離婚したふたりが、〇〇しないと出られない部屋に閉じ込められた話。

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ううっ……。そんな馬鹿な……？！　離婚して２年ほど経って、元嫁は勤め先の同僚と何となくいい感じになってるのに、元旦那のtksmと思わぬ所で再会、そして、暇してたケモ神の計らいで、○○しないと出られない部屋に閉じ込められて、どうすんだよオイ、私らはもう他人なのにという話しが降って文字数

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メモに入れとこ……。

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いわゆるキャリアウーマンだった夢主は、同僚だったtksmに順調な交際の末結婚した。彼の希望で主婦となり、料理洗濯家事に精を出し、穏やかに暮らす幸せな日々。休日、夫婦で仲良くテレビを見ていた夢主、前夜、夜っぴいて推理小説を読んでしまい、少し眠い…。

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ちょうど、テレビでは生き生きと女性が恋に仕事にと頑張るドラマをやっていた。ぼーっと見ている妻の様子に罪悪感を感じるtksm。夢主は前職でも仕事ができて会社でも人望が厚く、頼りにされてきた存在。そんな優秀な人材を、家に閉じ込めて俺は…となる。夢主の放心した姿を、昔のことを懐かしむかの

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様に画面に集中する嫁（気のせい）に、何とかしてやらねばと要らぬ気遣いをするtksm。まだ子供もいない事だし、働きに出たらどうかという夫に、夢主は首を振った。生まれつき責任感が強く、優秀だった嫁はその性格故に、仕事をばりばりにこなす人間だった。だが、元々早く帰りたい、家にいたい

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超インドア派。主婦こそ天職。独身時代、人間関係においては不器用で、仕事を押し付けられ疲弊していた毎日だった。愛する夫に尽くすのは楽しく、夢主は幸せだったが、夢主を解放してやらねばと思うtksmが暴走。好きな人ができたと強引に離婚。傷心の夢主は慰謝料なんかいらない、もう私に構わないで。

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そう言って家を出て行った。それから２年。tksmは取引先で働いていた夢主と出くわした。前以上に不器用で、終わらぬ仕事にやつれ、へろへろになっていた。キャリアウーマンどころか、完全に社畜。昼はコンビニのおにぎりひとつと再利用したペットボトルのお茶。

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そんな夢主の前に、次々と仕事が積まれていく。あれ？思っていたのと違う…。てっきり社会に戻り、生き生きと暮らしていると思っていたのに。tksmは、自分の盛大な勘違いにようやく気付く。夢主は過労死寸前。何とかしてやらねばならないと思うのに、夢主は別会社の人間だし、何よりも会ってくれない。

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夢主は、tksmを愛していたから、裏切りがどうしても許せない。仕事をしている間は辛さを忘れていられた。綺麗好きだった夢主だったが、仕事の量が増えるにつれ、借りたアパートの部屋は次第にゴミ屋敷へと変貌した。機能しているのは風呂とトイレ、ベッドの上。休みの日に片付けようといつも思う

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ものの、いざ休みになれば日頃の疲れで一日睡眠に費やしてしまうのだ。時折夢見るのは、かつてtksmと暮らした日々。彼のために住処を整え、ワイシャツにアイロンをかけ、好きな料理を作って帰りを待つ、平凡で幸せだった過去。けれど夢主はゴミ山に眠る姫君。助けに来る勇者はいない。目覚めれば、

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過去を振り切るための戦いに出る。まだ忘れられないのに、まさか自分と彼の所属する会社同士が共同プロジェクトとは。彼女と別れたあとも、tksmは身綺麗で、シャツもスーツもパリッと整えられていた。自分と別れたあと、好きになったという彼女と結婚したのかもしれない。もう泣きたい。一体、その人は

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どんな人なの。私と彼女の、何が違ったの？　時々会社に訪れる元夫はこちらに話しかけようとしてきたが、夢主は避けた。話せば泣いてしまいそうだった。

