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にゃろーめ @nyaropokke

これは両片思いなのに長年何も進展しないまま幼馴染を続け、dndがガラrから消えるif話。 「最近dndくん来ないね~」 「え?」 「ん?」 snaの言葉に資格試験の勉強をしていたhpの手が止まり信じられないというような顔でsnaを見る。 「知らないのか?」 「何を?」 「アニキ、ガラrにいないんだぞ」

2021-01-04 23:06:21
にゃろーめ @nyaropokke

「またまた。あのdndくんが?冗談でしょ」 「sna」 兄と同じ瞳をした助手が笑うことなく本当だと真剣な顔をする。今までも真面目な話の時はこんな表情してたなの頭の片隅でぼんやりと思う。それはどっきりでもなんでもなく本当の事だと告げている。 「え・・・?ほ、本当に・・・?嘘でしょhp」

2021-01-04 23:09:55
にゃろーめ @nyaropokke

「sna。俺はアニキの事で嘘なんて言わない」 ガタリと椅子から立ち上がりよろよろとhpへ縋る。もうsnaより随分高くなった身長は見上げる程でそれはdndより少し高いくらい。同じ目線で同じ瞳なのにそれは紛れもなく弟で兄ではない。 「なん、なんで・・・?dndくんどこ、どこ行ったの?ねぇ!hp!!」

2021-01-04 23:12:17
にゃろーめ @nyaropokke

「俺も知らないんだぞ。多分・・・誰も知らない」 縋るsnaの手を同じく大きくなった手がゆっくりと解いていく。snaと同じ目線に合わせて話す姿はいつしかのdndと同じででも何もかも違う。目の前にいるのはdndではなくそれもガラrにはいないなんて信じられなかった。あれだけガラrを強くしたいと語って

2021-01-04 23:15:08
にゃろーめ @nyaropokke

いたのにその夢をほっぽってどこに行ったと言うのだ。ニュースでもそんなこと言ってなかった。SNSを頻繁に見ないsnaにはそれが一時でも話題になったことすら知らなかった。そもそもsnaには何も伝えられていないのが何故なのかわからなかった。 「だって何も・・・!dndくん何も言ってなかった!!」

2021-01-04 23:17:55
にゃろーめ @nyaropokke

そんなの嘘だ!!と泣き叫んでは困り顔のhpが手を伸ばすもそれを振り払う。そして貴重品だけ持って研究所の入口へと走っていく。 「sna!snaどこ行くんだ!」 「dndくん探す。誰か知ってるかもしれないでしょっ」 「sna!!」 hpの静止も振り切って研究所を飛び出した。外はもう暗くなり始めていたが

2021-01-04 23:22:23
にゃろーめ @nyaropokke

そんなの関係ないと駅へ駆け込めばこんな田舎から今から都会へ行く人はほとんどおらず閑散とした中でシュートへの切符を買う。動揺からか手は震え待合室で列車を待つが落ち着かない。白衣姿のままのsnaの体を隙間から入り込んだ夜になりかけの風が冷やしていく。 「そんなの・・・嘘だもん・・・」

2021-01-04 23:31:06
にゃろーめ @nyaropokke

待ちわびた列車に飛び乗ってから、動転して簡単なことに気付くことすら出来なかった手の中にあるスマホをすぐさま表示させる。マナーが良いとは言えないが乗客はsnaだけで誰も気にしない。普段の彼女なら咎める側だというのに、今はそれどころではないと何度も掛け慣れた連絡先を表示させる。

2021-01-05 22:45:18
にゃろーめ @nyaropokke

アイコンにはガラrの象徴とも言える誰もが知る男。知らないのは生まれたばかりの赤ん坊か他の地方の人かというくらい長らくエンターテインメントの中心にいた恐らく誰もが知っている、snaの幼馴染。震える指で番号をタップして耳に当てれば数回のコール。そしてプツと繋がる音に俯きかけた顔を上げる。

2021-01-05 22:49:41
にゃろーめ @nyaropokke

「ダン・・・っ」 しかし続けて聞こえてきたのは『現在この番号は使われておりません』という無機質なアナウンスだった。『snaか?どうした』といういつもの優しい声は聞こえず忙しそうでも寝起きでも、いつ掛けても出てくれたあの声の代わりに無常にもツーツーという音だけが鳴り続けていた。

