伊月と間接キスした結果がコレかよ。
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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

@tos 「オレにとってエロ&メタルは伊月先輩にとってのダジャレ! 言わば基礎代謝! 持ってくる・こないの問題じゃねんすよ!」 鳴海とのこのやり取りも残り僅かか… 「オレはダジャレを言うときはTPOを考えてr…基礎代謝を競った医者!キタコレ! あっ…」 「ホラ!どこがっすか!」

2014-10-23 16:45:03
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

@tos 「この号、ウチの部ですげー話題になってんすよ」 言いながら鳴海はぱらぱらページを捲った。 「だからここで開けるな!」 「まぁ待ってくださいよ。オレも最初見た時衝撃で…このコっす!」 鳴海は笑顔で雑誌を大きく開いてオレに見せた。 「伊月先輩にそっくりじゃないすか!?」

2014-10-23 16:50:06
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

@tos 「かわいいのにセクシーでサイコーっすよね〜 主将に似てなけりゃオカズにすんのに」 「したら怒るぞ」 オレに似てるのは当然だ。化粧でいつもより随分大人っぽく見えるが間違いない。 下着姿で微笑んでいる少女は舞だった。 今夜はオレの誕生日ケーキを囲んで家族会議になりそうだ。

2014-10-23 16:55:01

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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「今夜5分でいいから会いたい。渡したいものがある。9時半に駅な」 部活が終わって携帯を見ると、森山さんからメッセージが届いていた。珍しく簡潔な文章。忙しいみたいだ。

2014-10-23 20:30:06
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「悪いな、遅くに。明日も朝練あんだろ」 待ち合わせ場所に現れた森山さんはピンクのジャージではなかった。 「いえ、オレの方こそ今日は…っ」 「大丈夫。怒られそうになったけど花宮の名前出したら事故扱いにしてくれてさ。誠凛とアイツ昔なんかあったのか?」 「それは…話せば長くなります…」

2014-10-23 21:30:03
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「はい、これ」 森山さんが差し出したのは就活鞄だった。 「オレの…!?」 「あの後、駅に寄ったんだ。落とし物センターに届けられてたから」 「ありがとうございます…っ」 戻ってきた鞄を抱きしめた。今日は森山さんに何回お礼を言っていいか分からない。 「本当は渡したくなかったんだがな」

2014-10-23 21:35:03
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「お前もう内定もらってんだろ。何でまだ就活やってんだ。一度きりの大学生活だぞ? 思いっきりバスケしたり、もっと楽しいことしろよ」 森山さんは眉間に皺を寄せた。 「部活に支障のない範囲でやってます。それに成長を実感できるし」 「いいか、伊月。成長なんて人生のオマケのようなものだ」

2014-10-23 21:40:05
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

森山さんが上を向いたのにつられて、オレも空を見上げる。月はない。 「人間、普通に生きていれば否が応でも変わっていくものだ。昨日より今日、今日より明日。黄瀬ほど急じゃなくても人は日々進化する。明日のオレはきっと今日よりモテるようになっているし、今日は昨日よりモテていたように感じる」

2014-10-23 21:45:06
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「変わるのは人だけじゃない。環境もだ。世のバスケ少年達がウチで練習組めば1ヶ月で魔法のように強くなるわけじゃないことに気付いたのか、バスケの仕事減ってさ。このままフィットネスの仕事が増えるなら転職考えねーと。オレWii Fitのお兄さんに似てるっておばちゃん達に大人気なんだぜ?」

2014-10-23 21:50:05
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「…っと、話が反れたが、要は今目の前にあることに全力であれってことだ!」 途中ちょっと何を言っているのかよくわからなかったが、 「そうですね、」 それでも確かに言えることがある。 「今日の森山さんは、去年の森山先輩より、ずーっとかっこよかったです」

2014-10-23 21:55:07
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

自分は普段もっとクサイことを言っているくせに、照れくさそうに髪のセットの直す森山さんが何だかおかしかった。 「…そこまで褒められたら、何か出すしかねーな。週末、どっか行こうぜ。何か買ってやるよ。今日、誕生日だろ」 「…! 覚えてたんですか」 「あったり前だろ〜? 少し遅れたが」

2014-10-23 22:00:05
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「…と、カッコ良く締めようと思ったんだがな」 森山さんは瞬時にキメ顔を解いた。 「はぁ」 オレの感動を返してくれ。 「あの後、花宮に会ったんだ」 「花宮…!? 大丈夫ですか」 「ああ…アイツ怖すぎね!? あの顔思い出して今夜トイレ行けねーよ! しかも煙草の火が顔に当たりそうで!」

2014-10-23 22:10:06
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「とにかくオレすげー頑張ったからちょっと褒めてほしい」 キリッとした顔で言うから笑ってしまった。 「本当はこうゆうの黙ってるのがカッコイイんだろうけどな」 いえ、森山さんらしくて良いと思いますよ。背伸びして少し高い位置にある頭をぽんと叩いた。 「よしよし、よしたか。キタコレ!」

2014-10-23 22:15:02

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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

意識の低い就活生森山bot 番外編 『視野の広い就活生伊月』 ──Fin──

2014-10-23 22:30:07

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