例えば、Man and Woman。 窓を流れる雫を人にたとえて、「時々考えるように立ち止まりながら かさなる誰かと 約束を待つように」と、いずれどこかで他の雫と合流することを思い起こさせる。ここですごいのは、単に比喩として美しいだけでなく、全体のイメージに直結していること。
2015-04-14 23:55:08雫のたとえが呼び起こすのは、雫が下へと流れるにつれて、次々とかさなりあっていく様だ。このイメージは、この楽曲の中心テーマ、輪廻転生にダイレクトにつながっている。「選んではくりかえす」、そういう輪廻転生のイメージが細部の比喩にまで現れている。
2015-04-15 00:03:22あるいは別の「遠くの風に漂う雲の群れ ほどけてはまた混ざり合って 空を描く」も同じだ。イメージが別のイメージを呼んで、世界がどんどん広がっていく。これこそが言葉の力。
2015-04-15 00:06:36仮に、「生まれ変わっても一緒だよ」云々と言われてしまうとつまらなくなるテーマが、こんなにも活き活きしているのは、イメージの豊かさに支えられているところがやはり大きい。
2015-04-15 00:10:20もちろんASKA楽曲には、以前から、中心的なテーマを秀逸な比喩で表す歌詞は多かった。「水の部屋」など、歌詞の中では明かされないが、子宮のことだと知った時の衝撃と言ったら…。 でも、そういった楽曲でも、細部の比喩は必ずしも中心的なイメージと直結はしていなかったように思う。
2015-04-15 00:17:31no doubt以降かなあ、こういうイメージの連鎖する感じがすごい好きなのは。 もちろんそれ以前にも、違う面で好きな歌詞はいっぱいあるけれど。
2015-04-15 00:20:16@began_jp はじめまして。ツイートに深く共感しました。私もそう感じる一人です。Man&Womanは松井五郎氏との共作ですが、ASKA色が濃いですよね。詩や俳句のように行間の作るイメージが連鎖して総意を持つ作風はたまりません。解釈が読み手によって変わるのも面白いですよね。
2015-04-15 10:48:04@yomo_yomo3 はじめまして。人によっても違うだろうし、自分の成長とか変化に応じて、見えるイメージが変わってくるのも面白いですよね。10年後の自分も、違うイメージを持ってこれらの曲を聴いているんだろうな、と自然と思えるから、やっぱりすごい曲ですよねえ。
2015-04-15 22:04:04Man and Womanが松井五郎との共作であることをすっかり失念。松井五郎とのコラボ作品は、「not at all」「僕はmusic」と名曲が多いので、ちょっと特別扱いしたい存在。 まあでも、ASKA作品が豊かなイメージの連鎖で出来上がっていることは、別の曲でも言えること。
2015-04-15 23:08:17「ロケットの樹の下で」「心に花の咲く方へ」「あなたが泣くことはない」… 「心に花の咲く方へ」は、メロディの美しさと合わせてとても好き。歌詞もとても好きだけれど、解釈できていない部分も多くて、これからまだまだイメージの連鎖は広がっていきそうな曲。
2015-04-15 23:20:16中心的なイメージは、「今も遠くも 人は誰も 真っすぐ伸びた円を歩く」。まっすぐ歩いているけれど、気が付けば大きな円を描いていて、かつての自分に重なっていく。このイメージは、当時すんなりと自分の中に落ちてきた。不思議だけれど、今の自分のすぐ後ろに未来の自分がいるような。
2015-04-15 23:25:57そしてそのイメージに連なるように、花の夢が出てくる。「空を切り裂いて咲いた花びらが ひらひらりと蝶になって見せた 夢の意味は何?」 これはタイトル「心に花の咲く方へ」が表すイメージに連なってもいるが、それだけではない。
