未完のみかんば・１

猫寵に出るやむなし（9月・25/2月） @mkz0412

みかんば（一振目ｯﾌﾟﾙ）に憧れて横恋慕する二近目と二んば目がどうしてあんたはおぬしはそうなんだそうなのだ少しは一振目を見習え！！それはこっちの台詞だそっちこそ見習え！！なんだと！？ってケンカしながら結局お酒入ったら二人で泣きながら飲んで辛いな……って慰め合うみかんばその二の話。

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もうあの子らくっついちゃえば良いのにねー、って周りは行く末を見守ってる。

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二近は初期刀まんばが好きで、二んばは一近が好きで、二近と二んばはお互いに代わりでいいやなんて思わないからそれぞれ叶わない横恋慕をしている。。。

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や……山姥切！！おぬし今一体何をした！？ ……唐揚げにレモンを搾っただけだが。 あああ……なんと言う惨いことを……。 小さい男だな……あんた『三日月宗近』だろ。いいぞいいぞかけてよし、ぐらい言えないのか。 俺は唐揚げにレモンは好かぬ！ だったら向こうの卓の唐揚げを貰って来い。

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向こうの卓の唐揚げは配置が端な上に肉食の激戦区ではないか。第一、何故自分の席で目前に唐揚げ山盛りの皿があるのに、俺が立ち歩かねばならぬのだ。 そう言いながら箸を伸ばすな！文句があるならこの皿は全部俺が食べる。 食い意地の張った捻くれ刀め。山の内側にまではかかっていないだろう！

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食い意地が貼ってるのはどっちだ。この天下五剣モドキ。 天下五剣随一と讃えられるこの俺を捕まえてもどきとはなんだ、もどきとは。国広の傑作もどきこそ礼儀も知らぬと見える。 あんたなんてモドキで充分じゃないか。見てみろ本物の天下五剣の余裕を。 （のんびりと食事している一近を指す）

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おぬしこそ本物の国広の傑作の甲斐甲斐しさをみよ。皿を独り占めしようとするどこかのもどきとは大違いではないか。 （率先して各テーブルに足りない物を配膳する初期刀まんばを指す） （カチンと来る二んば）あんなの二振目の俺の仕事じゃない。大体なんであんた隣の席なんだ、黙って食べてろ！！

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（カチンと来る二近）元はと言えば俺に何の断りもないままおぬしが唐揚げにレモンを搾った所為ではないか。俺とて好き好んでおぬしの隣を選んだ訳ではないわ、俺の席はここだと案内されただけだ。不満ならおぬしが誰ぞと席を替わればよかろう！

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なんで自分が食べる唐揚げにレモンを搾るだけで一々あんたに許可を取る必要がある……だから嫌なら食うなって言ってるだろ！なんで箸を伸ばすんだ！！俺だって好きでここに座ってる訳じゃないが、先に座っていたのは俺の方だ。不満があるならあんたがどこかに行ってくれ！

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（もぐもぐしながら）……ほらみろ……（もぐもぐ）おぬしがレモンなど搾るからこんなに酸っぱくなって…… （唐揚げの皿を保護しながら）あんたが上の方から取るから酸っぱいんだろう！ 厨のヌシみっただ「唐揚げ追加揚がったよ！おかわり早い者勝ち！！」 二近と二んば「「おかわり!!!!」」

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みたいな唐揚げ戦争する。

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二人とも横恋慕してるけど、結局本丸公認の一振目ｯﾌﾟﾙは憧れで、お似合いの二人だ（自分が取って代わる事なんて出来ない）って心の中で納得してるし、潔く諦め心もあるんだけど、好きなだけならいいだろうって思ってるし、お互いにそう思ってるのも判ってるから、何だかんだ良き失恋仲間ではある。

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一振目ｯﾌﾟﾙが本丸公認でデキてるのは知ってたけど、人前では楚々としているので、決定的な場面は見た事が無かった二んばと、人目を忍んで居る時は一振目ｯﾌﾟﾙがベタ甘にいちゃついてるのを知っている（偶然見掛けた事がある）二近。 そう云う意味では二近の方がもう腹を括って失恋している。