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こんなのアルハラだ、と思いながら夢主は気の進まない飲み会に参加した。例のプロジェクトは思いのほか早く成果を上げた。その打ち上げで、中心となったメンバーは必ず参加。つまり、その中には彼女もしっかり含まれていた。さっさと帰って、風呂に入って寝たい。共同プロジェクトの相手会社のメンバー

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には、しっかり元夫も参加していて、離れた席からこちらをちらちらと見ていた。一体何を話すことがあるの？「あの時は悪かった？」「今、幸せか？」「誰かいい人は…？」どれを訊かれたとしても否定形しか答えられない。いらいらと酒杯を重ねているうちに気持ち悪くなってきた。

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メイク直しを理由に夢主が酒席を離れたところで、tksmのところに夢主の同僚が赤い顔でやってきた。「さっきから、あなた、夢主主任見てるようですけど、良い女ですよねぇ」「…はあ」元妻と言う訳にもいかず、男が差し出すビール瓶の前にコップの縁を付ける。「旦那に女ができたとかで、バツイチとか」

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「…はあ」「珍しく酔ってるから、今日、お持ち帰り出来ないかと思って狙ってるんすよ〜。だから他社の方は御遠慮ください、な〜んてね？」ぎゃははと笑いながらtksmを見た男の顔から、酒精が見る間に抜けていった。…鬼の形相で、tksmが「あ゛ｱ？」と凄んだので。

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「あ、でも、彼女、フリーって話だし。よ、良ければtksmさんにお譲りしますよ。あのおっぱい、たまに可愛がってあげないと夜啼きするってもの」ガツン、と“うっかり”tksmの頭突きが炸裂し、男が昏倒した。「あれ？ｽｽﾞｷさんどうしたの？」「飲みすぎたらしいですね。解放してあげてください」

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「もー、仕方ないわねぇ」女性社員が床に伸びた男に声をかけている間に、tksmは席を抜け出した。店のトイレへ続く廊下へ出るとおおええ、なんて、女の声とは思える吠え声がした。「大丈夫か…」「ほっとけ。おええ」と胃液に焼かれた喉で夢主が答えた。気配を探るに、女子トイレには夢主の他に誰も

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いないようだった。そっと中に入ると、個室の扉を開きっぱなしで、便座を上げた洋式トイレに抱え、中に顔を突っ込むように夢主が嘔吐を繰り返していた。「おい…」「うるさい。触んな浮気男」後ろから声をかけてきた元夫に、夢主は冷たく答えた。覚悟していたし、別れたのは2年も前のこと。だが、

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その態度がtksmの胸がつきんと痛んだ。「捨てた女房に、なんの用？さっさと新しい嫁のところに戻……」さらにおええ。「送ってく」tksmは嫌がる夢主を引っ捕まえて背中に担いだ。途中、彼女の同僚らしい女が、夢主を送るというtksmに声をかけたが「元嫁なんです。家に送り届けます。あとはよろしく」

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と出ていくと、早速打ち上げ会場でそれを暴露したらしく、店を出る直前、ええええ？！と数人の声がハモって居酒屋を出る彼の背中を追いかけた。すまん夢主…休み明けは渦中の人になりそうだ。しばらく酔って騒いでいた夢主はいつの間にか静かになり、人攫いに捕まった女のようにぐったりと手足を伸ばし

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tksmの右側にぶら下がった。タクシーを捕まえ、夢主の住所を、やむなく財布を探って見つけた社員証から運転手に行き先を告げた。

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夢主の今の住処となっている場所を見て、彼はため息をついた。三階建ての古いアパート。住所を見た時に気がついたが、夢主は実家に戻っていなかった。結婚生活は短く、財産分与も大した金額ではなかったし、慰謝料も受け取らなかった夢主。無理やり振り込んでもいつの間にかtksmの口座に戻されていた。

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今の会社も悪い所ではない。そうしようと思えば、もっと良いところに住めたのはずだ。なんでこんな辺鄙なところに。そう思いながら、エレベーターもないので階段を汗をかきながら上がった。2階203号室。ここだ。夢主のスーツのポケットから鍵を借りて、中にはい……れなかった。

