「忘れられない１ & ２」

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 1 ジリリリリ⏰ 目覚ましが鳴り響く部屋 朝日がカーテンの隙間から入り込み いつもの朝が始まった合図でもある いつもと変わらない朝を迎えて 朝から大学へ行く準備をしている

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 2 そろそろ出発の時間が迫ってきた頃 再び部屋に戻った僕は 決まって部屋の中央に座り ふと部屋を見渡す そこには山程並ぶ沢山のグッズと 飾りきれない数のポスターが並んでいる いわゆるオタク部屋

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 3 そこに写っているのは決まって1人しか写っていない 「橋本奈々未」 pic.twitter.com/5TFnM2biHn

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 4 お金が許される限りグッズに費やした 必死にバイトをして 出来る限り節約してやっとの思いでグッズを集めた そんな「ななみん」のポスターとかを見てから1日をはじめる いわゆる「ルーティーン」ですね 〇〇) やば💦 気づくと時間がギリギリになっていた

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 5 飛) おはようお兄ちゃん 〇〇) おはよう飛鳥 お粥を食べながら 妹の飛鳥は僕の姿を見ていた 飛) また奈々未姉のグッズ見ながら黄昏てたんでしょう 〇〇) 黄昏てはないよ 飛鳥は僕の事も部屋の事もよく知っている 〇〇) あの時間がないと1日が始まらないんだ 飛) なにそれ pic.twitter.com/EuDCDdOD3m

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 6 〇〇) だって… 飛) よっぽど好きなんだね 若干呆れている飛鳥 〇〇) そりゃ…大好きだよ 飛) どこまで一途なの？馬鹿みたいにすごいよ 〇〇) 憧れの女性だから 飛) それは知ってるよ pic.twitter.com/Vk8OO9xm0b

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 7 〇〇) だったら… 飛) でも… 〇〇) ごめんそろそろ行ってくる 飛) 分かった。行ってらっしゃい 〇〇) 行ってきます 僕は飛鳥の言葉を聞き終わる前に 勢いに任せて家を出た 飛) (なんでお兄ちゃんはまだ奈々未姉の事…) pic.twitter.com/kEqOI9q4Vw

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 8 これだけを聞くと「超」が付くほどのオタクだけど 単なる単推しではない 実は実家が隣同士の幼馴染 ずっと仲良くしてくれてて 勝手に僕も「お姉ちゃん」って思っていて 「奈々未姉」と呼んでいた

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 9 物心がついた頃から 飛鳥と一緒にずっと遊んでくれて 少しでも時間があればくっついていた 年上だった奈々未姉は 飛鳥にとってはお姉ちゃんであり 僕から見れば憧れでもあった

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 10 だけどそれだけじゃなくて 徐々に回りのことを分かり始めたら お姉ちゃんとして好きでは無くて 1人の女性として好きになっていた 奈々未姉は僕の初恋の女性で 単なる憧れだけでは語れない程好きだった

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 11 僕が中学生 奈々未姉が高校生だった時に 僕は初めて勇気を出して告白した だけど… 橋) ごめんなさい。気持ちは嬉しいけど…あんたは無理 断られてしまった その時はもちろん悲しかったけど 素直に受け受け入れるしかなかった pic.twitter.com/y7sD5RhKBH

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 12 だけどその後も変わらず仲良くしてくれていたから なぜ断れたのか当時中学生だった僕には分からなかった 実際にはこの後何度も告白する事になったけど いつも似た雰囲気で断られた続けた だから僕は一度… 〇〇) 僕じゃやっぱりダメなのかな？ 僕は遠慮せずに理由を聞いたけど pic.twitter.com/NZJeJbtDQs

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 13 橋) ごめんね〇〇くん…本当にごめん それだけしか言わなかった これが奈々未と交わした最後の会話となった 理由も教えてくれないのは疑問でしかなく 心の中がスッキリしなかった だけど事情が急激に変わったのはその直後 僕が高校生になってから pic.twitter.com/GVfGY91Lbh

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 14 奈々未はそのまま東京の大学へ進学する事になり 目の前から居なくなった 高校生になったばっかりだった僕の日常は どこか取り残された感覚になって退屈なものへと変わっていった 連絡ももらえないし 電話しても出てくれない まさに音信不通の状況だった pic.twitter.com/QOC1pJRObx

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 15 そこから突然の乃木坂46としてのデビュー 心に穴が空きますます遠い存在になった どこか心に空いた穴を埋める為にも そしてなんとかして空いていた時間を埋めようと ひたすら部活や勉強に没頭した まるで奈々未姉を忘れる為に 何事も必死に取り組んだ pic.twitter.com/ja8wl7vMJ1

