気が向いたら形にするか、も…?
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れん @lencon_5

伊角さんが写真の整理をしていると、ついうっかり和谷の写真と楽平のが混ざってしまった。楽平とは結構交流があり、漸く背が伸びてきたと報告するメールが来ていたのだ。それに嬉しくなって写真データを態々現像したのだが、そんな一枚も含む楽平の写真が和谷のものに紛れ込んでしまう。

2017-12-07 17:42:41
れん @lencon_5

一枚一枚確認して、なんとか和谷と楽平で分けていったものの、どうしても区別のつかない写真が数点。本人に聞いて怒られるのも憚れると伊角さんは試しに進藤に区別のつかない写真を見せて「どれが和谷か」と聞いてみた。「和谷はこれとこれと。あれ和谷中国行ったんだ」進藤も区別ついてなかった。

2017-12-07 17:47:24
れん @lencon_5

とうとう判別がつかなくなり、伊角さんは恐る恐る和谷に問題の写真を見せ、どれが和谷か聞いた。 「…伊角さん、これ、全部、俺」 伊角さんは思い出した。数年前に中国棋院へ和谷と行ったことを。 「ひでぇ!伊角さんは俺のこと見えてなかったのかよ!」 「違う!楽平とごっちゃに!」

2017-12-07 17:52:09
れん @lencon_5

「少なくともあいつとは3cmも違う!」 「あいつそんなに身長伸びたのか!というか、どこからの情報だ?」 「伊角さんからだよ。この前そう言っていたじゃないか」 「…お前、和谷だよな?楽平じゃないよな?」 伊角は混乱している。それはもう。 「眼科行こうか」 冷めた目で和谷がそう言った。

2017-12-07 17:56:12
れん @lencon_5

【混乱中】デカルトの「我思う、故に我あり」でいくと、佐為が思考・疑問していると証明できるのは佐為自身だけ。或いは佐為と一心同体のヒカルがいれば証明できる?けれどヒカルはもう佐為を見ることができなくなったから、佐為の存在を証明することはできない。棋譜は証明の材料にはならない。

2017-12-03 21:32:48
れん @lencon_5

【混乱中】つまり囲碁が打てる間は積極的疑いをすることができるから、佐為が打っている時だけ佐為は己の存在を証明でき、それ以外の日常ではできない。だから囲碁以外での佐為は唯のヒカルの妄想になる。棋譜をどう扱うかが問題だが、外部からは秀策或いはヒカルが打っていることになるから扱えない。

2017-12-03 21:36:51
れん @lencon_5

【混乱中】つまり刹那的に佐為は己の存在を証明することができるものの、常に証明不可の状態であり、故にヒカルに対し打ちたいと訴えていた。あれは只神の一手を極める為だけでなく、己の存在証明の為でもあった。 デカルトは佐為に厳しい。 手元に本がないからそんな深くまで考えられない。

2017-12-03 21:44:06
れん @lencon_5

【混乱中】フッサールの現象学でいくと、志向性があれば存在は証明できる?打たなくとも佐為は例えば行洋やヒカルに意識を向けていたし(世界関心)、また秀策の棋譜を通して佐為は世界の意識を受け止めていた。となれば棋譜があれば佐為の姿が見えなくとも存在は証明できる。 現象学は佐為に優しい。

2017-12-03 21:53:24
れん @lencon_5

イデア論を程よく混ぜたら面白そう。佐為は本来真っ白で完全な球体で「美」「正」「善」そのもの。けれど囲碁への執着を捨てられず汚れてしまった。そして行洋への対局を経て霊界へと帰っていく。現世ではイデアとなった佐為を知覚することは不可能。学習を経ることでなんとかその断片を感じ取れる。

2017-12-03 15:51:46
れん @lencon_5

ヒカルが死ぬまで打つ行為は学習であり、それでなんとかイデア界にいる佐為を知覚しようとしているんだよ、きっと。けれど所詮現実界にいるからそれは不完全で、死ぬまでヒカルはモヤモヤすることになるんだよ。これは佐為じゃない、もっとすげぇんだ、みたいな。そして段々佐為を忘れていく。

2017-12-03 15:57:01
れん @lencon_5

佐為は冬眠しているのかな。井上円了によれば、幽霊は深い眠りにつくとされているけど、いつ目覚めるかは幽霊次第。唯心論故に消滅しないとされているとはいえ、永い眠りの先に何があるかは不明。ヒカルが死に二人共に眠った先に果たして彼らは会えるのか。向かう先は同じなのか。きっともう会えない。

2017-12-03 15:40:13
れん @lencon_5

佐為の面影を探して、例えばアキラや和谷、緒方先生などを見たりするけど、どの人たちも佐為との間に微妙なズレがある。そんなヒカルが辿り着いた先は、部分的にある彼等と佐為との共通点しか見ないことだった。

