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にゃろーめ @nyaropokke

なによなによ自分ばっかり勝手に逃げてと、立派な博士であるというのに拙い言葉でdndを詰る。涙混じりに怒る様子にいつかのrrnに言われた事と自分が返した言葉を思い出す。 『きっと・・・泣いて怒るだろうな』 やはりその通りだった。snaのことだから黙っていないだろうと、きっととても怒るだろうと

2021-02-19 20:48:18
にゃろーめ @nyaropokke

わかっていた。散々怒ってそしていつか自分を忘れるのだろうと。なのに今snaはここにいる。伝えることもせずにガラrを去った自分とは違いきっと何もかもを置いてここまで…追いかけてきてくれたのだ。 「そうだな…何も言ってない。伝えてないなオレは…」 他の何よりsnaが大事で、大事すぎて

2021-02-19 20:52:14
にゃろーめ @nyaropokke

たった一言が言えたら楽になれるのにそれすらもしなかった。たった一言で全て失うかもしれないというリスクに怯え自分が傷つかないために逃げだした。そしてその結果、snaを傷つけた。 とんでもなく意気地なしで、どうしようもなく臆病者だった。 「なんか…言うこと、ないわけ?」 「ある。沢山ある」

2021-02-19 20:56:23
にゃろーめ @nyaropokke

聞いてほしいことがいっぱいある。言いたいこともたくさんある。喋りだしたらきっと止まらないだろう。それでもキミは聞いてくれると信じてる。 ガラrでは英雄だ勇敢だ無敵だと囃す声が多かった。怖いものがないなんて言う人もいた。そんなのはpkだけだ。彼らは自分よりずっと強くて、ずっと勇敢で。

2021-02-19 21:03:43
にゃろーめ @nyaropokke

一緒に戦うと心強くなれていつだって自分にもできるという勇気を与えてくれる。一歩の勇気は今ここから。この勇気は彼女がくれたものであり全霊をかけて応えなくてはならないもの。 己はただの人間でsnaのことが好きな一人の、男だ。 snaがここまでして自分が何もしないだなんてそんなの許されない。

2021-02-19 21:10:24
にゃろーめ @nyaropokke

「…呆れないで聞いてくれるか」 「今なら、聞いてあげてもいいよ」 しゃくりあげながら腕の中の小さな彼女はぐすぐすと泣き声を混ぜながらdndの言葉を待つ。ほぉと吐く息で細い肩が震えるのを抑えるように強く包み込む。 「snaが…好きなんだ」 ポツリと呟いた声は自分でも驚くほど震えていた。

2021-02-19 21:15:29
にゃろーめ @nyaropokke

声だけじゃなく腕も足も今にも頽れそうなほど震えている。真剣勝負が始まる前のときのような緊張感とは違う経験したことのない震えだ。たった一人の前ではこんなにも情けなくなる。たった一言のために心臓が早鐘を打っている。 「昔からずっと、ずっと…。どうしようもなく…好きなんだ」

2021-02-19 21:22:00
にゃろーめ @nyaropokke

なんで逃げたんだ。なんで言えなかったんだ。言ってしまえば呆気ないほどあっという間だというのに伝える勇気に怯えたばかりにこんな有り様で。 「snaが好きだ。snaが一番好きなんだ」 「……っ」 ああなんて愚かなんだ。彼女がまた泣いている。腕の中の震えに気が付いたが怖くて目を開けられない。

2021-02-19 21:28:07
にゃろーめ @nyaropokke

泣かないでくれとごめんの意味も含め更にぎゅっとすればもぞもぞと動く気配にすぐさま緩める。そして胸に腕をついてそっと体を離したsnaの顔は…翠は変わらずきれいなまま、眦に涙を残しながらも少し笑っていた。いつもの『しょうがないなぁ』というあの顔で。けれどそれがまたくしゃりと歪められる。

2021-02-19 21:33:17
にゃろーめ @nyaropokke

やはりだめか。遅かったのか。出会い頭のセリフもからかいの一つだったのだろうかと遅すぎる後悔の波が押し寄せる。 「知らない間に…」 「ん…?」 「知らない間に勝手にいなくならないで!」 「うん」 「わたしの見えないところで生きないで!」 「ああ」 「わたしを!一人にしないで!」 「しない」

2021-02-19 21:36:42
にゃろーめ @nyaropokke

わんわんと叫ぶようにdndへのお願いを一つ口にする度に引っ込みかけていた涙がボロボロとまた大きな目から零れ落ちる。snaの言葉一つ一つに頷きその思いに胸が張り裂けそうになる。随分昔に涙を拭ってあげたのを頭の片隅に思い出しながら頬へ手を伸ばし、後から後から流れてくる涙を拭う。

2021-02-19 21:49:05
にゃろーめ @nyaropokke

嗚咽混じりにそうして最後の願いを叫ぶ。 snaを見つめる視界は滲みdndの目にも涙が浮かび始めた。 「わたしと…一緒に生きてよ…!!」 「もちろんだ…!!」 瞬間、snaを再び抱き寄せ今度こそ力強く…それこそ骨が折れるのではというくらい強く抱き締めれば負けじと強い力がdndの体にも伝わる。

2021-02-19 21:53:09
にゃろーめ @nyaropokke

断るなんて選択肢は端からない。自分が何よりも望んでいたもので焦がれるほど想いを寄せた、ただ一人だ。 その一人と想いが通じあった喜びをなんと表そう。 「わたしだってdndくんが好きなんだから!!」 そう叫んだsnaの大きな泣き声は汚れた作業服に吸い込まれ自身もsna、snaと何度も名前を呼んだ。

2021-02-19 22:10:29
にゃろーめ @nyaropokke

会えなかった時間を埋めるように呼べなかった名前を呼ぶように何度も、愛しい名を紡いだ。 「逃げてごめん臆病でごめん、全部ごめん…!」 「どれだけ寂しかったと思ってるのさぁ…っ」 「ごめん。本当にごめん。ありがとう。ありがとうsna…っ」 ここまで追ってきてくれて。想ってくれて。

2021-02-19 22:18:31
にゃろーめ @nyaropokke

全てを無にしようとしたのは自分なのに。完全に無にできなかったのも自分なのに。全てを知った上で忘れることを選ばず自分を探してくれたことに、snaの深い愛を知った。 ああ。こんなにも愛した人の体温は温かいのだ。 これはdndの恋心がガラrから消えた話。 グッバイメモリー ハローワールド

2021-02-19 22:51:43
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