2015-04-15 23:30:37続く歌詞で明かされるように、「交われない天と地とを 僕らの心が きっとつないでる」。地から天への線が見えてくるような気がするし、先の中心的なイメージに連なることで、今から未来へと連なる線さえ見えてくる気がする。そしてその線は、伸びて伸びて円を描いて、自分の背中にたどり着く。
2015-04-15 23:36:28そして言及できていないけれど、この曲で多分大事なのは、今と未来だけでなく、過去のイメージもたくさん散りばめられていること。単純にそれぞれの描写は素敵だけれど、今の自分にはまだしっくり来ていない。過去をこういう風に語るにはまだ早いかな。ここは10年後の自分に感想を聞いてみたい。
2015-04-15 23:39:21・タイトル
ASKAの一見投げやりタイトル集 こんなふうに そんなもんだろう もうすぐだ どうってことないさ それでいいんだ今は と、いう話さ
2017-07-23 20:24:29@pippinne55 ほんと、並べると見事な投げやりっぷり。潔さも感じる。 そう、きっとそこに想いが込められてる! きっと… で、私にはどれを取っても好き好き度の高い曲です。と、いう話さなんて、これがタイトルで大正解
2017-07-24 11:04:03@ei2711 あのこだわりの塊が「ま、こんな感じでいいか」なんてテキトーにタイトルつけるわけないですものね。一見したなげやりさとは裏腹の名曲ばかりですよねえ。私も大好きな曲ばかり!
2017-07-24 17:54:302.楽曲別研究
・「WALK」(1989年)
「WALK」 二番のAメロ。ネガ(カメラ)、値札、カードと関連の見えないワードが続く。 「確かに見えるチャンスをネガに押し込む」 一番からのイメージの連続。 「入れ替わる気持ち」の中で、これだと思える確かな気持ちを捕まえること。すると、「未来」(答え)が近づいてくる。 #ASKA歌詞研究会
2020-03-21 21:59:40・悩んでいろいろ考えてる ・一瞬一瞬の考えを丁寧に押さえていく ・答えに近づく(未来が寄り添いかけてくる) ・これが答えだ!と思うも、また失敗(カードの出し違い) ・また悩む という流れの中で 「君を失うと僕のすべては止まる」 と告げる、名ラブソングなわけですね。
2020-03-21 22:08:50・「Now」(1998年)
改めてnowを聴いているのだけど、本当に「今」しかない。 「疑いながら朝を見るのかい?」は、「疑いながら見る」に疑問を付しているのかと思いきや、「朝を見る」=「未来を見る」こと自体に疑問を付しているようだ。 マスタキーでどんな扉でも開けちゃうぜって勢いの今。
2019-02-09 00:36:36「軽い不安でまた止めるのかい」とか、自分に問いかけている感じかと思っていたのだけど、そうではなさそう。 全編にわたって、同じ人に誘いかけているように思える。 あの手この手で執拗に誘いかけながら、最後にぱっと、「手に負えないやつと呼ばれりゃ それはそれで当たりだろう」と距離を置く。
2019-02-09 00:49:38now now now nowと直接的に投げかけつつ、その周りの言葉は非常に遠回りで、クラクラするような誘いかけ。 女性を誘っているようにも見えつつ、男友達を悪巧みに呼び込んでいるようにも見える。 なんとなく後者な気がする。カッコいいな。 #ASKA歌詞研究会
2019-02-09 00:59:08・「自分じゃないか」(2020年)
not at allと近いなと思いつつ、表現が全く違うので、面白い。 過去作「いつもなんとかなった」というスタンス 今回は「いつもヘマをしてきた」 過去作「そこに立ってそのとき分かることばかりさ それが自分と思えたら」 今作「ここを超えたって どこを超えたって それがお前じゃないか」
2020-09-19 11:01:14「なるように いや こうなるように 歩いてきた」 というような変化がある。 力強さが増したような、自分への肯定感?信頼感?というか、自分自身からは離れられない感が増したような。 差別を受けた方の歌だなあと思う。
