Masaruさんによる、何度でも読み返したいJulie BindelさんやKathleen Stockさんの記事などの翻訳

Masaru @Theloveliestdog

アイデンティティ・ポリティクスは、新ブランドのフェミニズムと”交差性”の新たな理解を生み出したが、それは（特権的な）個人を中心に置き、真の制度的抑圧を無視するナルシシズムの実践にすぎない。

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この”交差性”の新しい歪んだ理解のせいで、UKでは今、こんな現実に直面している。何十人もの労働者階級の、多くの有色民族を含むレズビアンが「ノンバイナリー」、「アセクシュアル」、あるいはトランスだと自認する白人男を抑圧しているとして、主に極めて特権的な白人学生から非難されているのだ。

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私たちは”差別者”または”本物のフェミニストではない”として非難されている。何故なら私たちは男に生まれた人々がどんなアイデンティティを持っていようと、その利益やお気持ちを女性や少女のニーズより優先することを拒否するからだ。

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「セックスワークはワークだ」という標語に固執する学生たちが交差性の概念を使って男の暴力撲滅のために活動するフェミニストたちを攻撃する時、彼らはうかつにも女衒や他の女性搾取者たちを支持してしまうのだ。

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最近カナダでの会議に男暴力から生還した先住民族と共に参加した時、プラカードを掲げ、拡声器で叫ぶ抗議者たちに直面した「セックスワークはワークだ」「フェラチオは本物の仕事だ」「インタセクショナ ル・フェミニズムはここに生きる！」と群衆は宣言し、会場入りする私たちにプラカードを振った。

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こんなことが続いてはならない。 フェミニズムはーー少なくともかつてはーー女性と少女を優先し、家父長制による抑圧を終わらせる闘いを第一とする（それだけではないとしても）地球上で唯一の政治運動だ。私たちの運動がそこに忠実でい続けるようにすることがフェミニストとしての義務である。

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フェミニズムの中心に女性を位置付けるために、早急に焦点を修正しなくてはならない。 言うまでもなく、交差性ーークレンショーによって30年ほど前に提唱された真の交差性――は私たちの運動のコアになくてはならない。

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安全と権利を求める闘いにあっては、最下層の女性、複合的な抑圧下にある女性たちのほうが、ガラスの天井に頭をぶつけて男性同僚がもっと多く貰う中で「百万￡しか稼げない」と文句を言う女性よりも重要なのだ。 こうした女性たちが性差別の被害者ではない、ということではない。

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単に、女性であることで受ける抑圧の上に人種差別や他の形態の差別に直面し、子どもを養うために苦労している女性たちよりも、その苦境は明らかに緊急性が低いというだけだ。

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今日、私たちがアイデンティティ・ポリティクスと呼んでいるものは、“交差性”に対する歪んだ理解が決定的な要素となっている。これは元々80年代に政治的左派から生まれたもので、当時の社会正義運動の大半は白人中流階級の男性が支配していたことに対抗するものだった。左派には常にこの問題があった。

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右派が「自然の摂理」（そこでは階級や人種的特権は懸念すべきことではない。単に所与の事実）と見なすものに対して悪びれない一方で、左派はしばしば社会における幅広いコミュニティの交差を代表していると主張する。

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しかしその特権的な支持者たちは、社会から疎外された人たちの主張が聞かれるようにスポットライトから遠ざかる努力はほとんどしないのだ。

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完璧からは程遠いが、それでも長い歴史のなかでフェミニズムは特権階級によって操縦されてきたことは一度もない。フェミニズムは最も恐ろしい抑圧ーーDV,性暴行、児童虐待――に苦しんできた女たちが始めた草の根運動だ。それは彼女たちの声を聞かせるための場を要求してきた。

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今日では（男女とも）”フェミニスト”の名札を着け、女性解放運動をナルシシズムの器として使おうとする人々がいる。「アセクシュアル」「アロマンティック」自認の人々は、性差別や人種差別と似た「抑圧」を受けていると主張する。これは馬鹿げたことであり、馬鹿げたこととして認識されるべきだ。

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この無用な騒ぎの陰では、女性や少女たちが家父長制や男の暴力に今も苦しんでいるのだ。だから本物の、本来の交差性の意味に立ち返り、ナルシシスティックなファンタジーとは対照にある現実にフォーカスしよう。 終

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Correction: 類型的ダメージ→累計的ダメージ

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youtube.com/watch?v=s2brol… Kathleen Stock 「私をキャンセルしようとした学生たちを気の毒に思う理由」

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司会者「今月末にオックスフォード大でスピーチがありますね？すでに学生たちの抗議が始まっている。2023年の今になってもまだ抗議しているなんて」

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Stock「オックスフォードはいつもそう。大勢の学生がいてSNSで存在感を持つ少数の学生がいて、彼らは在学中にヒーローになりたくてこの機に乗じている。コンサルや法律関係に就職する前にね。その大半はthey/themで面白い髪形。自分が被害者だってことを裏付けてくれる悪役を見つけたくて必死なわけ」

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司会者「じゃあなたは彼らに目的を与えてるわけだ」 Stock「そう。どちらかと言えば控えめで平凡な考えを述べて、差別的でムカムカするって言われてるの笑」

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司会者「あまり触れられていないと思うのは、このジェンダー問題がニッチな政策問題というだけではなくて、社会を形成していくすごく根源的な世界観の問題でもあるんじゃないかと。どうかな？我々がどこへ向かうのかという重要な議論にもなると思う？」