2017-11-25 20:55:16
れん @lencon_5

アキラなら「過去のヒカルを知っている」点、和谷なら「ヒカルの面倒を見る」点、緒方先生なら「sai」。ある日そんな彼らとヒカルが会話をしていくうちに、ぽろりとヒカルは口を零す。

2017-11-25 20:55:46
れん @lencon_5

「なんでお前ら、ばらばらなんだ?一緒になってよ。もう離れ離れはやだよ」 そう言って泣き出すヒカルを前に、彼等は何も出来ない。涙の理由も分からない。

2017-11-25 20:56:02
れん @lencon_5

そんなヒカルが唯一会えない人がいた。塔矢行洋である。行洋と会えば、saiが今どうなっているのかという現実を直視しなくてはならない。佐為の断片を集めて佐為と会話しているつもりになっているヒカルにとって、行洋はその夢を覚ます存在でもあった。だからヒカルは行洋には絶対に会いたくなかった。

2017-11-25 20:59:45
れん @lencon_5

緒方先生の指が好きで、あらゆる対局で先生の指が目の前にちらつきに集中できない進藤さん。遂に我慢できず、先生の対局シーンを見ずに棋譜だけで済ませようとするも、本人との対局までも避けることは不可能。対局日当日になって目隠し碁で緒方先生に挑もうとアイマスクつけると、

2017-11-24 17:34:57
れん @lencon_5

「俺からの盤外戦を避けるとは何事だ」とニヤリと笑われてしまい、対局が始まってないのにもうそこで投了したくなる進藤さん。 対局してないな、二人🤔

2017-11-24 17:36:31
れん @lencon_5

塔矢が自宅で眠りに入ろうとしたところで突然の電話。誰だ、とイラつく頭で出たら、進藤からの誘い。今日ふたご座流星群が見られるらしいから見に行こうというもの。寝たい気持ち100%なので即答で断るのだけど「もう遅い」と今度はインターフォン。連打の音が自宅内で響くから「キミは一体何歳だ!」

2017-12-13 21:56:42
れん @lencon_5

と怒鳴りに玄関扉を開けたら「やったー!成功ー!俺の勝ちー!」とはしゃぐ31歳3ヶ月。見れば進藤の後ろには和谷と伊角の姿が。なんの真似だ、と苛立ちMAXで後ろの2人を睨みつければ、和谷が「俺は悪くない!発端は進藤だ!」と前ではしゃぐ進藤を指さし、伊角が「塔矢が本当に誘いに乗るかどうか

2017-12-13 21:59:14
れん @lencon_5

和谷と進藤で賭けをしていたんだよ。因みに和谷は乗らない方に賭けたよ」と苦笑い。誘いに乗った覚えはないが、進藤の喜びように毒気が抜かれる気分になる31歳0ヶ月。「いい場所を伊角さんに連れて行ってもらえるんだよ!」と進藤が塔矢を引っ張るものだから、仕方なくパジャマから私服に着替えて

2017-12-13 22:02:22
れん @lencon_5

レッツらゴー。伊角の車で高台まで来た一行は、冬の夜空を走る流星群に言葉失う。あらかた堪能したところで車に戻り、向かうはお寺。そこには既に他界した行洋が眠っている。4人で塔矢の誕生日を報告し、進藤がそこで「和谷たちは先に戻っていて。直ぐに行くから」と墓石の前に塔矢と2人きり。

2017-12-13 22:06:59
れん @lencon_5

「謝るのが遅くなってすみません」と先程とは打って変わって真剣な顔つきで頭を下げる進藤。唖然とする塔矢を見て進藤は短く「16年、必要だった。俺なりのけじめをつけたい」と言って「お前が初めに追いかけたのは、俺じゃなくて藤原佐為」と墓石の前で懺悔。結局聞けたのはその一言だけだった。

2017-12-13 22:11:04
れん @lencon_5

何故ならその直後に進藤は大泣きしてしまったから。車に進藤を連れて戻り自宅まで伊角に送ってもらい、一晩寝ずに進藤の世話をする塔矢。朝になり自分の誕生日が終わったことに気付くと、ソファの隣で座っていた進藤が「ごめん」と謝る。その必要はないと塔矢は首を横に振り「願い事が叶ったから」と

2017-12-13 22:14:50
れん @lencon_5

進藤に向けて笑う。「流れ星に向かって願い事をしたのだけど、早々に叶ってしまった」と付け加えれば、「何の願い事をしたの?」と聞く進藤。一息飲み込んで塔矢は優しく進藤に告げる。 「キミの本心を知ることだよ。キミはとても悲しかったんだね」 その言葉でまたもや泣く進藤。

