
『ブラドリウム 世界にとどめを刺すRPG』( amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%8… )を読んでいきます。 作者はおなじみフユさん(=瀧里フユ) pic.twitter.com/kdubQiOBZF
2023-02-17 14:56:01

じつはまずp4スタッフリストまで一回飛ぶと、スペシャルサンクスでViViの名前が載ってて、これはつまるところテストプレイに参加してるんですけど、私がやったのは戦闘だけのテストだったのと、その戦闘もその後でだいぶ変わったらしい(とだけ聞いた)ので、正味どんなゲームなのかはよく知りません
2023-02-17 14:59:07
さて巻頭にもどりましょう。目を惹く口絵がたくさんあってよい。 ことフユさんのゲームにおいては、「これらイメージイラストのどれかが気に入るなら、それをフィーチャーして遊んでたのしめる」ということですからね pic.twitter.com/SJPXjYUxsl
2023-02-17 15:01:25




p2~3,「『ブラドリウム』のパスポート特典」 左ページは『ストリテラ』(フユさんの前作)におけるそれを引き継いだもの。 右ページ、「二次創作ガイドライン」には「コアルール公開」の旨が併記されています。(まだ公開されていないっぽいですし、そっちはあとでチェックしましょう)
2023-02-17 15:05:54
目次 イントロダクション20頁 キャラクター作成70頁 ルール64頁 徒花データ36頁 設定資料集36頁 シナリオ(全4点,他ガイド等含む)105頁 といった構成
2023-02-17 15:08:29
シナリオひとつあたりは20頁強くらいのもよう。『アンサング・デュエット』(フユさんの前々々作)とおおむね同じくらいですね
2023-02-17 15:10:35
p7,はじめに ブラドリウム(BLOODORIUM)の銘から察せられるように、“ヴァンパイア”を中心的要素(のひとつ)に置いたゲームとのこと。 瀧里フユが……ついにヴァンパイア物を……ッ!?
2023-02-17 15:13:21
重要なのは「ヴァンパイアとそれを狩る者」「ヴァンパイアに命を狙われながらも戦うことを選んだ者」という“構図”を表現空間の核としていて、“時代や場所を問わない”、というところですね。 これは『ステラナイツ』(フユさんの前々々々作)と似て、つまり好き勝手できる(しやすい)ということ
2023-02-17 15:16:46
p10~11 「俳優」の説明が、同じワードを採用した『ストリテラ』とはけっこうちがいますね。 これは“原則として全員が対称”な『ストリテラ』と、〈剪定者〉と〈徒花〉で非対称になる『ブラドリウム』の差、もっといえば後者において必要な気構え・視座を提示するためっぽい
2023-02-17 15:21:18
イントロダクション内のQ&A仕立ての説明で 「ヴァンパイアになって吸血したい! どうやるの?」 「騎士になりたい! 人間を辞めたい!」 って書いてあるのキマってますね。最高
2023-02-17 15:26:59
p26 > 本作では、シナリオは遊ぶ前に全員で読むものです。 『ストリテラ』と同じ流れを継ぎつつ、より踏み込んだ記述。 事前に共有できるとあらゆる話が早くなりますからね。よい
2023-02-17 15:37:56
p27 > オススメなのはインターネット上で遊ぶことです フユさんのゲームでオンラインでのセッションのほうを明示的に標準としたのはたぶん初? かな?
