とうらぶの小話マトメターノです。
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たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

行っていいよって言った。あなたはもう自由だよ。 現世に潜入任務中。突如、通信機が通じなくなり、こんのすけも消えた。あちこち探し回り、連絡を取ろうと試みたけれどどうにもならない。私たちのいた世界線が敵に負けたのだ。 私の他にもう一人ーー一振り、いた。私は彼との契約を切ることにした。

2020-06-17 14:47:05
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

女審神者の刀剣男士に嫁いだら審神者に追い出されただとか、姑よりひどいいじめに遭って夫の刀は助けてくれなかっただとか、女審神者は悪人だとする話をよく聞きます。けれどそんなのはまだいい方です。女の審神者にはやってやろうとしてもできないことがありますし、所詮女であるから保身が勝ります。

2020-06-17 10:43:57
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

これはうちの本丸で起こったバカげた話です。いやもうほんと、反面教師にしてください。 とある刀がいまして、名前は言いませんーー言えませんけれど、彼は遊郭に通っていたんですね。万屋街にあるあそこです。うちの刀たちには少ないですが給料を与えて、休暇は好きにしろといってありますから、

2020-06-13 11:17:25
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

元々審神者は私でした。実家の命令で本家の男と結婚し、夫が審神者として振舞い出しました。刀剣男士たちは最初、嫌がりましたが、私が抵抗する素振りを見せませんので次第に状況を受け入れていきました。彼らは刀、戦うものです。戦う意志のないものは、たとえ主の名義があっても尊敬されないのです。

2020-06-12 01:06:07
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

顕現した謙信景光はどこか妙だった。戦を嫌がる。のはまだ、刀帳に記された特徴を踏まえているのかもしれない。それでも刀剣男士としては異様に怖がる。しかも言い方が、 「きゃあんっ…うわぁっ、いやだあ、こわくなんかないぞ」 である。ちょっと…どころでなくおかしい。審神者は首を傾げつつも、

2020-06-11 12:55:40
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

本丸の正門の前に赤ん坊が捨てられており、置手紙が一つ。内容はこう。この本丸の刀と契って孕んだが捨てられたお恨みします死んでやる。 私こと審神者はとりあえず政府に通報し、赤ん坊を引き取ってもらった。 「あああびっくりした。何なのあれ」 「うーん…心当たりのある刀は名乗り出るかなあ」

2020-06-09 13:07:36
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

「テメェは他人に自分のもんに手ェつけられたらはいそうですかと引き下がるのか!?頭沸いてんのか欲求不満ババアがよォッ!!オラッ手ェついて申し訳ございませんでしただろうが言ってみろよオラァ!!」 てな感じで夫の愛人をリビングに土下座させている私の横で、刀剣男士たちはお前が止めろよやだよ

2020-06-03 20:37:20
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

刀剣男士と結婚した人間には、婚姻契約の効果とセックスでの霊力交換により霊力が芽生え、審神者の力も開花する。勿論生来の審神者に比べれば量も少なく、質も夫となった刀剣に寄りがちで問題も多いが、審神者ができるのは確かである。そして時の政府という輩は、使えるものは何でも使うで有名だった。

2020-05-20 19:19:00
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

私が審神者なる者を見たのは、ちょうど十のときでした。祖父に連れられて、審神者どもの会議を見たのです。我が家は時の政府の重役を代々受け持っておりますから、そうした下々の集まりにも顔を見せてやるのです。 「御覧、坊。あれが審神者というものだ」 としわがれたお指で指される先を見、

2020-05-17 00:53:58
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

西暦も2300年代になると、ロボットの一般化により人間の価値が下がる。正確には貧しい人間の価値は、そのへんの金持ちの犬より下になった。私は貧乏で、だから、身体を改造されて兵士になることもいやだと思わなかった。みんなそうだったから。 刀剣男士というものが支給されると聞いたとき、

2020-05-15 19:03:41
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

本丸が敵に見つかったとき、私は初めて槍を取って戦った。父さんとは比べ物にならない、練習用の名もない槍だ。柄は木製、刃はステンレス。でも切れた。私は敵を切った。 「母さんは?大丈夫?」 といって聞いた先の物吉は、きょとんと私と槍を見比べた。私の顔と血濡れた刃先とを。それから破顔して、

2020-05-12 12:40:31
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

生まれつき不具合のある者でも、生きていかなければいけません。 「按摩、按摩や鍼ー、按摩や鍼ー」 と呼び歩き、お呼びがあれば身体を揉んで差し上げます。生活は楽じゃありません。組合に上納金も支払わなくてならないし、針だってただじゃない。でも目が見えない女に何ができるでしょう?

2020-05-09 12:58:06
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

母が死んだ。審神者をしていた。 彼女の家族は私と弟の二人だけ。父は誰かわからない。私たちは遅くに生まれたので、母はもしどこか悪くしていたならまあ仕方ないよね、という年だった。私はそれなりに受け入れた。弟は無理だったようだ。 「なんで看取ることすらできねんだよ!」

2020-05-08 22:02:38
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

鯰尾藤四郎と骨喰藤四郎。好いた腫れたとはほとんど無縁に思えるこの二振りが、兄に離縁された嫂をもらい受けたいというものだから審神者はたいへん驚いた。なにせ離縁の理由が理由である。一期一振には一人娘がおり、これは彼の妻に似てかわいらしい女の子だったのだが、先日ひょんなことから

2020-05-06 00:54:57
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

本丸の裏手には巨大な山脈がある。歴史上どこにも見られない、まるで大陸の山々だ。そのせいで本丸の夕日はとても長い。 さて、女審神者が散歩と称して短刀を連れ、その山裾を散策していると、山の中腹から人影が降りてきた。姿かたちは白い裳裾を引いた美しい男であるが、その大きさは異常だった。