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一振目ｯﾌﾟﾙはお互い二振目に好意を寄せられているのは薄々勘付いているけど、揺れたりはしないから、どうしたものか……とちょっと悩ましい。 ある日、二んばが通りすがりにいちゃついてる一振目ｯﾌﾟﾙを見掛け、ああ、やっぱりそうなんだよな……判ってたけど……ってなってる時に、

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密かに気付いた一近は態と見せ付ける様に過激な方向にスキンシップを進ませる。 どうしたんだいきなり、そう言いながらベタ甘モードな初期刀まんばは一近を拒む事は無いし、素直に身を任せるものだから、空気はどんどん濃密な物になって行く。 それに釣られる様に二んばは心臓がバクバクして来て、

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いやだ、いやだいやだ、こんなの、見ていたくない──！！ ガタンと物音を残して二んばがその場を去った事を一近が悟るのと、初期刀まんばが状況を察するのは同時で、二んばは精神年齢幼めだから、少し可哀想なことをしたか……なんて思わず呟いてしまう一近をよしよししてあげる初期刀まんばなのだ…

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走って逃げ出した前後不覚な二んばが、廊下で二近に衝突する。 体当たりする様に突っ込んで来た二んばを辛うじて転ばず受け止めて、廊下を走るな落ち着きがない奴だな。大体おぬしは……などと小言の一つでもと思った二近は二んばがくしゃくしゃな顔で泣いているから絶句してしまう。

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お互いに酒の席ではホロホロ泣きながら、つらいな、わかるぞ、みたいに肩を叩き合う仲だけど（どっちも泣き上戸的な気質）こんなにくしゃくしゃな顔で泣く二んばは見た事がない。 ぶつかったのがそんなに痛かったか、いやそんな事ぐらいでこやつは泣かんだろう、そんな混乱状態になりながらも、

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辛うじて、何があった？どうかしたのか？と心配の声をかける事は出来た。 『なんでもない、あんたには関係ない』そんな憎まれ口が返って来るのがいつもの調子なのに、今日に限って二んばは何も言わない。 何も言わないどころか唇を噛み締めて更にボロボロボロボロ勢い付いて泣き出すものだから。

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黙っていてはわからんだろう！これでは俺が泣かせているようではないか！！ むんずと二んばの腕を掴んで取り合えず自分の部屋に連れて行く。 誰かに見られて自分が二んばを泣かせたと思われるのは心外だし、二んばだってこんなところを見られたくはないだろう。何だかんだとプライドは高いのだから。

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二近は自室に放り込むように二んばを入れて、取り合えずまあ座れ、落ち着け、そう言って自分用に部屋に置いてあるお茶淹れてくれる。 二んばがぐずぐず泣き続けてるとモヤモヤソワソワした二近に、早く飲め茶が冷める！とか言われて漸くお茶を飲む。 良い茶葉だし、淹れ方も慣れてるから上手い。

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……うまい。ぼそりと二んばが呟くと二近はふんと鼻を鳴らして当然だ、俺が淹れてやった茶が不味い訳ないだろう、なんて言いながらやっと会話が出来るようになった二んばに少し安堵する。 二んばがぼそぼそと話す断片で、一振目達の逢瀬を垣間見た事は判った。 それが二んばには刺激が強過ぎた事も。

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馬鹿者、あれらが恋仲であることは周知の事実だろう。今更驚くようなことか。 態と軽口の様な口調で言ってみるけれど、頭と心の整理がつかない二んばは表情に陰を落としたままで、二近も確かに初めて見た時は衝撃を受けた覚えはあるから、少し胸が苦しい。

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あの二人は、人目がない時はああなのだ。普段と違い過ぎて、俺も初めて見た時には驚いたが。 二近がそう言うと、二んばはああ二近はもっと早い内に知ってたのか……ってなって、そうか……ってなる。 何を言おうか、何を言えば良いのか、判らないまま、ぐすっと二んばが鼻を啜る音だけがして、

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それでも泣き止んで頭と心を整理しているらしい二んばを見ながら、二近は改めて初期刀まんばと二んばの違いに思いを巡らせたり、一近と自分の違いに思いを巡らせたりする。 みたいなところから改めて二振目同士で見つめ合って行くみかんばその二。。。 一振目ｯﾌﾟﾙよりちょっと精神年齢幼い。