2021-01-05 23:05:52
にゃろーめ @nyaropokke

それならメールはとdnd宛に『今どこ?』と一言だけ送ってみてもそれはすぐさま自動処理として宛先不明でsnaのスマホへと舞い戻ってきた。それは何度繰り返しても結果は同じでエラーメッセージが溜まっていくだけ。unknownと書かれたメールはただただ事実だけをsnaに伝えている。それだけでも焦りに似た

2021-01-05 23:10:30
にゃろーめ @nyaropokke

不安がsnaを襲う。そんなわけないそんなはずないと信じられない事実に視線を彷徨わせても縋るものも人も何もなくはぁはぁと再び泣きたくなる衝動を押さえながら自分の手だけを爪がくい込むほどに強く握りしめる。乗客の少ない列車は通常通り滞りなく順調に、動揺しきったsnaを終着駅まで運んだ。

2021-01-05 23:18:14
にゃろーめ @nyaropokke

目的地に着いてからも街を走りモノレールを乗り継いでタワーまで急いだ。すれ違うのは挑戦してきたであろう数人のトレーナーとpkたち。時間も時間だから数は少なくタワーに着く頃には中から出てくる人は一人もいなかった。そびえ立つタワーの中へ足を進めればやはり他に人はおらず受付にいるスタッフに

2021-01-05 23:25:02
にゃろーめ @nyaropokke

声を掛けた。 「こんばんわsna博士。もう閉めるとこでしたよ」 「こ、こんばんわ遅くにすみません!あ、あの、だ、オーナーはいますか?!」 問う時間も惜しいが『博士』と言われたのは自分が白衣を着たままで仕事関係だと思われたのに気付きこんな時だというのに公私混同はダメだとsnaも『オーナー』

2021-01-05 23:29:54
にゃろーめ @nyaropokke

と慌てて言い換えた。はぁはぁと慣れないダッシュをしたせいで息も辛かったが慣れた様子でどこかに連絡するスタッフの姿を見てsnaもホッとした。誰も知らないなんて嘘だやっぱりタワーの人は誰かしら知ってるんだと思い息を整える。「すぐに下りて来られますよ」と教えてくれるスタッフに礼を言う。

2021-01-05 23:32:37
にゃろーめ @nyaropokke

シュン、と開いたエレベーターのドアにすぐさま「dndくん!」と駆け寄る。が、ドンっとsnaを受け止めたのは見慣れた臙脂の服ではなく真っ黒なジャージを着たmsrだった。 「snaさん」 「msr・・・?なんで?だ、dndくんは?」 msrの後ろを見ても誰もいなくてどうして?と困惑した様子でmsrを見上げた。

2021-01-05 23:35:15
にゃろーめ @nyaropokke

困惑しきったsnaと同じくそんな様子のsnaに少しざわつくスタッフを見てとったmsrは「snaさんあっちに」と奥の待合室へとsnaを引っ張った。『こっちは大丈夫なんでもう閉める作業始めて大丈夫ですよ』とmsrがスタッフに声を掛ければその指示通りにスタッフ達は動き出した。パタンとドアを閉めればsnaが

2021-01-05 23:38:33
にゃろーめ @nyaropokke

msrのジャージを握りしめ「dndくんは・・・?」と訊ねる。msrも随分と成長してhpよりも低いもののsnaよりやはり高かった。その目はhpと同じように悲しげで同じようにsnaの手をやんわりと握りしめた。その手はdndに似てかさついてて、でもdnd程傷は多くなくけれど沢山pkたちを扱ってきた手だとわかる。

2021-01-05 23:42:35
にゃろーめ @nyaropokke

「dndさんはいません。今のオーナーは僕なんです」 「なんで・・・」 「頼まれたからです。dndさんに。オレの跡をって」 「だって、だってmsrはチャンピョンじゃん!いつ敗れたの?!いつ、なんで・・・!」 突きつけられる事実にsnaがなんでと何度もmsrのジャージを掴んでガクガクと揺さぶる。

2021-01-05 23:45:51
にゃろーめ @nyaropokke

曰く、バトルタワーという今までにない施設を作っただけでも反響を呼んだというのに彼は更に過去に前例のないことをやったという。後任を探すにあたってmsrかyurどちらかと絞ったもののdndとしてはmsrの方が適任だと判断したと。msrの中にかつてのdndと同じような光を見出しそれは燻ることなく輝き続け

