気が向いたら形にするか、も…?
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れん @lencon_5

囲碁サロンで対局することになり、緒方は少年と対峙する。オレンジ色や黄色と言った暖色を見せていたその少年は、碁盤を前にするや否やその色を消し、右上スミ小目に初手を打つ。 囲碁を前に色をなくす人を初めて見る緒方のお話。 (多分これを同人誌にするかと)

2018-04-09 13:52:48
れん @lencon_5

「今際の際で一局」終末ホスピタルで指導碁をすることになったヒカルのお話。そこには最期の時を過ごす桑原がいた。現役時代の頃のような勇ましさは見られず、痩せ細り今にも死にそうな姿をしていた。ヒカルに指導碁を頼んだ桑原は「わしのシックスセンスはまだまだ衰えていないようだ」と微笑む。

2018-04-09 14:27:39
れん @lencon_5

手が震えながら一手をゆっくり打つ桑原を前に、人はいずれ死ぬのだとヒカルは実感する。そして終局まで体力がもたないため、また後日続きをすることになった。病室を出る前に一言、ヒカルは桑原に言われる。「続きは、小僧の碁会所で」その翌日、桑原は亡くなった。

2018-04-09 14:27:40
れん @lencon_5

それ以降ヒカルは最期の一局の相手をよくするようになった。そんな一期一会を繰り返していくうちに、佐為との対局を思い出す。あれもまた、今際の際の一局ではなかったのだろうか、と。そして桑原の一言がひっかかる。何故ならヒカルは自分の碁会所を持ってないからだ。

2018-04-09 14:27:41
れん @lencon_5

「祝の言、呪の言」先天的に呪われている緒方のお話。先祖代々次男が呪われている家系に生まれた緒方は、例に漏れず呪を受ける。長子を守るために呪を授かることになるそれは、一族から「祝の子供」として扱われるも、未来はない。その為早々に実家を出て緒方は塔矢家で囲碁の修行に励む。

2018-04-09 14:41:07
れん @lencon_5

そんな緒方には必ずと言っていいほど災厄が訪れる。囲碁は実力の世界故に、緒方がどんなに呪われて成績向上の邪魔をされても、そこで文句など言えない。結果が全てというわかりやすい世界で敢えて緒方は身を置く決心をする。

2018-04-09 14:41:08
れん @lencon_5

だが不思議とその呪いが発揮されない条件があった。それを十二分に実感したのが、十段戦後のヒカルとの対局だった。あの時の二人の空間に邪魔は一切入らず、酔っていた緒方に怪我もなかった。だからこそヒカルとの一局で彼の異様な強さにすぐに気付けた。そしてヒカルは不戦敗を繰り返すようになる。

2018-04-09 14:41:09
れん @lencon_5

「愛別離苦」佐為を失い囲碁を辞める決意をしたヒカルの元に、突然緒方が現れる。もう打たないと拒絶するも、緒方はヒカルの話を聞かずに連れ出し、佐為と緒方が打ったホテルまで車で向かう。そして緒方は言う。「今抱えている後悔、無念、羞恥、全てさらけ出せ」。その緒方の目には少しの皺があった。

2018-04-09 14:15:46
れん @lencon_5

「丸の中の罰に怯える」ヒカルというライバルと出会えなかったアキラのお話。張り合いのなさで始まったプロ一年目を終えた頃のアキラ。日本ではなく海外に目を向ければ格上の同世代がいると自らを鼓舞しつつも、日本人のライバルが欲しいと思ってしまう。

2018-04-09 16:18:04
れん @lencon_5

そこへ不思議な占い師と出会う。その男性はアキラの欲しいものを言い当て、こう告げる。「ネット碁をしてみな。初対局の相手がお前の求めているものだ。年はお前と同じ。きっとお前のためになる」その通りにしてみれば、まだ登録して間もない日本人棋士と対局することになる。その名も「sai」。

2018-04-09 16:18:06
れん @lencon_5

プロフィール欄を見ても歳は記載されてない。なら何故あの占い師は自分と同い年だと言い切ったのだろうか。そう思うも、しかしその棋士の圧倒的な強さを前に、年齢の疑問も気にならなくなってしまう。とにかく国内にアキラの惹かれる棋士がいたのだ。

