2002(平成14) 新たな米政策~2003 (平成15) 米政 策~2006 (平成18) 加藤紘一~2007 (平成19) 参院 選比例
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遠田大亮 @DaisukeEnta

2002年、農水省の生産調整研究会が米生産調整の配分方式を面積(ネガ)から数量(ポジ)に切り替えを軸に「米政策の再構築」とし、①数量配分へ切替え②参加者メリットの明確化と助成の簡素化③稲経廃止と担い手に限定した経営所得安定対策④自主流通計画の廃止等、を取りまとめた。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/vch8MbIhUA

2022-09-28 07:30:40
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遠田大亮 @DaisukeEnta

そういう時、武部農相が「食と農の再生プラン」を発表し消費者に続足を置いた行政へ転換する事を明確化。農水省の生き残りをかけた反転攻勢に出た。大臣は米の生産調整の廃止を求める意見に対して“最終的には国の関与を必要最小限のものにし生産構造の変革を促したい”とまで答えた。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/Gl29L5TNq1

2022-09-28 07:55:44
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遠田大亮 @DaisukeEnta

ところが党内では“武部大臣が党に相談もなく再生プランを発表したのは何事か”とか“学者の意見は唐突で生産調整の経緯や現場の実態を理解していない”とか経済財政諮問会議で展開されている議論に対して大いに不満の声が上がった。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/PAfHUeoEyb

2022-09-29 12:16:46
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遠田大亮 @DaisukeEnta

だが飛ぶ鳥を落す勢いの小泉改革路線の前に農林族議員といえども口を挟む事ができず、苦虫をかみつぶすしかなかった。これでも全中は、「緊急全国代表者集会」を開いて“生産調整については国の役割と責任を明確にすべき”と決議した。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/YDpDt6WXLy

2022-09-29 12:32:42
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遠田大亮 @DaisukeEnta

2002年9月、松岡利勝を座長とした小委員会の作業が本格化した。松岡委員会では、生産調整研究会の提言や経済財政諮問会議での議論を聴取しながら、JA全中、農業法人協会、全国農業会議所などからヒアリングした。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/8Am2UXrrmN

2022-09-30 07:05:53
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遠田大亮 @DaisukeEnta

農業団体からは、①生産調整について政府の責任を明確に位置づける事、②過剰米処理対策についてはJAと国の公平な分担、③担い手が主体的に判断できる仕組みや計画外流通米の位置づけの明確化などを要請した。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/xtzqBmCKnQ

2022-09-30 07:22:37
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遠田大亮 @DaisukeEnta

10月には農水省が「米作りのあるべき姿」を提示し2010年度までに3通り(①需給調整システムの改革を先行、②生産構造の改革を先行、③両者の並行)の改革ステップ案を提出した。このように生産調整で農業団体と政府(農水省)が真っ向からガチンコになったのは過去になかった。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/FVYIaxikeK

2022-09-30 07:28:48
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遠田大亮 @DaisukeEnta

松岡委員長は、11月末には米政策大綱を確立したいと期限を切りながら自らを奮い立たせた。生産調整研究会では、担い手わ対象とした経営所得安定対策及び米価下落の影響緩和措置の導入を農水省に報告して、その役割を終えた。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/ThZYO0H2sM

2022-09-30 19:06:25
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遠田大亮 @DaisukeEnta

研究会では、2010年までの稲作農業の「あるべき姿」へのステップとして、国の生産調整の配分の廃止時期を3通り(①04年から廃止②07年から廃止③廃止時期を明示しない)掲げて国の関与をなくす方針を明確にした。だが、それにはJA全中が強く反発した。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/X2Sko6Kzu3

2022-09-30 19:19:09
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遠田大亮 @DaisukeEnta

JA全中では組織討議をした上で、①生産調整の廃止を前提としない、②生産調整を実施する事を基本に国が責任ある支援を果たすこと、を重点事項として決議し、政府与党に要請し、一歩も引かなかったのである。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/gaeAs1NQQK

2022-10-01 07:36:17
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遠田大亮 @DaisukeEnta