2017-12-13 22:18:13
れん @lencon_5

今までで最高の誕生日だった、と塔矢は泣く進藤を抱きしめながら一人微笑む。 おしまい #塔矢アキラ生誕祭 #塔矢アキラ誕生祭

2017-12-13 22:21:30
れん @lencon_5

進藤の世界は極めて狭い、と塔矢は思う。碁盤の上以外に生き場所を求めず、宇宙を感じていたいのだと只管囲碁に勤しむ。同期から飲みの席に誘われても断り、囲碁以外の出来事にはとことん無関心だ。更に言えば、他者からの心配もまた無用と跳ね除けてしまう。

2017-12-14 19:56:44
れん @lencon_5

その姿勢は一部塔矢にも通じるものがあるものの、塔矢自身ライバルがいてこそ己の世界が成り立つと考えている為、極めて排他的な進藤の考えには異論を唱えたくなる。キミの世界はもうそこだけに留まらない筈だ、と何度言ったことだろうか。

2017-12-14 19:57:57
れん @lencon_5

無論塔矢をライバルだと公言していることからも、進藤にライバルが必要とされていることは自他ともに認められている。それでも、塔矢の求める世界と進藤の求める世界の規模や質に齟齬が見られるのには辟易せざるを得ない。気分は既に袋小路のネズミのようだ。

2017-12-14 19:59:07
れん @lencon_5

何故こうもすれ違いばかりするのか、とタイトルホルダーでもある兄弟子に相談すれば、あいつはそこでしか生きる術を知らない、と煙草の煙を只吐き出すだけだった。知らないのならば教えば良い、というのは所詮机上の空論だ。塔矢の声に耳を傾けてもらえなければ意味がない。世界はキミを求めている。

2017-12-14 19:59:45
れん @lencon_5

僕もキミを求めている。何度も進藤の腕を引っ張っては塔矢や兄弟子たち、数々の棋士たちのいる世界へ誘おうとしても、頑として進藤はその場から動かない。進藤はただ微笑み、そして「ここにいなきゃ、あいつが戻ってきた時困るだろ?」と曖昧なことを吐き出すだけだ。

2017-12-14 20:00:22
れん @lencon_5

進藤は誰かを待っていて、そして世界を見ず、人々とも交流せず、只管碁盤の前にいる。求道者という言葉はもしかしたら進藤の為にあるのかもしれない。それでも、塔矢はもっと進藤に青空へ共に羽ばたきたかった。 キミの囲碁は僕と打つためにあるはずなのに。何度それを呟いたことだろうか。

2017-12-14 20:01:34
れん @lencon_5

それでも塔矢は進藤の手を離すつもりはない。人は変わることができる生き物だ。それを信じて、今日も塔矢は進藤に向き合い碁石を持つ。 僕の世界に来てくれ、と願いながら。

2017-12-14 20:03:35
れん @lencon_5

佐為を失ったヒカルがあれこれして逆行するんですけど、その条件に己の棋力が下がっていくというもの。何度も修正できるけど、それだけ棋力も下がる。囲碁のルールすらわからなくなる可能性もある。でもヒカルはもう打たないと決めたからそんなのへっちゃら。

2018-04-01 10:44:39
れん @lencon_5

そして納得のいくまで逆行し続け、とうとう囲碁の文字すら書けなくなる。ぎりぎり読めるものの、書けない。棋譜も読めない。佐為が碁盤に扇子で打つ位置を示して漸く代理打ちができる程度まで、ヒカルの中から囲碁が消えていく。 でもヒカルは幸せなのよね。

2018-04-01 10:44:40
れん @lencon_5

不感症な緒方先生と人間に興味の持てないヒカルのハートフルBLストーリー(ラブとは一体)

2018-04-08 22:09:45
れん @lencon_5

不感症を理由に破局となった緒方と、佐為を失って以降幽霊大好き人間興味なしのヒカル。 が、おせっせしないと出られない部屋に入ってしまい、仕方ないので対局して時間をいたずらに過ごそうというお話。 生きる為の物資はあるから、後は自由が欲しいかどうかになる。

2018-04-08 22:21:19
れん @lencon_5

最初は囲碁と対局相手いるからこのままでいいかという流れになるけど、次第に外の世界へ戻りたくなる緒方、佐為を伝えられずに死ぬのかと不安になるヒカル。けれど二人ともおせっせできないし興味持てない。 次回「神の一手でちょっくら壁壊してくる」次の一手は君だ! 何の話だ疲れているなこれ。

2018-04-08 22:21:20
れん @lencon_5

「二人の間に愛など生まれない」というタイトルでオガヒカかいてみたい。世間一般的にはデートのようなことをひたすらしている二人だけど、決して好きにはならない。けれど振り返ってみたら二人一緒に過ごしていたね、というお話。

