マグミオまとめ

F @kuwahu

人間がペットとして宇宙人に飼われてる世界線(BL)、『何かお喋りしてるニンゲンたち』って動画が億バズして話題になる。「二人でテレビ見てるの？」「クスクス笑ってるのかわいい」「何言ってるかわからないけど、可愛い&可愛いでとんでもなく癒やされる」「毎日見に来てる」「壊してはいけない」

F @kuwahu

みたいなコメントで溢れて、飼い主二人もホクホクする。 他のペットと違って一人が飼える人間は一人だけ。地球の人口が減りすぎないように厳しく法律で定められている。安定した高収入、地位、適性がある人が正規の手続きを踏んでようやく飼うことができる。 地球から攫ってる時点でアレなんですけど。

F @kuwahu

飼い主の監督下じゃないとニンゲン同士は会話しちゃいけない。人間の知能が高いことは広く知られていて、脱走や拉致の阻止などに走られないよう敷かれたゲスい規則です。 基本的に外で喋るとめちゃ怒られる。それを知ってて絡んでくる意地汚い宇宙人もいて、自ら進んで口枷を欲しがる人間もいるとか。

F @kuwahu

そんなわけで、ニンゲンの話し声を聞いたことがある人は少なくて、「初めて声を聞いた」「会話が見られるなんて」とどんどん拡散されていった。ふつうは怒られるような案件だけど、ただ和やかに話してる(そして可愛い)だけなのでお咎めは今尚ない。(どうせ上ももっとくれと思っている。)

F @kuwahu

二人の飼い主たちは学生時代の同期で、久しぶりに仕事で会ったらお互い人間を飼っていることが発覚。 「えっ、見たい」 「これ写真」 「しぬほどかわいい。お前のは？」 「はい」 「ウﾞッ……エキゾチックでいいな、神秘的で美しい」 「君の子も綺麗だ。特に筋肉が最高。何かスポーツをしてたのかな」

F @kuwahu

寝てるときはああで、お風呂上がりはこうで、ふだんはどんなスキンシップをしてて、どれくらい懐いてくれてて、と話が尽きることがなく、「お互いゾッコンだな」って苦笑し合う。 「話し足りないし、聞き足りない」 「次の休みはいつだ？ゆっくり語り合おう」 「明後日休みなんだけど」

F @kuwahu

「お、いいな。じゃあその日で」 「ねえ、ちょっといいかな」 「？」 「君のところの子は、その……凶暴かな？」 「………………いや、物静かだよ。俺が構いすぎなければ、怒ることもまあ……ない。いい子だよ。ひとり遊びしてゴロゴロしてる」

F @kuwahu

「そうか。なあ、二人を会わせてみないか？」 「はっ？！……えっ？！？？アﾞーーそれはちょっと、だいぶ、……いや、見てみたいな……」 「うちの子は少し内気なんだけど、とても心優しくて私を気遣ってくれるいい子だ。たぶん、他のニンゲンに対してもそうだと思うし、相性は悪くない気がする」

F @kuwahu

「規則についてはちゃんと言い聞かせてさ。どうかな？……危ないかな？」 「ンﾞンﾞ……」 「彼は地球でひどい目にあってたから……ずっとこちらにいたいと思ってくれてる」 「いや、うちも危険性は低い、と思う。最初は帰りたがってたけど、今はもう俺のこと裏切るようなことはしないと──」

F @kuwahu

「会わせてみるか」 こうして速攻でお見合い()の場がつくられ、相手の家に遊びに行くときはペットも連れていくようになる。 「規則にもう一度目を通しておいて。カメラを置かせてもらうけど、君たちがもし法に触れるようなことを話しても管理委員に突き出したりはしないから。自由にしていい」

F @kuwahu

二人ともご主人様のことは愛してるので特になんとも思わないし、何でもカメラを向けてくるので慣れてる。 (あとでおかずにされるんやろうなって思ってる)

