ずっと一緒にいた二人に愛は生まれるのか

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園「ほんと。しっかし、新宿のが産むとかちょっとウケるw」 安「笑ってる場合じゃないでしょう。何なの、これは？二人とも、そこに座りなさい」（氷点下の笑み） 秩「ひぃっ！」 園「ひゃいっ！」 安「小さい子に変なこと言わせて…。さすがに今日は反省してもらうからね！」 園・秩「はい…」

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～ひなちゃん悩む 池「安比奈、明日の昼のことなんだが…何を見てるのだ？」 安「ああ、池袋。アルバムだよ。片付けしてたら見つけたんだ」 池「合併の頃の写真か。懐かしいな」 安「この頃は小競り合いが絶えなかったよね」 池「今もそんなに変わらないだろう」 安「騒がしいのはね。…ねぇ、池袋？」 twitter.com/bloodylycoris/…

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～まだまだ懲りてない人たち 園（ゲンドウポーズ）「それでは、第二百二十三回対策会議を――」 秩「異議あり」 園「こら、ここは法廷じゃないぞ！」 秩「いやいや、ツッコミどころ多すぎでしょ？なに、二百二十三回って？まだ二回目だよね？」 園「なんかかっこよくね？縁起もよさげだし」 twitter.com/bloodylycoris/…

2021-01-07 21:40:29

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池「なんだ？」 安「結婚すると、変わらなきゃいけないものなのかな？」 池「…」 安「俺はさ、この頃も今も新宿への気持ちは変わらないなって思ってるんだけど…」 池「安比奈…」 安「まぁ、立場的なものは大分変わったかもだけど。俺、扶養だし」 池「…別に、今のままでもいいのではないか？」

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安「でも…」 池「関係性に名が付いたからと言って、すぐ変化があるわけではないだろう。例えば、思い出してみろ」（写真を撫でる） 安「え？」 池「私は武蔵野という名で、あいつは村山という名だったな。その後、今の名前になって翌日から何か変わったか？」 安「そんなことはなかったけど…」

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池「だろう？恐らく、本質は一緒だと思うがな。お前たちがお互いを特別に思ってるということは」 安「へっ？」 池「違うか？私はあの日からお前たちの間には他者が入り込めない絆のようなものを感じたぞ」 安「絆…」 池「だから夕飯は遠慮したというのに」 安「えっ？ちょっとそれ、初耳なんだけど」

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池「初めて口にしたからな。荷物の件にしたってそうだ。相手のものまでまとめて送る親密さとかな」 安「それは、あの時は同室だったから…」 池「そうか？お節介なお前なら、全員分送ってもおかしくなかったと思うぞ。あの村山が、勝手に己のものに触られて怒らないというのもな」 安「……」

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池「正直、少し羨ましかったぞ。私には堤会長がいらしたが、対等に思い合うなんて許されないお方だったからな」 安「対等に…思い合う…」 池「お前たちは既に特別なんだ。今さらそこで悩むこともあるまい」 安「……うん」 池「しかし、私もできるものなら会長と結婚がしたかった…！」

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安「（…あ、池袋の会長アクセルが入っちゃう！）ところで池袋！俺に用事があったんじゃないの？」 池「ああ、そうだった。明日、会議が立て込んでいるので、悪いが昼食を用意してくれないか？」 安「うん、分かった！サンドイッチとかのがいいかな？」 池「任せる」（すっかり仕事モードで出て行く）

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安「…。既に特別、かぁ…」（写真の中で並ぶ黒髪の新宿と安比奈をじっと眺めながら） やっと答が見えかけてきたひなちゃん。次回はとうとう新宿に胸のうちを吐露します。

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～そして、夫婦は対話する 新「…はよ」 安「おはよ、新宿。朝ご飯できてるよ」 新「んー」 安「それから、お弁当作ったから持って行ってよ。今日は会議が立て込んでるって聞いたよ」 新「あぁ、池袋からか」 安「うん。最近二人とも分刻みのスケジュールだって？言ってくれたらいつでも用意するのに」 twitter.com/bloodylycoris/…

