伊月と間接キスした結果がコレかよ。
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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

久しぶり、森山セ…森山さんの彼女()達。一年ぶりだな。あのWCから5年──オレ、伊月俊は今日で22歳になりました! togetter.com/li/583861 twpf.jp/Entry2Heart

2014-10-23 00:05:04
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

もう10月も後半か…オレは今も細々と就活を続けてるよ。もうちょっといいとこあるかも…って思っちゃうんだよなぁ。明日(今日か)は最終面接! 就活で毎週勝つ! キタコレ! がんばるぞ! おやすみ!

2014-10-23 00:10:05
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

登場人物紹介⑴ ──意識の低い就活生だった森山(さん)── もう卒業しちゃったけど大学の先輩。また一緒にバスケしたいな。 昨年度、何やかんやあって togetter.com/li/648992 相田スポーツジムに就職。景虎さんとカントクにドヤされながらも楽しくやってるみたいだ。

2014-10-23 03:00:05
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

登場人物紹介⑵ ──意識の低い就活生花宮 @Entry2Hurt── 何の巡り合わせか木吉と同じ大学に通っているらしい。木吉曰く「すごく就活に詳しい」 今年の1月、説明会で会ったが、髪の進捗はどうなんだろう。敵ながら少し心配だ。(笑) togetter.com/li/615384

2014-10-23 06:00:03
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

@tos 登場人物紹介⑶ ──節度のない後輩鳴海── 大学の後輩。ウチのチームでCとして活躍中。練習熱心だから成長も速いし、メンタルもタフで、すごく良い後輩なんだ。良いヤツなんだけど…うーん。アイツの集中法が未だに受け入れられない。 …部室でたたせてるのは目のやり場に困るから。

2014-10-23 04:00:08

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

オレと同じく就活スーツを着ているのは、伊月俊だった。 選考の帰り、次の駅を確認しようと顔を上げたら、前に立ってる奴の顔に驚いた。伊月は気分が悪いのか、真ん前に座ってるオレが目に入ってないらしい。お前、視野が広いっつー触れ込みじゃなかったのかよ。ざまぁねーな。

2014-10-23 11:55:04
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

うぅっ…気持ち悪い。これから面接だってのに電車酔いなう。ずっとガマンしてたけど限界だ。立ってられない。その場にしゃがみこんだ。不要に広い視界をシャットアウトするため俯く。東京人は冷たい。席を譲るどころか誰も気にとめる様子さえない。それどころか目の前の座席に座っている人に蹴られた。

2014-10-23 12:00:11
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

いよいよ限界なのか、真っ青な顔をした伊月がその場に座り込む。オイオイ、オレにゲロかけたら殺すぞ。低い位置にある肩を脚でどついてやると、伊月を「信じられない」といった表情で顔を上げた。その顔、なかなか良い味を出してるぜ、イイコちゃん。

2014-10-23 12:00:09
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「オイ、座り込むな」 肩を蹴られ、朦朧とする意識の中、顔を上げると、さらに顔面を蹴られた。 「吐いたら殺すぞ」 それまで我関せずだった周囲が注目し始める。ドン引きの表情だ。普通いくら東京人でも具合の悪い人に追い打ちをかけたりはしない。凶悪な顔で見下ろす目の前の人物、花宮真以外は。

2014-10-23 12:05:03
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「オイ、座り込むな。吐いたら殺すぞ」 焦点の合ってない顔でオレを見上げる伊月の頬をつま先でつつく。突然のハードなシチュエーションに、周囲がじわじわと距離をとるのに笑った。 ……そーだ。いいこと思いついた。

2014-10-23 12:05:04
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

運の悪いことに、どうやら東京一…いや、日本一冷たい奴の前で体調を崩したらしい。ムナクソ悪さと電車酔で吐き気が込み上げてきた。 「立てつってんだよ」 花宮を睨む。お前に向かってぶちまけてやろうか。蹴られるのは御免なのでよろよろと立ち上がった。すると、花宮も立ち上がる。 「座れよ」