2020-05-05 15:39:59
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

子供の頃はいじめられていました、私がどうしてもみんなと同じようにできなかったから。霊力とは別に幽霊や精霊が見える力があったからです。自分の力を疎んじていました。 けれど本丸に来て、その力で刀剣男士を率いて戦い、やっと自分を好きになることができました。誇らしいとさえ思いました。

2020-05-01 12:15:36
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

「だからね長谷部、私は長谷部にも手伝ってほしいのよ。私だってそうだったもの。赤ちゃんの頃からお父さんに遊んでもらって、お世話してもらって、お父さんのことお父さんだって思ったんだもの。ぜんぜん関わらなかったら、この子、長谷部のことお父さんだと思わないかもよ?」 と主は目を潤ませた。

2020-04-26 23:41:37
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

「でもこれでお姉さんは私より上等だと証明されたのですから、喜ばしいことですよ」 と本気で言ったんですけれど、父にビンタされてしまいました。親切で言ったのに…。姉は憎々しげに私を睨んでいました。訳がわかりませんでした。 私たちは異母姉妹です。父は時の政府のえらいひとです。

2020-04-22 07:56:55
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

「嫌です、嫌です!ここは私の家ですわ!あの人と暮らした我が家です!」 と、折れた刀の破片を抱いてその妻が泣き崩れるので、審神者は譲歩せざるを得なかった。何せその刀が妻を残して折れたのは審神者のせいだったので。 夫婦の家とは本丸の離れであった。刀は鶴丸国永。妻は元政府の担当官だった。

2020-04-08 12:53:51
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

大般若長光が本丸から姿を消した。恋人を連れて逃げた。 「なんてこと」 審神者は額を押さえる。こんのすけは髭をそよがせる。 「困りましたなあ、審神者様。監督不行き届きにより監査の対象となりまするぞ。下手をすれば反逆罪に問われます」 「それは困るわ。本当に」 ため息は重い。

2020-03-22 15:11:04
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

審神者というのは身綺麗にしていないといけない商売ですから、贔屓の呉服屋がありました。彼女はそこの一人娘、彼は私の近侍で、着物を仕立てにいくと彼らはよくこそこそ話していましたっけ。 といっても当時の彼女は五つくらいですから、刀剣男士が珍しいのかなあと思っていたのですが…

2020-03-11 08:06:14
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

私は西暦2450年に生まれた。歴史修正主義者が取りこぼした数々の可能性が奇跡的に芽吹き、生き残った【正史】のうちのひとつだ。戦争に次ぐ戦争で資源が乏しくて、人心はすさんで共同体規模でないと生き抜けなくて、悲しいくらい貧しいけれど私にとって大切な故郷だ。 審神者になったのは給金目当て。

2020-03-08 02:48:09
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

家は没落していたが、当主と取り巻きは決してそのことを認めなかった。すでに残るのは家名ばかりであるのに。 女は本家の娘だったが、その家の誇る異能の力は小指の爪の先程度、当主が望む器量も度量も持たぬ。冷遇されて育ったし、それでいいとも思っていた。十八で家を出て、自分の力でやってきた。

2020-02-10 16:57:17
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

刀たちを率いて三十年。本丸に放り込まれたときは十にも満たなかった私もすっかり大人になり、親の顔も忘れました。 ちらほらと、伴侶にしたいのだといって女の人をつれてくる刀が出るようになりまして、私はそんな彼女たちを微笑んで受け入れるようにしています。見目のよい付喪神に選ばれたのだと、

2020-02-06 14:14:24
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

とある本丸の、崩壊の話である。 ある冬の日、そういえばさあと切り出したのは御手杵だった。 「彼女がさあ…」 何をいいかけたのか、今となってはわからない。炬燵でぬくぬくした下半身に、びびっと静電気が走ったのを山姥切は覚えている。 「彼女?」 隣で炬燵に当たっていた審神者が聞き咎めた。

2020-02-01 08:26:53
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

かわいそうな女だったよ。現世に祖母と弟を残していて、祖母は痴呆症、弟は生まれつき足がなかった。審神者としての賃金はほとんどそっちに流れていった。なんでも祖母は若い頃働いていなかったから、保険?の対象外だったんだそうだ。 二、三ヶ月に一度、家に帰って色々働いていた。

2020-01-30 12:55:33
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

担当役人が変わった。三十くらいのがたいのいい目付きの悪い男。すがめた目と隠しきれないにやにや笑いで、審神者は彼がどんな人間なのかわかった気がした。 「どーもはじめましてー○○です」 片手で名刺を寄越すな。 見下されているのが一目瞭然、背後で近侍の燭台切が眉を潜めた気配がする。

2020-01-23 13:54:05
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

刀剣男士たちが性欲処理のため女の子を浚ってきて、使ってない一番端の離れに監禁していた。 さにわしにたい。 女の子は室町くらいの時代の人間で、遠征のついでに死にかけていたのを拾ったらしい。ついつい連れ帰り、世話するうちに回復し、それが他の刀にも見つかって、すっかり共用化したとか。

2020-01-19 12:50:28
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まとめたひと
たいの@2次と1次をやるよ @taino56no1

成人済夢女/文章/刀がモブとくっついたら審神者権限で別れさすけどいいよね?ていう話を書きます/→小話はこっち https://t.co/vwFTuG4w97 ※腐にいいねします https://t.co/NHXOmjMhgr なろうhttps://t.co/TTfzsvsvQi