【黒猫】今日のマキさん

ナナシ @darkmoon_souji

今日のマキさん① 年末年始は父方の実家で親戚が集まって過ごすというのが毎年恒例である。 こんなヤサグレた俺でもこのときばかりは仕方なく家族に付き合う。 元気いっぱいの小中学生親戚軍団にもみくちゃにされ、身も心も疲弊していたが、年が明け、ふと俺は友人のことを思い出した。

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@darkmoon_souji 俺があの町を離れている間、凜王は眞姫と二人だけだ。 ミツバさんやクローバーもいるということをすっかり忘れ、俺は途端に不安になった。 まだ短い付き合いだが、眞姫の奇行は幾度となく見てきた。

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@darkmoon_souji 俺よりあの二人の方が付き合いが長いとはいえ、不安は不安だ。 元日。 こたつでまったりしていた俺は、二人に新年の挨拶をかねたメッセージを送ってみた。 『あけおめ。今年もよろしく。ところで眞姫は妙なことをしてないだろうな？』

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@darkmoon_souji 返事がきたのは、正月のお笑い番組を見ながらガキ共とゲラゲラと笑っていたときだった。 『明けましておめでとう。今年もよろしく』と、いつも通りの凜王の返事に続き、間髪を容れずに眞姫から写真が送られてきた。 明けましておめでとうくらい言えよ。

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@darkmoon_souji 真っ先にそんな文句が浮かんできたが、送られてきた写真についてまず触れなければいけない。 凜王と眞姫。 自撮り写真。 外にいるようだ。 後ろに見えるのは神社？ 初詣に行っているのか…… 「仲良しかっ！」 思わず声に出して叫んでしまった。

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今日のマキさん② 俺としたことが。 どちらかといえばインドア派の二人の初詣自撮りツーショットにツッコんでしまった。 おかげでガキ共にいじられるし、終いには「何で惣一には彼女いないの？」とか言い出しやがった。うるせぇ。 『本当に大丈夫なんだろな？』俺は念を押すように聞く。

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@darkmoon_souji 『今のところは大丈夫』と、凜王から返ってくる。 今のところはってそれ、大丈夫じゃねぇだろ！ そわそわしていると、続いてまた眞姫から写真が送られてきた。 稲穂ヶ岡町は雪が積もっているようだ。 小さな雪だるまと並んでピースしている凜王の写真。

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@darkmoon_souji 楽しそうなことしてんなぁ。 なんて思っていると、『かわいい』と、ようやく眞姫から文字が送られてきた。 うんうん。雪だるま可愛いな。 『凜王が』 「そっちかよ！！！！」 また盛大にツッコんでしまった。 「何言ってんの？」「惣一うるさーい」と、

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@darkmoon_souji ガキたちから抗議の声があがる。 元日から俺にツッコミをさせるな…… 「これ、そーちゃんの友達？」 女子中学生のイトコに勝手に画面をのぞかれる。 「ああ……うん、まぁ」 「この人超綺麗。彼女？なわけないか」 なんかムカつくな、それ。

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@darkmoon_souji 「こんなやつが彼女だったら首つって死ぬわ、俺……」 そうつぶやいたせいで「えー？何で？」と言われたが、聞こえないふりをした。 ブーブーと、またスマホが震え、画像が送信されましたというテロップが映し出される。 今度は何なんだ……

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@darkmoon_souji 画像の後に『奇跡の一枚！』という文も送られてきている。 凜王が雪で足を滑らせ、まさに転んでいる瞬間だった。 本当だ。上手いこと撮ったな…… 抜け目のない凜王のこういう姿を見るのは楽しい。 悪いが、笑ってしまった。

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@darkmoon_souji 『怒られた』と、さらに写真が送信されてきた。 真っ赤になって怒っている凜王が写っている。 怒りと羞恥が混じっているのがよくわかる。 『怒っている凜王も可愛い』 はいはい……知ってる知ってる。 「この人はイケメンだね」 またイトコに見られていた。

