刀小話まとめ

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

本丸襲撃によって審神者は一時、昏睡状態に陥り、一か月ほど入院していた。命に別状がなかったのは幸いである。お世話になりましたと退院し、その足で本丸に帰った。早く顔を見せてやらなくては刀どもがどれほどか心配することだろう。 「ただいまー」 と言って大門から戻ってきた主に、本丸は

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

審神者になって十年。ちょっとした小遣い稼ぎで、呪符を売っていた。さにネットから始まり、今では万屋の小さな貸出スペースを借りて細々とやっている。呪符と人には相性がある。相性が合った審神者や陰陽師のみなさんがリピーターになってくれて、身内をご紹介くださったりして、ありがたいことだ。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

審神者学校に虚言癖のヤベェ女がいたんですけど、この世のイケメンはみんなアタシのものよ☆みたいな感じのイテェ女だったんすけど、まあそういうのってわりと審神者が天職なんですよね。自分の刀剣男士に囲まれて本丸で大人しくしてれば最高の主様だし、刀の方もご機嫌の主を大好きになりがち。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

「返せ！返してよおおおおッ、あたしの大事な刀剣男士返せええええェェェ!!」 と、包丁を持った女が演練会場で突撃かましてきた。 審神者は危うく刺されるかと思ったが、ちょうどすぐそばにいた薬研が危なげなく主を庇い、女の包丁を叩き落とし事なきを得た。得たか？警備兵何してたの。おい政府。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

「鶴丸おにいちゃーん！」 と、子供が駆けていく。審神者の姪っ子である。部外者があまり戦術基地である本丸にやってくるのは褒められたことではないのだが、彼女は特別である。 姪っ子はとびきりの審神者の資質と霊力を秘めた女の子だった。審神者は自室からひょっこり顔だけ出して、 「元気ねえ」

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

本丸大門前の防犯カメラに変な映像が映っていた、半年前の。ということを審神者は警備会社からの電話で知った。 「えっ、女の人が？ハア、こちらとしては把握しておりませんけれども」 「あ、そうですかぁ。じゃあなんかのバグかなあ。アハハ。今日で期限でしたので念のためご報告でした。じゃあ削除

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

とある講演会のあと、その張本人である審神者への質疑応答の時間が取られた。伝説の審神者である。審神者というものが存在しはじめたごく初期の時代の生き残りで、役人どもと共に制度を作り上げた人々のうちの一人。 号を仮に吹雪としておこう。 講演会場の講壇の周りには人が集まり、審神者としての

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

実のところ最初から気が進まなかった。 母親の結婚式である。再婚？初婚？それすらよくわからない。 母は昔審神者をしていて、女の審神者にはよくあることだが刀と番って子を産んだ。それが私である。 けれど父刀はすぐに折れてしまい、母は失意のうちに本丸を去った。乳飲み子の私を置いて。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

「だからねえ!?なんでわかんないかなあ!?」 審神者は不貞腐れて絶叫した。目の前の女はつつましやかに、再び平伏した。 彼女の横で人間の男と、半分刀の子供も同じようにした。 「どうかお許しください、審神者様。私たちは家族になりたいのです」 「ダメッ!!許さない！」 平行線の話し合いである。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

従姉妹は意に染まぬ結婚を強いられたうちの二番目の姉が泣いているのを、 「マリッジブルーですかあ!?羨ましい羨ましい。ハイハイこれでいー？」 と言い放ちやがりくださいましたクソガキなのですが、審神者になって外見の成長が止まったと同時に中身もそのまま止まったのだからと許せるものではなく、

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

演練場。刀たちが行ってしまうと、審神者はコロシアム状の会場を見下ろす観覧席に座ることが許される。審神者が出てこない本丸もあるし、そもそも暇がなくてこられない者も多い中、今日その審神者は席に座っていた。 誉を取った短刀がねだったのである、主様、お願い。今日の演練を見に来てください。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

祖父の本丸はてっきり妹の方に相続されるのだろうとばかり思っていたので、遺言状が読み上げられ、そして審神者となるのが私だと知ったとき、 「えっ？」 とマヌケヅラ晒してしまったのは許されたい。 妹の顔といったら壮絶の一言、けれど個人的に、彼女にぴったり寄り添う義母の形相の方が怖かった。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

審神者大会議という、年に一度の定例報告会兼決起集会がありまして、まあ一言でいうと地獄ですね。 というのも、審神者とはいつも自分のいうことを聞いてくれる刀に囲まれている人間であるわけですから。どうしたって普通の人間らしい礼儀や思いやりが欠けてしまうところがあります。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

