「関係の使用」とか、冒険企画局のほかのタイトルにも類例が数多あるルールですけど、スタリィドールの場合、「処理への干渉の手段」としての性格だけじゃなく、「場を盛りあげる手段」としての性格がつよい書き口ですよね
2021-05-01 17:16:51p173,人間への想い 安全装置だ。現場レベルでこのへんをごたごたやらなくてよくするためのルール。配信向きだなーとおもうし、PC紹介がしやすいなーともおもいます。
2021-05-01 16:53:23p179,(判定の)修正 例示が、修正の根拠を、状況やアイデアではなく“設定”にもとめているのが目を引きますね。かなり強固な哲学を感じる。
2021-05-01 17:08:42p181,「苦手特技の判定」 これめっちゃクールですね。苦手とはいってもメカニクス面ではじつは不利でもなく、そしてこのルールをつかえばほぼ確実に見せ場になる。(ついでにインセンティブもある)
2021-05-01 17:20:35PCに弱点や欠陥を搭載しろっていう圧力があるたぐいのルール、かなりキライなんですけど、それでもこれは上手いわ……となってしまう
2021-05-01 17:21:35スタリィドール、やっぱり「面白い人間が面白いことをしやすい」方向に舵を切ってるゲームだな〜〜。ゲームメカニクスとしての安全装置はいろいろあるけど、それでも安全志向ではなくて(現場の問題に対して過保護的ではなくて)、人間のパフォーマンスをアテにする方向性
2021-05-01 17:43:04戦闘勝利条件、正式版のルール(p193)とリプレイ時点のルール(p113)でちがうやん……? そういうことはまぁあるだろうけど(p13欄外でも言及されてましたね)、当該ルールの重要度をかんがみると、それにしたって何かしらケアしておくべき点じゃないですかね。
2021-05-01 17:55:44それはそれとして、正式版のルールはうまいとおもいます。戦闘の進捗状況がわかりやすく、チェックポイントが適度に多く、場合によって逆行性があり(ファンブルなど)、それでもおおむね加速度的に進んでいくデザイン。
2021-05-01 17:59:06p198,再生 恒久的キャラクター喪失への対処に、(すでに消費している分をふくめて)成長点を支払えるのね。ただまぁそもそもレベルの高いキャラクターの場合は対処の目標値が上がるから、継続的に運用してるキャラクターが失われづらいかってーとそんなことはない
2021-05-01 18:04:37プラネタリカードのルール、かなり具合がよさそう。デザイン空間の概念を意識しているのがわかる。(実際にどのくらいデザイン空間が広いのかはつくってみないとコメントしかねるけど)
2021-05-01 18:12:30p218 戦星術の名称(つまり明確に宣言する必要のある語句)にふくまれる「緞帳」とか、さすがに読み仮名ふったほうがよくないですか
2021-05-01 18:19:50p225 “「世界設定」ではありません”って書いてあるの、すごいな……。この本のなかでいちばんアグレッシブなの、ここかもしれない。
2021-05-01 18:22:23というわけで『スタリィドール』、ざっと読みました。 セッティングとしては、「複数人のPCが、単一の仕事のためにチームを組んで、ことにあたる」たぐいです。PCは人形で、冒険の舞台は異空間ですけど、本質は“クラシカルな冒険者パーティー”と相似形だとおもいます。
2021-05-01 20:33:14同時に、現代の代表的セッションシーンのひとつ、「配信」(または「動画」)を非常につよく志向してもいると感じます。 「配信(動画)で映える」(撮れ高につながる)ようにデザインされたルールが多彩にありますし、また(必然的に)配信(or動画)に堪え得る種類のユーザーを想定しているっぽい
2021-05-01 20:34:04「撮れ高につながりやすい」――転じて「余計な時間稼ぎがない」(それどころか時間方面についてはかなり意識的に圧縮されています)ので、プライベートなセッションにおいても、おおむね充実につながりやすいのではないでしょうか。ただし参加者にはパワーが必要、っていう。
2021-05-01 20:34:23ゲーム全体のなかで、「“プレイヤーが表現する”比重が大きい(機会と割合が多い)」んですよね。そしていわゆる“情報”(事件の背景や調査の手がかり)や“消耗”(リソースを削るための中間的な障害)に費やされるコストが小さい。
2021-05-01 20:35:04上で「クラシカル」と言いましたけれど、この点に関してはじつに現代的です。ここ5〜6年くらいで見出されてきた手法につよく寄っていますし、またその手法をあらたに切り拓くものであるとも言えるでしょう。
2021-05-01 20:35:26サイコロ・フィクションの規格に載っかりつつも、意欲的な固有ルール群は、前述の志向に則った魅力あるものです。 PCの活躍を自由に表現できる「改編」「終幕」のルールを代表格に、自発的に山場をつくれる「奇跡表」や、脱落を劇的なものにする「致命傷表」など、楽しげなルールが豊富。
2021-05-01 20:35:46楽しげといえば、この本でいちばん楽しげなのが、6種の宝石を定義してある部分です。かわいらしいイラストを筆頭に、「このゲームのPCをつくりたい」気分にさせる要素がたくさんあります。 これは本当につよい。やっぱりPCはゲームに臨む“最初の手がかり”としてパワフルですし。
2021-05-01 20:36:08“パッと見のキャッチーさ”への意識は、ほかにも随所にあらわれていて、「PCの目(瞳)が宝石」「ゲーム的な空間をホロスコープ(※このゲームにおいては、円を十二星座に対応づけて分割したもの)であつかう」などがその好例です。
2021-05-01 20:36:34キャラクターが宝石に対応していれば、カラーリングによる差別化もしやすい。 カバーのソデに宝石と色の対応づけ一覧があることには、そういった意図を感じます。
2021-05-01 20:37:01全体にわたって、ゲーム的な(メカニクス上の)変化が、できるかぎり視覚的に表現/イメージしやすいようにデザインされているのも特徴的といえるでしょう。
2021-05-01 20:37:34そして、それら視覚的要素について、「セッションツール上ではこうしたら?」という示唆が添えられているのが、かなり印象にのこってます。“ちょっと注記してある”本はたくさんありますけど、ここまで意識的にやってる例はそうない。これも“現代のセッションシーンが意識されている”と感じた点。
2021-05-01 20:37:55ところで、フレーバーとしては「人形」なんですけど、私見では「人形らしさ」はあんまり感じませんでした。人形ネタを積極的にあつかいたいなら,それはユーザーの努力に懸かっている領域だとおもいます。 裏返せば「ドール方面にあかるくなくても支障がない」ともいえます。
2021-05-01 20:38:17「PC(や一部NPC)は人形である」とすることのゲームデザイン上の意味は、おそらく「キャラクターの人格(価値判断や動機)を単純化する」作用にあるのではないでしょうか。 (これも配信(動画)で有利ですよね。説明が簡単になるし、視聴者が理解しやすいし)
2021-05-01 20:38:56セッションとしてあそぶエピソードの構造は、基本的に『プリキュア』です。「あとがき」の表現を引用するなら「倒すのではなく救う」。
2021-05-01 20:39:28以上、『スタリィドール』の感想でした。 ◉配信映えに興味がある ⇒ おすすめ ◉サイフィクの実装例に興味がある ⇒ おすすめ ◉PCを活躍させたい!!!! ⇒ おすすめ ◉プリキュア ⇒ おすすめ ◉積極的にプレイするのが苦手 ⇒ おすすめできない ◉ドールネタであそびたい ⇒ 自助努力
2021-05-01 20:40:06