赤司Co.,の最終面接の結果がコレかよ!爆
0
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「なあ、赤司。お前クソ忙しいんだって? カワイソーに。ヘンな家に生まれて、その脳でも捌けねぇ程の荷を常に負わされて。だがな、普通の枠組の中じゃムダにシナプス貰っても暇でヒマで仕方ねぇんだ。オレは有り余る悪意でそのヒマを埋めてきたが、それを失った今、」 今こそ使わなくてどうする…!

2015-04-30 21:05:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「“友を助けたい”くらいしか、やりたいことが見つかんねぇんだよ」 アイツに押し付けられた _人人人人人人人人人_ > セルフラフプレー < > 自己犠牲の精神  <  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄ ネクタイピンの針を、爪と肉の間へぶっ刺した。

2015-04-30 21:10:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

痛い。痛い。痛い。 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛

2015-04-30 21:15:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

痛い。 だが、動く。 意識ははっきりしている。 痛みで脳が冴え渡っていくのを感じる。 オレはまだ戦える。 爪の中を虫が這う。 蜘蛛のモチーフが不幸を吸って光った気がした。 「ふはっ、」

2015-04-30 21:20:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ふはははははははははは!!!! ふはははははははははは!!!! ふはははははははははははははは!!!! ふはっ…はははは…ふはははははははははははははは!!!!!! ふはははははははははは!!!! ははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!」

2015-04-30 21:25:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

痛い。 指一本程度でもこんなに痛い! だが、頭は働いてる。体も動く。 オレはまだ戦える。 立つことすらできないほどの痛み! 膝を抱え踞るほどの痛み! 尻尾を巻いて逃げるしかないほどの痛み! ああ…想像するだけで口の中に蜜の味が広がる。 甘い。 そうだ。人の不幸はこんなにも甘い!

2015-04-30 21:30:10

_

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ふはっ、ふはははははははは!!」 「…痛みで気でも狂れたか」 赤司は部屋に蜘蛛でも入ってきたみてぇな顔だ。 「よく言う“就活の中で成長した”ってヤツだよ! 今まで潰してきた奴らのこと、オレは何も解ってなかった。やっぱり何事も経験しねぇとな。オレは他人の痛みが分かる人間になれた」

2015-04-30 21:35:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

就活を通して潰してきた奴ら……ES破られたショックからカウンセリングに通う奴、OB訪問でオレの世話したばかりにスグ退職し引きこもった先輩、就活を苦に自殺未遂した挙げ句このたび留年が決定した相談相手にオレを選んだバカ。 そして、オレ達が選手生命を終わらせた全てのバスケプレイヤーよ…

2015-04-30 21:40:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

この悪童(オレ)に、ほんの少しずつだけ不幸を分けてくれ…! 「せっかく壊したガラクタ共を味わってやれてなくて勿体ねぇことしてたなぁ、って!」 「…下衆が」 赤司は顔面から蜘蛛の巣を被ったような顔をした。 「ふははっ、オレの悪どさなんて赤司サマには敵いませんよ」 「…何が言いたい」

2015-04-30 21:45:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「仲間を海外に高値で売り飛ばすなんて発想、良心が痛んでオレにはとてもできないなぁ」 その一言で赤司は色を失った。余命でも宣告されたみてぇにガクガク震え出す。 「あ、あ…/聞くな!」 耳を塞いで俯く赤司に近づき囁く。 「根武谷と葉山も日本でハク付けてから売る気か? アイツらじゃ…」

2015-04-30 21:50:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「違う…! あれは父さんから課された売上ノルマが…!/奥へ戻ってくれ…!」 「ふはっ、当たりかよ。こりゃケッサクだ」 「どうして…/マトモに聞くな!」 会話が噛み合ってない。喚いてんのは本来の赤司…? 「桃井の話を聞いてピンときた。お前が中学の仲間に会いたがらない理由」 待てよ、

