とある小説家くずれのライターと、謎の事情でその小説家に引き取られた彼ら兄妹の日常とその断絶。
朴
@hzy195
――本来、このように顔をしかめて珈琲を飲んでいない素の顔立ちは、桜のような特徴的な形の眉や、まろやかな頬のカーブが愛嬌として乗る、むしろはかなげで端正なものだと感じられる。
2023-09-15 04:08:44
朴
@hzy195
「眉間、皴になりますよ」 「うん? ――そりゃあ、皴にもなるでしょ。俺も昔よりは生きれそうだし、お前が十五になったんだから、俺だって年を取るわな」
2023-09-15 04:09:03
朴
@hzy195
文を出した。 何度も。何度も。何度も何度も何度も何度も。日頃から定期的な文のやり取りはあったが、その中に、何度も同じ問いを塗りこめる。 産屋敷に。蝶屋敷に。解散してなお呼吸使いの隊士の動向を把握するべき産屋敷はもちろん、蝶屋敷も、ほぼすべての隊士が世話になり心の支柱として
2023-09-15 04:46:00
朴
@hzy195
身を預けた場所だ。現在も医院として続いているので、元鬼殺隊士もふらっと寄り付きやすく、情報は集まりやすかった。 「回答デキズ。――タダシ、スデニ落命シテイルトノコト」 ようやっとやってきた烏の回答は簡潔だった。 次に、俺はその死にざまを尋ねた。 「回答デキズ」
2023-09-15 04:46:26
朴
@hzy195
烏はそれ以上のことを言わなかったが、納得できず、やはり何度も何度も尋ねてしまう。 しばらくして、一匹の鎹雀が義勇さんと村田さんに伴われて雲取山にやってきた。 うこぎ――チュン太郎だ。 「翼が傷ついてもう飛べない」と珍しく無言の村田さんを横目で見た義勇さんが、
2023-09-15 04:46:58