11月下旬、堀之内総合農政調査会長が“政府は生産調整の面積を数量に切替えたいと言ってきたのを、いつの間にか生産調整から手を引くと言う考えに変わって来ている。けれども法律(新基本法)には(米の需給調整を)ちゃんと国で行うとなっている。国の考えはおかしい”と発言した。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/GrCWu8FJSS

2022-10-01 12:31:54
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遠田大亮 @DaisukeEnta

農水省の幹部職員は皆が驚いた。だが松岡委員会では皆が“そのとおりだ”の大合唱となって、生産調整に「国の関与」を引き続き位置づける事を確認するのだった。残る問題については農林幹部で煮詰めるとの一任を得た。農林幹部会で農水省と最後の調整に入った。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/IGOEEgiNN4

2022-10-01 12:45:05
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遠田大亮 @DaisukeEnta

その結果、生産調整については①移行期間を5年にするかは3年を経過した時点で条件整備の状況を検証し、その時点で判断する、②国の関与は必要だが、農業団体の自主的な取組強化を目指しつつ、国の関わり程度については経過を見極めながら判断する、(続く)自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/U8R0ghhViY

2022-10-01 16:08:45
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遠田大亮 @DaisukeEnta

(続き)③主食である米の安全検査を必ず実施する、④過剰米対策は原則しない、⑤米に変わる重点作物(麦・大豆)の本作化を重点化・集中化する、などが決まった。さらに松岡委員会でも細部を煮詰めた。これをふまえ、石原葵食糧庁長官が“党の決定を政府の決定としたい”と述べた。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/ws8x6QxWnO

2022-10-01 16:15:59
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遠田大亮 @DaisukeEnta

12月の委員会。農水省が改革大綱案を説明。その際、JA全中の宮田会長が“JAとしても責任ある態度を取りたい。2004年度以降は新たな時代に入るが大島理森大臣には、くれぐれも頑張ってもらいたい”と国の協力を求めた。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/XTMsXGAguo

2022-10-01 16:25:42
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遠田大亮 @DaisukeEnta

それを受け渡辺好明事務次官が“JAとはパートナーとして今後とも米改革を進めて行きたい”と責任を分かちあうような覚悟を述べた。そこへ大島大臣が入って来て、“今一年の努力が実を結ぼうとしている。JAとは手を取り合って目標に向かって頑張りたい。”と決意が披歴されたのである。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/6U36apqAFf

2022-10-01 17:13:16
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遠田大亮 @DaisukeEnta

2003年の通常国会で食糧法の改正が成立した。松岡委員会では同法の改正に際し、2月、①国が米の需給見通しや備蓄運営、輸入等の基本方針を策定する、②生産者団体が生産調整の方針を作成し国が認定する、③生産調整に国や地公体が助言指導を行う、といった前提をつけた。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/P3mOI1GLdg

2022-10-02 07:34:48
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遠田大亮 @DaisukeEnta

米の生産調整から手を引きたいとする政府の考えに対して、党が待ったをかけ、国の関与を明確にしたののである。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/RMCUTVODNI

2022-10-02 09:16:48
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遠田大亮 @DaisukeEnta

また、国の基本方針には「06年産または07年産までを経過期間として地域別の生産目標数量を盛込み、08年以降は国は数量の配分から手を引き農業団体等が主体性を持つ生産調整へ移行する」と改革スケジュールを示した。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/VetWBmS0Ud

2022-10-02 09:18:19
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遠田大亮 @DaisukeEnta

これにより、米の計画流通制度が廃止され、自主流通米価格形成センターか米穀価格形成センターへと改称され新たにスタートを切った。一方、一定の要件をみたす集落営農が「特定農業団体」と位置づけられ、それをいかに支援するかが新農政の課題になった。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/iD7JdjMHuM

2022-10-02 09:23:36
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遠田大亮 @DaisukeEnta

松浦委員会では、引き続き関連対策の検討に入った。6月下旬にはJA全中の花元克己副会長が「団体が主役となって生産調整をやって行くためには行政の後押しがないととてもできない。一体、どのような仕組みにするつもりなのか」と農水省に詰め寄った。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/gzFdXWTGvD

2022-10-03 07:15:42
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遠田大亮 @DaisukeEnta

