鳩原と勝負した結果がコレかよ!
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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

@8 登場人物紹介──光のない友人古橋── 高校時代からの友人でオレのファン(?)。異常にフットワークが軽く、連休等はオレに会いによく大阪まで来る。オレへのアクセスを良くするため、最近は大阪への移住も検討してるらしい。 discordのアイコンは庭で育ててる花の写真。

2023-01-27 00:13:36
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

@8 登場人物紹介──目のない友人原── 高校時代からの友人。昔はよく「30以降の人生なんてあるワケないっしょ」とか言ってたが、夏に30歳の誕生日を迎えてからもピンピンしてやがる。今何してんのかは知らねぇ。 discordのアイコンは黒マスクを付けた自撮りで、重い前髪と相まって情報量がほぼない。

2023-01-27 00:16:57
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

@8 登場人物紹介──常識のある友人山崎── 大学時代からの彼女と数年前に結婚し、最近子供ができたりと、オレ達の中で唯一人真っ当な人生を歩む奴。discordのアイコンは結婚式の写真。ちなみに、ヤマの結婚式では当然ながらオレが友人代表スピーチをやってやった。

2023-01-27 00:17:34

意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

グループ内に通話を発信。庭の花の写真アイコンが即光った。 「久しぶりだな、花宮」 「よう…って、お前だけかよ」 ビデオに映る古橋の部屋は暗く下からのPCの光で古橋の顔だけが浮かび上がっていた。 「記念すべき花宮の30歳の誕生日だというのに信じられないな」 そこ張り切ってんのはお前だけだ。

2023-01-12 22:00:02
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ああ。花、届いたぞ」 今朝、事務所に古橋からスタンド花が送られてきた。あれ芸能人とかに贈るやつだろ… 鳩原との勝負の一件でオレは謝り通しの日々を過ごしていたが、事務所の雰囲気だけは当選したように華やかになった。 古橋と互いの近況を軽く話して数分、 「メンゴメンゴ」 原が入ってきた。

2023-01-12 22:03:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ザキ、奥さんと一緒に病院行くっつってたから今日はどうかねー」 「…つーことはアレか。ヤマも人の親になるってことか…」 「しみじみするな」古橋が無表情で相槌を打った。 「花宮の反応じわんだけどw んな驚くことでもないっしょ。ガキくらいオレも何人かいると思うし」 ・・・ハァ!? 「ハァ!?」

2023-01-12 22:06:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「そういう大事なことは報告しろよ!」 「や、別にンな大事じゃねぇし、認知してないからあんま関係ないっつか」 「お前、養育費とかちゃんと払ってんのか?」 「結婚しろとか面倒なこと言ってこないコの子供にはたまにおやつとかあげてるよ✌️」 たまにおやつあげるって…カブトムシじゃねぇんだぞ…

2023-01-12 22:09:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

前々からクズだクズだとは思ってたが、原がクズすぎて目眩がしてきた… 「はぁ〜…オレのクソ親父でも養育費だけは払ってたぞ…」 「そこ引くんだw 花宮って昔から変なトコ真面目だよね」 「花宮の真面目さは父譲りなのか。メモしておく」 しばらく古橋がカタカタキーボードを打つ音だけが共有された。

2023-01-12 22:12:00
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「つか、瀬戸は?discordのグループに入ってすらないよねん」 「あぁ…健太郎は…その…」 オレは口ごもり目を泳がせた。 「花宮わっかりやすw」 「オレも花宮の反応でだいたい察したが詳しく聞きたい」 このまま黙ってるわけにもいかねぇし、オレは原と古橋に瀬戸に絶交された経緯を話すことにした。

2023-01-12 22:15:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ついに瀬戸玉砕したかー!包丁持って花宮殺そうとしたとかクッソウケんだけどw 見たかったわーw」 「同感だ。オレも同席したかった」 「お前ら面白がるなよ。少しすりゃアイツも頭冷えんだろ」 それまで瀬戸を茶化していた原と古橋が信じられないものを見る目でオレを見た。 「…何だよ急に黙って」

2023-01-12 22:18:00
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「花宮〜そういうとこだよー」 「花宮にとって殺されかけるなんて日常茶飯事なんだ。瀬戸の行動が全く響かないのも無理はない」 「さすが長年の花宮担。一理あるねん」 原と古橋はオレを無視してオレについて何か納得し合っていた。何なんだよ。 「つか、昔から思ってたんだけど、」 原が手を挙げた。

