⚽晴道

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179名無しの○○サポ うわあああああああああああああああああ 180名無しの○○サポ 在りし日のニコイチいいいいいいい 181名無しの○○サポ せーめーが、ゴールしたときの どーまんに駆け寄って、どーまんに抱き上げられるやつ… もうあかん 前が見えん 182名無しの○○サポ もうぼろぼろ泣いてる

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183名無しの○○サポ よかった、よかったね せーめーもどーまんもよかったね… ほんとうに、よかった 2人が元のニコイチに戻れてよかった 184名無しの○○サポ アアアアアアアアアアアアイヤァアアアアアアアアアアアアアアアア

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185名無しの○○サポ ウィルオオオオオルウェイズラアアブユウウウウウウウウアアアアアアアアアアアアア 186名無しの○○サポ ＞184、185 はえーよwwwwww シャンパンあけました 187名無しの○○サポ ＞186 おまえもなwwwwww 188名無しの○○サポ せーめーがどーまんから降りないwwwwww

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189名無しの○○サポ だっこちゃん人形かおまえはwww あかん、おれ泣いてる… 190名無しの○○サポ せーめー、これ泣いてるよな 191名無しの○○サポ 泣いてる どーまんが背中よしよしとあやしてくれてるの本当にママ… 192名無しの○○サポ チームのママだったよなぁ、どーまん…

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193名無しの○○サポ うおおおおんよかったねぇ！！よかったねぇ！！！ 194名無しの○○サポ お、せーめーが降りてる 195名無しの○○サポ 編集入ったなこれwwwwww 196名無しの○○サポ 目が真っ赤だぞせーめーwww 俺もだがな！！！！ 197名無しの○○サポ ＞196 あれ、俺がいた…？

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198名無しの○○サポ ＞196 俺いつの間に書き込んでた？ 199名無しの○○サポ ＞196 おまえはおれだった…？ 200名無しの○○サポ ああああ、エンディング… 201名無しの○○サポ 2人でパスしながら帰るシーンとか、せっかく雨やんだのにまた雨降ってきたじゃねぇか…何てことしやがる……

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202名無しの○○サポ タオマフが涙でグチャグチャなんだが 203名無しの○○サポ もうこれは祝杯あげるしかねぇ！！！！ ビール飲むぞ！！！！！！ 204名無しの○○サポ ニコイチ復活を祝ってカンパーイ！！！！！！ 205名無しの○○サポ カンパーイ！！！！！！！

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⚽晴道「学生時代編」 近々プロ入り確定してるクラブユース所属のあべ君と、高校総体常連⚽部所属のあしや君が、U-18の日本代表に選ばれて、練習一緒になったのはいいけど、あべ君が天才ゆえに舐めプしてたら、あしや君からぶん殴られたあとの話。

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「せーめー、大丈夫か？！」 「……はい、大丈夫です」 「頬が腫れてるから冷やした方がいい」 それにしても何なんだあいつ。部活程度の⚽しかやってない奴が。吐き捨てるように言い募るチームメイトに、あべ君はにこりと笑って返す。すでに背を向けているあしや君をじっと見つめていた。

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私にあれだけ大口叩いてて、自分はどうなのでしょうねぇ楽しみですと、半分皮肉こめて見てたんですよ。見てたんですが。 めっっっっちゃ、練習してるんですよ。あべ君はスタメンのAチーム、あしや君は補欠のBチームなんですが、めっっっっちゃ練習してる。自主練もしてる。

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よく見てたら、ボール回しめちゃくちゃ上手なんですよね。パスがめっちゃ通る。え、お前なんでユースにいないんですかって思うくらい上手。足は遅いけど、全然問題ない。え、本当にパス制度やばくないですか？ユースの大会でも見たことないレベルなんですが？？

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AチームとBチームで試合やったら、他のチームメイト、全然あしや君を抜けないんですよ。足遅いのに、全然抜けない。とられる。 Aチームが補欠のBチーム相手に1点もとれない？は？マジですか？？と、本気になるあべ君。今まで舐めプしてチームメイトにパスするだけだったのを、自分から点を取りに行く。