2015-04-30 21:55:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

これって赤司征十郎を廃人(ガラクタ)にする絶好のチャンスじゃねぇか…? 「桃井は悪事を企ててんのは会社側だと言っていたが、オレにはそうは思えなかった。スキームが赤司(テメェ)のバスケを想起させる。考えたの、お前だろ?」 耳を覆う赤司の手を掴み外させた。 「お前はキセキの連中に、」

2015-04-30 22:00:15
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「会えないんじゃない。会わないんだ」 “花宮は今楽しい?” 聞こえるか、健太郎? …って、聞こえるワケねぇか。お前にも聞かせてやりたいぜ。かつてイイコちゃんだった奴の心がひしゃげる音。楽しいかって? 楽しいね! 最高の気分だ…!! オレは今、キセキの世代主将を潰している…!!

2015-04-30 22:05:01
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…仕方がなかった。一昨年度は他事業の資金不足で、青峰と黄瀬がプロ入りした年以上の成果を求められた。経営なんて書籍の上でしか知らなかった当時のオレには、大金になりそうなものなど十年に一人の才能をもつ仲間くらいしか思いつかなかった。2人も同意し…」 「だが、緑間真太郎はどうかな?」

2015-04-30 22:10:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

赤司の肩がビクリと跳ねる。 「宮地から聞いたぜ。高尾もココに来たってことは、次は緑間なんだろ? お前は租税回避商品(タックスシェルター)兼、最後の資金調達源として、一番コントロールしやすい緑間を日本に残している、違うか?」 焦点の合っていない右眼から液体が流れた。 もう一押し。

2015-04-30 22:31:31

_

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…オレはキセキの世代である前に赤司家の後継者。友を駒として見てしまった今、もう仲間には戻れない。会わせる顔がないんだ」 もう一押しだ。あとは、 “でも花宮さん” アイツを裏切れるか…! “もうボクのこと結構好きでしょう…?” …クソッ。 「会わないんじゃない。会えないんだ」

2015-04-30 22:20:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

“努力を裏切り、友情を切り離したボクにも、まだ勝利を渡すことくらいはできます” 努力を踏みにじり、友情をあざ笑い、勝利を軽んじた先にこそ、オレの生き方がある。たとえ、それが… “キミも一度、勝ってみたくはないですか…?” 自分のモノのであっても…!

2015-04-30 22:15:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「もう一つ教えてやるよ」 左手を握りしめる。爪が砕けピンが音を立てて床に落ちた。血まみれの針を拾いネクタイに刺す。 「黒子がなぜオレを送り込んだか」 オレは何者にもならない。悪童・花宮真であり続けてやる。 世界を救う? 友を助ける? そんな理由で オレの悪道のジャマをするな…!

2015-04-30 22:30:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

“僕が消えれば本来の僕が戻るわけではない” “今の摩耗した兄さんではとても浮上できない” 無理やり出てきた反動か、本来の人格が意識を支配してから赤司は右半身しか動いていない。主人格がぶっ壊れたらどーなんだ? 昏睡状態? マジで第三の人格が生まれたり? 「復讐だよ」 早く見たい。

2015-04-30 22:35:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「オレが救世主にでも見えたかよ? オレはお前を潰しにきたんだ」 黒子、お前とくだらねぇ言い合いした毎日、悪くなかったわ。だが悪いな。バカは悪人を信じたお前だ。 「何故って顔だな? その眼は節穴か。胸に手ぇ当てて思い出してみろよ。6年半前、お前らがアイツのオトモダチに何をしたのか」

2015-04-30 22:40:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

右眼から赤い液体が溢れたかと思えば、赤司はピクリとも動かなくなった。もう血を濾過する力さえ残ってないってか? この世のモノとは思えねぇグロさに笑える。なにこれ面白ぇ。 俯く人形の前髪を掴み上を向かせる。 「ふはっ、もう死んじゃった?」 数度揺するとぎょろりと左眼が動き目が合った。