2014-10-23 12:10:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

ノリで蹴ったのはミスだったな。まぁ伊月はバカそうだし問題ねぇだろ。 「立てつってんだよ」 伊月はぷるぷると生まれたての子鹿のように立ち上がった。だが、オレを見る眼光は鷲のそれだ。(どちらにしろ雑魚には変わりねぇが) 伊月が立ち上がるのを待って、オレも立ち上がった。 「座れよ」

2014-10-23 12:10:10
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

へ…? 困惑するオレの肩を花宮はとん、と押した。さっきまで花宮が座っていた席に体が収まる。 「ありがとう…?」 もしかしてツンデレ的な事象が起こってるのか? 「飲め」 ボトルを差し出された。花宮と間接キス。後々死にたくなりそうだと思ったが、背に腹はかえられない。有難く受け取った。

2014-10-23 12:15:01
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

突然、優しく席を譲ったら固まるのも当然か。なかなか座ろうとしない伊月に焦れて、肩を押して無理やり座らせた。 「ありがとう…?」 まだ疑ってる様子だ。ダメ押しに水を与えてやる。 「飲め」 伊月は少し躊躇ってから受け取った。どーせ「悪いな」とか考えてんだろ、イイコちゃんめんどくせぇ。

2014-10-23 12:15:04
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

座って水分を補給したことでかなり楽になった。 「大丈夫か」 あの(木吉に破壊の限りを尽くした)花宮が優しい。不快感が抜けていく体に反比例して、精神的な気持ち悪さが広がる。 「おかげさまで…」 だが(最初蹴ってきたし)花宮に猫を被ってる様子はない。コートの外では意外と良い奴なのか?

2014-10-23 12:20:02
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「大丈夫か」 怪しまれない程度に、悪役の気まぐれに見える程度に、伊月に微笑みかけた。 「おかげさまで…」 伊月の纏う空気から警戒が徐々に薄れていく。伊月ちょろい。 「誠凛の奴らには言うなよ?」 「! …お前に助けてもらった、なんて言えないよ」 ちょろすぎる。 「ふはっ、イイコだ」

2014-10-23 12:20:10
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「本当にありがとう。これから面接でさ、電車降りて休んでたら間に合わないとこだった」 何にしろ助けてくれたのは事実だ。そこは素直に感謝しないとな。花宮はこの5年で変わったのかもしれない。もう“悪童”って年でもないし。笑 「…へぇ、大変だ。どこで降りんの?」 「次の次」 「オレもだ」

2014-10-23 12:25:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「…昔から人多いとこは苦手で。鷲の眼でつい全部追っちゃうのかも。本当にありがとう」 コイツ自語り激しいな。鷲の眼とか自分で言って恥ずかしくねーのか。伊月がミサワ顔に見えてくる。 「これから面接でさ、電車降りて休んでたら間に合わないとこだった」 「…へぇ、大変だ。どこで降りんの?」

2014-10-23 12:25:08
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

@tos 「木吉、元気…?」 「たまにお前の姉の話を聞く」 「えっ。…あ、そっか。そうだよな」 花宮の口から姉さんの話が出るのは変な気分だ。花宮と変なとこで繋がってるのが変な気分だ。

2014-10-23 12:30:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

@8 「木吉、元気…?」 目を逸らしながら聞くくらいなら、最初からんな話題ふってくんな。不意打ちで木吉の存在を思い出して不快だ。 「たまにお前の姉の話を聞く」 「えっ。…あ、そっか。そうだよな」

2014-10-23 12:30:09

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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「オラ、持ってやるからちゃんと歩けよ」 「うん…」 ドアが開くと花宮に腕を引っ張られた。花宮のもう片方の手にはオレの就活鞄。 「乗り換え何線? ホームまではついてってやるよ」 ぶっきらぼうながら至れり尽くせりだ。落ち着かないを通り越して、車内で座りこんだ時より恥ずかしさを感じる。