2023-01-12 22:21:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「瀬戸で良くね?」 原は挙げた手を回転させ手のひらを上へ向けた。 「んな“裏切りはアクセサリー”を地で行く男、何がいいのかイミわかんねーわ。今も騙されてんじゃね?いつ帰んのかもわかんねぇし、負けた尻拭いは押し付けて、花宮をキープしつつ青峰とよろしくやってんだろ?イイトコ取りじゃん」

2023-01-12 22:24:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「不二子ちゃんにしか許されないな」 「っしょ?瀬戸なら花宮のこと一生支えてくれるだろうし。花宮みたいな奴は自分に尽くしてくれるタイプのが絶対合ってるって!」 原は珍しく力説していたが、オレにはピンと来なかった。それより古橋の口から不二子ちゃんという言葉が出てきたことがじわじわくる。

2023-01-12 22:27:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「健太郎が尽くすタイプ?どこがだよ。学生時代、寝てばっかのアイツの授業から何から世話してやってたのはこっちだぜ」 「オレが言いたいのはそゆことじゃないけどwそれわかるわ。瀬戸、最近は真っ当に生きてるらしーけど、花宮に選ばれたら絶対また相棒ポジションに胡座かいて何もしなくなるよねw」

2023-01-12 22:30:00
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「瀬戸、甘えたいタイプだかんなー」 「フラレたのも仕方なく思えてくるな」 原と古橋は二人でウンウン頷き合っていた。が、原は顔を上げた。 「え?つーことは古橋は今吉派?」 「オレは花宮が幸せなら何でもいいが、こういうのは花宮自身の気持ちが一番大事だと思ってる」 「うわーマジかー」 ……。

2023-01-12 22:33:00
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

オイオイ、オレの前でオレ抜きにオレの話を進めんなよ… 勝手に盛り上がる二人の会話を眺めていたら、もう一つアイコンが光り山崎が通話に入ってきた。 「ワリ!遅れた!まだやってる?今何の話してんだ?」 「恋バナだ」古橋が即答した。 「恋バナ!? このメンツで!?」 「全然違ぇよバァカ!!」 「www」

2023-01-12 22:36:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「不二子ちゃんはパートナーとしてアリ?って話よ。ザキはどう思う?ハイ!唯一の既婚者の意見!」 山崎はくだらねぇ質問に真剣に頭を悩ませて答えた。 「何、ルパンの話してたのかよ。うーん…オレはムリだけど、ルパンは悪党だし、ああいう一筋縄じゃいかない女つれてる方が合ってんじゃねぇかなぁ」

2023-01-12 22:39:00
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「「「……」」」 「何!? オレ変なこと言った!?」 喚く山崎に古橋が静かに答えた。 「意外にも核心をついてたからだ」 「さすが既婚者。つーか、ザキも今吉派か〜」 「今吉?って花宮と同居してる先輩の?何か関係あんのか?」 「関係ねぇっつってんだろ!」 「もいーじゃん、花宮。ザキも来たしさ、」

2023-01-12 22:42:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「悪童(30)を祝って乾杯とかしよーよw」 「そうだな。記念すべきこの日を皆で祝うべきだと思う」 「じゃあ、オレ酒持ってくるわ!ちょい待ってて」 「いらねぇよ!やめろ」 アイツらが次々と酒を取りに行くから、仕方なくオレも缶ビールを開けた。今吉さんが冷蔵庫に入れたままにして行ったやつだ。

2023-01-12 22:45:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「そんじゃ、花宮の30歳の誕生日を祝ってぇー…」 「「「「乾杯!」」」」 コイツらとビールを掲げる…こんな誕生日も悪くねぇか。 「…って、花宮!後ろ後ろ!」 「は?」 山崎が何かを指差す。怪訝に思いオレは振り返った。瞬間、誰かに顎を掴まれる。 「ぐえッ」 「盛り上がっとるとこ悪いけど、」

2023-01-12 22:48:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「そろそろ花宮返してもろてもええやろか」 「今吉さん!?」 いつからいた!? 全く気配がなかった。オレの座るチェアの背もたれには笑みを浮かべた今吉さんがもたれかかっていた。 「随分楽しそうに話しとったなぁ。特に原くんー?」 「…w」 今吉さんが笑みを深めると、原の膨らませてたガムが割れた。

2023-01-12 22:51:00
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「今日のとこはまあええわ。そういうわけやから、また今度遊んだってな。ほなな」 マウスを持つオレの手に今吉さんの手が重ねられ、切断ボタンを押させられた。 「オイ、勝手に…」 画面から視線を外し、振り返って今吉さんを見る。 案外、顔が近くにあった。今吉さんもオレを見ていた。視線が重なる。

2023-01-12 22:54:30
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ただいま、花宮。誕生日おめでとう」

2023-01-12 22:57:30

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