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 16 だけど忘れられない人は いつまでたっても記憶に残っている 初恋の人 憧れの人 そして何より大好きな人 記憶として刻み込まれている

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 17 だから僕は大学生になったら 忘れられないと理解した上で 奈々未姉を応援する事にして グッズとかCD そしてテレビやラジオなど出演する番組とかも欠かさずチェックした

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 18 僕の部屋が今の形になったのも 遠くからでも たとえ直接思いが片思いのままでも ずっと応援していくって決めれる事が出来たからだと思う そして今に至る

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 19 その日の夜 真剣な表情へと変わり話しを続けた飛鳥 飛) いつも思うけど… これを見れば誰でも分かる話し合いの合図 飛) いい加減に奈々未姉の事諦めたら 〇〇) なんでよ pic.twitter.com/qsaEpFNp3Y

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 20 飛) 奈々未姉は大人だし。どこでなにをしてるのか誰も分からないんだよ。 芸能界からも引退して、どちらかと言うと空想上の人に近い存在になってる。私も奈々未姉の弟だって本人に連絡取れないんだよ。お兄ちゃんの気持ちは全員知っているけど、その思いは届かない事くらい理解してるでしょ pic.twitter.com/U6rgijTDLJ

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 21 飛鳥の言う事はもちろん正しい テレビを見ていたら奈々未は突然「乃木坂46」って名前のグループで芸能界デビューをしていた 上京しちゃったと思えば次は芸能界デビュー ますます遠い存在になっていった pic.twitter.com/KWoZ5psIUY

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 22 前までは一緒にどうでもうい話ばかりしていたのに 今では電話に出てくれない ステージで輝く芸能人 そこからの突然の引退 僕にとってはもう幼馴染じゃなくて 「芸能人」橋本奈々未 に変わっていた pic.twitter.com/IF8RlOvXaW

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 23 輝いてる姿が見れなくなる悲しさは ファンと変わっていない 2017年2月20日 確かあの日の夜 僕は泣いたなぁ ファンとは少し意味が違ったけど… pic.twitter.com/k7UoKBZgS7

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 24 〇〇) でも好きな人は… 飛) それにさ。あれだけ仲良くしていたのに断られるんだったら何度告白してもダメなくらい分からないの？ 〇〇)… 飛) さらに言うとそんな弱々しいお兄ちゃんを見たらいつまでも好きになってもらえないよ pic.twitter.com/ddkPtIPa7z

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 25 飛鳥の言葉は痛い程刺さる 僕はいつまでも過去を引きずっている 誰よりも一番分かっている だけどそこがダメで馬鹿な自分で たとえ僕の事が好きじゃなくても 忘れられない人はいつまでも忘れられない

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 26 幼馴染でありながら 憧れている「理想」の女性であればなおさら だけどもういい加減忘れた方がいいのかな？ 来年からは就活も始まるし そろそろいい加減に過去は思い出として 前へ進まないといけないよな

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 27 飛鳥の言葉がずっと気になっていた 諦めなければいけない だけどまだ子供の頃からある「好き」の感情が残っている 忘れなければならないのに出来ない 前へ進まないとダメなのに出来ない 矛盾する気持ちが交差する

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 28 〇〇) もうここまで来たら… 僕は1人寝ながら考えていた なかなか寝れない中で どうしたらいいの？ 自分に問い続けた

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 29 でも… 僕は決めた 色々考えていると結果的に眠れずに時間だけが過ぎていった だけどそのおかげで僕はやっと決意する事が出来て 清々しい朝を迎えることになった

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 30 翌朝 〇〇) おはよう 飛) おはよう 母) おはよう。珍しく早起きじゃない 〇〇) ちょっとね… 母) どうかしたの？ 〇〇) ゴミ袋って余ってる？ 母) あるけど、そんな物でどうするの？ 〇〇) もうそろそろ奈々未姉のグッズ捨てようかと思って

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 31 ようやく前へ進む決心をした僕 母) え…本当に言ってるの？ ずっと僕の事を見てきて１つの文句も言わなかった母が珍しく驚いてた 〇〇) うん。飛鳥にも言われたけどそろそろ前へと進まないといけない。そうするには奈々未姉のグッズは手放さないといけないと思うから捨てる事にした。