2014-10-23 12:35:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

伊月と同じ駅で降りた。 「持ってやるからちゃんと歩けよ。乗り換え何線? ホームまではついてってやるよ」 さり気なく伊月の鞄を奪い、手をとると、伊月の顔が赤く染まった。頭湧いてんのかコイツ。 オレに大切なものを預けるなんてバカな奴だ。6年前お友達が何されたか、もう忘れたのかよ。

2014-10-23 12:35:07
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「ホームまで送ってくれてありがとう」 「先頭のが空いてるだろ」 オレは監視カメラの位置を確認しながら移動した。ホームの端にはオレ達しかいない。話しながら伊月の鞄を開けた。 「じゃあ、面接ガンバってよ」 鞄を逆さまにする。 「応援してるんだからさっ」 中身を線路にばらまいてやった。

2014-10-23 12:40:09
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

人は特に意味も無くこんなことができるものなのか…? 突然の悪意に体が固まった。オレはそれほどまでに花宮に心を許しきっていた。バカだ。 平日の昼間。先頭車両。ホームは空いていた。誰もその瞬間を見ていない。 花宮が去った後も、オレは鞄の中身がぶちまけられたを線路を放心状態で見ていた。

2014-10-23 12:45:04
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

線路を見つめたまま石になる伊月の姿はケッサクだった。あまりのショックで怒りすら湧かないらしい。放心状態の伊月の顔の前でひらひら手をふる。ダメだ、笑みが抑えきれない。 「ふはっ、大丈夫? 心配しないで! 駅員にはオレから伝えておくからさ」 オレは笑顔で非常停止ボタンを押した。

2014-10-23 12:45:07

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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「こりゃ一時間はかかるね」 ホームに駅員さんがやってきて第一声。花宮が放り投げたせいで、財布は遠くへ飛び、書類があちこちに散乱している。(しかもボトルの残りがかかってびしょ濡れだ) 履歴書もお金もないし、電車も止まった。終わった。ケータイをポケットに入れてたのが不幸中の幸いだ。

2014-10-23 12:50:06
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

昨年、就活で数々の失敗をした先輩なら、このピンチを切り抜ける術を知ってるかもしれない。縋る思いで電話をかけた。ギリギリ昼休みのはずだ。頼む。出てくれ。 「もしもし伊月? 仕事中に電話してくんなよ」 相変わらず冷たい森山さんの声を聞くと安心して涙が出てきた。 「どうしよ…森山さん」

2014-10-23 12:55:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

クソッ。待ち合わせだか何だかの影響で、オレの帰りの電車まで止まりやがった。クソッ!…まぁいい。休憩所で一服して時間を潰すか。この間、専門店で買ったオリジナルブレンドの味も試したかったしな♪

2014-10-23 12:55:06
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「落ち着いてタクシー呼べ…そうか。金もないのか」 「はい…」 「伊月、今どこにいる」 「K駅です…」 「わかった。改札出て北口のタクシー乗り場のあたりにいろ。いいか、動くなよ。先輩命令だ」 「えっ、まさか…森山さん!?」 「ああ。今すぐ行くよ」 オレの返答を待たずに電話は切れた。

2014-10-23 13:00:05
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

森山さん仕事中じゃ… 悪いと思ってかけ直したが、森山さんは出なかった。 ……今日はやっと都合があった社長面接だ。この日を逃すわけにはいかない。先延ばししたら他の人に決まってしまうかもしれない。 回収作業をやってくれてる駅員に、後で荷物は取りに来ると告げ、オレは改札に向かった。

2014-10-23 13:05:06

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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

森山さん、どんな車で来るんだろう。聞いとけば良かった。車なんて持ってるはずないし、景虎さんの新車か? タクシー乗り場でそれらしい車を探してると、派手なバイクが凄い速さで近づいてきた。急ブレーキでオレの目の前に止まる。運転手がこちらを向いてヘルメットを外した。 「お待たせ、伊月」

2014-10-23 13:20:07
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

ピンチに駆けつけてくれて…今日の森山さんはおかしいくらいカッコいい。 「バイク…免許も持ってたんですね」 「これは借り物。免許は…学生時代、後ろに可愛い女の子を乗せることを夢見てね。ははっ…って話してる場合じゃねーな。早く乗れ」 が、上下ピンクのジャージが全てを台無しにしていた。

