おはよう。昨日はキミのハートにインターンに行く夢を見たよ。これって運命だと思わないか? 最近、寒いね。みんな風邪ひいてないかい? オレはキミのことを想うと24時間365日いつだって熱に浮かさrへくしゅっ!
2014-02-12 09:00:04_
「もーいーくーつ寝ーるとーバーレーンタイーン♪ バレンタインはチョコ食べて♪」 「ゴキゲンだな、伊月」 鼻歌まじりの伊月の隣にトレーを置いた。ガタンッ。思ったより大きな音が人もまばらな食堂に響いた。
2014-02-12 11:50:07伊月のヤツ、完全にオレの誕生日忘れてるだろ。オレはちゃんとプレゼントやったのに。しかも、けっこう高いのな。 http://t.co/34sd5LCGDi
2014-02-12 11:55:05「日向がトライアウト最終選考に残ったんですよ! 去年も一応残ってたんすけどアピールが足りなくて。今年こそガンバってほしいなって」 伊月は自分のことのように嬉しそうだ。 「去年それ小堀も受けてたんだ。アイツも最終選考で落ちちゃってさ」 「……」 「やっぱ難しいよな、プロになるって」
2014-02-12 12:00:07「それより伊月、そんなにバレンタインを楽しみにして…(ハッ)まさか彼女できたのか!?」 「いーまーせーんーよっ。それにチョコはもうお腹いっぱいです」 「2日前から勝ち組…だと…?」 これが本当のラブフラゲか。
2014-02-12 12:10:06伊月が入ってくる前は、オレだってマネージャーのコ達なんかに、もう少しモテてた(ような気がした)んだ。高校の頃もそうだった。黄瀬がくるまでは、“残念なイケメン”とからかわれつつも、オレの評価はけして悪くはなかった。 どうして後から出てきたヤツに全部もってかれるんだ…
2014-02-12 12:15:04「姉さんの試作品で、ですよ。彼氏が毎年DIGOVAのチョコ貰ってくるから、対抗意識燃やしてんだか妬いてんだか溶かしてんだか。練習台にされてるんです」 「えっ…綾さん彼氏いたのか。じゃあ、m」 「先に言っておきますけど、舞は渡しませんよ!」
2014-02-12 12:20:01「そんな力作が貰える綾さんの彼氏と代わりてーよ。オレなんか毎年ブラックサンダーばっかりだぜ?(チラッ」 さあ、そろそろオレの誕生日を思い出せ! 「勘違いしやすい森山先輩でも一目で義理と解るように配慮してくれてるんですよ」 「」 「それに…バスケできなくなるからオススメはしません」
2014-02-12 12:25:07「あれ、もういいんですか。ちゃんと食べないと。この後のテスト、頭働きませんよ」 「あー…ちょっと食欲なくてな。……違うって。ただの風邪だから」 もう吹っ切れたから。 伊月の頭をワシャワシャしようと思ったら、滑るような指通りでサラサラしてしまった。オレは毎朝セットしてるっつーのに。
2014-02-12 12:30:09食堂が混んできたから席を立った。テスト直前、見直したいし。 オレが伊月ん家で吐いてから?伊月は心配しすぎだと思う。あのときのことは酷く酔っていてあまり覚えてないが、朝起きたら伊月のお姉さんがいて「おはよう、森山君。大丈夫?」と声をかけてくれて、何つーか女神だったことは覚えてる。
2014-02-12 12:35:06明日は面接で学校に行かないから、頼みの綱・誕生日便乗攻撃(『明日チョコくれればいいよ☆』)ができない。今年はチョコ/Zeroも覚悟していたが、14日に伊月がお姉さんの試作品の余りくれるって! やったぜ! これで間接的に女性からチョコをもらったことになる! カモン綾さんの愛の残滓!