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新「お前も忙しいし、手間かけるのも悪いだろ？行きに買って行けば済む話だしさ」 安「…ねえ、新宿？」 新「うん？」（もぐもぐ） 安「俺って、新宿の嫁をちゃんとやれてるのかな？」 新「んぐ？！（寝ぼけていたのが覚醒。思わずフォークを取り落としそうになりつつ）急にどうしたんだ？」

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安「うん。最近、色んな人から話を聞いて自分なりに答えを出したんだ。俺と新宿は結婚して夫婦になったけど、それで何か変わったのかなって…」 新「なぁ、安比奈。ちょっと待った 」 安「えっ？」 新「先に確認しときたいんだけど、…これはもしかして別れ話か」 安「は？なんで？」

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新「だって、展開的に『今後あなたと私は他人として暮らしましょう』ってやつだろ？正直、朝からそんな話を聞いたら仕事に影響するから、今は待ってほしい」 安「あの、新宿…」 新「ていうか、できれば一生聞きたくない」（頭を抱える） 安「俺、一言もそんなこと言う気はないんだけど」

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新「…本当に？」（ちらっ） 安「本当に。大体、俺たちもうずっと家族じゃないか。今さら他人になんかなれないよ」 新「いや、まぁそりゃそうなんだけど…」 安「そう。ずっと一緒にいて、とっくの昔から特別で。関係に名前が付いたからって、いきなり何かが変わったりはしないよなって気付いたんだ」

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新「それは俺たちの関係が、もうこれ以上変わり様がないってことか？」（だとしたら、俺にとっては…） 安「んー、ちょっと違うかな。ねぇ、新宿？合併してすぐの頃を覚えてる？」 新「ん？あぁ」 安「家の中はギスギスしてたし、馴染むまで時間がかかったよねぇ…」 新「そうだったな」

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安「会長の命でお揃いの格好にしたけど、本当の意味で俺たちは仲間だって思えたのは結構後だった気がする。『染めるのとパーマは両立できない』って暫く不機嫌だった奴もいたしさ」 新「それは忘れてくれ」 安「ふふっ。名前が変わったあの時もそう。一気に変わるから、誰が誰だか分からなくなって…」

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新「変わらないお前と多摩湖だけはのんびりとしてたよな」 安「絶対慣れることはないんだろうと思ってたのに、不思議」 新「…なぁ、どうして急にそんな昔話を？」 安「うん。今考えれば、周りからは大きな変化に見えることも、俺たちにとっては通過点でしかなかったんだよなってこと」 新「通過点…」

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安「その日から急激に何かが変わったんじゃなくて、ずっと積み重ねてきたものを緩やかに変えながら今に繋がってると思うんだ」 新「…俺たちの関係も？」 安「そう。これからどんな風に変わっていくのか楽しみだよね」 新「ん。そうだな」（そっか、俺はまだ諦めなくてもいいんだな…）

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安「そう考えると、国分寺の言ってた『段階を踏め』って話はあながち間違いじゃないかもと思って、今俺に出来ることをしてみたんだ」 新「それで弁当を作ってくれたのか」 安「うん」 新「じゃあ俺は、二回目のデートに誘えるように張り切って仕事を片付けないとだな」 安「ふふっ、頑張ってね」

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川「いやー、朝から微笑ましい話だったなぁ」 安「！多摩川、いつからいたの？」 川「最初からいたよー。存在消してただけで」 新「お前まさか、俺たちの部屋に一体化してたりしないよな」 川「推しの壁になるかー。憧れるけどね！」 新（今度から周囲はちゃんと確認しとこう。今後のために）

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～お決まりのアレ 安・新「お義父さん！」（ビシッ） 秩「えっ、ちょっ、何あれ？」 豊「お約束のあいさつだって」 秩「…は？何だって？」 狭「だから、あの二人ってばいきなり結婚しちゃったでしょう？遡って家族へのあいさつをこれからするんだって」 秩「ああ、だからスーツ姿…」 twitter.com/bloodylycoris/…