2014-10-23 13:25:06
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「可愛い女の子じゃなくてすみません」 「バカ、可愛い後輩さ」 森山さんがオレにヘルメットを投げた。 「場所は?」 地図アプリの画面を見せる。 「OK。ちゃんと捕まってろよ」 「はいっ、森山先輩」 でも、完璧じゃないところが森山さんらしくて、なんていうか、すごく安心できた。

2014-10-23 13:30:04
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「ギリギリセーフですね」 「意外と早く着いたな」 目的のビルの前にバイクを停めた。 「…さすが意識の低い就活生だった森山さん。でも急がないと」 焦ってメットの留め具が外れない。 「貸してみ」 首元に他人の指が触れるとくすぐったい。 「ありがとうございます。ダメ元で頑張ってきます」

2014-10-23 13:50:06
意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

「履歴書ないの気にしてんのか? 大丈夫。オレなんて鞄忘れて手ブラで面接に望んだこともあるぜ。あ、ブラジャーの方じゃないぞ?」 「わかってますよ」 「一目、伊月を見ればすぐに良い子だってわかるさ。オレが保証する」 森山さんは笑顔でオレの頭をぽんと叩いた。 「行ってらっしゃい、伊月」

2014-10-23 13:55:03

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

電車が復旧して15分。もう人も流れただろう。立ち上がろうとしたら、後ろからスーツの襟を引っ張られた。 「伊月の鞄を渡せ」 全身ピンクのジャージで息を荒くした男はオレに凄んだ。どう見ても変態に絡まれてる図だ。 「さぁ…落とし物センターを探してみては?」 「落としたのはてめぇだろ」

2014-10-23 14:15:05
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

変態もとい森山由孝は汚い言葉に不慣れなのかイマイチ暴言のテンポが悪い。ウケる。 「なんでこんな…通り魔的犯行ができんだよ。伊月が何したっつーんだ」 「…ずっと羨ましかったんです。誠凛が。海常は今でも悔しいと思いませんか。伊月の顔見たら何か…モヤモヤが抑えきれなくて」 「花宮…」

2014-10-23 14:20:10
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「って、んなワケねぇだろバァカ」 森山は目を大きく見開いた。先刻の伊月と同じ。信じられないものを見る目。 「人の不幸はミツの味って言うだろ。伊月が何したって? 別に何も。強いて言や就活ガンバってるみてーだったから応援してやろーと思って。ホームに立ち尽くすアイツ、ケッサクだったわ」

2014-10-23 14:25:06
意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「っ…! 」 怒りと驚きで森山は声も出ないようだ。もう少し気の効いたこと言ってオレを愉しませろよ。震える森山を壁際に追いつめる。 「お望みなら次はお前も潰してやろうか?」 森山の顔スレスレのコースを狙い、背後の壁に煙草の火を押し付けた。 「そのキレイな顔をフッ飛ばしてやるよ」

2014-10-23 14:30:09

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意識の低い就活生だった花宮bot @Entry2Hurt

「海常の森山覚えとる? よぉ知らんけどもうすぐそっち行くと思うからよろしゅう」 車内に流れる遅延謝罪のアナウンスを聞いてほくそ笑んでいると、今吉からメッセージが届いた。オレに覚えてないことがあるワケねぇだろ。 遅ぇよ! もう来てもう追い返したわ…返信。 今日はなかなか良い日だ。

2014-10-23 15:00:17

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意識の低い就活生だった森山bot @Entry2Heart

@tos 今年もか。 「主将! 誕生日プレゼントっす!!」 部室に入るなり、鳴海にCDとエロ本を押し付けられた。 「…一応、礼は言っておくよ。けどな、神聖な部室にエロ本を持ち込むな! 何度言ったらわかるんだ! オレはそのあたり森山さんほど甘くないぞ」 「いーじゃないっすかー!!」

2014-10-23 16:40:04