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 32 飛鳥に言われた事で 僕もようやく目が覚めたのかな？ 母) あんたが言うなら私も止めないわよ 〇〇) ありがとうお母さん。今日帰ってきたら整理するかなね。 近くで聞いてた飛鳥は何も言わずにひたすらお粥を食べていた

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 33 母からもらった袋を部屋に置き 大学へ行く準備をした いつもポスターを見る時間は 今日初めてしなかった 奈々未姉の事は思い出として心に残して これからの出会いを大切にしていこう

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 34 やっと諦める決心をした〇〇 だけどそこは運命のいたずら 神様はなにを考えてるのか？ やはりどこかの誰かは そう簡単に話を進める事は許さなかった

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 35 一方でその頃… 大空を飛ぶ鳥の中 見渡すとどこまでも広がる景色と 見上げると綺麗な青空 飛行機の中から私は大地を見渡していた 今日は連休を利用して 久しぶりに実家へ帰る途中だった

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 36 窓際に座って 静かな機内 私は特にする事もなく 寝る事も出来なかったからなのか？ 私はある昔の事を思い出していた

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 37 気づいたら無事に到着し 荷物を持って空港から出たら 母の姿があった 母) 奈々未〜こっちこっち 奈) お母さん久しぶり 母) そうだね元気だった？ 奈) うん。元気だよ pic.twitter.com/O8sr9hBmtv

拡大

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 38 母が迎えに来てた車に乗り 荷物も乗せて 実家まで出発した 反対車線の車の光や 街の景色などが映る車の窓 だけどそんな事でも 本当は帰って来る事にあまり前向きではなかった

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 39 実家に近くなるにつれて 窓に映るのは 子供の頃から変わることのない 懐かしの建物やお店 入った事はないけど見覚えのあるビル たくさんの記憶が蘇る いい事も…もちろん苦い事も

ゆうと @geoff_nogireika

ep 40 窓の外を見ながら 母とオチの無い話をしていたら 特に何かに注意していた訳でもなかったから いつのまにか眠ってしまっていて 気づいたら母に起こされていた

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 41 到着した久しぶりの実家は やっぱり私には安心感を与えてくれる 落ち着く場所 物心がついた時から全く一緒の私の部屋 上京する前と何も変わらずに 私を迎え入れてくれた だけどそれと同時に 私には落ち着けない要素も秘めていた

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 42 家に到着するなり 母がいきなり 橋母) 奈々未、これ持って行ってあげたら？ お土産をお隣に渡しに行くようお願いされた 奈) なんで私？ 橋母) 奈々未だからよ 奈) でも… 橋母) あんたが行かないで誰が行くの？

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 43 私は嫌だったけど母に逆らう事が出来ず 隣の家へと向かった さっきで分かってもらえたかも知れないけど 私は行きたくなかった だけど母に反論する事が出来ず 直ぐに到着してしまう

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 44 嫌だとは思っていても 奈) あいつは何してるのかな？ 彼の事が気にはなっている それは幼馴染だから？それとも彼の事が… いやいやそれはありえない だってもう7年くらい前の話でしょ

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 45 私はすぐに家のチャイムを鳴らす勇気が湧かない なぜ私はこうなっているのか？ 自分でも分からない私の心がなかなか一歩前へ押してくれなかった そう…あの時と同じように 「彼」とはこの家に住んでいる私の幼馴染で 高校までずっと一緒だった〇〇

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 46 周りからも冷やかされる程彼が側にいたし 私もその時間は学校より楽しかった そんな彼から何度も告白されて 「好き」って言葉を毎回聞いたけど 酷い思いをさせてしまった 最初は本当に幼馴染としか見てなかったから 付き合うなんてありえなかった

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 47 だけど過ごしていく日々と共に 私もちょっとずつ彼を意識し始めちゃった でもその時から私は夢があって そっちを選択した事により 私は東京に上京して 今はもう180度変わってしまった

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 48 本当はここに来たく無いし 出来るなら避けたかった 来てしまうと私は弱くなってしまう 彼を傷つけた過去があるから 今更彼の前に現れる資格は無い なのに今はこうして彼の家の前に立っている

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 49 私の心を奪いながらも 勝手な理由で私自身から彼を遠ざけて 素直になれなかった私はその後、離れてしまった あなたがいる家だから

ゆうと @geoff_nogireika

Ep 50 だけど私は言われた通り 家のチャイムを鳴らしたら ？？) え…あ… 奈々未！！！ ドアが開いたら勢いよく 私の方へと来るその無邪気な姿 昔から変わらないその姿は これを見ると自然と笑顔になってしまう