2015-04-30 22:45:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「おっ、生きてた!」 「貴様…!」 赤司の左手に胸ぐらを掴まれる。主人格の抑制から解放されて副人格が出て来たのか? まぁ、どうでもいい。 「話長くなっちまったけどチェスの続きやろーぜ」 これでまだ楽しめる。 「もっとも、お前が半分の棋譜を覚えてたらな。記憶共有してないんだっけ?」

2015-04-30 22:50:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…勝つために僕の人格ごと破壊してくるとは… だが、“僕”に情はない。僕は負けない限り壊れない」 赤司が左眼を見開き凄んだ。虚ろな右眼は決壊したように血涙を流し続けている。 「勘違いすんなよ、オレは別に勝ちたくてやったわけじゃない。テメェが壊れてく様がケッサク過ぎてな!」

2015-04-30 22:55:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「右半身はガラクタ、左半身は必死こいてるときたもんだ。傑作通り越して。神品だぜ。ふははっ、」 オレが携帯のカメラを構えると、赤司が阻止しようと手を伸ばした。立ち上がろうとするも、いよいよ半身が動かないのか右膝から椅子の前に崩れ落ちる。 「どーだ? 膝をつく側の気分は」 カシャッ。

2015-04-30 23:00:22
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「酒の肴にでもさせてもらうぜ。あ〜、動画で撮っときゃ良かった。今のもっかいやってよ? 5年前のWCと一緒に亀司フォルダに入れとくからさ!」 歯軋りしながら無理やり立ち上がる姿を録画。心因性半身麻痺か…外から攻撃して壊すのも良いが中からってのも悪くねぇ。新たな扉を開いた気がする。

2015-04-30 23:05:08

_

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…h4」 「はいっ、ザンネン。反則。そこはお前のクイーンがいるんでした。どの盤と間違えた?(ニヨニヨ」 「…黙れ」 「いいのか、このままデタラメに指せばテメェは反則負けだぜ?」 「黙れ」 赤司の左手が狂ったように(とっくに狂ってるが)髪を掻きむしった。 「声が…聞こえない…!」

2015-04-30 23:10:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

バァカ、んなことしても出てくるワケねぇだろ。 「77局目、Qをg4へ。チェック」 これで30白星。生きてるうちにカタつけときゃ良かったものを。横綱相撲だか何だか知らねぇけど、じわじわ攻めるクセが仇になったな。このまま敗北で赤司の精神を壊してもいーけど、残り20局も指すのダリーわ。

2015-04-30 23:15:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「征ちゃん、花宮ちゃん。いつまでやってるのー?」 部屋の外からノックと共に実渕の声がした。俯いてブツブツ呟いてた赤司がビクリと反応する。そーだ、イイこと思いついた。 「なぁ、赤司」 「2人とも返事くらいしてよね、もう〜」 「バスケ以外でも入れるのか? 極限の集中状態ってヤツ」

2015-04-30 23:20:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「その口で発音したんだ。今までの手、ガンバれば思い出せるかもしれないぜ?」 「おなか空いたでしょう?」 「ネクタイピンを見逃しオレが覚醒するキッカケを生んだのは実渕だ。そこにいるアイツを見限り憎めばいい」 「晩ご飯、買ってきましょうか?」 「本当にお前に心が無いのならな」

2015-04-30 23:25:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「征ちゃん、」 実渕が何度もドアを叩く。 「征ちゃん?」 赤司は返事をしない。 「全てを、玲央のせいにしろと言うのか…?」 「ただの提案だ」 上手くいけば左側も潰せる、な。 「アタシちょっと行ってくるわね」 パタパタと足音がして実渕の気配が消えた。 「…結論から言えば可能だろう」

2015-04-30 23:30:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「守ってくれる兄はもういない。今度こそ僕は敗北の瞬間を迎えれば消滅するだろう。以前の僕なら言われるまでもなくそうしていたと思う。…だが、どうしてかな。今は仲間に嫌われるのが怖いんだ。自分が消えることよりも」 赤司の両の眼から透明な涙が零れた。ああ、オレは赤司を潰…いや、殺すのか。