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勿論、あしや君はあべ君相手だろうと本気で止めにくる。これギリファールでしょうと思うくらい。体も大きいので、当たられると本当にやばい。 なんとかあしや君振り切って、ゴール決められるんですけど、本当にギリギリだったなぁとあしや君みたら、めっちゃ悔しそうでどきっとする。

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あべ君にさすがだなと声かけてくるチームメイトには、にこりといつもの笑顔を浮かべて返す。あしや君は、チームメイトから慰められてるかと思えば違うんですよね。あしや君、チームメイトにここをこうしましょうって提案してる。もう改善に動いてる。次はあやつを止めましょうって、もう前を向いてる。

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あいつ大口叩いて、せーめー止められなかったじゃんと嗤うチームメイトをよそに、あべ君、あしや君に近付く。黒々とした目がこちらを見て、どきどきした。どきどきしすぎて、 「たいしたことないですね」 憎まれ口叩いてしまった。

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きれいな顔がみるみる歪んで、こちらを睨みつけてくる訳です。当たり前だ。あべ君は内心「違います！お前はすごかったと伝えたかったのに！！私の口が！！勝手に！！」めっちゃパニック。 「……さすが天才と言われるだけありますなぁ。そのお綺麗な面がいつまで余裕を保てるのか見ものです」

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忌々しそうに立ち去るあしや君に、呆然とするあべ君。チームメイトがくすくす嗤いながら、負け犬の遠吠えかよと言ってるのが右から左に流れていく。 結局、Aチームがあべ君の決めた1点を守りきり勝利。 合同練習は終わり、練習は再びAチームとBチームに別れてしまった。

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練習が別れてたため、それ以降話す機会もなく、最後の練習試合。高校の名門⚽部と練習試合した時にあしや君はDF、あべ君MFで出たんですよ。もちろん勝った。あべ君めちゃくちゃ真剣に⚽した。本気で⚽したのひさしぶりで、あしや君からパスを受けるの、めちゃくちゃ楽しくて。

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パスボールに引っ張られるように走らされて、本当にどきどきした。⚽ってこんなに楽しかったっけと思うくらい楽しい。正直、DFなのが勿体ないと思ったんですよ。視野が広いし、他チームメイトに目配りできてる。MFが似合うと。 最後、対戦相手に挨拶して帰るときにあしや君の腕を掴んで引き留めた。

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「……何用ですかな？」 「あ、えっと……」 訝しげなあしや君に戸惑うあべ君。MFやってみませんか？お前は視野が広いからDFよりMFが適役だと思います、と言いたくて。 「お前、DFやめたがいいですよ」 言い間違えた。 「……はあ？？儂はDFに向いてないとそう言いたいので？喧嘩売ってるんか」

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必死に否定したけど、あしや君から白けたような目を向けられて固まるあべ君。違う、喧嘩したい訳ではなくて、もっとお前と練習したくて。 「放していただけますか」 「あの」 「儂は、あなたと話したくなどありませぬ。放されよ」 冷たく淡々と言われて、腕を放すあべ君。最初の代表練習は終わった。

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あしや君、代表に選ばれはしたけど補欠で、まだまだ精進せねばと悔しさに歯噛みしてる。走り込み量を増やすか、浮き球処理の練習増やすか考えてたら、脳裏によぎるんですよ。 あっさりと。いとも簡単に自分を抜き、あっという間にゴールを決めたあの天才が「たいしたことないですね」って嗤ってる。

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むかつく、むかつく、むかつく！ あの天才のことは前から知っていた。強豪クラブの下部組織のジュニア（小学生）の頃から天才少年と言われ、順調にジュニアからジュニアユースへ昇格し、そしてユースに昇格して更に近々プロ入りの噂まである選手だ。同い年ということもあって憧れた。

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自分はジュニアとジュニアユースの入団試験に落ちた。毎年多くの⚽少年がプロを夢見てクラブの下部組織の門を叩く。だが、狭き門ゆえに入るのも難しければ、昇格するのも難しい。現に、自分の学校の部活は強豪⚽部ということもあって、ユースに昇格できなかった選手も多い。