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@darkmoon_souji 「え？ああ……そうだな……たまにその設定忘れそうになるけど……」 「設定？」 こいつ結構整った顔立ちしているもんな…… 『おい』 すると、また眞姫からメッセージがきた。 何なんだよ…… 『貴様、今どこにいる』 は？

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@darkmoon_souji どこって……父親の実家だって言ったじゃねぇか。 『凜王を狙う不埒な気配を感じた』 「……！？」 何言ってんだと思いつつも、俺は隣りにいる中学生のいとこを見た。 いやいやいや。 ちょっとかっこいいねって言っただけじゃん！？

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今日のマキさん③ 俺は驚愕した。 「は！？お前、誕生日クリスマスの日だったのか！？何でもっと早く言わねぇんだよ！」 年が明けてから、凜王の誕生日が12月25日と知った。 クリスマスの日は謎のプレゼント配りと、三人でひっそりとクリスマスパーティーをしたくらいだ。

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@darkmoon_souji 「お前っ……もっと早く言えよ！」 大したことはできないが、おめでとうくらい言わせろよ。 「忘れていた」 忘れんなよ！ クリスマスとはいえ覚えやすいだろ、その誕生日！ 「……お前は知っていたのか？」 念の為にストーカーにも聞いておく。

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@darkmoon_souji 「当然だろう。凜王が誕生した素晴らしい日をこの眞紀が知らないわけないだろう！」 やっぱりな。 「知ってるなら教えろよ」 「貴様に教える義理などない」 その答えも予想通りだ。 「お前は祝ってやったのか？」 「もちろん」 だよな。 それも予想通り。

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@darkmoon_souji 「何したんだ？」 「万年筆をプレゼントした」 眞紀らしい贈り物だが、高校生が万年筆プレゼントって何なんだよ。 どこの金持ちだ。 あ、金持ちだったな。 「経済的にあれがあれなので、あまり高くない物だが……君にもっと字を書いて欲しくてだな！」

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@darkmoon_souji あれがあれじゃあ何の説明にもなってないんですけど。 輝かしい表情の眞紀に対し、いつも通り無表情の凜王。 「あんまり使わないよな……」 おっと…… 貰った物に対して、このリアクション。 ネットが普及している昨今、確かにあまり字は書かない。

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@darkmoon_souji だとしても、もうちょっと喜んでやれよとは思うが、本人には聞こえていないようなので良しとしよう。 「あとは予約しておいたレストランでディナーを楽しみ、事前に調査しておいた星が綺麗に見える丘で優雅な一時を過ごした」 「彼氏！？」

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@darkmoon_souji 何、その彼氏力！？ そんでお前ら何やってんの！？ 俺の知らないところで何やってんの！？ 「結構寒かった」 そんでお前はロマンもくそもない感想を言うな。 「何かもう……気持ち悪いわ……ドン引きするわ……何なの、お前……」 「どうも。彼氏です」

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@darkmoon_souji 「やめろ」 凜王が後ろから眞紀の頭を引っぱたいた。 「なぜだ、凜王。気に入らなかったのか」 「そういう問題じゃない」 そうだよ。そういうんじゃないんだよ。 察しろよ。 「そうか……今年はもっと君に喜んでもらえるよう努力する……」 だから、違うって。

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@darkmoon_souji 「こうなったらいっそ全財産を叩いて、水族館を……」 あ、もう人の話聞いてないな。 水族館がどうとか聞こえたが、まさか貸し切りにするんじゃないだろうな。 天国の親御さんが泣くぞ。 「いつか指輪とか渡されそうで、寒気がするんだが……」 「あり得そう」

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@darkmoon_souji こいつならやりかねない。 「どんまい」 「他人事か！？助けてくれるんじゃなかったのか！？」 「助けるとか俺、言ったっけ」 「見捨てるのか！」 人聞きの悪い…… 「完全無敵の凜王君なら何とかできるだろ」 「できていたらこうなってない！」