それに対して松岡委員長が「関連対策では余っているもの(米)に金をやるのはやめて、足りないもの(麦・大豆等)に金を使い、農業所得の向上や食料自給率の引き上げに繋いでいきたい。ぜひ団体要望の『言い値』を示してほしい」とJA側に必要な施策と金額のボールを投げ返したのだ。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/iu1EhIEEP9

2022-10-03 07:28:09
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遠田大亮 @DaisukeEnta

一方、農水省では、従来の「転作奨励金」を「産地づくり交付金」へと見直し地域に一括交付して地域で自由に使う方針を示した。そのため市町村が「地域水田農業ビジョン」を策定する事になった。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/pMN1xTqPV1

2022-10-04 07:08:52
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遠田大亮 @DaisukeEnta

また、現行の「稲作経営安定対策」を、「米価下落影響緩和対策」と「担い手経営安定対策」の2つに組替える他、過剰米処理対策として短期融資を設ける等の措置も提示した。産地づくり交付金は一定の額に固定する案を示した。財源難なので減反が増えてもパイは同じという事である。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/PhcT9Bgdzt

2022-10-04 07:15:29
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遠田大亮 @DaisukeEnta

ところが農水省案に対し農林族から①担い手となる面積要件の4haは厳しすぎるので地域特例を認めるべきだ②集落営農の20haについても引下げるべきだ③大豆・麦の生産にはさらなる奨励措置が必要だ④EUの共通農業政策の様に我国でも直接支払制度を考えるべきだ、との発言が相次いだ。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/13DPmOwVAI

2022-10-04 08:11:11
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遠田大亮 @DaisukeEnta

とりわけ中山間地域では①②の要件をクリアできないといった意見が大半を占め政府案の見直しが必至になった。JA全中では7月山田俊男専務が生産調整のメリット対策に関し①産地づくり対策では交付単価の堅持②米価下落影響緩和対策では生産者拠出と政府助成割合を1:3にする事(続く)自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/wQrSMbTMwv

2022-10-04 08:19:04
遠田大亮 @DaisukeEnta

(続き)③担い手経営安定対策の拠出率は団体と国1:3で9割補填とし規模要件は一定の基準下で知事が地域実態を反映した仕組みとする④過剰米短期融資制度は農水省案3千円(60kg)に対し過剰米の円滑な出荷が可能となる措置を講ずる⑤予算は3千億円以上と“言い値”を正式に要望した。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/IdGwqkPkDP

2022-10-04 08:32:24
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遠田大亮 @DaisukeEnta

JA全中の“言い値”が決まった事から松岡委員長は農水省と交渉を重ねた。農林幹部会には、亀井農相も出席して最終調整が図られた。幹部会の終了後、JA側の了解も得て、3千億円と関連対策の全てが概算要求に計上される事になった。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/DUrjhEw1ok

2022-10-04 18:39:44
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遠田大亮 @DaisukeEnta

ところでこの年(2003年度)は夏場の低温・日照不足・台風等の影響を受け米の作況指数が90と“著しい不作”になった。これは1993年(作況74)以来10年ぶりで過去4番目に低い収量となった。反面、米市場は好転し平均22,296円(前年17,129円)、もち米は品薄となり5千㌧追加輸入された。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/3hdDB8n0pZ

2022-10-04 18:51:06
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遠田大亮 @DaisukeEnta

米政策は2004年から衣替えした。2002年の米改革大綱、2003年の食糧法改正を経て、いよいよ本年から生産者(団体)が主体となる生産調整を目指してスタートを切ったのである。しかしながら、その初年度ともあって生産現場では混乱も生じて、不安の多い旅立ちになった。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/ICR6WilK61

2022-10-05 06:52:29
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遠田大亮 @DaisukeEnta

本年から切り替わった点は大きく2つ。1つは、生産調整の手法を「転作面積」から「生産数量」へ変更したこと、2つは、転作奨励金を「産地づくり交付金」に再編して地域(市町村)に一括交付して、その使い方も地域で決める仕組みへと転換したことである。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/dxuDOtr5bq

2022-10-05 06:59:08
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遠田大亮 @DaisukeEnta

