円居さんのTweets (Post)に対して触発されて色々書いていた。以下、その目的に近似するかもしれない本として紹介したものの書誌: ▼最初の手堅い1+2冊 渡辺照宏. 1974. 『仏教 第2版』. 岩波新書[青C150]/岩波書店. amzn.to/3x4qvgZ 馬場紀寿. 2018. 『初期仏教:ブッダの思想をたどる』岩波新書(新赤1735)/岩波書店. amzn.to/4aFJ89J 渡辺照宏. 1967. 『お経の話』. 岩波新書[青C153]/岩波書店. amzn.to/3vnwbSS 続きを読む
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渡辺1967, 25あたり読んでると、やっぱり渡辺はカッコ付きの“原始仏教”に対して否定的だな。「小乗経典は無我の思想が強いけど仏教の核は我の全否定じゃねーし」みたいなことを主張してる。

2024-03-26 00:30:56
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馬場2018では「法と律」と呼んでいたものは、渡辺1967では「経と律」と呼んでる。

2024-03-26 00:32:11
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そもそも「パーリ語経典だからといって第一回結集会議(結集仏典)と完璧に対応するとか全然言えねーし」という話は渡辺の頃から既に言われている。「忠実な伝承であると信じることはまず不能である」(渡辺1967, 28)

2024-03-26 00:34:58
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(渡辺1967, 32)の樹形図的整理は、「パーリ語聖典読めば(聖書においてマルコ福音書が一番古い、みたいな手つきで)現存文献の新旧が同定できる、というプロジェクトが一旦破綻してしまったことを明らかにしている。辿り着けないあみだくじのようだ。 pic.twitter.com/A1W5OhHDfS

2024-03-26 00:49:33
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渡辺自身も、同書内で「山上の垂訓について、マタイでもルカでもないx福音書を想定することには意味がない」と述べている(渡辺1967, 35–36)。

2024-03-26 00:59:41
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渡辺の上座部批判寄りの視点が、以前読んだ時より鮮明だな。上座部-大衆部の比較の中でだいぶ大衆部のあり方に肩入れしているようにも見える(そうと読めるだけで、二つの間には主張や手法に関して大まかな競合関係、緊張関係が想定しうる、くらきに収まってるが)。

2024-03-26 01:02:09
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こうした議論を経て書き直される図表、楽しそうですね(渡辺1967, 48)。この周辺に古代バラモン教、ジャイナ教、のちの六派哲学、なんかを並べれば、必要な地図(唯一の起源をたどりようがないことがわかる地図)が得られそう。 pic.twitter.com/mKqApUgTzo

2024-03-26 01:08:13
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急に仏教トークを数日続けてる人になってるが、さらにその前はトルコイスラームの話を延々読んでたし、さらにその前は古代イスラエルの史実性の程度について読んでたので平常運転です(宗教史と宗教系形而上学の読書は趣味)

2024-03-26 01:23:15
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(渡辺1967, 75)でもパーリ語最古説は覆ってるよと指摘あり。

2024-03-26 01:41:15
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大蔵経もぜんぶ日本語訳した上で新改訳聖書みたいに引照付がでたら面白いのにね。

2024-03-26 01:49:14
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しかし比較すべき文献が何十倍もあって無理か

2024-03-26 02:01:44
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『お経の話』結局読み返しちゃった。前にこんなにちゃんと読めていなかったようにも思うが。『仏教 第二版』→『初期仏教』→『お経の話』の岩波新書3冊でコンボを極めると、読み手が仏教のどこに関心の軸がありそうか占えていい感じですね(原始仏教/上座部/大乗諸派/翻訳論/宗教哲学/インド説話等)

2024-03-26 03:01:01
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2020sの世界の仏教文献学事情を反映した、『仏教 第二版』『初期仏教』『お経の話』の3冊を合成したようないい感じの入門書があれば最強なのだが……。

2024-03-26 03:02:56
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『八宗綱要』はこの3冊読んだ上で日本の宗派展開を中国仏教哲学含めて細かく追いたい人しか読まなくていいかもしれない。『お経の話』の中盤で隋唐代の翻訳&宗派事情は意外と語られていたし、間に合うと言えば間に合う。船山徹『仏典はどう漢訳されたのか』にも通じるようなメディア論の側面もある。

2024-03-26 03:06:20
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