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@darkmoon_souji なんだ、珍しいな。焦って。 「はうあっ！今、水族館を建てればいいという神からのお告げが聞こえたぞ！！」 意味のわからないことを言って空を見上げている。 とうとう頭がおかしくなったか。 「凜王！君は海の生物で何が好きだ！？君好みの水族館を作ろう！」

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@darkmoon_souji 「魚より肉の方がいい……」 下手か。 誤魔化すの下手か。 何だその珍回答は。 「そ、そうか……それは悪かった……」 そんでお前も引っかかるな。 「魚がダメだというならば……牧場でも作るか……」 なぜそうなった。

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@darkmoon_souji 「……どんまい」 「お前はそれしか言えないのか」 そんな恨めしそうににらむなよ。 らしくないぜ。 「お前だけは味方だと思っていたのにっ……」 「おいおい……俺はただ、俺がいる前だけはやめてねって言っただけだぜ」 「そんなこと一言も言ってない！」

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@darkmoon_souji あれ？そうだったっけ？ 「別にいいじゃん。どうせお前、何されてもリアクション薄いし」 「俺に失礼だろ、それ」 「実際何とも思ってないんだろ。一度お前の頭の中を見たいよ」 そんな裏切られたって顔をするな。

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@darkmoon_souji 「いいじゃん。ほら……なんか高い物買ってくれるし」 「適当か」 「お前だって眞紀のこと、嫌いじゃないだろ」 爽やかな笑顔で俺は、親指を立てた。 「嫌いじゃないけど、それとこれは別だろう！」 「え？何だって？眞紀のこと大好きって？」 「言ってない！」

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@darkmoon_souji どんな耳してんだ。 「ふふふ……言葉にせずとも君の考えていることはお見通しさ……愛しているぞ！凜王！！！！」 「うるさい！」 「ぐえっ！」 回し蹴りが見事に決まった瞬間だった。 死んだか？

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@darkmoon_souji 「……俺の誕生日がどうとか言っていたな」 「ん？ああ……元々はその話だったな」 すっかりそれてしまったけど。 「惣一、何か奢れ」 「えー……貧民の俺では凜王様を満足させられるとは思いませんけど……」 「それ、やめろ！」 思いっきりにらまれた。

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@darkmoon_souji 「わかったわかった……。んじゃあ、腹減ったし、ラーメンでも食いに行こうぜ。蝶野がオススメしていたから間違いないと思う」 「ん。任せる」 俺たちは死体のことなど忘れて、歩き出したのだった――。 3日目、完

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@darkmoon_souji 作業を行っていた。 それ、もうやめたらなんて、やりとりは何十回もしているので言わなかった。 俺にとっても最早日常化しているような気がした。 しかし、だ。 2〜3回それを繰り返した頃、突然凜王はスマホを床に叩きつけた。 「え……り……凜王さん……？」

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今日のマキさん④ ついに凜王が爆発した。 一体、どういうことなのかというと。 その日は手持ち無沙汰だったので、凜王の部屋で二人でテレビゲームをしてそれなりに盛り上がっていた。 時折、隣の家からいつものように手紙が飛んできて、それを読んではスマホで返事をするといういつも通り面倒な

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@darkmoon_souji 俺は何が起きたのかわからなかった。 「もうっ……」 「もう？」 「無理だ！」 そう言って、今度は窓をガラッと開けた。 「スマホで返信しろよ！！」 隣の家に向かってそう叫んだのだった。 ……今頃？

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@darkmoon_souji 遠慮がちに隣の家の窓も少しずつ開く。 「……え？」 「だから、スマホで！返事をしろ！いちいち手紙にするな！」 「かれこれ一年以上はこのスタイルなのに…？」 一年もやっていて今更感が半端ないな。

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@darkmoon_souji 「どんどん紙が増えていくんだよ！紙の無駄遣いだろ！」 「それなら問題ない。再生紙を使っている」 そういう問題ではない。 「一体なぜ怒っているんだ、凜王……」 「受け取るこっちがだんだんイライラしてきたんだよ！」