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安「新宿を」 新「安比奈を」 安・新「俺にくださいっ！」（土下座） 国「……」（厳めしい顔で腕をくんでいる） 秩「てか、相手は国分寺でいいんだ？」 豊「あいつらにとっては親みたいなもんだろ？」 狭「現にノリノリだし」 秩「そう言えば、久々に見たかも。国分寺の着物姿」

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安「俺、これからも新宿と一緒に生きていきたいんだ」 新「今まで辛い思いをさせてきた分、絶対幸せにするって約束する！」 安・新「だから、お願いします！」 国「……」（二人をじっと見ている） 秩「ていうか、これがお約束なら『息子はやらーん！』ってちゃぶ台返しするとこなんじゃないの？」

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豊「そんな前時代的な…」 狭「でも、よく考えれてみれば国分寺って明治生まれだよな。目の前にちゃぶ台もあるし」 秩・豊・狭（ごくり） 国「…。よく言った！お父さんは嬉しいぞ！」 秩「あっさりだったー！」 豊「まぁ、それもそっか。何しろ、二人とも可愛い息子で手元に残るわけだしなぁ…」

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狭「これで一件落着だね、レオちゃん」 レ「がう」 園「ちょっと待ったー！」 秩・豊・狭「え？」 園「新宿は俺のたった一人の兄貴だ。奪っていくなら、俺を倒してからにするんだな」（安比奈に向かってビシッと指をさす） 秩「え、ちょ？何あれ？」 狭「ここにきて、まさかの小舅登場？」

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豊「にしては偉く威勢がいいというか、これはまるで…」 新「おい、西武園！お前なに言ってるんだ…って、安比奈？」（殴りに行こうとしたら、すっと目の前に安比奈の背中が現れ動揺） 安「いいんだ、新宿。確かに西武園の言う通りだもの。その勝負、受けて立つよ！」 園「よっし、庭に出ろ！」

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秩「えっと…、これってお約束的展開？」 狭「どうだろうね？」 豊「どちらかと言うと、少年漫画的展開だな」 秩「ああ、確かに…って、あ。あっけなく西武園が吹っ飛ばされた」 新「安比奈ー！さすが世界で一番強い俺の嫁！」 安「嫁って言うなー！ふぅ、これで文句ないよね」 ？「ふっふっふっ」

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安「誰だっ？」 ？「奴は我ら四天王の中で最弱」 ？「真に幸せを手にしたければ」 ？「われらをたおすのですっ！」 新「拝島、多摩湖、それに有楽町まで！何やってるんだ、お前ら」 川「一応止めたんだよー」 秩「多摩川、いつからそこにいたんだ？」 川「ひどいな、最初からいたって」

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豊「で、何あれ？」 川「障害があった方が、燃え上がるからって」（遠くで倒れながらもぐっと親指を立てている西武園を見ながら） 安「えっと、よく分かんないけどみんな倒せばいいってこと？」 狭「どちらかと言うと、世紀末なんちゃら伝説になってるじゃん」 新「安比奈！俺も加勢する！」

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秩「レオ。悪いけど有楽町を回収してきてくれる？多分あれ、分かってないから」 レ「がう」 安・新「よっし、かかってこい！」 ～庭の大騒ぎを見ながら 池「いいのか？」 国「何が？」 池「お前が言ってた段階とやらは、多分ああいうものではないだろう？」 国「まぁな。でもいいんだ」 池「うん？」

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国「二人が仲良く並んでる。俺にとってはそれが何よりだよ」 池「そうか」 川「それに、未来は何があるか分からないしね。俺、今のとこ三パターン考えてるんだけど、見る？」（手元のノートをずずいっと差し出す） 国・池「いや、遠慮しておくから」 結局、力勝負では安比奈の一人勝ちだったらしい。

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信頼型夫婦のお話はこれでおしまいです。 ほぼほぼ１ヶ月に渡りお付き合いいただき、ありがとうございました✨ そのうち、ささやかな後日談を付け足しながらまとめを出したいと思います。