上遠野浩平
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achira_dochira @achira_dochira

統和機構は時々、わざと社会を混乱させるためだけに人を無造作に殺す。その空白に自分たちの影響力を植えつけるために。 この頃の統和機構の描写めっちゃいいんだよな

2023-05-07 09:01:36
achira_dochira @achira_dochira

パールが指摘するカチューシャのバランスのことあまりピンときてない…

2023-05-07 10:01:47
achira_dochira @achira_dochira

なんかわかってるような気がしてたけどあれ?

2023-05-07 10:02:13
achira_dochira @achira_dochira

冒頭の「人間じゃないって言われて全然平気だったわけ?」のところだと…

2023-05-07 10:07:51
achira_dochira @achira_dochira

カチューシャも「ストローでずろろ」派なんだな

2023-05-07 10:11:11
achira_dochira @achira_dochira

カチューシャさんこんな仕事をしていて「綺麗な世界と醜悪な世界の中心」を探したい、「綺麗な世界」があることについて考えていて、その基準が「心が壊れた瞬間の世界を見ていない誰かの眼差し」という話をしているわけで

2023-05-07 10:35:23
achira_dochira @achira_dochira

こんな世界、心が壊れでもしなきゃまともじゃないという話を

2023-05-07 10:35:23
achira_dochira @achira_dochira

まあ読んでて好きなんだよなっていうのが全てなわけですが…

2023-05-07 10:47:30
achira_dochira @achira_dochira

それぞれのバランスの話をしておいて最後にバランスなんて簡単にぶっ壊れるんだよで張り倒してくるのである

2023-05-07 12:18:42
achira_dochira @achira_dochira

読了~ やはりカチューシャの独白んとこめっちゃ好きなんだよな……いやカチューシャメインのエピソードがこんな話になるなんてずるすぎるじゃん……こんな………………………………………

2023-05-07 12:24:24
achira_dochira @achira_dochira

すきな文章っていわれたら一番最初にでてくるのはやはりここかなぁ…むむむ pic.twitter.com/T31OHzUU0m

2023-05-07 12:26:18
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上遠野浩平まとめ一覧
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独り言メモ

韮沢賢次、その名前について「なんだか中途半端」だなあと感じてしまったけれどこれは別に悪口が言いたいわけではない。ふつうの名前だということが悪い訳じゃないし、でもふつうと言うには何かちぐはぐのような印象もある。次回、どこかで登場してもきっと「あの韮沢か」と思う人がいるだろうか、知らんけども。
彼がカチューシャと、つまりは統和機構について、MPLSについて話をしている。カチューシャはみた感じどうしても「ふつうのかわいらしい女の子」でしかないのに、韮沢のことを「物わかりの悪い人だなあ」という態度を隠さないのだから、韮沢は接し方に戸惑ってしまっている。
たとえば、カチューシャは世界を裏から支配しているという組織について、「業界」という、およそそぐわない言葉を使って見せて韮沢をぎょっとさせる。
韮沢は彼らからMPLSとかいう人間であって人間ではないようなものたちのことを見つけたら報告しろ、と言われている。韮沢が彼女が「そう」であることに気がついたのは最近で、彼女とそういうことになったのも割と最近だった。彼女のことを報告すると──それはつまりどういうことにつながるのか、実はあまりぴんときていないのではあるが、しかし監視されているというのだからあまり良いことにはならないのではないか? だって野良犬がいると保健所に連絡して、保護されて良かったという結末をまず想像する奴なんていないのだ。そういうことについて彼は一度もまともに考えたことはなさそうだ。
ここでカチューシャが言うには、実のところ統和機構で「何か」異常なことが起きており、彼女の上司がいなくなってしまって、それは彼女には非常にまずい状態であるという。彼女は統和機構にとどまることに危険を感じているので、彼女たちに協力する側になって身の安全を図りたい。それは彼女と出会ったことと同じくらい急な話なので、彼は「でも」とか「いや」とか、そんなしょうもない言葉しかさっきから出てこないでいる。カチューシャはじつにペラペラと、どこか呑気なかんじで言い立てる。でも…。
「も、もしも」
意を決して韮沢が尋ねたのは、そんなことが他の統和機構のものに知られたらどうなるのか、という、実に分かり切ったことだった。戦闘になるだろう、勝てるのか、そんなことをいちいち人に尋ねなければならない、韮沢はつまりそういう男だった。彼は結局、統和機構の恐ろしさも、戦うと言うことの容赦のなさもなにも知らないのである。
だから、カチューシャの言う「恐ろしい合成人間」の話について、彼はまったくピンときていない。ユージンこそもし戦うことになれば、なにも容赦なく、ためらわず、徹底的に相手を排除できるという、一番恐ろしいやつだという話をしているのに、それがどうしたとかそういう感想しかない。カチューシャだって結局、見かけの通りの女の子じゃないの、とかそういう態度なのである。

ここでカチューシャは肝心の「彼女」のことを韮沢にあれこれ尋ねてくる。合コンで知り合って、彼女は一目見たときから他の子とは違っていて。彼女は特別な力を持った人間だけれども自分が惹かれているのはそこじゃない、みたいなことを真剣に言ったりしている。カチューシャはといえば、会った日のスプーキーEのことなどを重ねている。どいつもこいつも世界のことも知らないで、真実を告げられるということの怖さを知らずに、この世界にそれがあるだけでいいような特別なものを見つけたつもりになっているのだ。
カチューシャにせっつかれ、愛しの彼女のことをあれこれと話しながら、その彼女からの連絡を待つ。彼女に嘘をついたことはあるのか、じゃあ彼女が嘘をついていたとしても許せるのか、嘘って流れでどうしようもなくてついちゃうことあるけどそれって誰かが悪い訳じゃないと思うのよ──。
カチューシャの上司リセットが今日になって連絡をしてきたこと、命令があったこと。韮沢が紹介するはずだった彼女のいる場所が一瞬のうちにカチューシャの攻撃でめちゃくちゃに破壊されて、それで韮沢はどうするのだろうか。まっさらにされた世界の中心からなにを選ぶのか。そこで韮沢は命乞いをして、彼女が死んで良かったのかという問いに「そうだ」と答える。質問をしたのはカチューシャだが返答したのは韮沢だ。
しかし実のところ美空は生きており、統和機構はMPLSらと共存の道を探す流れに変化しており、韮沢だけは美空に、カチューシャに、それぞれに対して裏切っただけという結末になった。カチューシャはもちろん韮沢のことを利用していたし、もともとは美空だって韮沢のことを利用していたのだ。でもそこにはなにか割り切れないものがあったのだ。でも、だってと言う度に天秤はぐらぐらと揺れる。その向こう側に乗っている「こうなってほしい」という世界への期待は、天秤がぐらぐらするたびにその存在を意識してしまう。ちょうどバランスがとれているのであれば、美しい世界も残酷な世界も同様になかったことになる、そういう世界を見ることができるのかもしれない。

そして飛鳥井仁とは?
この作品を読んでいるといつもここで全てぼんやりしてしまうのだ。