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@darkmoon_souji 面白ぇ。 凜王が珍しくキレてる。 黙って見てよ。 止めるのはもうちょっとしてからでいいや。 「スマホが使えないわけではないだろ！？手紙はもうやめろ！」 「そ、そんな……」 絶望的な表情の眞姫。

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@darkmoon_souji 俺達も使っている。いや、使わされている。 これはタダでくれたけどな。 そんなふうにネットを駆使して小銭稼ぎをしているやつが機械苦手て。 聞いたか？機械苦手て。 パソコンの授業でタイピングがやたらと早いの俺、知ってるからな。

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@darkmoon_souji 「はい、そんなわけで手紙は今日でお終い。解散！」 「待て待て待て！」 窓を閉めようとした凜王を阻止する眞姫。 「何だ。話は終わっただろう」 「終わってない！いくら君の言うこととはいえ、眞姫は手紙を書くのはやめない！」

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@darkmoon_souji それだ！と、目を輝かせる眞姫。 何とんでもないことを言ってくれてるんだという顔をする凜王。 あ、やっべ。 つい口に出しちゃった、てへぺろ。 「凜王！それで手を打とう！」 「ぐ……」 今度は凜王が黙ることとなった。

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@darkmoon_souji 「よし！そうと決まればノートを買おう！そうだ、一緒に君も選ぼうじゃないか！凜王！」 「……好きにしてくれ……」 絞り出したかのような声しか最早出ていない。 「交換日記て……どこの小学生女子だよ……今時やってるやついるのか……？」

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@darkmoon_souji 絶滅危惧種かもしれないな。 「ま、頑張れ！」 「誰のせいだと……」 え？俺のせい？ 元々はお前が我慢できなくなったからじゃねぇのか？ そんなんで俺が責められたってねぇ。

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@darkmoon_souji 「悔しい……何でいつもこうなるんだ……」 両手で顔を覆い、本気で悔しがる凜王。 それはお前が今まで散々眞姫を甘やかしてきたからだろう。 という言葉を優しい俺は飲み込んだのだった。 4日目おしまい

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「大変重要なことに気がついてしまった。凜王からバレンタインのチョコをもらってない」 「……」 何がどう重要なんだ。 このタイミングでバレンタインの話かよ。 また意味の分からないとを言ってるぞ、こいつ。 という全ての意を込めて俺は沈黙で通した。

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@darkmoon_souji 凜王は凜王で「こいつは本当……」と、呆れたような表情をしている。 「というわけで、今からでも遅くない。チョコをくれ」 「なぜそうなる」 全くだ。 何一つとして理解できねぇぞ。 「男が男にチョコをやって何が楽しいんだ。それに……」 凜王はため息をつく

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@darkmoon_souji 「お前ならどうせ散々女子からもらってるだろ……」 眞姫がどれだけ変人であろうとも、顔立ちがいいことには変わりない。 それなりにファンがいることはよくわかっている。 「それが何だと言うんだ。本当に欲しい人から貰えなくては意味がない！」

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@darkmoon_souji 相変わらずの愛情表現に体が痒くなるわ、本当。　 俺、帰ってもいいかな。　 「お前はそんな台詞をよくもまぁ恥ずかしげもなく言えるな」 おい……凜王……あまり人のこと言えないからやめとけよ……

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@darkmoon_souji 「というわけで、君の手作りチョコがほしい」 「どういうわけだ」 しかも手作りを所望してきやがった──…… 「何なんだお前は。俺からチョコをもらえたという事実だけでは満足できないってか」 言い方、その言い方やめろ。

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@darkmoon_souji 「両方」 両方って何だ。 「君からチョコをもらったという証と、君が俺のためにチョコを作ったという証が欲しい」 なんてワガママなんだ…… ドン引きレベルでワガママだぜ…… 凜王もゴミを見るかのような目でお前を見ているぞ……