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ユースに昇格できず、高校⚽部に流れてきた先輩たちが下手な訳ではない。むしろ先輩たちは技術はあるのに、どこか精神的な弱さがあった。言うなれば「打たれ弱かった」。 ボールを追いかけるハングリーさが足りなかった。泥臭い⚽を嫌っていた。何より部活を下に見ていた 。

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その先輩たちのように、あの天才も全てを見下していた。自分以外を、高校⚽部出身だけでなく、ユースの選手も全員、自分より下だと見下していた。確かに実力があった。ボールさばきはプロ顔負け、MFとしての指示も的確。ただ配慮がない。鼓舞をしない。チームを引っ張ろうという気概がない。

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ただ、あの天才にパスを出したとき、体に雷が落ちたかのような衝撃を受けた。あの男は自分の意図を汲み取って、気がつけばパスの出しやすい位置に走り込んでいるのだ。それもとびっきり速く。だからついつい遠くに蹴り出してしまったのに、それにすらもあやつは追い付いた。

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⚽が大好きだ。ボールを蹴ってるときは、そのことに集中できる。仲間を鼓舞し、なぐさめ、チームを勝利に導くために自分の持てる力を出し切ること。自分にとって⚽はとても大事なもので、楽しいものだった。あやつは。あの天才は。真剣に向き合おうとしなかったから。つい手が出た。

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殴りつけることは、理由があってもやってはいけないことだろう。だが、つまらないと言いたげにだるそうなあやつを見ていて、真剣にやればこやつはもっともっと強くなる巧くなるとわかっていたから、つい。 技術や才能があってもスポーツを続けることは難しい。

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スポーツをやる上で、どうしても金銭的な面が障害になることがある。どれだけ才能があっても、どれだけ技術があっても、金銭的に余裕がなければ諦めざるを得ない。 海外の貧困層で⚽が流行るのは、ボール1つでできること、才能と運があればスカウトされることもあるからだ。だが、この国では。

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自分はたまたま運に恵まれ、地元小学生チームで技術を認められ、クラブの下部組織の試験には落ちたが、中学の大会で活躍できたことにより名門⚽部のあるこの私立高校へ推薦入学を勝ち取れた。特待生で入学金や学費など免除されると説明がなければ、この学校で学ぶことなど頭にもなかっただろう。

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全て運だった。進んだ公立中学がたまたま⚽部があり、⚽がそこそこ強く、たまたま同学年に地元小学生クラブに所属していたメンバーが多く、上手い人間が揃っていたため大会で優勝し、そこで名門高校からスカウトされたのは運だった。 そしてたまたま総体で結果を残せたから、代表選抜に呼ばれた。

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その運を逃がしたくなかった。中3の時に成長痛でまともに練習できず、最後の大会に出られなかったことは悔しくて今でも夢に出てくるほどだ。だからたくさん練習したし、ユース出身に負けたくなかった。食らいついてやる。その気持ちで練習してきたのに。 「おまえ、DFやめた方がいいですよ」

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「腹立つーーーー！！！！」 持っていた枕を壁にぶん投げた。 「儂がDF向いてない？！ハァ？？！！相手のFWをことごとく止めたのは儂ですか？？試合視てましたか？！ああ、あなたほどの天才なら見るほどでもないと！！！ムカつくーーー！！！！」 どすどすと悔しさで地団駄を踏んだ。

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一息で叫んでも息切れしないのは、普段の走り込みのおかげか。それでも悔しさが晴れない。次は絶対止める。なんとしでも止める。あの天才と持て囃されるあやつを止めるためには。 「練習！！練習しかない！！」 部屋からボールを持ち出し、公園へ駆けていく自分を両親はにこにこ笑って見送った。

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それから数日たって、先輩が学校を辞めたのを知った。この名門⚽部のボランチとして皆を引っ張ってきた先輩が学校を辞めた。司令塔ではないものの、先輩は皆を取りまとめ、チームの精神的な支えとしてやってきた人だった。ユースに昇格できなかったが、元々はジュニアユースでやってきた先輩。

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いきなり精神的な支えを失って、1年である自分たちだけでなく、先輩たちも動揺していた。どうしてという思いが強い。以前大きな怪我をしたが熱心なリハビリで⚽できるようになったと言っていたのに。それでも練習は欠かさなかった。あやつに負けたくないから。でも、もやもやとしたものが残っていた。

