経済理論における利己心仮説の欺瞞性ほか
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花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

記事中に社会的選択理論という語が出てきたので、本棚から昔のものを引っ張り出してみた。(『「きめ方」の論理~社会的決定理論への招待~』佐伯胖、東京大学出版会1980.4.25) 一応、次の用語の各々の違いは思い出しておかないと💦 asahi.com/articles/DA3S1… pic.twitter.com/BFu6cNegVp

2019-02-18 04:29:47
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選択肢(alternatives)・個人選考(personal preference)と社会的選考(social preference)と選考程度(preference intensity)・社会的選択(social choice)・社会的選考順序(social order)・弱順序(weak order)・線型順序(linear order) asahi.com/articles/DA3S1…

2019-02-18 04:39:08
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功利主義倫理の落とし穴は、総和至上主義に陥り、「総効用が増加する」との名目で、おそろしいほどの不平等に耐えることを人々に強いる傾向を持つという点である。(p.258) 世の中の誰か(ハーサニの中立的判定者)がすべての個人の効用を勝手に解釈した上で行う富の不平等な配分はいつの間にか正当化され

2019-02-18 04:51:43
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即効薬的な投資効果のある所に集中投資されていくのをやむをえないと考えるようになってしまう。 著者は、人々が自らの公正化志向を歪めてしまった最大の原因が経済理論における利己心仮説の欺瞞性にあると考えている。(p.263) 近代経済学では、パレート最適性の名の下に、人々が直観的に抱いている

2019-02-18 04:58:44
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他者との平等性感覚を考慮することを拒否し、理論的対象から除外してきた。(p.271) いろいろな選択肢に対して何らかの合理的選択や決定を一定の方式にしたがって行う場合、最も基本的な所で問題になるのが推移律である。しかし本当に推移律というのは、人々の理性的判断が常に満たすべき条件だろうか。

2019-02-18 05:04:47
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1つの評価方式を定めて推移律を満足させることは、実は人々に対し、評価対象をつねにある特定の観点だけから眺めることを暗黙のうちに強要することになっている。統一的観点が正当化されうる範囲は何か。一つの評価方式が定まったからといって、あらゆる問題に無差別に適用するのは正しくない。

2019-02-18 05:09:35
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評価方式にしろ、決定方式にしろ、一つの方式が定まったならば、その方式の適用限界を明示することが必要となる。(p.292) 「選考(preference)」と一口で言うが、私たちは選考の背後にある理由づけや根拠として実に千差万別のものをもっている。社会が人々の選択したモノから、人々の背後にある

2019-02-18 05:15:44
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選択されたコトを抽出するのは容易ではない。たとえ選択行動は同一でも、選んだ人にはいろいろな「思惑」があり、それを行動が一致しているということから、社会が「万人は同意見だ」とするのは明らかにおかしい。私たちは選ぶという行為を通して、自分が正しいと思うコトや、自分が善いと思うコトを、

2019-02-18 05:20:27
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他人の正しいと思っているコトや、余威と持っているコトとつきあわせてみようとしているのである。望ましい社会的決定というのは、そのようなコトが出来るだけ表明されるようにし、それらを並存させ、相互つきあわせを盛んに行うことができるように取り計らうべきで、単に選好されたモノを社会が与える

2019-02-18 05:24:36
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だけでコト足れりとするわけにはいかないのである。社会的決定理論は従来、人々のモノの選択を引き出す方式ばかりを考え、最適なモノをどう選ぶかに苦労してきた。しかし、これは大変な勘違いだったと言わざるを得ない。

2019-02-18 05:27:56
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わたしたちがやらねばならないことは、人々が望ましいと思うコトを彼らの選択を通して診断し、相互吟味を容易にし、そのうえで、全く新しいモノを創り出して、みんなが本当に望ましいと考えるコトを実現することなのである。

2019-02-18 05:31:52
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望ましい社会的決定の制度は、一つの統一的観点(たとえいろいろな観点を「統合」したものにしろ)にもとづいて最適解を出そうとするよりも、さまざまな観点からのさまざまな根拠にもとづく評価を並存させ、相互の吟味を活性化するように仕組まれているべきである。(p.299)

2019-02-18 05:35:15
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どのような制度でも、その制度をよい制度と認定するプロセスで、いろいろな前提を設けてきているにちがいないのである。提案したいのは、それらの仮説や前提に、「もしかしたら本当は違うかもしれない」という未知性を、無理に、意図的に導入しておくことである。

2019-02-18 05:39:13
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そして、その仮定や前提が間違っていることを証拠立てることのできるような仕組みを、やはり、無理に、意図的に制度内に設置しておくことである。一つの制度がよいと判定されたならば、その制度が間違っているとされるためにはどのような情報が必要かを無理やりに考え出すのである。

2019-02-18 05:42:35
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そして、そのような反証的情報の蓄積がなされるような仕組みを制度の中に設けておき、その上で、定期的に、無理に、現存制度の改良の機会を設けるのである。大学院入試選考や医療診断に関する有名なDawesの提案は、徹底的な理性への信頼と同時に、理性的判断の限界の謙虚な承認である。

2019-02-18 05:48:47
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重要なことは、未知性を制度の前提についての変更に活用させる道を制度化し、制度改革を制度化することである。制度の中に、その制度時代を否定し反証する要因を大切に保護し、育て、ある時点では徹底改革を行なうのである。(p.305)

2019-02-18 05:52:16
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わたしたちが理性を尽くして考えて「よい」とした判断に、つねに未知性を意図的に付与するというのは、一つの論理的態度である。

2019-02-18 05:55:57
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話し合いに臨む際に、人がもしもなりふり構わぬ利益の主張だけを腹に決めていたのでは、紛争は「話し合いの場」に持ち越されただけで、何の解決も出ない。(p.309)

2019-02-18 05:58:43