刀が恋人ができたともじもじしながら言ってきたので、うわあおめでとう、と笑って祝福した。結婚したい、と言い出したときもウンウン頷いて許してやった。それで子供ができた、ということだったので、 「本丸の領域の外だけどさ、ギリギリ結界の範囲内の土地があるから。家を建ててお嫁さんと子供に

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

審神者の飼っていた猫が殺された。本丸外堀のドブから、掃除当番の刀が見つけた。 主の号泣することこの上ない。審神者になるずっと前からこの猫は、彼女に寄り添い励まし愛し続けてくれたのである。 犯人探しがはじまった。刀が主の愛するものを害するはずはない。確かに法律上、同じものの立場である

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

「ホワァァアァァなん、なんでこんなことに!?」 「すまない、俺も知りたい!!むあああああどうしよう主!?」 と、猫の前脚踊りみたいにわっちゃわっちゃしている主従が一組。 自分とこの本丸だ、好きにすればいいと思いつつも、初期刀の加州清光、しょうがねえなとため息ついてふたりに歩み寄った。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

審神者懇親会。知り合いの審神者が連れてる見習いがいきなり私を指さして、 「あぁーっ!!遊女だ！遊女から審神者になったやつー!!しねっ！刀を誑かすなキチガイオンナッ！」 とめちゃくちゃ嬉しそうな顔でキャアキャア騒ぎ出し、師匠にあたる審神者に無言でビンタされその刀に会場から連れ出された。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

なんでそういうことになるんだかサッパリわけがわからないのだが、うちの刀たちと恋仲の女たちが審神者として本丸を持つことになり、というのも刀と寝た女には粘膜を通して霊力が発生するからで、ただの女が審神者になったらやっていけるのか？ということの実験に、うちの刀たちは使われることに

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

「長谷部、ごめんね。でも私はあの見習い、ムリ。ボーナス出すからよろしくぅ！」 と、審神者は張り付いた元気いっぱいの笑顔で長谷部に書類一式を投げてよこした。 百年。続いた本丸である。続いた主従仲である。 へし切長谷部ははあっとため息ひとつ、 「はいはい、面倒なことはすぐ俺に処理させる

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

審神者が本丸を出張で留守にしていた、ほんの三日間の出来事だそうだ。 時空流の乱れから本丸の磁場がある世界線に接続された。普段ならすぐに閉じるその一本道に、一人の少女が迷い込んできた。かわいそうなほど痩せた、小さな一人ぼっちの女の子。 刀たちは彼女を憐れみ、できるだけ食べさせてやり、

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

うちは審神者が生まれやすい家系で、それはとくに刀剣男士と審神者がまぐあったとき、確率が高くなります。子の能力もよりよいものが生まれます。しかし私は生まれつき、子を望めぬ身体です。 妹が私の鶴丸国永を見初めたのは、そして彼らが婚姻し、子を設けることになったのは、ですから我が一族

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

「なんで言ってくれなかったの？ここタップするって言ってくれなかったの。笑ってたの？あたしのこと笑ってたんだ！」 非常に恨みがましい声と顔である。審神者は驚き呆れ果てた。そもそも他人の本丸での態度とも思えない。 「まあまあ」 と相手の初期刀の歌仙兼定が抑えるものの、同僚審神者は収まり

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

その日の研修を終えて宿泊施設に戻る。普通の一軒家を政府が買い取ったらしいところで、私たちのような審神者候補生だけでなく、歴史修正から保護されて万屋町に住むまでの間、仮住まいにしている人たちもいる。私がいたのは女子寮と呼ばれているところだった。 「んじゃ、おやすみ加州くん」

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

その見習いは政府の肝入りでやってきた。とある神域の巫の家系、それも直系の子孫であり、鍛冶に関わる神と関わりが深いため刀剣からの好感度が最初からマックスで、 「色んな刀に好かれすぎちゃって、困るんです。ほんとに。自慢って思われるかもしれないですけど、そう思われるのいやなんです！」

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

「さ…っ、審神者さまっ、あたし、いじわるされたって負けないんだからっ」 「はい？」 「ぜったいみんなを助け出してみせるんだからねっ」 「え？」 一瞬、審神者はフリーズした。その隙に女中はスタコラサッサと逃げてしまった。あとには硬直した審神者と、軍議中だった第一部隊の面々が残される。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