2021-01-06 13:00:03
にゃろーめ @nyaropokke

導くだろうと。それは決してyurが劣っているということではなくmsrとyurのバトルの性質は似てるようで非なるものでありyurはバトル自体の楽しみに重きを置き、msrはより更なる高みを求めるものだと。それはmsr自身も感じていたことでその通りだった。チャンピョン以上のものにはなれやしないとmsrも

2021-01-06 13:09:09
にゃろーめ @nyaropokke

わかっていたことだがどうしようもなかった。しかしそれを誰に言えるわけでもなくチャンピョン業をこなさないといけないのに窮屈さを覚えていた。勝手に止めるわけにも何処へも行けるわけでもない。そこに打診された話に手を取る以外の選択肢は浮かばなかったという。 「飽きたわけではないんです」

2021-01-06 13:11:45
にゃろーめ @nyaropokke

「他の人から見ればそう捉えられるかもしれませんが僕はdndさんの理想に共感していました。きっと他の人もそうです。だから僕は受けたんです」 でもチャンピョンしながらオーナー業などできやしない。王座を交代する時期は年に一回きり。だから全ジmリーダーの承認を得ての異例のタイトルマッチを

2021-01-06 13:19:06
にゃろーめ @nyaropokke

発表したという。 有り得ない異例の事態にdndはジmリーダー含め全員を説得したという。もちろんチャンピョン交代になるかもしれない全てのスポンサーに事前通達・承認済みの上でだ。yurにも話をつけそして1体1の真剣勝負をして・・・yurはmsrに勝った。勿論実力であり文句のつけようがなかった。

2021-01-06 13:24:41
にゃろーめ @nyaropokke

msrの話にそんな馬鹿なというのが最初の感想だった。エンタメや広告にも成りうるガラrの象徴ともいえるチャンピョン交代のタイトルマッチなど聞いたことがない。異例中の異例だしそんな前代未聞のことを周りを説得してまでやったというのか。誰もがガラrに骨を埋めるとまで思っていたあのdndが。

2021-01-06 19:11:28
にゃろーめ @nyaropokke

「そん・・・なの委員会が・・・だ、dndくん委員長じゃん!委員会は?!」 「代理でolvさんが。後に徐々に僕も手伝う方向になると思います」 dndが去るにあたって彼は一部の隙もなく引き継ぎ資料を残した。自分ならこうするであろう対処対応を全て細々と記し誰が見てもわかるような完璧なものを。

2021-01-06 19:14:21
にゃろーめ @nyaropokke

それはほんの少し見たmsrでもわかるくらい丁寧に。タワーのことだけでなく委員会の仕事も全てolvへと引継ぎ一切を後へと託したのだ。 「待って・・・そもそもdndくんなんて言って・・・」 「表舞台から退く、と」 一般やファンに対し表向きには裏に徹するという形だったという。しかしガラrを出ること

2021-01-06 19:16:17
にゃろーめ @nyaropokke

を知らされたのはほんの一部だけだった。主にジmリーダーや委員会の極々一部の上層部。それらは口が堅いとdndも信頼し、されている面々であり漏れる心配はないのかと確認したmsrはolvから確かにと言質も取っている。トップシークレット扱いの為万が一漏れた場合はそれ相応の対処をすると聞いていた。

2021-01-06 19:21:09
にゃろーめ @nyaropokke

「なんで・・・」 そこまでしているのに自分にはと声が出なかった。誰より近いところにいると思っていたのは自分だけだったというのか。全て思い上がりで知らせるにも値しない存在だったのかと思うととてつもなく悲しくてどうしようもなく寂しかった。そんなsnaにmsrが声を掛けるがずるりと離れた手は

2021-01-06 19:24:41
にゃろーめ @nyaropokke

そのまま力なく垂れる。それ以上のことを聞いてもしょうがないと思ったからかくるりと体をドアへ向けぽつりと「ありがとmsr」と呟いた。詳細を教えてくれたというのにdndの裏切りのような行動に加担したように思えてしまいmsrの顔も見れなかった。msrは何も悪くないのにどうしてだかそう思ってしまう

