"Dialogical Meetings in Social Networks" Jaakko Seikkula / Tom Erik Arnkil 2006
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序文…Lynn Hoffman より  セッションのはじまりで、彼らはまず家族に対して、「今から1年経って、お子さんの様子がうまくいっていると想像してみてください」と質問する。そして、どういったことが一番うれしいか尋ねる。

2016-12-25 17:47:51
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それから次のように問う。「こんなにうまくいくようになったのは、あなたがどんなことをしたからですか? 誰がどのようにあなたを助けてくれたのでしょうか?」  そして、最後に重要な質問を行う。「1年前には何を心配していたのでしょうか。何があなたの不安をやわらげたのでしょうか」

2016-12-25 17:52:39
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次に、専門家にもこれと同じ一連の質問がなされ、今度は家族がそれに耳を傾ける。悩み事と役に立ったやり方についての専門家の見方が書きとめられ、それから話し合いが行われる。そこでは、生まれつつある未来の計画と、そこで誰が何を行うのかということが話し合われる。

2016-12-25 17:59:56
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このようにして、コンサルタントは、人びとが話すことを明確化し、まとめるのである。  彼らが話し合いをねじ曲げて何らかの特定の結論に導くことはない。

2016-12-25 18:03:28
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アーンキルは、コンサルテーションにおける「未来への質問(future-questions)」という技法を、専門家のグループが自らやってみることも勧めている。そうすれば専門家たちもまた、対話そのものを実感することができる。

2016-12-25 18:07:48
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それは、他者をコントロールできるという幻想が砕かれ、不確実性に耐えていけるという経験である。 AD(Anticipation Dialogues)は非常に混沌とした状況の中で行なわれる。そのために、OD(Open Dialogues)に比べてよりしっかりとした枠組みが必要となる。

2016-12-25 18:16:34
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普通、専門家は私たちの問題点や間違いを探すものだが、そんな彼らの前で希望のある未来を想像することで気持ちが楽になったと、家族メンバーたちは語っている。 Id.at ⅲ-ⅳ

2016-12-25 18:33:41
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「はじめに」より 私たちの〈対話〉は、1対1の心理療法や、家族とチームという家族療法の文脈ではなく、新たな文脈…つまり、多様な参加者たちのあいだの中間地帯で行なわれるものである。そこは前人未到の地なのだ。

2016-12-25 18:39:04
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難しい状況でクライエントのプライベート・ネットワークとそれにかかわる専門家のネットワークのあいだで行なわれるミーティングでは、私たちは不確実性にしっかりと耐えなければならない。こうした状況では、〈対話〉はきわめて重要だ。しかも同時に危険も孕んでいる。

2016-12-25 18:43:34
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専門家中心の手段を使って、この状況をコントロールしたいという誘惑が生じるのだ。しかし、皆で一緒に考えることをまっとうしようとするなら、この誘惑をしりぞけなければならない。 Id.at ⅷ

2016-12-25 18:46:28
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✄---------- イントロダクション ~ネットワークとダイアローグについて~ ----------✄

2016-12-26 18:38:44
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ネットワークでやるかやらないかではなく、どのように行うかが問題なのである。  個人あるいはチームでの仕事で行う技法やアプローチ、訓練がさまざまに存在する一方で、さまざまな立場の専門家が関与する状況に対処する方法はまだまだ十分に活用されていない。 Id.at 2

2016-12-26 18:43:37
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厄介な状況の中、不確実でコントロールの欠如した場で耐え忍ぶことは難しいことなのである。そのために、モノローグ的な語りへの誘惑が大きくなるのである。しかし、それは相手の思考や行動を支配することになるのだ。Id.at 3

2016-12-26 18:47:25
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ミハイル・バフチン(Bakhtin, 1981)は、権威主義的な発話は、相手がその発話を認めて彼自身の発話であると思い込むことを要求する閉ざされたものだと指摘した。 それに対して、〈対話〉は開かれている。〈意味〉は互いに応じ合いながら生成し、変化する。

2016-12-26 18:52:53
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より多くの〈声〉が参加したポリフォニックな〈他声的な〉対話になるにつれ、新たな理解が生じる可能性が広がっていく。〈対話〉は共に考える手段であり、そこでの理解は、ひとりの人間の可能性を越え出るものとして、参加者のあいだで形づくられる。