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「な、なんだこりゃ？！」生ゴミの匂いが鼻につく。中はゴミ捨て場だった。ゴミ袋が玄関先に山と積んである。なんでこんな所に？部屋を間違えたのか？ 思わず外の表札を見ても、番号は変わらない。「嘘だろ…」結婚していた頃は、家も夢主もピカピカつやつやだったものだ。壁のスイッチを押して明かり

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をつけると、床に溜まった空き缶やレトルトの袋、コンビニ袋にゴミが入ったままのものの間から…「うおおお？！」黒い虫たちがいっせいに壁際のゴミ袋の隙間へ隠れていった。やむなく土足で上がり、辛うじて空いているベッドの上に夢主を下ろした。tksmの驚きも知らず、夢主はふにゃけた顔で眠り込んで

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いる。こんな時に大物だった。

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夢主が正気付くと、そこは見慣れた天井。ガサガサという音と、誰かが歩き回る音。まだ気持ち悪い胃を抱えて体を起こすと、そこには別れた元亭主が、ゴミ袋を持って掃除している真っ最中。何事？何事なの？「何でだと思うだろう。俺にもわからん。あれを見ろ」憮然とした顔つきで、どこかから発掘した

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トングを片手に、しばらくスイッチを入れなかった、埃まみれの32インチ液晶テレビを顎で指し示した。真っ黒な画面に、血のにじむような赤い文字で、こう書いてあった。 『掃除しないと出られない部屋』

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「え……」文字が、入れ替わる。『片付けて、綺麗にしないと、出してやらない部屋💢』いや、字数が増えただけだった。何？ドッキリ？「なんでﾊｼﾞﾒさんが」「…酔ったお前をお持ち帰りしようとしてる奴がいてな。ヤバいと思って家に帰そうと……どうしたらこうなるんだ。前は…」「前とは違う」

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つんけんと夢主は冷たく言い放つ。「帰って」「俺だって帰りたいわ。だが、どういう訳かドアが開かんのだ。窓もダメだ。よく分からんが、テレビ見たか？よく分からんものに閉じ込められたらしい」「酔ってんの…？」だといいんだがな、とtksmはどんどんゴミと、脱ぎ散らかした服を床から取り分ける。

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洗濯物をネットに入れ、汚れた食器を、何とか通り道を作った台所へ運ぶ。一人暮らしに慣れたtksmはてきぱきと動き回る。「なんでだ」「へ？何？」元夫の問いに、夢主はベッドの上に座ったまま訊き返した。「なんで実家に戻らなかった？」「…父さんが、帰ってくるなって」身よりのないtksmの事を、

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彼女の父親は「馬の骨」と例えた。反対を押し切って結婚して以来、夢主は勘当されていた。「なんで、それを言わなかった？！」片付けの手を止めて、夢主に詰め寄る「言ったら、あなたが身を引いてしまいそうだった」「結婚式は面倒だから挙げないと言い張ったのも、そのせいか」「まあね。まさか、

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別れる日が来るとか思ってなかったし。でも、人生なんてこんなもん」夢主は台所へ行き、コップを軽く洗って水を飲んだ。よく分からないが、とにかく掃除だけして、帰ってもらおう。どうせ、話したい口実よ。新しい奥さんと上手くいってないのかしら。まさか、寄りを、戻そうなんて……。

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あの、穏やかな幸せな日が、また戻る……？ダメダメ。なに都合よく考えてるんだか。変に期待したら馬鹿を見るだけ。だいたい、あんな別れ方しといて、どうして私は。夢主はついでにシンクで顔を洗い、ペーパータオルで顔を拭いた。そして、自分も掃除に参加した。

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二人で黙々と作業し、分別されたゴミ袋が仕分けされた。夢主の1LDＫのゴミの世界は、明け方には綺麗に片付けられた。床も台所も、久しぶりにピカピカになっている。不思議な達成感があった。「ありがとう。ﾊｼﾞ…tksmさん」さっきは名前で呼んでくれたのに、tksmは胸にから風が吹くのを覚えながら