JAはこのため市町村と一体になった「水田農業ビジョン協議会」を設置。地域ぐるみで水田の利活用を推進する事になった。さらに従来の稲経を廃止し「米価下落影響緩和対策」と「担い手経営安定対策」の2つの仕組みが生まれ変わった。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/PYnAu9yoP4

2022-10-05 07:13:25
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遠田大亮 @DaisukeEnta

10月に米改革の初年度の推進状況が発表された。それによれば稲得の加入者が99万人で前年までの稲経と“ほぼ同水準”だったのだが、担い手経営安定対策の加入率が全水稲作付面積の1割程度にしかすぎず集落営農も全体の1%で、米改革が末端で受け入れられていない様子が浮かび上がった。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/0h9CziyiqU

2022-10-05 07:48:57
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遠田大亮 @DaisukeEnta

その最大の要因は、稲得は生産調整参加者は誰でも加入できるのだが、担い手経営安定対策になると加入要件(都府県が4ha、北海道が20ha)に遮られて加入が困難になっている事だった。集落営農も規模要件の20haの加えて経理の一元化や5年に以内の法人化要件と言う厚い壁があった。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/hhpxjButXm

2022-10-05 12:49:45
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遠田大亮 @DaisukeEnta

そのため、知事特認(面積要件の8割、ただし中山間地にあっては5割まで緩和)を活用する事にしたのだが、実際には利用する人達がほとんどいなかった。そうした事がわかって、党では新基本法の見直し作業を行っていたが、経営安定対策のあり方が最大のテーマになった。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/1ktYENDWrD

2022-10-05 13:02:54
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遠田大亮 @DaisukeEnta

農水省ではあくまでも「40万経営体」にこだわっていた。なぜなら2000年当時、松岡利勝委員長が40万経営体程度の担い手を対象に農業経営所得安定対策を打ち出そうとしたからで、農水省は当時の亡霊に取り憑かれたのではないかと思われた。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/Gj4lnuyYMe

2022-10-06 07:12:48
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遠田大亮 @DaisukeEnta

野呂田芳成総合農政調査会長が“そんな事をしたら選挙に勝てなくなるぞ”と待ったをかけたため、松岡委員長も農水省幹部もそれ以上前に進むことが出来なくなっていた。他方、民主党がそこに付け入り参院選で「自民党は小農切り捨てだ」と吹聴し実際に勝利したため、なおさらだった。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/qvKd7EeRt9

2022-10-06 07:31:05
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遠田大亮 @DaisukeEnta

そういう状況でJA全中(宮田会長)は10月「地域水田営農ビジョン」を取りまとめ、12月「ビジョンの見直し」と「実験に向けての体制」を決議して政府与党への要請を強めた。その大会で挨拶した野呂田会長は“担い手の対象から小規模農家を排除する様な事は断じてない”と言い切った。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/ULuLcspQU7

2022-10-06 12:40:21
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遠田大亮 @DaisukeEnta

そういう事から12月に取りまとめられた「経営対策途中経過報告」には、品目横断的経営安定対策の「対象の担い手」について「現在実施中の米政策改革の実施状況をふまえ適切な要件を定める事とする」と記述するのみにとどめられた。野呂田会長は政治的裁定を避け、結論を先送りした。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/PMPHJqehvw

2022-10-06 12:50:58
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遠田大亮 @DaisukeEnta

【加藤紘一】加藤は羽田孜の後を継いで81年に農林部会長に就任した。当時から農林部会長は、農林族のホープといわれ、政界では将来の農相、党3役、さらには総理・総裁を狙える登竜門と呼ばれていた。羽田、加藤は当選4回でそのポストを手にして“羽田・加藤の農政時代”が幕開けした。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/3NZ1EGDFRk

2022-10-07 13:41:16
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遠田大亮 @DaisukeEnta

羽田・加藤コンビは、日米農産物貿易交渉(牛肉、オレンジ、米の輸入自由化)や生産者米価等の決定で泥まみれになって働きその政治劇で一回りも二回りも大きくなった。二人はついに幹事長、総理・総裁ポストに手をかける程になる。羽田の場合は自民党を離党して総理の座を射止めた。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/24c6L8YpSw

2022-10-07 18:26:33
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遠田大亮 @DaisukeEnta

