Amargo
@Marijo_ojiraM
その主なものは、依然として女性に対するジェンダー暴力ですが、 violencia de género contra mujeres ですが、この憎悪メッセージの件のように、LGBTQ+差別に拡大し、そして後で見るように、いつの間にこちらのほうにシフトしていく傾向さえ見せています。
2023-04-15 19:56:34
Amargo
@Marijo_ojiraM
そうした背景を持って発足したUNAM FFyL のCTAは2020年の第1回選挙の後、昨年3月から4月に2022年の第2期目の委員の選挙を行ないます。CTAの性格は、その選挙を見るとよく分かるでしょう。CTAのサブドメインに選挙規則がPDFで置いてあります。 pic.twitter.com/FanLiSIhUo
2023-04-15 19:58:53
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Amargo
@Marijo_ojiraM
学生委員になれる要件が第4条に列挙してありますが、まず前提となる第1要件が、女性あるいは性・ジェンダー不同意者 mujer o disidencia sexogenérica であることです(ちなみに教員、職員の場合女性)。 pic.twitter.com/iJJNxjC4Yj
2023-04-15 20:00:19
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Amargo
@Marijo_ojiraM
今、仮に性・ジェンダー不同意者と訳した、 disidencia sexogenérica いうのは、けっこうやっかいな用語です。最近の研究での解説を見てもOrtuño(2016)、Salvatore (2021) 使われ方は広く、規範的なジェンダー・セックスの一致に同意しない人を指します。
2023-04-15 20:01:55
Amargo
@Marijo_ojiraM
一般的にはLGBTQ+、クィア、non-cisなどの概念とだいたいかぶり、ラテンアメリカ諸国のスペイン語では、その代りにこちらが一般的に用いられています。自発的逸脱、異議申し立てなどのニュアンスがこもっています。あまりに多用されるので、最近ではdisidencia というだけで、その意味だったりします。
2023-04-15 20:02:38
Amargo
@Marijo_ojiraM
不同意者というのは私が今作った訳語ですが、それを押し付けるのも何なので、この先、「(性・ジェンダー)ディシデンシア」を用いることにします。
2023-04-15 20:03:02
Amargo
@Marijo_ojiraM
さて、学生側の委員になれる人=立候補できる人は、女性およびディシデンシア。 これを確認したところで、投票権のある者の定義を見ておきます。学籍要件とか失格要件(性犯罪履歴のない人)とか、いろありますが、
2023-04-15 20:06:01
Amargo
@Marijo_ojiraM
有権者リストの基盤はすべての学生として、その上で、第9条に、「ただし、女性および性=ジェンダー・ディシデンシアのみが投票するよう強く要請する (Sin embargo, exhortamos a que únicamente voten MUJERES y DISIDENCIAS SEXOGENÉRICAS)」と、大文字も使って強調しています。
2023-04-15 20:06:28
Amargo
@Marijo_ojiraM
2022年3・4月に行われたCTAの学生委員の選挙はどうなったでしょう。3月14日告示、4月8日投票、4月20日結果公示のスケジュールで、Tripartita ツイッターアカウント CTripartitaで4月20日に8人の立候補者の得票結果が書き込まれています。 pic.twitter.com/Hm0ySVO6k3
2023-04-15 20:08:29
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Amargo
@Marijo_ojiraM
(もともと全世界に向けて公表されているので、さしさわりはないのでしょうが、いちおう私のほうで個人名は網掛けにしておきました)。
2023-04-15 20:08:44
Amargo
@Marijo_ojiraM
これに対し、有権者総数10,422。ただし、女性とディシデンシアのみが投票せよと呼びかけていますから、たぶん6千足らずの潜在的投票可能数から0.4％ほどの得票、全学生の0.2％の支持で委員となっていることになります。最初数字を見たとき驚きました。