2018-04-09 16:18:06
れん @lencon_5

再び占い師に会うことになったアキラが言う。「saiが何者か知っているか」と。占い師は言う。「丸の中に閉じこもっている罰だよ」。それ以降占い師の姿を見ることはなかった。

2018-04-09 16:18:07
れん @lencon_5

先天的に呪われている緒方先生、良くないですか?呪われてもなお実家に復讐する気持ちでプロ棋士になってタイトルもぎ取ったんですよ?そして気が抜けた後のヒカルとの対局で、まさかの災厄全く起きずの終局+saiと思しき棋力と棋風で酔いから目が醒めるんですよ。

2018-04-14 02:27:45
れん @lencon_5

囲碁界でも緒方との対局では絶対に何かが起こると言われていて、その中でも塔矢門下は筋金入りの冷静さで乗り越えてきたんですよ、緒方との対局を。だというのに、ヒカルとの対局をつい酔ったままやってしまった緒方は、直後に「絶対に進藤に危害が加わる」と焦ってしまう。だというのに何もなかった。

2018-04-14 02:27:46
れん @lencon_5

そしてとても強かった。そりゃ目が醒めるよなー。だというのに、ヒカルはその後不戦敗を繰り返す。もしかしてそれは自分に責任があるのでは、と緒方は思うものの、何もできない。近付いたらもしかしたらまた何かが起きるかもしれない。ヒカルとの初対局がそれだったので、まずデータがない。

2018-04-14 02:27:47
れん @lencon_5

たまたま何も起こらなかっただけで、次には何か起きるかもしれない。とか考える一方で、ヒカルの側にじっといた若獅子戦の時も何も起きなかった、ヒカルを囲碁サロンへ拉致した時も何も起きなかった、と振り返る。

2018-04-14 02:27:48
れん @lencon_5

出たとこ勝負で行くしかないというところで、 眠気が来たので寝ます。

2018-04-14 02:27:48
れん @lencon_5

眠気がどこかへ行ったので呟きます。 実家には跡継ぎの長子がいるのだけど、これを長男とするか長女とするかは決めてない。次男が呪われるという設定だけど、正確には二人目の子供が呪われるというもの。 長女の方が色々おいしいな。長子が憎いし、それが女というだけで緒方は女性全般が苦手になる。

2018-04-14 02:46:11
れん @lencon_5

苦手というか、敵視に近い。けれどその感情を本当に女性に向けたら犯罪になるので、緒方は堪えてタイトル戦に臨む。長子への復讐、女性への敵視を全て碁盤にぶつけて、漸くタイトルゲットする。 もちろん女性と遊んだことあるけど、それも一種の復讐に近い。遊び相手でしか女性を見られない性格なので

2018-04-14 02:46:12
れん @lencon_5

異性で好きになった人は皆無。男性の方が好むようだけれども、そうしたら逆に「危害は加えたくない」というブレーキがかかってしまうので、深い付き合いもしたことない。本当に好きになった人はいない。 からの、ヒカルとの対局で何も起こらなかった。惚れますよね(強引)。

2018-04-14 02:46:13
れん @lencon_5

現実界にいながらイデア界に接触しようとして、その手段として逆行を使う…?? 複雑し過ぎて頭が追いつかない。でも佐為を忘れていくという摂理に逆らおうと逆行するというのは、なんだか面白そう。書けるか知らないけど。

2018-05-02 10:56:21
れん @lencon_5

人間よりも囲碁を愛する緒方と、人間に興味が持てず囲碁に囚われているヒカルの邂逅を考える。

2018-05-04 07:55:24
れん @lencon_5

二人の言う「人間」に差があると感じる。緒方は、囲碁を打たない個としての「人間」よりも、多彩な色を見せる囲碁を選ぶ。つまりその「人間」は感情を持ち、時には緒方を愛することもある。けれど緒方はそんな「人間」よりも囲碁を愛する。愛されることを知りながらも、囲碁を生まない人間には興味ない

2018-05-04 08:38:19
れん @lencon_5

一方ヒカルは、「人間」を全体の大きな流れとして捉えている。脈々と続く歴史を形成してきた「人間」の中に、碁打ちがいる。自分はその流れの中にいると感じている。けれど、全としての「人間」に意識が向いているから、個としての「人間」には意識が向かないし、興味も持てない。