2018-04-08 23:27:40
れん @lencon_5

最後に「お前は俺じゃない誰かとこうしたかったんじゃないのか?」と緒方が言い、「先生は、俺と過ごしたような日々を昔に戻って味わいたかったんだね」とヒカルは言う。 思春期に佐為を失くしたヒカルと、今なお囲碁に生活の全般を費やし思春期をまともに過ごしていなかった緒方の短編集。

2018-04-08 23:27:41
れん @lencon_5

「あなたの遺書」と言うタイトルでのアキヒカ。 ヒカルが二十歳の誕生日に謎の死を遂げる。事故死なのか自殺なのか他殺なのかすらわからない。その後遺書が発見され、宛名が塔矢アキラとある。 中には「俺が死んだらやって欲しいことがある」と言う一文と、これまで貯めた賞金額の記された小切手。

2018-04-08 23:56:01
れん @lencon_5

アキラは遺書通りのことをするが、ヒカルの目的は不明だ。遺書があるのなら自殺なのだろうか等と考えていると、ふと家の中で物音がした。実家にはアキラ以外に誰もいないはずなのに。誰だと言っても返事は来ない。姿も見えない。 けれど自室に置かれてあった碁盤に、いつのまにか棋譜が並べてあった。

2018-04-08 23:56:02
れん @lencon_5

それはアキラとヒカルが初めて対局したものだった。その棋譜を知るものは、アキラとヒカル、そして越智のみ。この場に二人はいないが、アキラが並べたわけでもない。 「君がここにいると言うのか」 そしてその後不可解な事に巻き込まれるアキラ。

2018-04-08 23:56:02
れん @lencon_5

「メモリアルロスト」伝説の棋士を蘇らせようというプロジェクトとヒカルのお話。ネットに残されたsaiの棋譜をデータベースに登録し、それを学習したAIが登場。人以上の実力をすでに見せている他のAIと違い、それと比べ実力が劣るものの、より人間らしさが生まれ棋士の間でブームとなる。

2018-04-09 00:12:54
れん @lencon_5

秀策が現代の定石を学び、更にAIならではの布石も学んだ結果を見せられ、ヒカルは意気消沈する。別に自分が打たなくても佐為を永久的に伝えることはできるではないか、と棋士すらやめようとする。実際事務局へ行き引退届を出すものの、考え直してくれ、と何故か休場届になる。

2018-04-09 00:18:57
れん @lencon_5

一人になる時間の中、己が打つ意味を改めて考える日々を過ごすようになる。 その過程でAI開発者と会うことになり、何故件のAIを開発したのかという話になる。そうしていくうちに、自分が人間として佐為を棋風に宿すことの意義を見つめ返していく。

2018-04-09 00:18:58
れん @lencon_5

「夢幻運命」事故で意識不明となったアキラが目覚めた場所は、見たことのないアパートだった。身体の感覚のないアキラは、今幽体離脱の状態だと実感する。そしてそのアパートの一室には、己のライバルが住んでいた。正確にはまだ幼い頃の進藤ヒカル。

2018-04-09 01:29:23
れん @lencon_5

約二十年前の彼の姿に驚く。そしてその隣に狩衣姿の美丈夫に言葉を失う。自分と同じ肉体を持たない彼は一言「おやまあ」としか言わない。彼は藤原佐為と名乗り、ヒカルに囲碁を教えつつヒカルに生活の知恵を授けていた。ボロいアパートにヒカルの両親の姿は見当たらない。

2018-04-09 01:29:24
れん @lencon_5

どこにいるのだとヒカルに問い詰めれば、「かあさんはしゅっちょうだ」とヒカルは言い、「父親は蒸発、母親はたまにしか帰ってこない」と佐為は説明する。この世界は自分の知るものではないと自覚し、それでもヒカルは囲碁を打っていたことに運命を感じる。

2018-04-09 01:29:24
れん @lencon_5

「ヒカルくんは、佐為さんから囲碁を習っていたんだね」 「そうだよ、さいはやさしいよ」 そうして、人間一人幽霊二体の生活が始まる。

2018-04-09 01:29:25
れん @lencon_5

「鵺の鳴き声」共感覚の強い緒方は、相手を見るだけで今どんな一手を考えているかが感覚的に掴める。しかし対局を離れればその能力は厄介なものでしかなく、人間関係の足枷でしかない。そんな緒方の前に不思議な少年が現れ、対局がしたいと申し出る。

2018-04-09 13:52:47
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れん @lencon_5

成人済。根底にヒカ碁とヘタリア。oghk, akhk, west_ost, Toris_ost ※ Reproduction and secondary use prohibited.