2023-02-17 15:39:48
そのわりにp29(「使うものを準備しよう」)で「対面で遊ぶ場合」が「オンラインで遊ぶ場合」より先に載ってるのはどうなんだという感じありますけども
2023-02-17 15:41:53
p36,ブラッドレイヤー ゴア等の表現レベルを統制するための規格。 「ノンブラッド」(一切なし)、「フラワーペタル」(年齢制限が要らないくらい)、「ノーリミット」(なんでもアリ)、「ブラッドパーティ」(積極的にやれ!)の四段階
2023-02-17 15:49:59
これは、ブラドリウムが「吸血鬼」(不可避的に「血」をあつかった表現が増える)をフィーチャーした、殺し合いのゲームだから明確に示す必要があったわけですね。(『ステラナイツ』とかでも似た主旨の記述はあったけど、ここまで明確ではなかった) あとここ紙面の表現がクール。
2023-02-17 15:51:33
p40 《ロスト》の条件がクラス(吸血鬼/騎士/リライター)によって違うのはクールですね。違うモノなんだから違う条件でロストする。
2023-02-17 16:10:47
p42~,フラグメントリスト リストひとつあたり6項目で暗黙的に6面体ダイスとの対応を可能としながらも、“番号”をつけてないのが印象的なところ。 (『アンサング・デュエット』のフラグメント・リストや『リヴァルチャー』(フユさんの前々作)のあなたの物語には明示的な番号があった)
2023-02-17 16:15:29
p49 > 「そのクラスらしく活躍する場面」を設けることのできるデータが《センターステージ》です。 > 例えばヴァンパイアなら、物語中のどこかで、絶対に「吸血している場面」を演じてみたいですよね! わかりやすいぜ~~
2023-02-17 16:18:18
『リヴァルチャー』同様に、構築データの「スキル」にはそれぞれ「ストーリー」が存在して、それを選択の基準にできるようになっている。 この「ストーリー」と、味のある名称、端的な「描写」によって、スキルの凡例(p133~)より先に個々のスキルを掲載できる(p52~)ようになってるのが面白い
2023-02-17 16:23:23
p82~ Q&A形式で、ヴァンパイア/騎士/リライター/普通の人間の性質の差を、それぞれ表のかたちで明瞭に示してあるのがうまい。 「寿命はある?」「殺すことはできる?」「自分以外の種族と子供は作れる?」など
2023-02-17 16:29:55
俳優ごとにまるで違うモノをあつかうにあたって、個々の俳優が「それはどんなモノなのか?」を把握するのは重要な点なんですよね。そこに焦点を合わせたセクションがあるのがすばらしい
2023-02-17 16:31:38
「タイム」や「カット&テイク2」等のいわゆるセーフティツール(本文中では「サポートルール」と表記)を『ストリテラ』から引き継ぎつつ、あらたに「フェードアウト」「ナレーション」が追加されている。
2023-02-17 16:36:59
「フェードアウト」はチャプターをそのまま終わらせるツールで、「ナレーション」はそれに際してあいだを埋めるツール。 発想はクールだけど、名称はもうちょっと(通常のゲーム中に出てこなさそうなワードが)あったような気もします。(まぁタイムかカットを前段とするはずだから誤認はないのか?)
2023-02-17 16:39:11
p106,サイドストーリー シナリオ上の終端である「アフターパート」とは別に(その後に)、任意でやりたいことがあればやってもいい「サイドストーリー」という枠を設けるのはうまいデザイン。 シナリオの構成から明示的に切り離してあるから、シナリオとのバランスとかを気にする必要がない
2023-02-17 16:43:57
p107,キーワードのコレクト 《キーワード》や《コレクト》の運用は『ストリテラ』同様ですね。 ことなるのは結果で、チャプターごとにコレクトされた総数が出演した俳優“全員”の利益になるかたち
2023-02-17 16:49:18
これは“原則として全員が他の全員との間にコンフリクトをかかえている”(ゆえにコレクト数でコンフリクトを解決する必要がある)『ストリテラ』と、“主たるコンフリクトが〈徒花〉↔〈剪定者〉のあいだにある”『ブラドリウム』のちがいかしら
2023-02-17 16:50:58
p118 > 〈剪定者〉は、本書に沿って作られた〈徒花〉相手であれば、よほどの不運や戦闘を重ねないかぎり《ロスト》することはありません > 本作は、『世界にとどめを刺すRPG』。 > 〈徒花〉は負けることが運命づけられているのです。 潔いな
2023-02-17 17:09:57
> では、戦闘は何を一番楽しむものなのでしょうか? > それは《フラグメント》の減少――すなわち、自身のアイデンティティの喪失にあわせた、キャラクターや物語の変化となります フユさんの嗜好の原液の成分表示じゃんこれ。潔いな