2018-05-04 08:38:20
れん @lencon_5

ヒカルが興味を惹く数少ない「個」に、ライバルとしてのアキラと半身の佐為がいる。とはいえ、アキラ相手にもライバル性しか求めてないので、それ以外の「個」性には興味持てない。佐為は人間ではないから、これに当てはまらない。

2018-05-04 08:38:20
れん @lencon_5

そう言った緒方とヒカルの違いは、即ち個としての「人間」の感情を知っているかどうかという点になる。緒方は「人間」の持つ感情を知りながらも、それよりも囲碁を優先する。ヒカルはそもそもそれに触れようとすらしないし、知ろうともしない。優先順位を下げる緒方と、無視するヒカルの違い。

2018-05-04 08:38:20
れん @lencon_5

だからこの二人がくっつくことを考えると(困難)、相対的に緒方の方が愛情深いということになるけど、側から見れば二人ともどっこいどっこいだという。

2018-05-04 08:41:51
れん @lencon_5

2人の違いは、師匠が人間だったかどうかに起因しているのではないかと。行洋は生きた人間だから、結果的に碁打ちとしての人間を優先する。佐為は死んだ存在だから、碁打ちそのものに興味を持つものの、それはつまりAIでもいいから、人間である必要はない。

2018-05-04 08:47:28
れん @lencon_5

「後ろの正面」進藤ヒカルは電車では帰らない。電車で帰ったら最後、必ず何かを持って帰ってしまうからだ。だから不特定多数が乗る電車には乗らない。けれどその日は、運悪く自車が故障してしまった。行きは良い良い、けれど帰りが厄介。電車で帰ったら最後、重い何かを背負って帰ってきてしまうから。

2018-05-07 18:58:54
れん @lencon_5

「最後のひとしずく」そこの喫茶店の店主は中々に聞き上手で、一見の客相手でも朗らかに話しかけては、客の話を静かに肯定する。だからヒカルは一人悩んだ時はそこの店主に会いに行く。ある日店主しかいない店内でヒカルが紅茶を頼むと、店主がゆっくり話しかけてきた。もう死ぬ決心はついたのか、と。

2018-05-07 19:05:48
れん @lencon_5

「北島という客」その棋士は滅茶苦茶な碁しか打たず、ろくに活躍もしていない。大して期待もされていない。だというのに、塔矢アキラのライバルだという。なんて戯言と思って、しかし最近の彼の成績が連勝だと気付く。あの不戦敗さえなければ、きっと順当に期待されていたのだろう。あれさえなければ。

2018-05-07 19:12:59
れん @lencon_5

「柏手の音色」柏手を打つ。パン、と空気を切ったようなその音は、そこにあるだろう澱んだものまでも切り刻んでしまいそうだ。ヒカルは碁盤の前に立ち、並べ途中の盤面を見ながら柏手を打つ。パン、と打つ度に、ヒカルには見えなかった佐為の閃きが切り口から出てきそうだった。それは祈りにも思えた。

2018-05-07 19:21:57
れん @lencon_5

「刺す」碁盤に打つその指は、相手を指し示し、貴様の陣地を奪いに行くと言わんばかりに切り裂いて行く。指さされたら最後、背中を向けてはいけない。差し出すのは、さて己の首か陣地か。棋士の中でも一際鋭く刺す人がいた。塔矢アキラは刺すのが上手く、そして彼のライバルを指すのを得意としていた。

2018-05-07 20:36:08
れん @lencon_5

「増えて、減って」初段の先は二段、三段、果ては九段。けれど先の見えない道のりで数字は意味がない。九を取ったら最後、永遠に九が続く。時に十に手が伸びる人がいるものの、減って九になることもある。その中でも緒方は、手にした十段を一度も離さずに前を向いている。十を取った直後の対局と共に。

2018-05-07 20:49:20
れん @lencon_5

「死の音」人の死んだ音を聞いたことがあるか?ドシャン、というのはきっと飛び降り自殺だろう。グサ、というなら刺殺か。ピー、という電子音なら病院で。けれど残念、俺はそんな音すら聞けなかった。強いて言うならカーテンの靡く音。あいつはそんな静か過ぎる音を残し、俺の前から「死んで」逝った。

