生徒会役員の二人には、もう一つの顔がある。 (加筆修正版はpixivにて)
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めしこ @mogmog_meshiko

「タイミング?」 「朝でも、夜でも返信はいつも早いのに、放課後の時だけは遅かったんです。その理由は…」 「生徒会室で面と向かっている時には、返信が出来ないからね。他には?まだ何かあったかな」 「好きだと言っていた小説の作者の本、会長の鞄の中に入っているのを見たことがあるな、とか」 ↓

2019-12-13 00:22:52
めしこ @mogmog_meshiko

「やだな、鞄の中なんていつの間に見てたの?」 「不可抗力ですよ。先輩がトイレ行っている間に、鞄を落としちゃったことがあって」 「きみね…」 「あとは、あれですね。あの依頼文をもらった日です」 「もらった日?」 「あれをもらったのは月曜日。その前の週の金曜日の放課後には、 ↓

2019-12-13 00:23:36
めしこ @mogmog_meshiko

依頼箱は空だった。そして、その週の土日はどこの部活も一斉に休みの日だったから、校舎に入った者はいない。 そしてあの月曜日、俺が午後の移動教室で通りかかった時に覗いた依頼箱は空だった。 そこからの短時間で、依頼が投函されるのは、いつもだったらあまり考えられないなって思って…」 ↓

2019-12-13 00:24:23
めしこ @mogmog_meshiko

「なるほど、それで僕じゃないかって思った、と。名探偵だね」 「まったく…いくら忙しい時期じゃないからって、こんなおふざけで自分で仕事増やさないでくださいよ」 「それが、おふざけじゃないんだよね」 「は?」 「あれは僕からの正式な依頼だよ。長谷部くん」 ↓

2019-12-13 00:24:52
めしこ @mogmog_meshiko

俺はぽかんとして思わず立ち止まる。ちょうど駅に着いたタイミングだった。 「ど、どういう…?」 「僕はね、残りの学校生活の中で叶えたいことが二つあるんだ。一つはより良い学校生活にするために、出来ることをやる」 それは知っている。よく会長が言っていることだからだ。 「もう一つは…?」 ↓

2019-12-13 00:26:09
めしこ @mogmog_meshiko

「…きみと仲良くなることだよ、長谷部くん」 普段はあまり見せないような、無邪気な顔でにっこりと笑う。 その表情があまりに珍しくて、俺は目を逸らすことが出来なかった。 「な、仲良くって…別に結構仲良くやってないですか?俺たち」 「生徒会の仕事仲間としては、ね。 ↓

2019-12-13 00:26:38
めしこ @mogmog_meshiko

実際、僕はきみの連絡先も知らなかったわけだし」 だって別に知らなくても困ることもなかったし、なんて言う勇気は俺にはなかった。 「あぁ、でもそうだな。やっぱりメールは不便なところもあるから、メッセージアプリのID教えてくれる?」 「はぁ…」 この人の、こういうところが怖い。 ↓

2019-12-13 00:27:05
めしこ @mogmog_meshiko

こうなってしまうと、もうこちらは成すがままだ。 俺のアプリには『長船光忠』の名前が新しく追加された。 「よし、これでこの依頼は無事に完了だね。一応、長谷部くんも楽しんではいてくれたみたいだし」 「こんな方法取らないでくれた方が、話はもっと早かったですけどね」 ↓

2019-12-13 00:27:37
めしこ @mogmog_meshiko

「えぇ、だって長谷部くん正攻法でいっても、教えてくれなそうなんだもん…でもそこまで言うなら、これからはシンプルに行かしてもらおうかな」 すっと細められた瞳に、真っ直ぐに見つめられて思わず喉がごくりと鳴る。 ↓

2019-12-13 00:28:14
めしこ @mogmog_meshiko

「そうだな…じゃあまずは手始めに、一緒に食べに行かない?食堂のハンバーグ定食」 …これは、今後はますます忙しくなりそうだと思った。 だって俺たちは「放課後エージェント」なのだから。 終わり!

2019-12-13 00:28:35
めしこ @mogmog_meshiko

(🐹…あぁあ~~…なんか難産でした…テーマは気に入ってたのに…上手く生かしきれなかった…わたしは学パロが苦手なのかもしれない…知れて良かった…!…いつか手直ししてpixivにあげます…読んで下さった方は本当に…ありがとうございました…🙏💦)

2019-12-13 00:31:20
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まとめたひと
@mogmog_meshiko

今日も、明日も、燭へし書くよ。