赤司Co.,の最終面接の結果がコレかよ!爆
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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「タクシー代もらえりゃいいんだけど…」というオレの主張はムシされ、葉山とエレベーターにぶち込まれた。クソッ…葉山が入ってきたせいで実渕に「なんて言うワケねぇだろ」を言い損ねた… これじゃオレただの良い人じゃねぇか。葉山は赤司んとこの新型ヘリの試乗?に来たらしい。超展開すぎだろ。

2015-05-01 01:20:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

2人きりになると、うるさく騒いでた葉山は急に静かになった。エレベーターは最上階からさらに上へとのぼる。 「…その手袋、左手だけどーしたの? 中二病?」 それはテメェの飼い主だろ。 「高価そうなチェスだったから傷を付けないようにしてただけさ」 「ふーん…」 割れた爪を握りしめた。

2015-05-01 01:25:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

屋上ヘリポートには既に一機待機していた。どーせコレもタックスシェルターなんだろ。運転手にお辞儀をする。 「お世話になります」 「校門まで送り届けるように言われてますので」 「校門?」 「あー。気にしないで花宮。その人それしか言わねーから」 このビルには精神病患者しかいねぇのか…!

2015-05-01 01:35:06

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

これは夢か? だとしたら誰の悪夢だ? 起こること全てに現実感がない。至れり尽くせりだ。大物を潰した後のヘリクルージング。東京湾一帯の煌びやかな夜景に、隣にはイイコちゃんのの絶望顔。葉山に話しかける。 「お前ももっと楽しめよ。乗りたかったんだろ?」 「…赤司、寝てたんじゃないよね」

2015-05-01 02:00:11
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「どうして?」 やっと気付いたか。 「野生のカンってやつかな…っ」 「へぇ? すごいな」 写メを撮りながら流す。窓に歪んだ葉山の表情が映る。 「質問に答えろよ…!」 赤司のグロ画像の隣に美しい夜景の写真が保存された。 「まぁ、まず眼ぇ覚ますことは一生ねぇだろーな。」 「ッ…!」

2015-05-01 02:05:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「赤司に何したんだよ…!」 「ふはっ、何かしてたらどうする気だよ?」 「殺ス。」 「ふは…?」 今にも血管ブチ切れそうだった葉山はすぅ…と無表情になりこっちへ近づいてきた。トイレの戸でも開けるような自然な動作で背後のドアを開ける。ゴオッと機内に吹き込んできた強風で我に返った。

2015-05-01 02:10:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ちょ…待っ…! か、か、考え直そうぜ、葉山! この高さから落ちたら!人は!死ぬ!から!」 「いーじゃん、死ねよ。赤司殺したんでしょ? お前も死ねよ」 「さっきのウソウソ! 寝てるだけに決まってんだろバカ!」 ヤベェ。マジで葉山はオレを上空400mからオレを東京湾に沈める気だ…!

2015-05-01 02:15:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

必死に抵抗するも、この春からピチピチ現役バスケ選手の筋力に敵うはずもなくニートの就活スーツは高度400mの外気に晒される。 「パイロットさん! 助けてくだ…助けろよ!!」 「そういうわけには…校門まで送り届けるように言われておりますので」 ダメだハナシにならねぇ! 「クソォオオ」

2015-05-01 02:20:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

落ち着け。考えろ。ケータイのデータはバックアップ取ってるし、さっきの赤司のレア画像もSDに移し替えてある。水ん中に落とされたことならある。泳ぎは得意だ。自由落下の公式がv~2=2gyで…上手いこと着水できれば助かる。…多分。 「赤司は、赤司はな…!」 葉山の足がオレの腹を蹴った。

2015-05-01 02:25:09

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「あ。」 全身が空中に投げ出される。 オレの質量が67kgだから残り11秒。内ポケットに入れていたSDカードを飲み込んだ。ケースに入れたし病院で体内から取り出せば中身は無事だろ。まず黒子に見せるだろ、そんでアイツらとの飲みネタにして、マスコミに売って金にするのも……海面が近づく。

2015-05-01 02:30:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

激痛と共に水面に叩き付けられた。神経の集中点をブッ刺したのもクソ痛かったが、今度は体がバラバラになりそうに痛ぇ。どのみち複雑骨折は必死。入院は免れない。つーか、泳ごうにも体が動かねぇ。落下の勢いで沈んでいくばかりで浮上する気配がない。耳(あるんだぜ)に水が入る。冷たい。ああ、

2015-05-01 02:35:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

どーりで未来のシナリオが見えねぇはずだわ。 オレの人生は、いつか誰かの報復によって幕を閉じると思っていたが、キセキの世代主将を潰した報復とはな。ふはっ、最終回はなかなか豪華ゲストじゃねぇか。

2015-05-01 02:45:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

あー… クソッ… 最後にパスした相手が木吉とか死にてぇ。 …って、そっか。 オレは死ぬのか。

2015-05-01 02:50:06

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

こんなオレでも死ぬ間際にバスケのこと考えたりす── 「…なみや! 花宮!」

2015-05-01 02:55:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

刺すように冷たい海の中で、温かい何かが触れ、肺に空気が送り込まれた。

2015-05-01 03:00:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ぶっは!」 水を飲み過ぎて上手く息ができない。苦しい。 「生きとるか!?」 なんだ、やっぱ夢か。だとしたら、どこからだ? 黒子と再会したところからか? いや、もっと前。もしかすると目が覚めたら、現実のオレは中学生かもしれない。 「今、吉…?」 「…命の恩人を呼び捨てかいな」

2015-05-01 03:05:02
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

@xxx 「なん、で…?」 ホンモノか…? 人間かと思ったが、やっぱ妖気的な何かで? 「そんなんこっちが聞きたいわ。何をどうしたらヘリから東京湾に飛び降りるシチュエーションになるん」 「その東京湾に…げほっ、アンタは…なんでいるんだよ」 「ええ妖怪は子供のピンチには助けにくるもんやろ?」

2022-12-25 10:40:13

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「意識あんならワシにしがみついてないで自分で泳ぎー」 海岸が見えてきた。助かった。あの波消しブロックの上に落ちてたら即死だったな。 「…っせーな。オレは生まれて初めて本気でガンバって、疲れてんだよっ…」 正直、今吉に捕まるどころか、全身の激痛で今にも意識が飛びそうだ。 「花宮、」

2015-05-01 03:20:12
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「よお頑張ったな」 温かい。 今吉の腕がオレの体を抱え直した。 「でも、もうええわ。もうええんや」

2015-05-01 03:25:06

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

力が抜けてく。視界が霞む。声が出ない。……また、言えなかった。 シャツの裾と一緒に────意識を手放した。

2015-05-01 03:30:10

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