『飛ぶ孔雀』
山尾悠子『飛ぶ孔雀』読了。別々の新聞で、書評を金原瑞人さんと椹木野衣さんが書いてて興味を持った。「とにかく芝を踏むな。」もし誰かに説明できるストーリーがあるとすれば、それは著者の頭の中にある。
2018-09-03 13:53:24文体がとても魅力的だ。「波柵の半円の連続」はあれのことだ、と簡素な言葉ですぐ分かる。火が「しんねりと燃え難い」、夏と秋、その後の冬はどうするんだろうか。「ただしこれを言うのは今より数分後のこと」、と予告はあるけど、実際に起こる描写は少ない。
2018-09-03 14:03:06『山尾悠子作品集成』
『山尾悠子作品集成』読了。すごい密度だった。『飛ぶ孔雀』の後に『ラピスラズリ』が同じ著者だと気づいて、他のも読みたいな〜って借りてきたけど、そんな軽く読めるやつじゃない。一文一文の描写が厚い。文が長いわけじゃないのに情報量が多い。目が走るともったいないからちゃんと読んだ。
2019-06-07 20:05:56「夢の棲む街」「遠近法」「パラス・アテネ」「ゴーレム」が好き。後記の「付・《火の発見の日》」が嬉しかった。ここまで読んだら「繭(「饗宴」抄)」も読める。「傳説」は、こないだ読んだ飛浩隆『零號琴』の冒頭を思い出したけど、「傳説」の言葉選びと文の結びのが好きだ。
2019-06-07 20:16:41まだ『ラピスラズリ』があるんだな〜… これは中学か高校の頃、図書館で借りたはいいが難しくて読み切れなかった本の一冊。装丁が素敵で手に取ったんやけど、結局読めんかったんよな〜。読も読も
2019-06-07 20:25:09『ラピスラズリ』
山尾悠子『ラピスラズリ』読了。読める、読めるぞ! て思いながら読んだ。たぶん先に作品集成読んでるからだな。「銅版」からの「竈の秋」(竈の字が違う、出ない)が好きだ。冬になると眠りに就き春先に目覚める体質の人と、それを取り巻く人という舞台が好きだ。
2019-06-12 23:25:43『ラピスラズリ』が、思ってたより読めたけど、2003年の出版当時に手に取ってたらちょっと厳しいかもしれない。作品集成読んだから読めたのかもだけど、ここから『飛ぶ孔雀』は読めるか? なんかあれは違う気がする
2019-06-13 07:44:18自分が書いた『飛ぶ孔雀』の感想見ても、そうやなぁって思う。「こういうことが起こるのは今から数分後のこと」って予告は、「それは◯◯だった。しかしこれを語るのは少し早い。」みたいな、地の文で時間の先取りや後戻りは「トビアス」にもあった
2019-06-13 12:28:31『歪み真珠』
山尾悠子『歪み真珠』読了。掌篇集。「娼婦たち、人魚でいっぱいの海」はなんとなく「夢の棲む街」を思い出す。「ドロテアの首と銀の皿」「影盗みの話」は先に読んだ本に出てきたひとたちと同じ性質のひとたちがいる。冬に眠るひと、赤い右腕のひと。
2019-06-15 22:00:27「向日性について」「夜の宮殿」2つ、「紫禁城の後宮で、ひとりの女が」あたりが好き。「アンヌンツィアツィオーネ」はオチがすき。この中だと「夜の宮殿」が『飛ぶ孔雀』に近いかも。作品ごとに文体をか変えられるらしいから、正確には分からんけど
2019-06-15 22:03:44『飛ぶ孔雀』に戻ってきた
作品集成、『ラピスラズリ』『歪み真珠』からの『飛ぶ孔雀』をまた読んだ。ここに戻って思うのは、『飛ぶ孔雀』の「Ⅰ 飛ぶ孔雀」がかなり好きだってこと。全く説明はないけど、「バンカー」はおそらくあの砂地のことだと直感した。川中島Q庭園にいる人の存在感も、今ならしっかり分かる方だなって思う
2019-07-02 22:02:11川中島Q庭園にいる人は、他の作品読んだ中だと、割と名前があって、職業があったりして、存在感が強いんだよな。だから、P夫人とかKの一文字人物もまだ追える。スワンとことら社長が好きだな。この人の作品で、特定の人物を好きだって言えるのは珍しくないかな
2019-07-02 22:09:34あと、作者が岡山市出身て書いてあったのを見たせいか、なんとなく描写が岡山かもと思いながら読むのが楽しかった。Q庭園は後楽園、天守があるお城とか、別の本で、紡績工場とか出てきてたんやけど、倉敷がぼんやり浮かんだよね
2019-07-02 22:14:44