詩とも小説ともつかぬ「なにか」と、短文と 過去log >> https://narcissus-kiss.tumblr.com
0
椎葉 @narcissus_kiss

寒と暖の狭間、大きな溝に足を滑らせた水滴が独りは寂しいと泣いて窓枠を揺らし軋ませたらば、アラアラ、マアマアと、大勢の優しいしずくや野次馬のそれがたちまち集まり、加湿器から飛んでくる者もあり。ああ結露だ、面倒だなと、ヒトはそれらを雑巾でひと纏めに拭う。これで寂しくないまま帰れるね。

2023-01-23 13:10:27
椎葉 @narcissus_kiss

歪む積木の街並、ブリキの飛行機、燐寸箱に描かれた陽、視力を失ったキグルミのパンダは四本幾らで売られたケーブルで首を吊った。学級新聞に成り損なった皺紙、屑箱で死にたがりの肩代わりをする薄青の升目に隠れて慎ましく、宵闇らが生臭い噂話を唾液と共に交しちゃ躱し、あゝ現世は逆さま鯨の如く。

2023-01-20 17:30:58
椎葉 @narcissus_kiss

擦り合せた手へ吐いた息が白墨で記したフェルマーの最終定理を形作って、硝子屑の様に地へ落ちた。粉雪の舞踏に混ざり、彼ら数式は其々思う儘に下手糞なステップを踏む真似事をしたがる。眼に突き刺さる輝き。脊髄を匙で捏ね回したかの様な反吐を誘う光景につらを顰めずには居られず、また数式を吐く。

2023-01-15 23:33:34
椎葉 @narcissus_kiss

名乗る程の者でもございません。わたくしは、ただ、砂浜で泣きじゃくるみなしごの星に貝殻の切手を張り、空へ送り返す事に趣を感じているだけ。きらめきに救いを与える積りでもなければ、詩歌の材木とする気持ちもなく、単なる、此処へ散歩に赴いた折のたいへんに利己的な手遊びに過ぎないのです。

2023-01-15 22:36:13
椎葉 @narcissus_kiss

東京駅が目覚めていく瞬間に立ち会っている

2023-01-15 11:14:46
椎葉 @narcissus_kiss

星を数えてみたって宇宙飛行士にも魔法少女にもなれない。空を飛びたいって願いなら駅前のビルで命と引き換えに手っ取り早く叶うことだろう。店ロゴの入った自動扉の外へ消えた二人は避妊具を買って僕に無言で生命の奇跡への反抗を伝えた。店頭に撒き散らすのが涙や水ではなく星なら綺麗だったのに。

2023-01-14 02:42:24
椎葉 @narcissus_kiss

夜はあまりに優しいものだから吐き気すら覚える。どうせ、包み込めないくせに。どうせ、短針が半周もすれば突き放すくせに。季節が連れてくる朝は早起きだ。夜が裏切るまいかと猜疑心に濡れるより、陽がのぼり些かの発汗を誘う時を信じたい、けれど僕はどうしようもなく暗闇に叶わぬ恋を寄せている。

2023-01-14 02:41:40
椎葉 @narcissus_kiss

爪先で現実から刮ぎ落した音の粒は鼓膜に微細な穴を数多作っては神経過敏の野蛮に浮べる紅茶葉の姿をする。耳栓で閉込めた楽曲は軈て脳に根を張り、五歩、五歩、七歩にまた五歩とダ・カーポを点々と仕掛けますれば、此処に御坐す喩を注いで形成す神さまの代替品を幻視の中に燻らせるつもりでしょうて。

2023-01-14 01:45:41
椎葉 @narcissus_kiss

噂話に夢中なカーテンを殺した日、常夜灯は憐憫面で凶器の鋏を見た。昏いのは刃に非ず。四隅がまあるく溶けた名前シールだ。手掴める気がした死は砂糖菓子みたいに輝いていたが、それはまったくの勘の違いとキの違いで。この部屋に満ちる法に死刑の記載は無し。緩慢に靄かされた橙色が狭い空に漂う。

2023-01-01 16:55:12
椎葉 @narcissus_kiss

冷い室内で至って自然な不規則で吐く息が凍てつく。間も無く硬質な音を立てて割れ硝子と化し、窓際から此方を断続的に睨み来ます切先で手首を落せそうな月に反射し、やがては乾いた寝具へと吸込まれてゆきます。鉄の欠乏で揺れる不眠症特有の視界。やあ、如何したって救われぬ気分に浸ってもいいかい。