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頷いた。「久しぶりに人間になった気持ち。ずっと機械みたいに働いてたから」「なんで、こんな古いアパートにいるんだ？もっといい場所もあったろう」…そういうところは、大抵若い夫婦や家族連れが住んでいる。彼と別れた当初、彼らの姿は夢主にとって、失われた過去と未来でしかなかった。人の幸せを

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見ているだけで、病みそうだった。ここは単身者や年寄りばかり。かえって落ち着くのだ。ひとりなのは自分だけではないと思えるから。「家賃安いから。実家も頼れないし」何故か、、tksmが項垂れた。夢主は綺麗になった台所で二人分のコーヒーを入れた。昔のように。ただのインスタントコーヒーだったが

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以前はちゃんとコーヒーマシンで入れていた。「そういえば、あのコーヒーの機械使ってるの？」「一人分作るのも面倒だからな。埃を被ってる」…あれ？「好きな人とはどうなったの？」「あれは…ん？」夢主がコーヒーをローテーブルに置いたと同時に、テレビの画面が切り替わった。

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『秘密を話さないと出られない部屋』

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「はあ〜？！」思わず二人同時でハモってしまった。何者か知らないが、ふざけてんのか。「ホントに出してくれるんでしょうね」「…俺から、話す」tksmが咳払いした。「好きな人はいない……。別れるための口実だった」「は、は〜？！」今度は一人で発声した。「お前は、結婚退社させるまで、人望も

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も才覚もあった。俺のために無理をさせてんじゃないのか、本当はキャリアを捨てたくなかったんじゃないか。そう思ったら、申し訳なかったんだ」「ええ…？」「まさか、あんなことになってるなんて。生き生きどころか、ワーキングデッドと化してるとは」例えが秀逸だったが、夢主は脱力した。そんな

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アホな理由で、私は捨てられ…解放されたのか。「無理なんてしてない…。私は、お家であなたを待つのが好きだった。なんで言ってくれなかったの？ﾊｼﾞﾒさんいつもそう。大事なことはひとりで決めちゃうんだから」「夢主…」「でも、今更よりを戻そうとかナシ。私、今同じ会社のｽｽﾞｷさんか

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付き合わないかって言われてるの」言ってる側から、ポロリと涙が出た。さっきまで復縁を期待してたのに、別れの理由が馬鹿馬鹿しくて、勝手に何もかも決められたことが悔しくて」「ｽｽﾞｷ？あいつはダメだ！」おっぱいお持ち帰りの印象しかない、ニヤけたイケメンなぞに好きにされてたまるか。

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ダメだ嫌だと二人が言い合ってる間に、テレビ画面に「秘密を話さないと出られない部屋！！」とエクスクラメーションマークがふたつついた。ああもう、なんなのよう。涙声で夢主は続けた。 「…正直、まだあなたのことが好き」

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その言葉に、tksmは無骨な顔を黙って赤らめた。「たった一年だよ。結婚生活。あんなに二人で頑張って私の両親を説得しようとして、お母さんはともかく、お父さんだけが猛反対して。それでも、一緒になったよね。なのに、たった一年で心変わりってなんなのと思ったよ。いろんな覚悟であなたと結婚

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したのにさ。寿退社して辞めた前の会社にはあんなに祝ってもらったのに、恥ずかしくて戻れないし、住むところ新しい仕事先を決めて、あなたが望む社畜になったけど」「そういう訳では」「…私も、もっと食い下がるんだったな。今なら、“その女と会わせろ”っていう図太さだってあるし。…疲れた」

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「すまん。…悪かった」力なく答えるtksm。『独りよがりは夫婦円満の敵と思う部屋』テレビの画面が変わる。「…あんた、部屋の精かなんかか？　ちょっと黙っててくれんか」『邪魔者にするとか心外な部屋』「わかったわかった」

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タグ忘れてた #金カ夢　#tksm

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「なぁ……夢主」何者かの視線がひしひしと放たれるテレビ画面を気にしながら、呟く。「また…一緒に」「あなたに、私が必要ある？」それを、夢主が遮った。「よく考えてたら、あなた昔から料理も家事もできる人だったわ。シャツも、ちゃんと糊を効かせてるのね。パリッとしてる。私は面倒だから、