2018-05-07 20:59:05
れん @lencon_5

「共に棋譜の前で」ふと俺の肩に誰かが手を載せている。古譜保管室に一人、佐為の棋譜を眺めていたら、肩に感触がした。きっとその誰かも佐為の棋譜が気になるのだろう。それもそのはず、何せ佐為は天才なのだから。そして知っているか?お前が手を載せているその人間は、天才を台無しにした奴なのだ。

2018-05-07 21:10:46
れん @lencon_5

「鏡」鏡は向かい合わせにしてはいけない。不吉と指摘されるのが常ではあるが、けれど証拠などない。ヒカルは永遠に続く己の姿を鏡の前で眺め、フンと笑った。もし不吉なことが起きたとしても、それはきっと佐為の消失ほどのショックにはならないだろう。そんな不吉な姿が、永遠に鏡の中で続いていた。

2018-05-07 21:20:42
れん @lencon_5

「贈り物」あれが欲しい、と俺が独り言を呟いた数日後には、希望通りに贈る奴がいる。塔矢は過去にそうやって、俺に靴や帽子を贈ってきた。段々とその態度が気に食わなくなり、叶えられないような独り言までも意図的に言うようになった。それでも、佐為に会いたいという一言だけは言えそうになかった。

2018-05-07 21:33:01
れん @lencon_5

「かくれんぼ」隠れている奴がいる。遊び時間が過ぎても、鬼である俺が「出てきて」と言っても出てこない奴がいる。隠れるのが苦手な奴だというのに、こどもの日という快晴に佐為は隠れるのが途端に上手くなってしまった。もういいよ、お願いだから、と呼んでも、神隠しに遭ったのか、返事はなかった。

2018-05-07 21:52:56
れん @lencon_5

火山やガスが爆発するなどにより、そこにあった石や岩が他の土地へ行くことを迷子石と呼ぶらしい。 進藤ヒカルさんじゃん。藤原佐為という爆発的出来事により囲碁界へ飛ばされ迷子石になってしまったのだよ。

2017-12-14 22:26:14
れん @lencon_5

【勉強中】積極的懐疑の間だけそのものの存在が確立可能というのは、打つ以外に本当に何もできない佐為の心を抉るものだと思うので、デカルトは佐為に厳しい。 打とうとしても身体がない、ヒカルも佐為の言うことを聞かない、打ちたいのに打てないというのは、存在証明できない時間をただ過ごす地獄。

2018-08-12 00:34:44
れん @lencon_5

【勉強中】二度目の憑依で打つことが可能になったものの、果たして己は本当に存在しているのか、と思う時はあると思う。若獅子戦の時目の前に手隙の緒方先生がいたのに対局できなかったことを考えると、死んだ身でありながら思考ができるという矛盾に向き合うことになる。

2018-08-12 00:44:42
れん @lencon_5

【勉強中】心身合一の観点では、死んで身体がなくなれば精神も無となる。というのに己は思考している。けれど打てない。では己は果たして本当に存在しているのか。ヒカルと話しているけれど、それはヒカルの妄想ではないのか。そういった苦悩から抜け出すためには、佐為しか打てない碁をするしかない。

2018-08-12 00:44:43
れん @lencon_5

【勉強中】だというのに、思うように打てない、行洋とも打てないという状況は佐為を苦しめる。何か一つ証を残したい。そう思ったはず。 そこにデカルトの方法的懐疑があるけど、疑っているという感覚は、頭を使っているからどこか身体的行動でもある。けれど佐為に身体はない。

2018-08-12 00:44:44
れん @lencon_5

【勉強中】では佐為が行なっていると仮定する方法的懐疑は、果たして結果的に成立しているのか。人間の思考行動は精神活動であると同時に脳を動かしているという点で身体的活動でもある。

2018-08-12 00:44:44
れん @lencon_5

混乱してきたので、ここらでやめます!勉強不足!うえええー。

2018-08-12 00:44:45
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まとめたひと
れん @lencon_5

成人済。根底にヒカ碁とヘタリア。oghk, akhk, west_ost, Toris_ost ※ Reproduction and secondary use prohibited.