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監督に練習終わりに呼ばれて、何事かと思えばボランチへのコンバートだった。 「……儂は、DFに向いてないということでしょうか？」 「違う。ボランチが抜けた今、チームを今後支えるのはお前しかいないと思ってだ」 視野も広いお前ならと言われて、こくりと頷いた。

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ボランチは重要なポジションだ。MFの中でも守備的要素が強く、ゲームメイカー的役割もこなす。お前ならと言われるほど、期待されているということだろう。 「……ハハッ、あやつの言ったとおりになったわ」 だけど、自分はDFというポジションが好きだった。好きだったのだ。

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あべ君はユースに戻ってから、今までよりめっちゃ練習するようになって、ユースのチームメイトも監督もびっくりする。 「せーめー、お前そんな泥臭いことやるタイプだったか？代表の練習で何かあったのか？」 「……いえ、ちょっと刺激を受けまして」 練習熱心なあべ君に、皆首を傾げる。

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次、次代表に選ばれることがあったら、絶対あいつはもっともっと上手くなってくる。 「負けられないので」 絶対次も抜いてみせる。ぐっと拳を握り込んだ。

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⚽晴道学生時代。とある⚽部の先輩の話。 自分はプロ⚽クラブの下部組織であるジュニアからジュニアユースにずっと所属してきた。守備的MF（ボランチ）としてやってきて、ユースへの昇格試験を受けて、落ちた。 なぜ落ちたのか、今でも理解できない。確かに1こ下の天才には敵わないかもしれないが、

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自分は上手くやれてたはずだ。大きな怪我もなく、MFとしてちゃんとチームを支えられたはずなのに。プロ選手としての道を断たれた訳ではない。名門⚽部のある高校で⚽をやれば、十分スカウトの目にも止まるはずだと、強豪校の⚽部に入ってスタメンにも起用されてやってきた。やってきたのに。

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怪我をした。足首の捻挫だ。よくあることだとサポーターをつけて練習した。ジュニアユースでもそうだが、ここもユースほどではないとはいえ⚽強豪校。それなりにポジション争いが激しい。ジュニアユース出身も多く、負けていられなかった。監督からは休め安静にしろと言われたが、休まなかった。

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通院もしたし、きちんとリハビリも受けた。軽い捻挫だったので、特に問題なく快癒した。ただ、どうしても再発しやすい怪我だからサポーターはかかさなかった。 おかげで、ボランチのポジション争いに勝てた。U-18日本代表選抜のスカウトが見にくる大会でもいい成績が残せて、ほっとしていた。

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まだ、まだプロになる夢は断たれてない。 目をかけているでかい後輩は、プロの下部組織出身ではないのにDFとして良い仕事をしてた。ボールさばきはまだまだだが、十分視野も広く、体格も大きいので相手から見たら壁のようだろう。 どこまでも食いついてくるスッポンのようなしつこさ。

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ジュニアユース出身の仲間からはスマートじゃないと眉をひそめていたが、後輩の貪欲さは好ましいと思っていた。自分にはできないプレーだと思いつつも、自分なりに後輩を導いていたつもりだった。 そいつが、代表選抜に選ばれるまでは。

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どうして、どうして後輩は選ばれて自分が選ばれないのだろう。確かにポジションの違いはあれど、大会でもいいアピールできたと思ったのに。 招聘選手の名前を見て、ああと絶望した。晴、あいつそういやMFか。あいつがもう上がってきたのか。

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「あはは、もう本当にあいつら化け物かよ……」 ぐっと拳を握り締める。それでもプロを諦めきれなくて、後輩が代表の練習に行っている間に何としてでも技術をあげねば。あの化け物に敵わなくとも、せめて、せめて代表選手に。 怪我を、した。 足首の捻挫による靱帯損傷。手術が必要だった。

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泣いた。病室でわんわんと泣いた。医者は手術してリハビリすれば、ほとんど元のようになると言っていたけれど、それでは遅いのだ。入院している間、リハビリしている間にどんどん置いていかれる。ただでさえ、あの化け物たちと張り合わねばいけないのに、強制的に休まなければいけないのだ。