2023-01-01 16:15:19
椎葉 @narcissus_kiss

飛行機雲に向けてすいと指を垂直に滑らせましたらば、爪先の通り道に沿って白線が途切れました。それはそれはたいそう広い翼を以て巨きな体で青空を羽搏く、其の尾羽辺りから、頼りない白はまるで頑丈なあの体躯がものともせぬ重力に負けたよう直角に項垂れて。どれ、飼犬の土産にでも拾いにゆくかな。

2022-12-27 11:19:20
椎葉 @narcissus_kiss

莫迦につける薬はない。傲慢につける薬もない。 若し存在していたなら、彼奴に……と、愉快なる想像を巡らせ乍ら鬱憤を奥歯で擦り潰すわたくしにこそ其れは処方されるべき薬なのでしょう。

2022-12-27 11:06:43
椎葉 @narcissus_kiss

蓋をしたって溢れ出て来る希死念慮たちをプラスティック製のビーズに変え、ゴム紐を通して玩具のアクセサリーを沢山飾りあってお金持ちごっこをしませんか。

2022-12-13 08:12:33
椎葉 @narcissus_kiss

無数に次々継ぎ足される酸素欠乏に因った溜息を吐く度、ぽかりと退屈が大きなシヤボン玉の様な姿を成しましたらば死際の橙色で悪口を囁く室内照明を目指すたんびに蛾の如く回転し乍ら翅を散らし、書き掛けの遺書みたいに消える。眠気は最早紐束と化す。疎な端に火を着け、もう片端を吸ってやろうか。

2022-12-13 03:04:13
椎葉 @narcissus_kiss

赤い糸 ※自傷・流血表現/女性同士の恋愛 slib.net/114636 pic.twitter.com/nnTtHQDXFv

2022-11-19 17:15:24
拡大
拡大
拡大
椎葉 @narcissus_kiss

外套の合せを掴み、秋に擬態した冷気から胸を守る。其処には昔ッから森が繁っていた。私が三環系薬剤と心中を願っているとの噂話が、ざわり、ざわり。昔、藪医者が処方を寄越した、赤く三角型した光粒。行先は健常でしたか、それとも自死でしたか。カソリック教会の二階に住んだ呂律曖昧な糞爺を想う。

2022-11-14 02:24:46
椎葉 @narcissus_kiss

希死の沼地にて足首を何かに掴まれた。水面から伸びた手がやつがれに縋うて、迫って、徐ろに食い込んでゆく。宵色の手首には真赤な微睡み瞳。其れは丁度、とうに見慣れた、剃刀走りの痕と同じ。あゝ、奴も独り夜からの逃避を願う事も有るのだね。黒の指へ慈悲の接触を一ツ。本当は抱擁を恵みたかった。

2022-11-14 02:11:54
椎葉 @narcissus_kiss

わたくしの書き物は結末や筋を定めずつるつると煙の赴くさきへ着いてゆくようにしており、それは一寸した簡単なうらないに似ています

2022-10-23 23:09:44
椎葉 @narcissus_kiss

無数の畳の目がぞろりぎろりと揃って私を凝視しておりました。そう睨むもんじゃアないよと、腐りかけの瞼を捲ってやり、そいつに付けたい名前を記した五寸釘を中心に打ち込んでは次々、とわに眠らせるばかりで夜が更けゆきます。つがいには、鎹を贈りましたとも。ね、私、心優しいでございましょう。

2022-10-23 23:06:11
椎葉 @narcissus_kiss

【過去作】お題:少女が女に変わる時 pic.twitter.com/6fjnyAp6CP

2022-10-03 17:46:06
拡大
椎葉 @narcissus_kiss

雲一ツ居やしない晴天に滲んだ夕陽への讃歌を今のわたくしが如何して送れましょう! 手を遊び叩け! 足音は跳りへ! ゲル状の脳が内耳炎を誘いますから、宛先を記さぬ手紙はしとど濡れそぼり、七人の小人が囃す喇叭の旋律にも傾く思考は無く。鼻先に咲くチリとす痛みは何時頃に待合せましょうか。

2022-09-21 17:00:02
椎葉 @narcissus_kiss

何者にもなれなかった自分を憐んで愛するということ

2022-08-18 13:30:22
椎葉 @narcissus_kiss

凡ゆる出来事から目を背けようとも、目尻の粘膜が湿りを抱えている内はちらちらと鉄鋼の屑みたいに輝いては鈍く落ちる。溜息吐息の世知愚痴は指紋の迷路を辿って、無意味にに脈々打つ文へ化けさせて。さすれば病いも枕の隣にに立ちますまいと。月々数にして百は紙袋で犇く眠り薬も減りますでしょうと。