2023-02-17 17:10:27
p120,監督 「監督」の用語は『ステラナイツ』以来ですね。 『ストリテラ』の「ゲームマネージャー」同様にもちまわりだけど、ストリテラとはちがってタイムボックスの必要性が薄いのとキーワードの追加がないのとで、そんなにやることはない(最低限度の仕切りくらい)
2023-02-17 17:28:56
面白いのは、「n:1」の「1」側、敵役たる〈徒花〉の担当俳優と監督が、直接には結合していないところですね。そこを結合させると孤立が加速するので、これはうまいところと言えるでしょう。 (ただし例外的状況では〈徒花〉の担当俳優が監督をする、という附則はあるけど)
2023-02-17 17:31:06
p123 ゲージ(上がったり下がったりする。出力と連動している)の値をそのまま行動順に利用するのはクールなデザイン。行動順のためだけの値が必要なく、あるていど自動的に決まりつつつも干渉が不可能ではなく、ゲージの増減をふまえて戦闘展開をデザインする余地も見いだせる。
2023-02-17 17:34:31
戦闘における〈徒花〉は、『リヴァルチャー』や『東京エルドリッチエスケープ』(やはりフユさんの作品・そういえばこれカウントしてませんでしたね)のドクトリン形式を調整して踏襲した実装になっている。
2023-02-17 17:36:53
p124 > 本書に掲載されているすべての〈徒花〉データは、1ページごとに《メインドクトリン》の内容がまとまっています > 《予兆》の時点で1ページまるごと公開していくと、〈剪定者〉側の俳優がそれをもとに作戦会議を行うことができるでしょう。 理解ってるじゃん~! プレイアビリティだ
2023-02-17 17:38:31
p127 《ロスト》が恒久的・不可逆的な喪失ではない、というのは『リヴァルチャー』なんかと同様ですね。 くわえて『リヴァルチャー』とちがって〈剪定者〉は複数名いる(ことが多い)ので、ひとりやふたりが《ロスト》しても戦闘が継続可能であり、だからこそ《ロスト》をさせやすい。
2023-02-17 17:41:47
〈徒花〉側の敗北もまた《ロスト》である、ということは、その敗北が決定的な喪失とはかぎらないのであり、たとえば同じキャラクター2名で〈徒花〉と〈剪定者〉の配役を入れ替わりながら何度も戦いを繰り返したりしうる。これは鉱脈を感じる
2023-02-17 17:43:17
p128,ブラッドガーデンマップ 戦闘空間は「ブラッドガーデンマップ」と定義される。とどのつまりフユ班おなじみ「ダイアクロックシステム」(“クォーター”じゃないほうね)。 説明に図例がたくさん入ってて親切みをかんじる
2023-02-17 17:46:02
p138,ダイスチェック p139,トライアンフ 「トライアンフ」のルール(ダイスロールの結果が特定の条件を満たすときの特殊作用)で数字が大幅にハネるのが好み。
2023-02-17 17:55:51
【ダイスチェック】は戦闘(の主に攻撃)のためのルールでありながら、汎用的な分散性の発生装置として使う可能性も示されている(p140)のがなかなか面白い
2023-02-17 18:08:27
p142,ストーリーセッション 戦闘をあつかわないバリエーション。 興味深いのは「コンバート」に向いているものと示されている点で、なるほどコンバートなら『ブラドリウム』としての戦闘データを具象化することがむずかしい(または不要な)ケースがありますからね。合理的だなぁ
2023-02-17 18:13:10
p146~,レターセッション 「やりとりの頻度を確認する」という事前工程を示しているのが現実的でそつがない。(『ステラナイツ』の「手紙よ、この想いを届けてくれ」あたりだと書かれてなかったとおもう)
2023-02-17 18:17:14
p149,フラグメントモード 標準のセッションをセッションモードとし、“そうではないアクティビティすべて”を「フラグメントモード」と包括する試み。 たとえば感想の発信、ファンアートの作成、素材の提供、シナリオ作成……といったあらゆるものが「フラグメントモード」たりうる。
2023-02-17 18:20:29
「フラグメントモード」での遊びから、キャラクターは「フラグメント」(メカニクス上のリソースでありキャラクターの構成要素でもある)を獲得できる…… という建前での、これはアクティビティのエンカレッジメントですね。
2023-02-17 18:22:32
p154 “もうそろそろ予定終了時刻だけど終わらない気がする”というケースに対して「延長はやめときましょう」という旨のことが書いてあるのはよさげ。 (時間に対する定命の者の見積もりは得てして正確さを欠くし、延長という事実だけで定命の者は冷静さをいくらか失うからね)
2023-02-17 18:42:52