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ちなみに夕食とか宴会の席で二近と二んばがよく隣同士になって唐揚げ戦争とかやってるのは、もうあの二人くっついちゃえば良いのに……と思って行く末を見守ってる一部の子達の仕込みの所為だったりする。 本人達はどっちも二振目同士だから並べられる事が多いんだろう、くらいで深く意識してない。

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これ、二近と二んば揃ってお互いを意識し始めたらすごく可愛いと思う。 あれだよな、憧れの先輩に（恋と憧れ半々くらいで）失恋して、意識してなかった幼馴染み同士でラブコメになるみたいなパターン。。。

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二んばに見せつけｯｸｽの前哨戦を致していた一近と初期刀まんばは、二んばが覗き見から居なくなってちょっと可哀想だったかなとは思いながらその後、普通にいちゃいちゃの延長でしっかりおｾｯ致してる。 荒療治の為だけだったなら止めるか、それとも続けるか、と誘いをかけるのは初期刀まんばの方。

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一近は二んばが途中で逃げ出す事を判った上で初期刀まんばに手を出し始めているから、二んばが居なくなった以上スッと止める事も出来るけど、最初気付いて居なかった初期刀まんばはすっかりその気にさせられてるから、一近がその気なら続きがしたい。（その気がないなら理由は判ったから別にいいけど）

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初期刀まんばがその気になっているのに放り出す様な真似をしない一近はおや？ってなりながら、では据え膳はありがたくいただこうとばかりに美味しく頂いてる。 一振目ｯﾌﾟﾙはデキてから結構長いから、一近はかなり初期に来たみかちか。 カンストが増えて来て、二振目育成を始めたばかりの本丸。

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雨でずぶ濡れの死にかけ仔猫を拾った大学生まんばちゃんが、獣医鶴丸さんと助手一期さんがいる知り合いの動物病院とか連れて行ったりして助けるんだ。 ちっちゃい身体には不似合いな『宗近』なんてお堅い名前を付けて飼い始めた仔猫は実は早くに亡くなった彼氏三日月さんの生まれ変わりだったりする。

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まんばちゃんは判ってて付けた訳じゃなくて、ただ何となくその仔猫を拾って助けて、保健所に連絡するかつるいちのとこに預けて貰い手探して貰うか、って悩んだ時にふと手放したくなくて飼おうかな……って引き取って、名前悩んでた時に何となくむねちか、なんちゃって…くらいの気持ちで呼んだら、

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仔猫がみゃうって鳴いたから、なんだ気に入ったのか？ってその青みがかった綺麗な黒猫を宗近って名前にして飼い始める。 つるいちは元々彼氏三日月さんの知り合いだった繋がりで、三日月さんは動物好きだけど、軽いけどアレルギーがあって自分では飼えないからつるいちのとこ（病院兼自宅）に

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居るわんにゃんに癒されに遊びに行ってたみたいな気心知れた関係。 まんばちゃんも三日月さんとくっ付いてからは一緒に覗きに行くようになってたからつるいちと知り合い。 まんばちゃんが飼う、って引き取った仔猫の病み上がり健康診断に連れて行くとカルテを書く為に仔猫の名前が必要なのもあって、

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「ちび助（仮）の名前はもう決めたのか？」って何の気なしに鶴ちゃんが訊くと、まんばちゃんが一瞬戸惑ってから「……宗近」って答えるから、鶴ちゃんは神妙な顔付きになる。 「その名前で良いのか？」って念を押すように鶴ちゃんが訊くのは動物の寿命は人間よりずっと短いのを心底知っているからで、

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つまりまんばちゃんはその名前と、そう遠くない内にまた死別を経験する事になるのが判り切っているからで。 でもまんばちゃんは「こいつが気に入ったみたいだから、いいんだ」って三日月さんが亡くなってから鬱々としていたのがどこか吹っ切れた様にも見えて、それはそれで良いのかも知れないと思う。

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わかった。君がそれで良いなら俺は何も言わない。名前は飼い主が決めてやるものだからな。 そう言ってサッパリと気分を切り替えた鶴ちゃんが「俺は鶴丸先生だ、改めてよろしくな『宗近』」っておどけて仔猫に挨拶すると仔猫が返事をする様に鳴くから「おっ、こいつは賢いな！」ってなる。