F @kuwahu

「私は彼と仕事の話をしてくるから、君は彼とくつろいでてね」 「わかった。お仕事頑張ってね(絶対仕事の話しないだろうなあ)」 「おい、あいつん家の子は繊細らしいから、俺相手のときの態度はすんなよ」 「しないよ。ほらはやくあっち行ってきなって(貴重な人間関係を損ねてたまるか)」

F @kuwahu

初回は他人行儀で会話もそんなに続かず終わる。(心配になった飼い主たちが早々に迎えにくる) 何回か会って、この星での好きな食べ物や、地球での話や、ゲームしたり映画を見たり、ご主人様のことや、いろんな話をして徐々に仲良くなってく。

F @kuwahu

「ご主人様たちっておれ達が何話してるかわかってるのかな？」 「それ気になるよねぇ。いやさあ、わかってないんじゃないかなって思うんだよ」 「え、でもさ、法に触れるようなこと〜とか、意味が分からないと規制できなくない？」 「たぶん、ウソ発見器的な見つけ方してるよ」

F @kuwahu

「身体に動揺が出てるかを見てるってこと？」 「たぶんね、たぶん。脳波って説もあるよ。だって実際伝わらなくない？英語」 「うん。日本語も伝わってなさそうだった」 「そっか君は日本人か」 「うん……逆にご主人様の言葉は？わかる？」

F @kuwahu

「僕は結構わかる。返事しても伝わらないけど」 「おれも。仕事の話とか難しいの以外……」 「でも発音はできないよなぁ……もごもご……ムリだ」 「あはは、わかる。むぐ……ぁぐ……うーん、ふふふ」 ここ死ぬほど再生される 「まさか俺達の言語を真似しようと！？！？」「なんて可愛さだ」

F @kuwahu

「でさ、気になることといえばもう一つ。……どこまでした？？」 「ぶはッ、ちょ！ちょっと……！！」 ここでも多数の宇宙人が死にます 「絶対なんかえっちな話してる」 「これを俺達に見せてくれる飼い主の懐の広さ」 「いやマウントでしょ。特権階級◯ね」

F @kuwahu

「君は華奢だし、平均よりだいぶ大きなご主人様見てるとさぁ……」 「う、……ちゃんと、時間、かけてくれたから……ねぇ、これ後で見られるんだよ？もう……」 「君が可愛いことしか分かんないって、大丈夫」 「かっ、そッ、ういう君だって抱かれてるんでしょ！？」 「……(目を逸らす)」 「えっ」

F @kuwahu

「ごめん、おれ、てっきり」 「まあ僕処女に見えないよね、うん」 「しょ、処女なの？」 「宇宙人相手には」 「なるほど……」

F @kuwahu

「めちゃくちゃプラトニックなの。どう思う？」 「あのご主人様が、かあ……」 「……」 「アッ！ごめ……」 「僕って魅力ないよね、やっぱ」 「ちがうちがう」 「処女じゃないし、可愛げもないし、脱走前科5犯だし、誘惑前科も、反逆もあるし……」 「は、反逆？反逆前科って──」

F @kuwahu

「地球で言う殺害未遂」 「……ご、ご主人様を？」 「そう」 「……えと、でも今は仲いいんだよね……？」 「うん」 「君のこと大事そうにしてる」 「うん……」 コメント 「2:05:59 急に元気なくなってない？」 「か、顔が見えない見たい」 「微かにガタッって聞こえるんだけどご主人様見てる？ww」

F @kuwahu

コメント 「距離近くね？ドキドキする」 「右の子のほうが受けっぽいと思ってたのに、急に左の子が可愛く見えてきた」「>> わかる」 「あっご主人様きた」 「ご主人様でか！！！！！！」 「The 特階」 「これ左の子のご主人様？」 「二人まとめて抱っこしていくの草」

F @kuwahu

「雑な抱っこでﾓﾁｬ…ってくっつく二人可愛すぎる」「>> 2:12:36」 「二人がなんて言ってるのか知りたいよおおおおお」 「管理委員に送れば翻訳してくれますか？？？」「>> 馬鹿かBANされるぞ」「>> なんで」「>> 規則でニンゲンは会話NGなんだよ」 「お前ら絶対に管理委員に凸るな。このCHを守れ」