2020-09-19 11:05:27・風景が見える歌詞 「ロケットの樹の下で」「歌になりたい」
ロケットの樹の下で。 最近、この曲のイメージの断片が、ふとつながって見えた。 出だしは、卑屈に語る友人。 「ここから見えるすべてが今の俺だ」 言葉を選ぶより先に、大きな景色を見に行こう、と誘う。 「切り取られた場所を出て あの町を見下ろさないか」
2020-10-20 21:39:08町を見下ろしながら、 悪いことが続いただけ、お前の子供もいつか理解してくれる、周りのやつらが偉く思えるときってあるよな… 等々と話す。 そろそろさ、前を向こうぜ。「遙かなものを戻し合おうか」と励ます。 そこへ突然の雨。
2020-10-20 21:47:38こんなときに、嫌な雨。 良くも悪くも、「景色は変わる」 そして雨なら止む。 「ここは途中だ 旅のどこかだ」 雨を避けるために駆け込んだのは、ロケットのような格好の大きな樹。 始まりを感じさせる場所。
2020-10-20 21:47:38「ひとつだけ多くても ひとつ何か足りなくても 終わるもんじゃない」 ロケットの樹の下で、雨に濡れながら叫んでる。 サビにするにはちょっと不格好な日本語。 でもすげー納得感のある名フレーズ。
2020-10-20 21:53:41「歌になりたい」 直接景色を描写した歌詞は少ないのに、風景が思い浮かぶのがすごい。 PVが秀逸なのも一因だけど、それだけじゃない。 「ロケットの樹の下で」のような風景描写が好きなのだけど、 それと対比して、あそこまでの描写がないのに、大きな風景が見える不思議。 #ASKA歌詞研究会
2019-11-07 00:37:03「未来はいつも 僕らの知りたいことを 浴びせられる」 「誰かどこか 天の色を 見た人は 聞いた人はいないのだろうか」 知りたいことを浴びせる、天の色を聞く、など、 名詞と動詞の絶妙なちぐはぐさが、想像のスケールを広げてくれる。
2019-11-07 00:37:04ちゃんと聞き取れないけど、前後の文脈も含めて、 「床(?)が燃えて現実になる」が好き。 「この地上」とか「役目」とか、地に足付いて歩いている感じがある。 一方で、未来とか宇宙とか大きな存在が外から降ってきて、それを受け止めてる。その大きさのギャップ。
2019-11-07 00:37:04teaserの段階では、もっとふんわりした歌詞だと思ってたのだけど、想像以上に、地に足付いた感じと、ザASKA宇宙の感じと、すごく良い感じに混じり合っていた。 こういうギャップを歌詞の中で体感できると、今の自分の現実を、広げて見せてくれる。
2019-11-07 00:49:162番の歌詞に、感じるところがある。 > 信じたものを無くさないように > 絶えず夢と引き換えに生きてきた 信じたものに近づくためには、現実的にコストがかかる。 「夢と引き換えに」しないといけないくらい。 自分の場合はもっと雑多で、時間とか真面目さとかを引き換えにしているわけだけど。
2019-11-10 01:09:15> 予感が燃えて現実になる > そのとき僕は 僕でいられるのか それを繰り返して、近づきたいと思っていたものが、現実に眼の前になったとき。 いろんなものを切り売りしてそこにたどり着いたわけだけど、果たして自分は原型を留めているのだろうか。
2019-11-10 01:09:16「歌になりたい」 #ASKA歌詞研究会 歌の、何に惹かれて、歌になりたいのだろうか。 おそらく、あらゆるものを含む、象徴としての「歌」だ。 この地上、この星、この宇宙のように。 悲しみもあるけど、悲しみ一色ではない。 そんな人生でありたい。そんな歌になりたい。 youtube.com/watch?v=D1C1mJ…
2020-08-11 19:36:40・「はじまりはいつも雨」「SAY YES」
上記リンク先より、「はじまりはいつも雨」と「SAY YES」の関連性を考察した箇所を抜粋