2021-01-06 20:54:16
にゃろーめ @nyaropokke

自分がすごく嫌な人間で、そんな簡単に人の事を見る目変えてしまうのも最低だとしか思えなかった。なのにどうしようもなくて逃げるように待合室を飛び出した。 「snaさん!」 msrが呼び止めてもsnaは振り返ることもせずにdndの夢の、心臓の一部だったようなタワーから今すぐにとドアが開く間も惜しく

2021-01-06 20:59:49
にゃろーめ @nyaropokke

抜け出した。ここにいたくないdndが残っていないこの場から今すぐにと逃げるように。あれだけ楽しく語ってくれた場所だったのに見上げる今のタワーはどこか知らない場所のように思えて・・・涙が出てくる。大声で泣き出したくなる衝動を抑えながらスマホを取り出し早く早くと親友の連絡先を探す。

2021-01-06 21:03:01
にゃろーめ @nyaropokke

震える指は誤タップを繰り返すばかりで簡単に見付かるはずの連絡先も中々探せないのに、うぅと声が出る。なんでなんでなんでと 募る苛立ちにも似た悲しみを上手く制御できない。いい大人なのに子どもじゃないのに。ようやく見付けて掛けた親友は2コールもしない内に出てくれた。 『・・・ハイsna』

2021-01-06 21:06:59
にゃろーめ @nyaropokke

「rrn・・・rrnぁ~~~~~!」 『sna。ねぇsna大丈夫?』 「うぅ・・・うっ・・・rrnぁ・・・」 上手く言葉に出来ない感情は堪えきれずに溢れ出した涙と一緒にただただ親友の名前を呼ぶしか出来なかった。誰もいないタワー前の広場でsnaは子どものように大声で泣きながらrrnの名前を呼び続けた。

2021-01-06 21:13:36
にゃろーめ @nyaropokke

すんすんと鼻をすする。あれからrrnが空飛ぶタクシーで迎えに来て泣きじゃくるsnaを連れ一緒にバuの家まで帰ってきた。車内でも家に着いてからもわんわんと泣く姿にこんな彼女を見るのはいつぶりだろう、いやここまでのは初めて見たかもしれないと親友歴が長いrrnでも思ってしまう。それほど取り乱して

2021-01-07 20:03:42
にゃろーめ @nyaropokke

いていつもの見た目に反してインテリな一面など1ミリもなくその姿はティーンが初めての告白で玉砕した姿とまんま一緒だった。紛うことなき初恋でとても長い片思いだったのをrrnは知っていた。地元でも美味しいと評判のお茶を一口啜る彼女の頭を撫でる。rrnとは違ったふわふわの髪質を羨ましいと思った

2021-01-07 20:08:39
にゃろーめ @nyaropokke

のはもうずっと昔。今はもう自分の髪をしっかりと気に入っていてその懐かしさに浸りそうになりながら「大丈夫かしら?」と声を掛ける。 「大丈夫じゃない・・・」 「そうね。snaは今日知ったのね、dndのこと」 「うん・・・。rrnは知ってたの?」 snaの問いに胸が痛む。好きで黙っていたわけではない。

2021-01-07 20:14:05
にゃろーめ @nyaropokke

「・・・ええ」 勿論止めようとした。その地位も名誉も何もかも捨ててガラrを出るだなんて許さないと。このガラrにおいて自分がどれだけの存在か知らないかわかっていないのかと強く詰め寄った。rrnがいくら責め立てても考えが変わることなどなく、タイトルマッチの話にもrrnは首を縦に振らなかった。

2021-01-07 20:22:12
にゃろーめ @nyaropokke

ジmリーダー全員の承認が必要なら拒否してチャンピョン交代すら止めさせればいいと思った。それに何より誰が見ても両思いのはずなのに何も進展させず、ただ隣で幼馴染という立ち位置を掠めとっていたにもかかわらずその彼女さえも置いていこうというのにあれほど怒りで震えたのは初めてだった。

2021-01-07 20:39:15
にゃろーめ @nyaropokke

気付けばボールを片手に構えdndの前に立ち塞がっていた。 『勝負なさいdnd』 『・・・・・・』 『私が勝ったらsnaを連れていくこと。負けたら・・・あなたの自由よ』 『・・・受けて立とう』 誰にも誰かの気持ちを左右することも自由にすることもできやしないとわかっていたのにそうせずには