F @kuwahu

いっぱい見たい。二人の動画いっぱいみたい。たまに二人じゃなくてご主人様とペットの日常も入るし、右の子とそのご主人様はラブラブなので結構きわどいイチャイチャシーンとか入る。見たい、いっぱい見たい。

F @kuwahu

飼い主ってあんまり言わないのはたぶん飼い主になれる人が上位数%の人だけで、肩書きや名家らしい佇まいに自然とそうなるっていうか。 主従関係がはっきりしている飼い主とペットもいるけど、ペット至上主義の人が多数。尻に敷かれたいのはご主人様のほうです。

F @kuwahu

別室に移ったら「うわ！！！ずるい、私も二人を抱っこしたい！！」って右の子のご主人様に騒がれる。(カメラは回ってない) 「あとでな。こいつの様子があれなんで」 「ほら、心配してくれてるよ(ｺｿｺｿ)」 「手出してほしくて悩んでるとか言っても伝わらないでしょ……………」

F @kuwahu

「甘えてみるとか」 「今度は何やったんだ？って聞かれる」 「思い切ってキスしちゃえば？」 「前、口移しで毒飲ませたから警戒される」 「マジで昔何があったの？」 「君みたいに幸せな拉致じゃなかったんだ」

F @kuwahu

「そもそも、俺を拉致りたかった訳じゃない人に迫れなくね？」 「急に口調が」 「猫被ってんだよ！この人がホントに拉致したかった人のこと、知ってるから。今更遅いけど、少しでも……」 「……言葉通じないのに？」 「うるせーまじで。わかってる」

F @kuwahu

「はあ……僕はどうしたらいいんだろうね」 「その調子でいい子にしてればいつか伝わるよ」 「馬鹿にしてるだろ」 「いたた、おれに当たんないで」 「君の腕の中でじゃれてる二人を見ると嫉妬で狂いそう」 「ははは、いろんな顔が見れて特等席だわ」 「絶対君のこと好きだって」 「人間好きなだけ」

F @kuwahu

名前決めないと不便だな！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！

F @kuwahu

クゥゥゥゥ萌える萌える！！！！！！ 『おまえらいっかい人間に愛されてみ？』って惚気スレも爆誕する……

F @kuwahu

乱獲がバレるのも時間の問題だな。ドキドキする。地球人のやたら思い切った攻撃性にびっくりするときがくるぞ 「まてまてまて、彼らは何を……」 「たぶん俺らを爆撃するつもりなんだ」 「当たらないぞ、他に落ちてその国が吹っ飛ぶ」 「核だったらどうしよう」 「に、にんげんが滅んでしまう……」

F @kuwahu

なお地上 「敵が引き返していったぞ！！」 「我々の勝利だ！！！」 「ワァァァ！！」 盗聴してる宇宙人 「俺らに効かなくて君らが死んじゃうからなんだけど…！？！？？」 「ここで戻ってドーンしたら分かってくれるかな」 「よせ、ほんとに死んじゃうから。まあちょっといじめたい気持ちはわかる！」

F @kuwahu

圧倒的に宇宙人のほうが強いのがいい。なのに人間に敵わない、かわいい。 でもやっぱり軟弱な外交姿勢に不満を持つ派閥もある。なんでこんな弱い生き物相手に自分たちが下手に出ないといけないんだ〜ってフラストレーションが燻ってて、いつかそれが大乱獲の引き金になるといいな(ゲス笑い)

F @kuwahu

攫われた先で宇宙人同士が対立してるのを見て、色々察した地球人が、穏健派の真面目そうな宇宙人に心を開いたふりして近づくのが見たい。 仲間を逃がすために利用する作戦だったのに気づいたら恋しちゃってるやつ。アアア見たい…… あまりにも大事にされるもんで……

