、
2021-10-18 02:30:57空き缶を家の外の自販機横に取り付けられたごみ入れにわざわざコン、と捨てておいても、帰ってきた途端にたんじろうは怒りに似た憤りの音を立てて善逸をねめつけた。いや、その嗅覚、ちょっと恥ずかしいな。俺の口臭どころか、胃の中の匂いや肌の匂いから察されてるのが、時々すごく羞恥を煽る。
2021-10-18 02:30:57どころか、「その匂い、俺は大嫌いだ」と言われる理由が、「強すぎて善逸のにおいに混じるのが不快」ってのが主だってのが、「あいされてるなぁ」以前に「やめろぉ!」と善逸の心の絶叫してしまいたい案件にぐっさりと刺さるのだ。
2021-10-18 02:30:58■「――朱塗りの、盃が、カラン、と落ちた音を聴いた気がした。ついさっきまで、親し気に話をしていたような、そんな顔で、その人は女性と死んでいた。心中したような姿だった。そんな関係でないと、空間に漂う匂いから察していてすら、そう思わされる姿だった」
2021-10-18 02:41:52■「ついにお義兄さんも結婚かあ」 ■「ついにそこまで押し切られたかあ、っていう感じだけどなあ。まあいいことだわ。あのまま放っといたら本気で爺ちゃんか道場と結婚してたぜあいつ」
2021-10-18 06:12:08■「…でも、籍入れるだけなんだって?披露宴とかしなくていいのかなあ。女の人は、そういうのあこがれる人も多いだろう」 ■「人それぞれだろう。善逸と俺だってしてないし…」 ■「いやそれは不可抗力だわ。仕方ないわそれ以前に俺が死ぬ気配がビンビンするし。俺は今で、十分満足で報われてるわい」
2021-10-18 06:15:29■だって写真館で披露宴の真似事みたいな写真は撮ったろ。竈門家と、桑島家双方の家族にも集まってもらって。ほんとに俺は、あれ以上の贅沢を知らんよ。
2021-10-18 06:23:31■マイクロ単位の筋肉の揺らぎすら敏感に感じ取ってしまう秘部に、がっちりと残りの手で掴まれ、寝台に押さえつけられている腰が、物足りなくもみっともなくもさらなる悦楽をねだって揺れた。そのわずかな感覚すら余すところなく拾って辛い。
2021-11-22 17:38:18■さっきまでぐちゃぐちゃに、つまんで、押して、潰して、掻き廻して。暴れる体を押さえつけ上がる甲高い悲鳴すら構わないでぐりぐり好き放題したくせに。いざ高みに昇り始めたとたんに微動だにしなくなるなんて。
2021-11-22 17:38:19■「う、ぅ、う…」 ■そのうえ、胸の先や他の肌にも気まぐれみたいにちゅうちゅう吸い付き、れ、と一舐めしてきやがるから、もう何が何だかわからない。
2021-11-22 17:38:19■ひ、ヒぃ、とはふはふ浅い呼吸に混じってあふれてしまう高くて裏返ったような細い悲鳴と、先ほどとは違う理由で跳ねて暴れたがる全身が、産毛まで逆立った皮膚に全神経を注いでいる。勝手に、意識だけが、昇りつめたくなっている。
2021-11-22 17:38:20■残酷なまでに遠慮のない、あとたった一押しを期待した脳が、勝手に閉じたがる目の涙腺を壊れさせた。 ■――仕置きだ。 ■甘い、甘い、仕置きという名の、獣の匂い付けだった。
2021-11-22 17:38:20■「ぜんいつ、」 ■「――――ッ!?、ゃ、ふあ、ァ、あああっ!」 ■でもだからって、予告もなしに耳元で囁いて噛みついてくるのは過剰だよなぁ!?
2021-11-22 17:50:32■ぐりぃっ、とまあるく捏ねるようなやり方で、その『一押し』をいっとう感じる部位に外と内から叩き込んできやがった好いた男に、駄目押しのようにそれをされたもんだから。
2021-11-22 17:50:33■もう俺は何も考えられずに、甘く蕩けた己の声と涎とだけを感じて、あふれる多幸に視界と脳とを白くぱちぱち弾けさせるしか道はなかった。
2021-11-22 17:50:33■雷の一閃が奔ったような、懐かしさすら覚える細やかな衝撃に、手足もろとも全身が跳ねる。 ■死んだね、もう。大事な俺の脳細胞がいくつかもろとも死んでるわこれ。
2021-11-22 17:54:06■爺ちゃんを、優しい人たちと同じ敷地に葬ってもらうことができて、俺はあらかた満足していた。 ■そうやって仲良くしてさ、来世ではご近所さんくらいにはなればいい。欲を言えば親戚とかどうだろう。それで、仲のいい家族に恵まれて生きればいいんだ。 ■――そう、思っていたはずだったのになあ。
2022-02-13 03:28:56■「お兄ちゃん」 ■兄は、痣者らしく生きて死んだ。 ■彼女の子が、拙くも神楽を通して舞えるようになった年の瀬であったろうか。 ■兄は英雄と呼ばれる一人であったから、本当は、産屋敷の持つ霊園の一番の場所に葬られることも許されるはずだったのだ。 ■兄は、それを選ばなかった。
2022-09-12 18:49:33■禰豆子は、竈門の墓でもなく、ささやかにかろうじて墓石だとわかる石だけを置いた土を、呆れたように、ねめつけるように、恨めしいように見つめた。 ■「――もう二度と、私を理由にはしないでね」 ■いや、確かに、恨んでいたのだろう。門出を、祝うように。
2022-09-12 18:49:34■同じ骨、同じ墓に葬ってくれと、その遺言を残した兄を、うらやましくも思ったのだ。 ■一つだけ、涙がこぼれたら止まらなくて。 ■口元に手をやった彼女は、確かに、祝いを述べるように、呻き、啼くように泣いた。 ――残響の話。
2022-09-12 18:52:08いつか花となる夢十夜 privatter.net/p/9556954 @hzy195より これもちまちまと足しては引き足しては引きしていきます。完成してから上げてください ハイ 現在たったの54字ぽっきり
2022-12-04 19:37:20いつか花となる夢十夜 privatter.net/p/9556954 @hzy195より キメツ炭善、とりあえず書きたいものだけを詰め込んで書きました。力量不足ゆえにあとは知らない… どう考えてもプライベッターでやるページ構成じゃなくなったので推敲したら支部に投げます
2022-12-17 12:24:23いつか花となる夢十夜 | 朴 #pixiv pixiv.net/novel/show.php… と言うわけで支部に投げました。こっちの方がたぶん読みやすいと思います
2022-12-17 13:46:27いつか花となる夢十夜 privatter.net/p/9556954 @hzy195より 珍しくべったーの方でも修正をかけました。いつもはノー修正ですがなんか…さみしいから…
2022-12-19 22:50:08いつか花となる夢十夜 | 朴 #pixiv pixiv.net/novel/show.php… 此方も貼ります。イベント開催日等に疎すぎてめちゃくちゃ紛らわしい時期に上げてしまった己が悪いんですがなんか…いろいろごめんなさいね…
2022-12-19 22:52:48