「ねえなにアレ？なんであんたがこんなに刀持ってるのよ！」 と妹は姉である審神者をどんっとこづいた。審神者部屋にて。最低限のプライベートを守るため、刀に対して張られた防音の結界があだになった。 「ちゃんと真面目に審神者やってたら、このくらいの刀は持てるよ」 「は？そういう話じゃない。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

俺が五歳くらいのときの話。法事か何かでばあちゃんの本丸に一族みんな集まったとき、 「ねえ、あのおばちゃんは？」 と思わず聞いてしまった。年の離れた従姉妹に。きれいな人だった。刀剣男士好みの長い黒髪を後ろに流して、真新しい桜柄の着物。 「え？」 と彼女が首を傾げるのに、俺は、

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

担当官が太ったおばさんに代わって、まめまめしい仕事ぶりに審神者は感謝した。前のおじさんはおおざっぱで、連絡忘れなどもあったからだ。ただひとつ、困ったことに、 「いいなあ審神者様。これから大般若さんと酒盛りですか。あんなイケメンと。羨ましいー、あたしなんて出会いないですよ」

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

なんと傲慢な少女だろう、と審神者は驚き呆れた。少女というのは大般若長光と仲の良い万屋の店員さんのことである。あどけないまろい頬を真っ赤に紅潮させて、えぐえぐ畳に泣き伏している。その横で大般若はおろおろと、主と少女を見比べる。 「何度もいうけれど、この本丸に上がることは許しません。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

その朝、審神者が目を覚ますと刀たちが上を下にの大騒ぎをしていた。 「どうしたの？」 と手近なところにいた平野に声をかけると、彼はひゃっと飛び上がって、気の毒そうに審神者を見やり、 「お金が…なくなってるんです。運営資金が」 「ええっ」 「今、博多と長谷部さんが怒髪天を衝いています」

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

なんか刀たちがもめてるなあ、というのを、一応審神者は把握してはいたのだった。しかし放任主義の審神者であったので、あまり立ち入ろうとは思わなかった。だから山姥切国広がすすすっと寄ってきて、 「なああんた、時間あるか」 と、芯から困った様子で助けを求めてきたのは、ギリギリのところ

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

政府から送られてきた研修生というのは随分めかしこんだ少女で、お供に長谷部を連れていた。 「まあいらっしゃい、遠くからようこそ。疲れたでしょ」 と玄関まで迎えにでた審神者が笑いかけると、そのまま刀の後ろに隠れてしまう。あら？小首を傾げた審神者に頭を下げ、語りかけたのは長谷部だった。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

雨の日の朝だった。出陣部隊を見送り、遠征部隊を迎え入れ、審神者は忙しく働いた。少しだけできた空白の時間を見計らったかのようだった、 「おう主、客が来てるぜ」 と同田貫がのしのしやってきてぶっきらぼうに言う。 「お客？誰？」 彼は肩をすくめた。審神者は首を傾げながら玄関に向かい、

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

審神者は審神者になる前、政府で働いていた。というと口さがない人たちは、刀剣男士に取り入って霊力をわけてもらったのだという。つまり付喪神とセックスすれば、ただの女も審神者になれるという迷信を信じているわけである。実際のところ、そうした霊力転移と呼ばれる現象はあるにはあるけれど発生は

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

「すっごいつらかったんですからねーっ!!」 と絶叫されたって、審神者はポカン、他の刀もポカンである。ただひたすら彼女、刀の嫁だった人が一人きりで泣きわめいている。 「やっぱりあたしなんてふさわしくなかったんだわ！」 ことの起こりはこうである。ここは五十年ばかり続いた本丸で、審神者は

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

「あ、ああぁるじぃい～…」 と鶴丸が途方に暮れた、迷子の子猫のような顔で縋りついてきたものだから、審神者はんえっと喉を鳴らした。 「厄介ごと持ち込んでくるときの顔してる…」 「そうとも、すまない。助けてくれ」 あと三十分くらいで夕食の時間。今日の業務は残ってないし、近侍の長谷部は

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

刀のお嫁さんというのはどうにも審神者がお嫌いなようで、なんだかうまくいきません…と同僚の審神者に愚痴を零しましたら、 「そんなら、いっぺん御前試合でも開催すればよろしいのですよ」 と彼女は口元に手をあてます。 政府がさらなる戦力増強を急いだ結果、刀に嫁を取らせ半神の子らを作らせる、

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

みいいいいいい、と子猫の癇癪みたいな音が聞こえたのでびっくりして縁側を見ると、 「ふいいいいいい、好きなのおおおお、あたしも好きなのにいいいいいい、うびぇえええええええ！」 と女中がつっぷしている。一年ほど前に雇い入れた、若いなりによくやってくれていると思っていた子だった。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