2016-12-26 18:57:44
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こうしたことを達成するためには、参加者が耳を傾け、相手に届くような応答をする必要がある。

2016-12-26 19:01:04
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危機が生じたり、不安が高まったり、多くの立場からなる関係者のネットワークが行き詰ったり、クライエントが不満をおぼえたり、その家族がかかわってきたり、専門家が互いを非難し合うような時は、一見すると対話的プロセスがうまくいっていない時である。

2016-12-26 19:04:19
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しかしながら、著者たちの経験では、まさしくこうした状況でこそが、対話が必要とされ、それが最も力を発揮するのである。 Id.at 3

2016-12-26 19:06:14
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心理社会的仕事におけるネットワークとは境界の垣根を超えることである。   マニュエル・カステル(Manuel Castells,1996)は、私たちは「ネットワーク社会」に生きていると述べている。

2016-12-26 19:12:24
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ブルーノ・ラトゥール(Bruno Latour,1996)によれば、あらゆるネットワークには、いくつかの明らかな共通した特性がある。キーワードは「結び目」である。ネットワークは、単純な結びつきから高度な結びつきへと変容するし、その逆もありうる。

2016-12-26 19:14:45
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ロス・スペック(Ross Speck)とキャロライン・アトニーヴ(Carolyn Attneave)は、ソーシャル・ネットワークにおけるリソースを結びつける方法である「ネットワーク・セラピー」を開発した。

2016-12-26 19:18:50
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ジョン・バーンズ(Barns,1972)がつくった「ソーシャル・ネットワーク」の概念は、結びつき自体を定義するという点に関してはまだまだ曖昧なままである。

2016-12-26 19:22:35
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たとえば、家族は常に変容していて、正確に定義するにはあいまいなものである。「家族」の意味は、さまざまな文化において同じものではないし、時と共に変化するものである。拡大家族、親類、地域コミュニティの意義もまた変化するし、仕事のコミュニティや関係もまた変化する。

2016-12-26 19:26:28
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いつでも、社会的支援とコントロールを行うところは常に変化している。同時に、人びとはかつてないほどに伝統的支えとは疎遠になってしまった。また、ソーシャル・ネットワークは今日では、1950年代にそうであったものではない。

2016-12-26 19:30:33
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第二次大戦後、個人的な技能によって行われてきた健康管理、教育、その他のサービスは、マスプロ化した機関にとってかわられ、より深く専門化することで機能している。これらは、細分化された「サイロ・システム」となった。

2016-12-26 19:34:09
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それぞれの部門は、それぞれ運営組織や財政部門をもち、従来あった水平的な構造を失ってしまった。こうして、支援が細分化されてしまったために、その境界の垣根を越えたり、「柔軟なネットワーク」(Castells,1996)をつくる必要性が高まってきた。

2016-12-26 19:37:58
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そのためには、各サイロの結果を別々に見るのではなく、全体の結果を見渡さなければならないと言われ始めたのである。ネットワーク・ダイアローグが求められてきた大きな背景には、市民の日常生活世界と細分化された専門家システムとの出会いがあるのだ。

2016-12-26 19:41:25
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細分化された組織は、個人化というポストモダンの問題に対処しようとしている。  専門家が境界を越えてクライエントに手を差し伸べるにはどうすればよいのだろうか。

2016-12-26 19:45:41
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専門家システムの内部において、そしてクライエントおよびそのプライベート・ネットワークに対して、どうすればさまざまなリソースを結びつけることができるのだろうか。

2016-12-26 19:46:59
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良いシステムでは、専門家が支援と助言を与える。だがひどいシステムにあたれば、クライエントは話を聞いてもらえず、一方的にひどい決めつけをされ、クライエントにはそぐわない対策がとられたり、とんでもない方向へと引きずっていかれてしまうのだ。

2016-12-26 19:50:41
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境界の垣根を超えることは、専門家システムの間でも、専門家と非専門家の間においても必要である。これらの次元は溶け合うのだ。  📌 患者のプライベート・ネットワークがミーティングに招き入れられるのは、彼らを治療するためではなくて、彼らから助けや支援をもらうためである。

2016-12-26 19:55:08
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彼らの〈声〉は、混乱した状況についての相互的理解をつくりあげるために必要なのである。このような場合には、専門家といわゆる素人のあいだにはっきりとした線引きをすることは困難である。