2021-01-07 20:47:17
にゃろーめ @nyaropokke

いられなかった。rrnにどうこう言う権利などないのに既にsnaが泣く姿が見えている以上どうしてでもdndを止めたかった。実力の差はわかりきっていてもそれでも、挑まずにはいられなかった。 『オレが勝ったら条件を一つ追加させてもらおう』 『自信満々じゃない。何かしら?』 気圧されまいと震える声で

2021-01-07 20:51:12
にゃろーめ @nyaropokke

返す。腐っても相手は元王者で今も塔の天辺の主だ。勝てる確率は低い。それでも自分はジmリーダーを務めるバuの主だと矜恃が叫ぶ。 『オレが勝ったら・・・オレがいなくなるのをsnaに言わないでくれ』 『・・・何よ、それ・・・あなたもしかして置いていくばかりじゃなくて黙って出て行くつもり?!』

2021-01-07 20:55:08
にゃろーめ @nyaropokke

『・・・勝負だ』 『ふざけないでよ!!』 dndが静かにボールを構えカッとなったrrnもpkを繰り出した。結果はdndの圧勝でジmリーダーであろうとも簡単には倒せないほどの実力の差を思い知らされた。元王者は伊達でなくその力は健在でなるほど誰しも熱狂するわけだ。そしてdndは約束通りガラrを飛び立ち

2021-01-07 21:00:42
にゃろーめ @nyaropokke

rrnは約束を守らざるを得なかった。今まで言わなかったのは約束のこともあったがsnaが泣くのを見るのを先延ばしにしたかったrrnのエゴでもある。あれだけ『この前dndくんがね』と嬉しそうに話してくれた笑顔が曇るのが嫌だったのだ。 「知ってて黙ってたの。あの男との約束だったから。ごめんなさい」

2021-01-07 21:02:40
にゃろーめ @nyaropokke

snaは知らなくていい。 rrnがsnaのためにdndに挑み、負け、圧倒的実力差を、悔しさを味わったことなど知らなくていいのだと。それは自分のエゴで、全ては自分の身勝手なわがままから至った非公式のバトルでありdndはそれを受けただけ。だから・・・黙っていたことを詫びるくらいしかできなかった。

2021-01-07 21:09:47
にゃろーめ @nyaropokke

「黙っててごめんねsna」 あの男を止めるには自分は非力すぎたのだ。残されたのは親友を慰めるくらいしかできないほどあまりにrrnは無力だった。 「dndくん、dndくん何か言ってた?」 「そうね・・・」 『あの子が何も言わないと・・・泣かないと、怒らないとでも思ってるの?!』 悔し紛れに叫ぶ声が

2021-01-07 21:16:02
にゃろーめ @nyaropokke

dndの背中に投げかけられる。手持ちのpkをボールに戻しながら振り返ったdndの顔は逆光ながらも表情は不思議とはっきりとわかった。rrnの言葉の意味をゆっくりと飲み込むように少し笑い泣きそうな顔で呟いた。 『きっと・・・泣いて怒るだろうな』 その言葉に何よ何よ何よと叫びたくなるのを堪え拳を

2021-01-07 21:19:34
にゃろーめ @nyaropokke

ダン!!と思いきり地面へと叩きつけた。そこまで分かってるならそんな顔するなら何故という言葉は最早出てこず、じんじんと手から伝わる鈍い痛みだけがこれは夢でもなんでもないということだけを伝えていた。 「特に何も。dndらしいわ全く」 「そっか・・・」 肩を竦めてみせれば一つの希望を失った

2021-01-07 21:25:18
にゃろーめ @nyaropokke

かのように顔を曇らせる。snaの格好から察するに何らかで知ってそのまま飛び出してきたというとこだろう。だから真っ先にタワーに向かったのだろうし、恐らく新オーナーというmsrの話も聞いたのだろうとなんとなく見当がつく。 「kbnなら・・・何か聞いてるかもね。あの二人ライバルだったから」

2021-01-07 21:28:25
にゃろーめ @nyaropokke

「kbnさん・・・」 思い出されるはいつもdndと接戦を繰り広げてきたガラrリーグ最後の砦のドラゴンの遣い手。二人の対戦カードのときはいつも大盛況だった。獰猛そうな見た目によらず温厚で歴史にも造詣が深いと聞いているが長く話したことはなく、snaとしてもいつか話してみたい人の内の一人だった。

2021-01-09 01:35:11
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