F @kuwahu

名前決まりました。 ・マグー様×ミオくん(日本人) ・ハウォ様×ルケシュくん(ポーランド人) ↓続きなんやけども…… 暗いのが苦手な人は読まないほうがよいかと🙏 書かんでもええやろを書きました

F @kuwahu

実はミオくんも処女じゃない。 マグー様に攫われるまで家の中ではボロ切れのように扱われてた。 4歳のときに父親が負債を残して飛び、母親も人が変わってしまった。「視界に入るな、息をするな」とクローゼットに突っ込まれ、学校にも行かせてもらえず幽閉されて育った。 ボロ切れというか、いない存在

F @kuwahu

7歳のときに妹が産まれ、母親がいない時間はこっそり遊び相手になった。そんなある日、妹がミオくんの存在を母親に話してしまう。殴られ蹴られ残飯も残されなくなり、以来妹もほとんど話しかけてこなくなる。それでも、母にバレないよう、ご飯や服を残しておいてくれた。

F @kuwahu

妹が8歳、ミオくんが15歳のとき。 母が連れてきた新しい男がヘンだと、珍しく妹がミオくんに助けを求めてくる。 2人きりになっちゃだめだと言っても、家はここだけだ。夕方になれば帰ってこなくてはならない。

F @kuwahu

妹の叫び声に押入れから飛び出ると男に襲われていた。噛み付いて止めても、大人の男の力には敵わない。 死なない程度にサンドバッグにされる日々、お前でもいけそうと犯されたのが15歳の夏。秋になっても男は母親と別れなかった。 男の機嫌が悪い日、陵辱の後に臭うから洗えと雨の庭に放り出された。

F @kuwahu

5日食事にありつけていない。もうだめかもしれないと身体を横たえて空を見る。 そのとき、雨雲の中に光る星を見た。 どす黒い雲が覆う空、土砂降りだというのに黄金色に光って見える。 強い星。 元気が湧いてくるようだった。 母親に見つかってクローゼットに押し込まれるまでずっとその星を見ていた。

F @kuwahu

長時間雨に打たれたせいか、いよいよ体が衰弱し始める。 高熱にうなされる。垂れ下がる衣服が踊るようにうねり、天と地が入れ替わり続ける。空っぽの胃をひっくり返しては息切れが酷くなっていった。 狭い暗闇に、ほこりがちらちらと光っていた。どうせならあの星を見ながら死にたいと思った。

F @kuwahu

よろけながら庭の片隅に膝をつく。 昼だからか星は見えなかった。 今まで一度も流れなかったというのに涙が溢れてきて止まらない。 見たい、会いたい。すがるように空を見ているうちに気を失った。 その日、お昼すぎに空が光ったという噂がSNSに流れた。 一人の少年の失踪を報じるメディアはなかった。

F @kuwahu

妹ちゃんはマグー様を見てるといいな。学校から帰ってきたらお兄ちゃんがクローゼットにいなくて慌てて家中探すんだけどどこにもいない。 すると突然、窓がめちゃめちゃに光りはじめて驚いて庭に飛び出す。 見えた光景に驚きすぎて腰が抜ける妹ちゃん。

F @kuwahu

そこには仰いでも顔が見えないくらい巨大な人が立っていた。 そして、その大きな人の腕には兄が横たわっている。 無言で佇む黒い人影に喉が震えて、ひ、と掠れた悲鳴が出た。 「……ひっ、ひ、お、おにいちゃ」

F @kuwahu

人影はその場でゆっくりしゃがむと、自分と目を合わせてきた。 驚いたのはその表情で、その人の感情を心が理解した瞬間、先程まで体を支配していた恐怖が嘘のように抜けていった。 怒っているような、悲しんでいるような目。 私に語りかけている。 せり上がってきた後悔に、いつしか泣いていた。

F @kuwahu

「ごめんなさい、ごめんなさいっ」 「……泣かないで」 不思議な声が、いっそ悲しいくらい優しさに揺らいでいる。 「君がいてくれたからこの子は生き延びられたんだろう」