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仔猫の三日月さんは最初は良く判らなかったけど、育ち始めて自意識がしっかりして来ると、段々自分が人間の様な気がして来るけど、記憶がある訳では無い。 でも、ふとした瞬間に猫の身体は不便だなぁ、人間だったらもっと、って思って……人間だったら、もっと、なんだ？？？って自分で首傾げてる。

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まあ、仔猫から成猫くらいに育って来るとある日人間になったりするんですけどね宗近にゃん。 でも見た目大人三日月さんだけど記憶は無いし、そもそも普段は猫だから、人間になってもトンチンカン。 まんばちゃんは最初めちゃくちゃ吃驚するし自分の頭を疑うんだけど、何だかんだで認めざるを得ない。

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でも宗近にゃんの記憶は無いし、見た目大人三日月さんでもまんばちゃんはいきなり生まれ変わりだとは思わない。 部屋に三日月さんと一緒に写った写真があったりするから、宗近にゃんが化ける（？）時にそれを参考にしたんだろう、くらいで自分を納得させてる。 最初はつるいちにも化ける事は秘密。

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猫のまま（喋れない。鳴く。にゃーん）だったり人間（喋れる。けどトンチンカン）だったりするのは不定期で、最初は宗近にゃんにも仕組みがよく判らないんだけど、段々と「自分が人間だったら良いのに」って物凄い強く想った時に姿が変わっている様だ、って気が付いて来る。

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宗近にゃんは仔猫の時から人の言葉が何故か理解出来て、聞き分け良くて悪戯もしないからまんばちゃんが家に居る時は室内放し飼い（まんばちゃんが出掛ける時は念の為ケージの中）で寝る時はまんばちゃんのベッドで一緒にお布団入って寝てるんだけど、よくよく思い返してみれば初めて人になれた時は、

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悲しい夢でも見てるのか、まんばちゃんが眠ったまま泣いていた。 宗近にゃんはすぐ側に居てそれに気が付いても、猫だから涙の伝う頬をぺろっと舐める事くらいしか出来なくて、指で涙を拭ってあげる事も出来なければ頭を撫でてあげる事も出来なくて、ああ自分が人間だったら良いのに、って思う。

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人の身体だったら、国広を抱き締めてやれるのに。 物凄く強くそう想った記憶があって、次に気が付いた時には人の姿になっていて、ベッドの中でまんばちゃんをむぎゅっと抱き締めた状態で目が覚めた。 あれ？なんだこれは、そう思う猫の思考と、何だかその体勢が物凄く馴染む記憶の欠片みたいなのが

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混ざり合って、寝起きの頭がとても混乱したのはよく覚えている。 もっとも、混乱具合で行けば程なくして人になった宗近にゃんの腕の中で目を覚ましたまんばちゃんの方が酷いものだった。 混乱したまんばちゃんの第一声が「誰だあんた！？」だったのは少しばかり傷付いた。本人には云わないけども。

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まんばちゃんにしてみれば三日月さんはもう居ない、って心の整理は付いてるし、目を開けた瞬間まだ夢を見てるのかと思ったけど感覚はハッキリしてる。 何より宗近にゃんの体温も感触もあるのだからこれは間違いなく人間だ、でも自分はこんな距離で触れ合う相手を三日月さん以外に作った覚えもない。

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幾ら顔が三日月さんでも三日月さんな訳が無い。 だってもう宗近は居ないんだ。だから、そんな筈は無い。そんな筈は無い。じゃあこれは一体誰なんだ。 そんなパニックで誰だあんた！？なんて声を上げてしまったまんばちゃんはそう言った直後に宗近にゃんがめちゃくちゃ傷付いた顔するから焦る。

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季節の変わり目にはつるいちのトコに定期健診と称して軽い健康診断をしに連れて行かれる宗近にゃん（猫）なんだけど、鶴丸先生が往診とかで居ないと一期助手もとい一期先生が面倒を見てくれる。 一期先生の方が扱いが丁寧（鶴丸先生は異常無いのが判ったら遊び出す気がある）だから好きな宗近にゃん。