
今日は観覧車や幽霊船のお化け屋敷のある遊園地でサクラ。子供向けの抽選会でもあるのか親子連れがちらほらとダメもとでも運気を上げにペンダントに触りに来る #novelber 「…なるほどね…」人々の願いを受ける度ペンダントが力を帯びていくのが解る「これを手にヤツに欲望の丈を叩き込んできなさい」
2020-11-25 12:16:19
扉越しに瘴気が伝わってくる。悪霊は由美を侵し自分の一部にする方法に出たようだ。楽しかったな。彼女との日々を思う。陽の気に溢れているのに、あっさり霊を受け入れ、寄り添ってくれた人は初めてだ。もっといろいろ美味しいものを食べさせてあげたかったな… #novelber 「たのもぉ!」玄関が開いた
2020-11-26 12:21:52
『怖じけてはダメ。最初からイキって行きなさい』玄関を開け占い師の言葉どおり「たのもぉ!」と声を張り上げる。脳内でボクシング映画のテーマ曲を流し、外套を脱いで放り投げる #novelber バン!悪霊が廊下を飛んでくる。一瞬怯んだが弾かれ唖然と見てる由美さんを感じ「気合いだぁ!!」私は吠えた
2020-11-27 12:32:33
手にペンダントを巻く。込められた欲望に私の欲望を重ねる「私は由美さんの美味しいご飯でのほほんと楽しく暮らしたい!」そうだ!今度の給料日、霜降り牛肉を焼いて貰うんだ!憧れのお家ステーキ!迫る悪霊に拳を握る「怠惰な女のキャッキャッウフフの幸せ自堕落生活の邪魔すんな!!」 #novelber
2020-11-28 12:21:41
パーンと音が鳴り、それは消えた #novelber 「全部白昼夢のような気がする…」「彼女を憑けてそれはないでしょ」占い師が苦笑する。あの悪霊はダメージを受けて、眠りに着いたらしい「古い家だからその間に取り壊されると良いわね」お礼にペンダントを買い取り、背中に声を掛ける「帰ろう、由美さん」
2020-11-29 12:58:24
「鍋だ!」暖かい炬燵に入る。ふと情報番組を熱心に見ている由美さんに気付く。青空に高い塔「今度行こう」私憑きになったのだからどこでも一緒に行ける。そう私が天寿を全うした後は一緒にあの世にも #novelber 「由美さん」発泡酒の缶を掲げる。グラスが空を滑ってくる「これからもよろしく」乾杯!
2020-11-30 12:22:38