2015-04-30 23:35:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

ヒーローとは程遠い、大悪党だ。きっとオレは死ぬほどアイツに嫌われるだろう。 「次、クイーンをf2」 「意外だな、花宮真」 「何が」 「僕はもう僕が指した手を覚えていない。全て“禁じ手”と言ってしまえば50局お前の勝ちだ。なのに何故律儀に指す」 「…悪党にもイロイロ美学があんだよ」

2015-04-30 23:40:09
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「そうか。なら僕も」 赤司は微笑み、テーブルの上の百番目の盤を動かした。 「皆に視えるところでは絶対に負けたくないな。チェックだ」 pic.twitter.com/mT7XNG9Adu

2015-04-30 23:45:07
拡大
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

天国にほど近い地上70階はさながら地獄絵図だ。ハンカチで人形(ガラクタ)の涙を拭いてやり、眼を閉じさせた。 「眠れ、開闢の帝王よ」

2015-05-01 00:00:10
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…なんて言うわけねぇだろ、バァカ」 久々の心地良い罪悪感。隣のテーブルから硝子の灰皿を拝借し、煙草に火を点けた。かつて赤司だったモノを一服の肴に、有害な煙を胸いっぱいに吸い込む。美味い。 さぁて、これからどーすっかな。まあ、何とかなんだろ。未来は悪夢と絶望に満ちあふれている。

2015-05-01 00:05:07

_

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ただいま〜」 外から実渕の間の抜けた声がした。煙草をもみ消しドアを開ける。 「コンビニ弁当でいいかしら? こんな時間だからどこもやってなくて」 「外出るときはズボンなんだ。笑」 「アレは五将のよしみでサービスよ♡ 普段は普通のスーツに決まってるでしょ」 なぜオレが喜ぶと思った。

2015-05-01 00:20:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…あら、征ちゃんったら寝ちゃったの? このところ頑張ってたから、お疲れみたいね」 赤司の(ほぼ)死体に上着を掛ける実渕に吹き出しそうになるがガマンだ。 「試合はどうだったの? ずいぶん白熱してたみたいだけど」 「集中してたから返事できなくて悪かったよ。実渕さんはチェスわかる?」

2015-05-01 00:25:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

テーブルの上のチェス盤を指した。 「将棋なら少し征ちゃんに習ったわ」 「そうそう、将棋指しならではの手だった。ばっさり駒を捨てていくから驚いたよ。ココでビショップを捨て、さらにナイトも捨てるんだ」 駒を動かし実渕に解説してやる。 「すごいわ…! やっぱり征ちゃんは強いわね」

2015-05-01 00:30:08
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「あら? じゃあ、時間がかかった割に対局自体は意外と短かったのね」 「…勝負そっちのけで話し込んじゃってさ」 「何の話してたの?」 「実渕さんのハナシ」 「えっ、アタシの?」 「うん。赤司クン、実渕さんが大好きだって言ってたよ」 「ウソよ〜! からかってるでしょ?」 「本当だよ」

2015-05-01 00:35:03

_

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

赤司の器&実渕と穏やかにコンビニ弁当を食っていると、応接室に懐かしい顔が入ってきた。 「レオ姉〜赤司〜、オレ待ちくたびれちゃったよ〜 今夜、時間あるんじゃなかったのかよ〜」 葉山だ。 「しぃーっ。征ちゃん寝てるんだから」 「(ほぼ死んでるけどな)」 「……ほんとだ。めっずらし」」

2015-05-01 01:00:13
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「つーか、花宮じゃん! ちょー久しぶり! なんでいんの!?」 ド深夜だってのににテンション高ぇな。(…さっきまでのオレも人のことは言えねぇか) 「花宮もヘリ乗せてもらいに来たの??」 ヘ、リ…? 「そーね! もう電車も無いし花宮ちゃんも乗せてもらったらいいじゃない」 「ハァ?」

2015-05-01 01:05:04