2014-02-12 18:00:09_
つーか、風邪っぽいからツイッター休んで安静にしてたい。苦笑 明日は社長面接だし。 おやすみ。今夜は夢を通してキミに風邪をうつしに行くよ。(ばちん
2014-02-13 00:15:03
…おはよう、お嬢さん。…え、えーっと。夢を通じて、昨日は君の心に?…お邪魔してきたよ…これって運命だと……
2014-02-13 08:25:05よく毎朝あんな恥ずかしいセリフ言えるなあ。森山の勇気には昔から感心するよ… オレはだいぶ前に就活終えちゃったから、もう就活生じゃないんだけど呟いていいのかな。オレより森山の方が面白いと思うけど、今日一日よろしく。
2014-02-13 08:35:04まだアイコンがオレの証明写真(http://t.co/M8UgCd8xsU)に変わっていなかったらアプリを再起動してくれ。 それから、昨日までの呟きも貼っておく。https://t.co/4MVftLiHpv
2014-02-13 08:40:05今日は笠松と、森山の誕生日プレゼント買いに行ってくるよ。週末に3人で会う約束してるんだ。 何がいいかなあ。森山、最近ほしいものとか呟いてなかった?
2014-02-13 08:45:03森山は今日、最終面接だって。オレが探してきた会社なんだ。森山は体育会優遇!の固い会社より、ベンチャーとかの方が合ってるんじゃないかとオレは思ってる。面白い人がほしいって募集要項にあったし。笑 なんとかなるよ、絶対大丈夫だよ。
2014-02-13 08:55:05やっと就活していた頃の猛りが戻ってきた…! リプライを返せるようになったよ。就活中の君達、オレと気迫を共有し、お互いの意識を高め合おう…!
2014-02-13 09:49:27@PoeMinence …ポエ峰大輝bot。君はオレよりずっと優れた学生だ。けど、オレは負けない…!! なぜならオレの方がずっと強くこの会社に入りたいと思っている。思いの強さが違う…!!
2014-02-13 10:35:08@PoeMinence ポエ峰大輝botは以前の選考にはいなかった。オレにとって、この選考はリベンジマッチ。 ただ内定がほしいだけの奴に負けるものか…!
2014-02-13 11:13:04_
待ち合わせ場所に着いたら既に笠松がいた。 「久しぶり。笠松、前に会ったときより大人っぽくなったな」 「よぉ。小堀は…少し変わったな」 「そう? 」 笠松はオレの目をじっと覗き込んだ。 「…どうも勘違いだったみてぇだ。やっぱ変わってなんかねぇ。戻っただけだ。就活始める前にな」
2014-02-13 11:30:02「小堀は試合中と普段のギャップすげぇけど、前は普段から試合中の顔してたろ」 「そんなに違う?」 「人殺しそうな顔してんぞ」 「ははっ。笠松がバスケまた始めたからじゃないか」 笠松が目を大きく開く。 「森山に喝を入れるのは笠松に任せるよ」
2014-02-13 11:35:03「そうだ、森山。アイツ大丈夫なのか?」 笠松が渋い顔をする。 「うーん。普通はバスケやってれば有利なはずなんだけどな… オレなんか内定取るのにハマってたし。笑」 「森山はオレらみてぇにザ・体育会系!っつー雰囲気じゃねーからな。面接は第一印象で決まる。予想外と期待ハズレは紙一重だ」
2014-02-13 11:40:05とりあえず昼飯を食べながら森山のプレゼントを考えることにした。 「笠松なんか考えてきた?」 「今まではタオルとかスポーツ用品で良かったけどな。森山はバスケやめるつってるし」 「森山がずっと欲しがってる“彼女”はお金で買えないからな…」
2014-02-13 12:00:10バスケと女子を抜いた森山を思い浮かべる。 「森山はオシャレだしファッション小物?」 「香水はどうだ? アイツ、トイレの芳香剤の臭いするし」 シトラスと言ってあげよう、笠松。 「森山の臭いが変わるのは嫌だなあ」 「そうだな。森山=トイレの芳香剤だもんな」 芳香剤から離れよう、笠松。