この本丸の審神者は自由主義者だった。刀に端末も与えてやるし、万屋街に自由に出かけていい。 「私がされていやなことは刀にしたくないの」 という信条だった。 ネット上で友達を作って人間と楽しく交流する刀もいたし、逆に孤高を貫くもの、もっと行き過ぎて人を娶った刀さえいた。審神者はそれを

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

彼女は華奢な女の子でした。本丸に来るなり、 「ここがブラック本丸なことはわかってるんだもんね！」 となぜか胸を張る。 「え？」 と答えてしまいましたのは、聞いてた話と随分違うなと、そう思ったからでございます。 「あたしがお前を捕まえてやる！お前の悪事、全部ばらしてやるんだから！」

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

深夜。女審神者が現世から帰ってきた。夜遊びからの抜き足、差し足、忍び足のご帰還である。目ざとく耳聡い刀たちはざわざわ、気づく。主、主が男を連れてきた。 翌朝、審神者は大広間での朝食にその男を公然と伴った。刀たちから見れば鶏ガラのように痩せこけて、不気味な男であった。髪の色が不自然

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

打ち合わせが終わりかけたとき、突然役人がワァっと泣き出した。 「審神者様はすぐそうやって自分の幸福を見せびらかす！ずるいずるいずるい！あたしだって誰かにちょっとでも優しくしてほーしーい！」 審神者は固まった。横にいた近侍の長谷部が膝でその身体を押し出し、 「よし。ではこれで方針は

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

確かに彼女は美しかった。彼女というのは審神者の姪っ子である。折り合いの悪い姉が若くして亡くなったと知った時、審神者は無言で両手を天井に突き上げた。 そもそもは親が悪い。霊力の質量に家事の出来不出来、声から器量まで姉妹を引き比べ、しまいには姉の方がかわいいからと妹が成績優良の褒美に

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

悲しいかな、審神者なんて職業は自分の刀を除けば店員さんや政府の役人、あとは同業者くらいしか話す相手はいない。 審神者が久しぶりの休暇(といっても半日だけである)に万屋街を訪れたのが、ちょうど正午を回ったところであった。近侍の大俱利伽羅は相変わらず寡黙で、けれど周囲に気を張っている。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

母が大般若と手に手を取り合って戦死してしまうと、父は後妻さんをとって新しい家庭を築くことに決めたようだった。別にそれでいいと思う、確かにお母さんの、その、貞操というか愛情の観念はかなり特殊だった。刀が何より優先だった。お父さんが愛されてなかったというわけではなかったと思うけれど。

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

担当役人が女性になったのが一年前、その人と一振りの刀が連れ立って審神者部屋にやって来て、 「あたしたち、結婚することにしたんですけどォ…」 とおずおず幸せそうに言い出したのが今日。 「うわ、うわわあ」 審神者は大慌てで刀剣管理システムを呼び出し、その刀を刀解した。 「きゃああああ！」

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

今日が見習い研修の初日である。客間に通した見習いの少女に審神者が資料を差し出し、 「それではさっそくですが座学からまいります…」 と説明を始めたのだが、少女は資料を手に取りもしない。むっとした様子でじいっと自分の爪を見つめている。審神者は幾度か話かけた。疲れてる？大丈夫？そのすべて

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

長年仕えてくれていた女中と長谷部が連れ立ってやってきて、結婚するのだという。審神者は素直に喜んだ。 「まあ、お似合いだこと」 一人と一振りはそういえば仕事の仕方も少し似ている感じがする。長谷部は近侍の仕事の一つとして、彼女と接する機会も多かった。 「何もかも審神者様のおかげです」

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

本丸を訪れたのは、ある土着の神であった。見かけは一寸法師のように小さくいとけないが、中身はまったくそうでない。 「困っているんじゃよ…」 とわざわざ老人の声でいうことには、つまりこういうことだった。元からいる民に海の向こうから来た民が合わさり、外来の神にこの神への信仰が揺るがされ、

たいの@２次と１次をやるよ @taino56no1

「え、つまりどういうこと？」 審神者は頭を抑える。なんだか寒気がしてきた、風邪かもしれない。 「ほんとにほんとに…ごめんなさい。許してェ。もう耐えられないのお…」 と目の前で泣き崩れる少女はそれはそれは美しいが、泣きにきたというのにどうしてそんなにきちんとお化粧をしているのか。