2022-08-06 18:27:08
椎葉 @narcissus_kiss

光と影の境目に、ちいと鋏を入れまして、己は足から砂場の山を蹴崩した様、無数の羽虫となって各々白黒好きに選び出します。飛行機雲と心中したいと夢見て頬杖ついてた自身のかんばせ、憂いた横顔、其の鼻辺りの燻り方を、視覚じゃ捉えちゃ居りゃせん私がよく知り得るのは何故なぜ如何して、不思議だね

2022-08-06 18:17:37
椎葉 @narcissus_kiss

愛、ということばを軽はずみに使うことは大嫌いな筈なのだけど。短歌をはじめ、なるべく簡潔に書きごとを済ませるに、僕ですらやりように拠ってはたったの二文字で深みのあるよう見せ掛けられる道具は、自身の狭く暗い視野では難々他には見つからないものです

2022-08-04 09:35:40
椎葉 @narcissus_kiss

御天道様々、喉がカラカラ、覚えさまざま、指は苛々、津々浦々で苦楽らcrack。熱中症、熱中症、つまり煮詰まる理性撤収。熱中症、ねっ注意しよ、溶岩と化す想像の種が、言葉の形を保てるうちに。

2022-07-20 21:55:51
椎葉 @narcissus_kiss

一ツ、二ツ、三ツ ひどく、ふかく、喫す

2022-07-20 19:33:51
椎葉 @narcissus_kiss

数値にして約六十程の鋭角でハイウェイを割れば吾先にと車両が裂け所にこぼれます。愉しくって哀しくって、花模様の切り紙に名を書いたなら其処は底無し、やあ意気地無し。手帳に記しますは二十八桁目迄の円周率、今後も尻に火と数字を足してゆくことでしょう。ぼろぼろ、ぼろぼろ、髪の分目から錠剤。

2022-07-20 19:27:43
椎葉 @narcissus_kiss

些細な事で崩れる均衡、正しき服薬だけは励行、脳内麻薬の掻き出し成功、けれどできない親孝行。

2022-07-20 10:07:01
椎葉 @narcissus_kiss

気の狂れそうな夜は斯様にも生温い。逃げて散っては桶では掬えぬ月の齢が判らない。自然、人工、凡ゆる形を有す有象無象が四季の遣いの蒸責めを喰う末路を辿る頃ですね。果して触れられはせぬ心だとか、感情だとか、そう云う奴等の方が余程に腐敗臭と蛆を湧かせるのが上手なのは如何してでしょうか。

2022-07-12 20:26:27
椎葉 @narcissus_kiss

御神籤の折り角で爪の垢を穿る如の声振り手振りを選ぶ指の間から勇ン出る無数の蜘蛛の子が脚を引摺り乍ら我が身此の身を磨り潰し覿面に莫迦が治ります故さア粉藥になさいと群がりまして不恰好な月光を撥いた玉石どもを寄越して昏れ暮れも老婆の脊骨が描く曲線に知られぬようと神籤の墨は仰いました

2022-07-12 20:14:59
椎葉 @narcissus_kiss

俯いて生きているので、初句を「うつむいた」「うつむいて」「うつむけど」にした歌を書きかけては、矢張り自分では俯いているためわたくしでは視点人物を救うことが叶わず、詠むのを中断したことが何度あったのだか判らない

2022-06-30 10:04:55
椎葉 @narcissus_kiss

雨はしとしと、部屋はじとじと。 恋の先にある愛はぎとぎと。

2022-06-26 09:27:23
椎葉 @narcissus_kiss

今夜、音楽制作アカウントで投稿する歌の詞 pic.twitter.com/OUuyPizSJP

2022-06-25 08:56:56
拡大
椎葉 @narcissus_kiss

何もかもが上手く行かないね。そう、ほどけてくったり重力に従った靴紐に同意を求めた。けれど見たまま其れはきっと死んでいて。何もかもを愛してみたかったよね。そう、ほどけてじっとり地面に吸い付いている縄のとぐろに否定を求めた。けれど案外それはきっと死んでいて。

2022-06-14 03:47:37
1 ・・ 6 次へ
0
まとめたひと
椎葉 @narcissus_kiss

99.7%の虚構.気が狂れそうになったとき奇声を散らかす代りに無意味を垂れる匣. 他,手指振戦リハビリ書写記録/音楽制作 @code_418