さて、加藤は山形県鶴岡市の選挙区で育つと日比谷高校から東大を卒業し、外務省に奉職した。父(加藤精三)の後を継ぐと33歳の若さで政治家に身を転じた。党内では、宏池会(大平派)に属し、とりわけ農水省OBの伊東正義には可愛がられた。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/RmUWAtemdI

2022-10-08 09:27:15
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遠田大亮 @DaisukeEnta

伊東は加藤の隣県の福島県会津地方が地盤だったが気骨に富み人情味あふれる大物政治家だった。その伊東が大平正芳政権下で内閣官房長官を務めていた時、大平首相の急死に遭遇し後継の総理・総裁に推挙されたのだが“ならぬものはならぬ”(会津の家訓)と断り続けたのは有名である。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/WmHS1jPoGO

2022-10-08 15:10:00
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遠田大亮 @DaisukeEnta

会津武士の魂を持っていた伊東にとっては総理の座の重さが身に染みる程わかっていたのであろう。 その加藤が農林部会長の時(83年)、初めて農林3役として生産者米価を取り仕切った。当時の生産者米価劇では農林合同会議で党の方針が定まると農林3役に一任をとり〜(続く)自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/26u0r3iEZ7

2022-10-08 15:28:36
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遠田大亮 @DaisukeEnta

(続き)農林3役が首相官邸に乗り込んで、本物の党3役とともに政府首脳と丁々発止、直談判して要求が実現するまでガンとして動かないのが仕事だった。ところが加藤が農林部会長の頃にはもはや生産者米価を取り巻く状況が一変して“米価を下げる”時代に入っていた。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/DWu49F6EU6

2022-10-09 09:16:52
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遠田大亮 @DaisukeEnta

このため党3役は、「もう米価で党と政府がばか騒ぎする時代は終わった」として、政治劇を薄めようとすると、政治折衝の場所を首相官邸から党本部の総裁室へと移したのみならず、農林3役と内閣官房長官との調整によって決定するように変えてしまった。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/W768BTlQ4i

2022-10-09 17:33:50
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遠田大亮 @DaisukeEnta

その振り付けをしたのが竹下登蔵相だった。竹下蔵相は「これからの米価は政府代表としての官房副長官と農林3役と調整して決めるのが一番良い」として二階堂進幹事長に相談、了解を取り付けたものだった。加藤はその最初の農林部会長として藤波孝生官房副長と渡り合ったのだった。官自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/wK6N2ihtU4

2022-10-10 12:06:46
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遠田大亮 @DaisukeEnta

さらに加藤部会長の時、鈴木善幸政権の内閣改造で田沢吉郎農相から金子岩三農相へと交代があった。二人共、加藤と同じ鈴木派に属していた。その金子大臣が農林事務次官の人事に横車を入れて水産庁長官を事務次官に抜擢しようと動いた。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/gPEmE1gXRM

2022-10-10 19:11:30
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遠田大亮 @DaisukeEnta

だが事務次官OBの檜垣徳一郎と大河原太一郎、さらには伊東正義も加勢して、金子農相に「待った」をかけたのだった。丹羽兵助れ農林幹部もこぞって後押しした。その中で“板挟み”になって一番苦労したのが一番若手の加藤だったのである。〜自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/nfk9ENnk9v

2022-10-11 06:55:45
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遠田大亮 @DaisukeEnta

加藤はその後、防衛庁長官を経て89年に羽田孜の後を継ぎ総合農政調査会長になった。時の羽田農相はアメリカ政府を相手に牛肉・オレンジ自由化交渉の先頭に立ち難儀していた。加藤は当時、羽田を助けた。当時は財界も消費者も“安い牛肉を食べたい”と輸入自由化を合唱する時代だった。自民党農政史吉田修 pic.twitter.com/wZqAV9Gpsm

2022-10-11 07:31:29
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まとめたひと
遠田大亮 @DaisukeEnta

農業、農政、農協等“農”に関してのツィートが多いです。 (個人的には)GHQの占領政策や押し付けられた憲法を金科玉条としたままでは、日本農業はもっと衰退すると考えています。 山形県農協中央会勤務。農協監査士。明治大学法学部卒。山形県酒田市出身。 過去のツィートは、以下↓のまとめサイト(min.t)からどうぞ。