2023-04-15 20:09:34
Amargo
@Marijo_ojiraM
CTAの教員側3人(＋補欠1)、学生3人(+補欠1)、事務職員2人の委員の名簿はCTAのサブサイトに載っています。候補者の所信表明はすべて、ネットで公開されています。学生委員のうち1人はディシデンシアを表明しています。
2023-04-15 20:10:00
Amargo
@Marijo_ojiraM
2020年の選挙で学生委員は定員5人でした。これが、2022年には、選挙の告示時から3人になり、立候補者に要求されるプロフィールとして、ディシデンシアの問題に対する関心が強調されています。何かの動きがあったのだろうと想像に難くないですが、これについての探求はここまで。
2023-04-15 20:10:43
Amargo
@Marijo_ojiraM
2020年の選挙は、一位の得票数が149、5位最低当選で116だったことを見ると、それと比べると2022年ではだいたいその四分の一の得票で、選ばれるようになったということです。
2023-04-15 20:11:22
Amargo
@Marijo_ojiraM
Comisión Tripartita Autónoma を「三者自治委員会」とそのまま訳しただけでは、大学の運営全般についての委員会と誤解する恐れがありますが、役割はジェンダー暴力・差別について勧告を行なう特別委員会です。意を尽した訳をすれば、「ジェンダーハラスメント三者自治委員会」でしょうか。
2023-04-15 20:11:57
Amargo
@Marijo_ojiraM
そして、 - 委員の資格は女性のみ、学生側では女性に加え性的少数者。 - 投票も実質的には後者のみに限ると要請されていて、 - 2022年度は、本来の学生有権者1万人余の中から、0.3％にあたる30票程度で委員となれる。 - その中で、LGBT問題に活動領域がシフトしている。
2023-04-15 20:12:30
Amargo
@Marijo_ojiraM
2022年、8月26日のCTAの声明のあたりまで、時計の針を戻し、その落書き問題が何だったのか、そしてそれに対する学生委員のツイッターアカウント Tripafritaの動きを見てみましょう。
2023-04-15 23:21:10
Amargo
@Marijo_ojiraM
8月26日のCTAの声明をもう一度確認しておきましょう。 twitter.com/Marijo_ojiraM/…
2023-04-15 23:22:51
Amargo
@Marijo_ojiraM
最も公式のレベルでは、Comisión Tripartita Autónoma FFyL (以下CTA。 組織の説明は後述)のこのツイートから始まります。タイムスタンプ、2022年8月26日 15:33。(定期: 時間はてメキシコ中央時UTC-6)。声明文が画像で添えられいます。話の起点として重要なので、ひとおり見ておきましょう。 pic.twitter.com/27pPBGLIfQ
2023-04-15 14:04:51
Amargo
@Marijo_ojiraM
そもそも憎悪メッセージとは何だったか。 8月26日の声明をに先立つもの、その直接のきっかけになったであろうものとしてツイッター 上では次のものが見つかります。
2023-04-15 23:23:43
Amargo
@Marijo_ojiraM
8月25日、19:57 こんなヘイトメッセージが、教室とトイレに放置されているのは、大学かとしていかがなものか、というツイートともに4枚の写真が添えられています。 pic.twitter.com/qISZgdzi1d
2023-04-16 02:42:41
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Amargo
@Marijo_ojiraM
1枚めはトイレのもの(後のTripafrita のツイートで女子トイレと明言されます)で、たぶん女性が書いたもの、女性の身体性を確認するものです。目立つものを選んで訳せば - 女性の物質性(materialidad)は、あなたが自分でアイデンティファイできるものではない。 - オートガイネフィル
2023-04-16 02:43:58
Amargo
@Marijo_ojiraM
- 女性にはペニスはない。 - ヴァルヴァを持つものだけが女性だ。 - ペニスはペニス、クリトリスはクリトリス、論理ない比較は私たちを抹消する。 - ペニスを持つ女はいない、ヴァルヴァを持つものだけが女だ。 左下の 壁の上のほうにあるのが - レズビアンにはペニスはない