2014-02-13 12:05:07「待てよ。“彼女”、買えんじゃねぇか」 笠松が何か閃いたようだ。 「合コンのセッティングってことか? ナンパは…」 「違ぇよ。人形、売ってんだろ」 「」 ごめん。こういうときどんな顔すればいいかわからないんだ。笠松は以前の鋭さは戻ったものの、ツッコミスキルは永遠に失われたようだ。
2014-02-13 12:10:04いい顔でダッチワイフのプレゼントを提案してきた笠松を止められなかったオレは激安の殿堂に来ている。いざ商品を前にすると恥ずかしがりだした笠松とは逆に、オレはテンションが上がってきた。ネタとしてはアリだろう。
2014-02-13 12:55:03「森山の好みって難しいよな。森山は女の子はみんな好きだし。とりあえず一番胸が大きいのでいいかな?」 「オ、オウ。大ハ小ヲ兼ネルッテ言ウシナ」 笠松は顔を真っ赤にしてカクカク頷いた。人形もカテゴリ:女子に入るのか。安物だからクッションに毛が生えて穴がついてるようなものなんだけど。笑
2014-02-13 13:00:05レジに持っていくために、裸の人形を持ち上げたら思ったより重かった。それでも、やっぱり軽かったけれど。
2014-02-13 13:10:03_
店を出たら、外気が冷たく感じた。 「ノリでわけわかんねぇもん買っちまったけど、卒業旅行の足しにでもしてやった方が良かったかもな。森山、就活費用ふくらんで難しいっつってたし。…友達としてそりゃナシか」 「そのことだけど…アメリカ、笠松だけでも行ってきなよ」
2014-02-13 13:50:07「一人旅じゃ意味ねぇだろ」 「あるよ。オレたち全員で行き先変えるよりはさ。黄瀬は喜ぶだろうし」 「……」 「笠松、お金貯めてずっと楽しみにしてたじゃないか。オレは森山と一緒に国内で温泉旅行にでも行くよ」 「年寄りか!」
2014-02-13 13:55:03早いけど笠松と別れた。もう新しいチームの練習が始まってるらしい。笠松はヘンな時期にバスケやめてたからスカウトの機会を逃して心配してたけど、夏からでもプレイを見せれば即決だった。昔から有名な選手だったし。これから活躍の場が広がればもっと強いところに呼ばれるんじゃないかとオレは思う。
2014-02-13 14:30:05_
森山から電話だ。 「もしもし森山? どうかした?」 「小堀? うん、ちょっと風邪ひいちゃってさ。悪い! 今週末は遊ぶの厳しいかも」 ん? 声にエコーがかかって聞こえる。 「大丈夫か? あ、プレゼントは配達にしてもらったから大丈夫だよ。…いや、思ったより大きなものになって…苦笑」
2014-02-13 19:30:03「欲しい物わかんなくて困ったよ」 「聞いてくれれば、小堀に付き合ってほしいことあったのに」 森山の為なら何でもしてやりたいとこだが、森山の頼みは年々エスカレートしている。昔はナンパ程度の可愛いものだった。最近は… 「一緒にDTを卒業してほしいんだ」 ほら見ろ。 …って、えぇ!?
2014-02-13 19:35:06「オレ今日でもう22だろ?」 「まだ22だよ。今度は何吹き込まれたんだ」 「鳴海が!女を知って世界が変わったって!グラビアを深く楽しめるようになったって!…一人で行くのは怖いんだ」 「一緒に行けと?」 「そうだ、ソープに行こう!」 「そうだ、ナンパに行こう!のノリで言うなよ!!」
2014-02-13 19:40:03_
「ところで、風邪で面接は大丈夫だったのか?」 「熱でハイになってな」 「森山はいつもハイだよ」 「最後に何かPRすることはありますかって聞かれて今日誕生日だからプレゼントに内定ください!って言ってしまった…」 「うん。それがマズイと思えるようになっただけ、森山は進歩したと思うよ」
2014-02-13 19:50:06