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Stock「アイデンティティが他の何より重要という考えを、人間がおそらくいつも持ってきた哲学的衝動の歪みだとは言えると思う。確実に啓蒙主義以降は個人がどんどん重要になってそれがこの思考パターンに流入してきた。

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また、自由こそリベラルな世界では最高の善という考えも、人は全てから自由でなくてはならない、少なくとも望むなら体からも、制約的な社会規範からも自由になれる、という非常に歪められた理念を生み出してきた。

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ジェンダーアイデンティティイデオロギーの軌道を、17世紀かそれ以前に始まったリベラルの潮流に位置付けることはできると思う。でももっと広い意味で言えば、これは精神と世界の関係性についての理念と言える。

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その関係性の本当におかしな見方だと。精神が何より最優先、ほとんど唯我論的なね。私が望むとおりに私を見てほしい、それを人に強要できるわけだから。人の見方に依存しているという意味では自由ではない。

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それでも、人が降参して「はい、確かにあなたは女性です」とか言うまでは倫理面で人を恥じさせることはできる。 だからそこには宇宙、自然、他人を支配しようとする巨大な意志の力がある。もちろんイカれた話だけど完全に時代錯誤的というわけではないと思う」

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司会者「このジェンダー問題では明らかだけど、それ以外の問題においてもあなたの議論はある種の現実はあるのだという主張と考えていいかな？」 Stock「ええ、ある種の現実はあると確信している。多くのジェンダー狂気は、全ては言語を通して構築される、というまずい哲学的ポジションからきている。

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内面的にも意味をなさないし、現存するものの説明としても意味をなさない。でも学者界隈では魅力的な説になってる。言っておくけど哲学者の事じゃない。社会構築論の哲学者はもっと洗練されていなきゃならないし、全ての異論に真剣に取り組む。でもジェンダー学の社会構築論者は哲学者じゃないから、

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言葉を通じて言語を構築できるという理念を採っている。驚きだけど彼らは言葉なら全部持っている。だから座って一日中言葉を書いていると彼らは宇宙の支配者になるわけ。哲学的、形而上学的な立場に辿り着くのはある意味当然。それで彼らはいい学校でいい職に就けるし」

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司会者「ではどんな種類の現実性を我々は擁護すべきなのかな？」 Stock「どんな？私たちの顔を叩いたり、つまづかせたりする現実。ある意味私は経験主義者。進化論によって説明される物語もある。人は動物だから。皆忘れてるけど私たちは動物。進化によって大きく可塑的な脳を持った。その脳は、

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私たちが現れる前から存在した世界に対応するコンセプトを作ることができる。今、文化的なコンセプトには多くの相違がある。でも重なる点も多々ある。使い道がなくて絶滅してほしいと人が望むコンセプトもあるけど、一方では比較的効果的に世界と折り合うために使えるコンセプトもある。

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それは世界に現存するものに対応するコンセプト。だから私は現実主義者といえるけど、ナイーブな現実主義とは思わない」

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Stock「私は長年大学で働いてきたけど、そこは自分がどれほど素晴らしいか語るゲームをしながら実際はダメ人間という学生で溢れてる。どれだけ素晴らしいか語るほど、そうである可能性は高い。それでも、こんな酷いことになるとは思ってなかった。だから驚いた」

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司会者「あなたを守るために何かもっとすべきだった、と思うのは誰かな？大学組織の大人？学生たちはただ若くてナイーブでバカなだけと許せる？」 Stock「ほとんどの場合、学生たちのことは許してる。今のオックスフォードの件みたいに渦中にある時は寛容でいるのは難しいこともあるけど、

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過去になれば学生たちにはこの寛大さを示せる笑。私たちだって昔は若くてバカなことをした。それに学生の大半は私の考えを知らない。私の本を読んでいない。ただあいつは酷い人間だっていうことをどこかで読んだだけ。酷い人間とは付き合えない、だから酷い人間だと言い続けなきゃって」

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司会者「そうした無根拠な哲学的な見かけによる流れを引き戻せると思う？」 Stock「彼らは不幸なの。それが問題。彼らに怒りを抱き続けるのは難しい。例外もあるけど。でも凄く不安で神経症的で自己陶酔的な子たちに腹を立てるのは難しい。彼らは違うというでしょう。“私たちは行進してダンスして、

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こんなに楽しんでる！ほらこの喜びを見て！”ってね。抗議中も楽しんでる姿を見せなきゃならない。でも私には楽しそうには全然見えない。すごく不安に見える。テクノロジーによる連鎖反応の結果であることは間違いない。大学が本当のコミュニティを育てていない結果でもある。学生たちに友達が少ない、

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実際に他の学生のことを知らないって事実にいつも驚いていた。年長世代が築いたような経験が彼らにはない。だから彼らは友達を探しているし、目的や意味を探している。そう、だから学生のことはいいの。本当に苛立たしいのは教師たち」

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Stock「大規模な変革を求めることを止めないと。大学ができることは少ない。小さなことから始めないと。スマホを取り上げるとか。この講義ではPC禁止、互いの目を見て話す。言論の自由を尊重するとこから始める。そしてイジメや暴虐的で自己愛的な声を押し戻す。そういう声は多くはないから。

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皆が立ち上がって黙れと言えば黙るはず。だから私は小さな施策を支持する。大きな施策には懐疑的。それは最初より悪くなるかもしれないから」 終