2023-04-16 02:46:32
Amargo
@Marijo_ojiraM
右上の、レズビアンの運動のシンボルにも用いられるラブリュス(後述)と一緒に書かれたのが - 私はレズビアン、あなたもなれる。性的指向性というのは存在しない。私たちはそのように生まれたのではない。レズビアンであることを、政治的実践、家父長制的抵抗として選びとったのだ。
2023-04-16 02:47:33
Amargo
@Marijo_ojiraM
この落書きが、前述のようにトランスへの憎悪メッセージとして問題化することになります。 右上のものと、右下の右側のものは、どちらかというと普通の女性に向けてのレズビアンからの激烈なメッセージに見えますが、トランスの人たちにも何かの癇にいたく触ったようです。
2023-04-16 02:51:01
Amargo
@Marijo_ojiraM
リプで、これに対し、非難声明が大学の技術評議会から翌26日に出されていたことが分かります(後述)。 QTは、批判するもの、茶化すもの、当然のメッセージとして支持する女性からのもの入り乱れていて、反撃として女性に宛てられた憎悪メッセージを写真で引用するものもいます。
2023-04-16 02:54:59
Amargo
@Marijo_ojiraM
もう一つ、後々までトランヘイトのメッセージの証拠として引用されるのが、8月25日、22:13のこのツイート。ヘイトメッセージが多いのでこうやって消して書き換えなければならないという文を添え紹介されています。元のメッセージはほとんど分からず、唯一右上のものが一部読めそうです。 pic.twitter.com/YhsXTYBGQO
2023-04-16 03:02:13
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Amargo
@Marijo_ojiraM
実は一番拡散されたこれより早いものとして、このツイートがあり、こちらは写真が切れていません。同日19:42。 ここで、全文読めるメッセージ は、“Todos los hombres son misoginos y agresores, no hay exepciones.” は、「男はみんなミソジニスト、攻撃者(侵略者)。例外はない」。 pic.twitter.com/fhMBGjHS0k
2023-04-16 03:06:00
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Amargo
@Marijo_ojiraM
トランス活動に反対する女性の一人からは、”これは、男全般を問題にしていて。もう一つのも女性同士の愛についてのツイート。トランスヘイトは一切ないのに”と異議が唱えられます。が、切り取られたほうので、すでに、「トランスヘイトメッセージ」が規定事実としてどんどん話が進んで行っていました。
2023-04-16 03:10:34
Amargo
@Marijo_ojiraM
トランスヘイトのメッセージとは何か考えるとき、多くの日本人はふつう男から言われる「オxマ、xネ、 xモイ」みたいなもの、仲間はずれのイジメをすぐに思い浮かべるかもしれませんが、欧米でこういう話のとき一番、当事者を憤激させるのが、
2023-04-16 03:11:08
Amargo
@Marijo_ojiraM
「女にはペニスがない」、特にレズビアンからの「ペニスがあるのはレズビアンじゃない」みたいなもののように見受けられます。
2023-04-16 03:11:26
Amargo
@Marijo_ojiraM
ペニスを持ちながら、自分を女性と認識する人に対し、これは存在の全否定、死の宣告に等しいもの、特に、レズビアンからのそれはコミュニティからの排除として、最も罪深い暴力的憎悪言説と受けとられるようです。
2023-04-16 03:11:55
Amargo
@Marijo_ojiraM
最初のツイートの写真のものはまさにそれでした。それが、女性トイレにあったということは、そこにいる自分に強い恐怖を引き起こすという話になります。twitter.com/Marijo_ojiraM/…
2023-04-16 03:15:41
Amargo
@Marijo_ojiraM
たぶん男性からのものよりも怒りを生むようで、これらの落書きに対する激しい反応はそこから来ています。一方の女性側、レズビアン側にもちろん言い分はあるでしょうが、ここではとりあえず、深入りしません。
2023-04-16 03:16:27
Amargo
@Marijo_ojiraM
