『ブラドリウム』を読んだ

𝑽𝒊𝑽𝒊 🦈 @ViVi_shark

徒花データに「想定ラウンド数」を表記するというのは地味に興味深い

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『リヴァルチャー』の「ドクトリン」（あるいは『ステラナイツ』の「ルーチン」）と違う点として、《メインドクトリン》に《ブレイク条件》が付帯して、一定条件を満たすと動的に内容が変わるようになっている。

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これのうまいのは、個々の《ブレイク条件》に「ストーリー」をつけてあるところ。 （例：「条件：ふたりの剪定者が同じセルでターンを終了する」「ストーリー：ふたりでなら、強力な攻撃を受け止められるかもしれない」） “何を意味するのか”がわかりやすく、そしてそれが自動的に展開に寄与する。

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ひとつの徒花としてパッケージングされていない、独立的な「作成済みメインドクトリン」「作成済みトリガー」があるのは便利 （そしてつまりそういう単位でコンテンツを作って取り回せるということ）

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p195～，設定資料集 各設定に「情報レベル」が設定されていて、“キャラクターがそれを知っているとはどういうことか？”（“それが世界のなかでどのくらい知られているのか”）を意識しやすくなっている。 『ステラナイツ』の「ステラナイトの知識」「世界の真実」をより細かくあつかえるようにしたもの

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くわえて重要度や信頼性にあえて疑義をはらんだ「おとぎ話」「誰かの手記」という区分もあり、それが世界を解釈する切り口にもなっている

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舞台設定を〈領地〉としてパッケージングできるようになっている。（収録されているのは「現代日本」、19世紀西洋風「モダンエイジゴシック」、ヴァンパイアが支配する監獄「トワイライトプリズン」）

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『ステラナイツ』や『アンサング・デュエット』における（メタ的概念である）「ワールドセッティング」とちがって、〈領地〉は『ブラドリウム』の作中世界で実際に認識される単位なので、より取り回しやすそうです

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p245～，シナリオ シナリオ構造はおおむね『ストリテラ』同様。 目立つ違いは、先に述べた「情報レベル」をもちいたキャラクターのコントロールができることと、「ルート」というツールをもちいてバックストーリーや展開に選択性を取り込めること。

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この「ルート」の概念はかなり面白いっすね。 シナリオ全体ではなく個々のキャラクターごとに選択性が導入されて、それが担当俳優当人にとっては主体性、ほかの俳優にとっては不確定性としてふるまう。 シナリオのデザイン空間がめちゃめちゃひろそう

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シナリオの作成において「まず、仮でよいのでタイトルをつけましょう」（p343）と書いてあるのがグッド

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『ブラドリウム』ざっと読みました。 言及に際して折りにふれ過去作の名前を出してきたように、思想・技術・実装の各面から、これまでの（いわゆる“商業”の＝ステラナイツ以降の）“瀧里フユの一旦の決算”、言い換えれば知見の開示（整理と再提示）といったところでしょうか。

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むろん単一のゲームとして充分以上に魅力的ではありますが、しかしやはりコアルール公開の件もあわせて、「ここでまとめてオープンにする」ことに意義を感じます。

𝑽𝒊𝑽𝒊 🦈 @ViVi_shark

それでいてフユさんの“趣味”と“嗜好”が、（『ステラナイツ』以降では）いちばん原液にちかいであろう濃度で出てるのは面白いですね。（あえて大きな革新的要素を投入しなかったからそこを好き放題するだけの認知的余白があった、ということかもしれない）

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さて、ゲームの流れを顧みると、“『ストリテラ』みたいな感じで進んで、『ステラナイツ』みたいな感じで殺し合う”――

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そのバトルの複雑さは『ステラナイツ』や『リヴァルチャー』を超えるので、かなりはっきりと“そういう戦闘”が好きなひとにフォーカスしたゲームです。 （おっと、「ストーリーセッション」がありますからね。ルールに則ってバトルをしなくてもいい）

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これ徒花データつくるの超楽しいとおもうんですよね。つくりたい。つくりましょう。つくりますね。

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簡単にまとめると……、 吸血鬼！　騎士！　人間！　戦闘！ この４単語が中心の、そしてこの４単語を遊びたおすためのゲームですね！　そういうのが好きなひとにオススメ！ 以上！