楠羽毛
@kusunoki_umou
ていた。 * エレベーターをおりると、景が不満げに立っていた。 高いところが苦手な景は、こんなときいつも待たされる。 5 ベエ、ハチゾウ 翌日。 裕太は、とじまりをし、ブレーカーをおろした。 すぐ帰るつもりではあるが、何があるかわからない。もっとも、バイトも大学もいか
2022-02-11 20:00:03
楠羽毛
@kusunoki_umou
なくてよいのだから、いつまで滞在しても問題はない。 冷蔵庫の中には、醤油と塩だけ。残っていたパンは昨夜食べてしまった。 がたつくドアを力いっぱいしめて、鍵をおろす。 * 那古屋山のふもとには、閑散とした田舎町が広がっている。 下宿から、電車で3時間。さすがに肩が痛くなる
2022-02-18 20:00:00
楠羽毛
@kusunoki_umou
。駅の売店でゆで卵を買って、つまむ。もう昼近いが、食欲はない。曇天国についてから何か食えるだろうか、と考える。わからない。 駅で道をきいて、トンネルの入口へむかう。なんの表示もなく唐突に、フェンスに囲まれた事務所が建っている。看板には小さく、『大那古屋トンネル管理所』とある。
2022-02-25 20:00:02
楠羽毛
@kusunoki_umou
少しためらいながら、守衛に召喚状と学生証をみせる。顔写真をじろじろと見られた後、一人にともなわれて奥の建物へ。 そこは、駅舎のようだった。 紺の制服をきた職員がふたり、奥から出てくる。 「如月裕太さん。間違いないですね」 「はい。」 「召喚状は絶対になくさないで下さい。こちらか
2022-03-04 20:00:02
楠羽毛
@kusunoki_umou
ら持ち込むものは自由ですが、消耗品をのぞいて必ず持ち帰って下さい。現地の物品を持ち帰ることは基本的にできません。その他、細かい注意点は、召喚状に同封したものに書いてある通りです。何か質問はありますか?」 「いえ……」 「では、一時間後に出発となりますので、こちらでお待ち下さい」
2022-03-11 20:00:02