以上の2つのツイート、それに関連するツイートが、この件で直接最もとりざたされ、トランスヘイトとされた、8月26日以前の問題の落書きです。
2023-04-16 03:18:17
Amargo
@Marijo_ojiraM
写真はないですが、その存在をその8月24日に示唆するこの書き込みはあります。また、文脈上興味深いです。 一番下の文が「その[UNAMの]トイレには非人間化するトランスフォビックな落書きペイント(pintas)がある」で、メッセージの1行目にジュディス・バトラーの名が出てきます。 pic.twitter.com/pRpZpHAXAB
2023-04-16 03:22:30
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Amargo
@Marijo_ojiraM
1行目は、「ジュディス・バトラーの名誉博士では十分ではない。UNAMは巨大なトランスフォビアの問題を抱えている。」で、この26日のバトラーの名誉博士号授与(24日に決定の報)についてのニュースは既に紹介しました。
2023-04-16 03:23:33
Amargo
@Marijo_ojiraM
この24日の、バトラーの名誉博士とトイレのUNAMのトランフォビアについてのついてのツイートのスレッドに、この2つを結びつける解説が、質問に答える形で投稿者から成されています。 pic.twitter.com/6YvqCil6Su
2023-04-16 03:24:44
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Amargo
@Marijo_ojiraM
「意味が分からないんだけど、この名誉博士号は、トランフォビアを根絶する助けになるの?」—「なると思う。UNAMの中にはトランスを攻撃しようとするときバトラーを攻撃する人たちがいるから、名誉博士号は、それに対するプレッシャーになる」
2023-04-16 03:25:08
Amargo
@Marijo_ojiraM
このスレッドにはまた、大学のブックフェアで男性性(masculinidad)についてのシンポジウムがキャンセルになったという8月25日の報を、トランフォビアのイベント中止と歓迎する書き込みもあり、男性性批判ととトランフォビアを結びつける理解も興味深いですが、横道に逸れるすぎるので元に戻ります。
2023-04-16 03:26:10
Amargo
@Marijo_ojiraM
これまで分かったことのこの数日の流れを整理すると、 - 8月24日: (トランス)フェミニズムのシンポ、バトラー名誉博士号の第一報、落書きペイントについての第一報。 - 25日:男性性のシンポキャンセル 。落書き発見の写真ツイート。
2023-04-16 03:28:11
Amargo
@Marijo_ojiraM
- 26日: 大学CTA(および技術評議会)によるトランスフォビックメッセージ断罪と安全スペース設置への言及。学生委員による中立トイレ設置の交渉開始の言明。
2023-04-16 03:30:00
Amargo
@Marijo_ojiraM
このFFyLの落書き問題は、この日前後のある種の対立の熱の中で起きました。また、その背景には、そして8月初旬からの化学部の中立トイレ設置によって高まる期待があったと推測できます。
2023-04-16 03:30:38
Amargo
@Marijo_ojiraM
ここからはしばらく、以上の流れを踏まえた上で、学生委員Tripafritaのアカウントでの発言(だけ)を追っていきます。しばらくこのアカウントのツイートを導きの糸としましょう。26日に中立トイレ設置の話がそこから出されたことはすでに見ました。
2023-04-16 03:31:34
Amargo
@Marijo_ojiraM
8月25日、Tripafritaは5月16日以来のツイート休止を破ってツイートを開始します。第一声は、以下にそのまま訳しますがタイムスタンプ22:21です(定期: メキシコ中央時UTC-6 ) pic.twitter.com/pZ7Im9LOUh
2023-04-16 03:34:14
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Amargo
@Marijo_ojiraM
「はーい、みんな。生活環境のせいで少し活動を休止していましたが、投稿を増やすつもりです。エキサイティングなことがやってきます(Vienen cosas emocionantes)。私たちを知ってほしいので、自己紹介をしていきます 🤠🤠」
2023-04-16 03:35:17