2016-12-26 19:57:58
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〈対話〉においては、治療は専門家たちだけに担わされるのではない。実際には、「素人」であるパーソナル・ネットワークが専門家たちのリソースに上乗せされるのである。心理的危機やその他のこうした困難な状況は、クライエントだけに関係するのではない。

2016-12-26 20:02:07
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それはまた、クライエントの身近な人びとにも関係している。相互的対話においては、ひとつの立場からでは見えなかったり、うまくできなかったような理解をつくりだすことが可能となる。

2016-12-26 20:04:40
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結果、クライエントのプライベート・ネットワークは治療におけるリソースやそのプロセスを一緒に担い合うことになる。ネットワークが出会ったとき、「皆が共有できる特別な知(shared expertise)」が生まれうるのである。そのような知識は、一人だけで獲得できるようなものではない。

2016-12-26 20:08:58
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✄---------- 第1部 第1章 ----------✄  専門家個々人がなすべき仕事をきちんとしていたとしても、異なる機関どうしの効果的な連携が妨げられていることがある。システムが機能不全となっていることがよくあるのだ。

2016-12-28 13:21:47
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トムとエサのチームは、当事者たちがうまくいかない活動パターンを繰り返している状況を打開する方法を、第一線で活躍する専門家とともにつくろうとした。  当初、「ダイアローグの思想」は前面に出てはいなかった。

2016-12-28 13:29:43
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はじめから相手を直接的に変化させることを試みるのではなく、自分自身の行動を変化させる方法に焦点が当てられた。このための主な技法は、自身の行動の結果を希望的に予測し、実際の結果について一緒に考えなおし、そこから学ぼうとすることにあった。

2016-12-28 13:43:33
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その目的は、一方ではこれまでと同じパターンを繰り返さないやり方を見つけることであり、もう一方ではクライエントとの関係を壊してしまわない程度ではあるが、これまでのやり方とは違ったやり方を見つけることにあった。

2016-12-28 13:47:28
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つまり、「希望的予測(anticipation)」を使うことによって、適度に異なる(appropriately different)やり方を見つけるのである。 Id.at 16

2016-12-28 13:51:58
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ポール・ワツラウイック(Paul Watzlawick)のような、第1次および第2次変化を主張する分析家の仕事からは、問題を解決しようという「お決まりのやり方」そのものが問題をはらんだものであるという考えを見出すことができる。ある意味で、問題こそ、問題を抱えた問題解決手段なのだ。

2016-12-28 13:58:39
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したがって、問題解決の努力の仕方そのものを変えなければならない。

2016-12-28 14:05:43
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トム・アンデルセンの仕事(Tom Andersen,1991)もまた、インスピレーションの源となった。つまり、クライエントにとって、適度に「普通」でない(appropriately unusaul)やり方を見つけるという考えである。

2016-12-28 14:10:32
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かわりばえのない「お決まりのやり方」では変化を起こせないが、かといってあまりにも普通でないやり方では治療関係を壊してしまい、クライエントを防衛的にしてしまうことがある。トムとエサはその「中間」を探った。

2016-12-28 14:14:10
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「多様な問題を抱えた状況」には、クライエントやその家族の行動を変化させようと試みるいくつかの異なった立場の人々が集まる。そこにはある行動パターンがあらわれる。その行動パターンがまた現状を再現するのだが、それは協働の産物なのである。

2016-12-28 14:20:18
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多くの参加者の気持ちが現状を変えようというところにあったとしても、当事者たちは、ある種の相互作用パターンを一団となって維持してしまうことがある。そのようにして行われる協働作業の結果、お互いに「こうしたい」と思っていたものとはぜんぜん違うものができあがってしまうのだ。

2016-12-28 14:25:27
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ある一方が命令を下したり主張したりしても、多面的な相互作用をその人が望んだように変化させることはできない。重要なのは、その人が何をどのように行うのか、ということにある。

2016-12-28 19:17:23
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したがって、相手をどのように変化させるかと考えるのではなく、あるパターンの中で自分はどのように振る舞えばよいかを考えるほうがよほど実りのあることなのだ。なぜなら、自分自身の行動を変えることは、それほど難しいことではないからである。

2016-12-28 19:19:25