上遠野浩平
0

1.introduction

<登場人物>
末真和子
水乃星透子
と、臼杵未央(うすき・みお)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・末真が自分以外に霧間誠一読者がいないことを「不思議がる」ことになる
 そこの部分で掘り下げられる何かがあるのか?
・臼杵に完成した「呪い」について
 世界に対して臼杵の指向性がすでに確定している的な指摘とも

<雑感>
水乃星透子にとっての「なんとなくうまくいかない呪い的存在」は世界の突破者にとって今の世界そのもののこと? 末真も今のままの世界であることから突破する潜在性はあるような会話。
みなぽん、退場してから時々顔を出すけど特に最近は世界観の引き出しとかテーマとかの親切ガイドみたいなことをしている。

2-1、2.死神は機嫌が悪い

<登場人物>
南野梨杏(みなみの・りあん)
生成亮(きなり・りょう)
新刻敬
宮下藤花
河上、木下
ブギーポップ

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・学園内暴力事件の増加傾向
・生成、〝お祓いさん〟、呪いの解消
 生成っていうと生きたまま妖怪になっちゃった呼称だった気が
・新刻と南野の会話
 後のブギーさんとの「いい人」の話なるほど…感
・「だからさ、ブギーポップなんじゃないの?」
・上下コンビ
・いつも一緒に帰っている友達が早退してしまっていた
 これ臼杵のことかな?上下コンビが探してることも気になるしこの日何かあるのかも
・赤い線/攻撃に指向性がない
 指向性がないとしても使用者自身は狙ってる感じがある

〈雑感〉
学園の近況、導入。南野という人物の造形、書かれ方とても好き。
上下コンビなにかしらフォローされると思うし、構造含め「笑わない」を意識させる展開。

2-3、4、5、6.死神は機嫌が悪い

<登場人物>
ブギーポップ
南野梨杏(みなみの・りあん)
臼杵未央(うすき・みお)
鬼乗汰栄二(ギノルタ・エージ)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・(どう訊けばいいんだろう?)
 南野さんブギーポップとの対話がうまい
・深陽学園生徒全員への呪い
・君たちは呪われるために生きているし、その苦痛を他に押しつけることで憂さ晴らしをしている/呪いの循環性
・〝影を喰うもの〟
・君という存在を規定しようとする攻撃・呪い/自分自身への呪い
・他の奴が相手だったら、何を馬鹿な、って笑うところだけど
 「何を馬鹿な」って笑う女子高生のおもしろさと南野のかわいらしさでムズムズする
・一人の男と遭遇した
 私はイナズマかな? と思いながら読んでました
 機構の名前考える係の人めちゃくちゃ投げやりな仕事したな?ギノルタも受け入れるなよ
・「この学校に生成亮って生徒がいるはずだが」「呪いが」「機構」
・(やばい、これってマジだ……)
 南野さん本当に聡い

〈雑感〉
ブギーさんと南野さんの会話の心地よさを読む度に噛み締める。思考の端々に南野さんの聡いところが利いててこの子が生きづらく生活をしてるんだな…と思うと少し寂しい。
製造人間シリーズからギノルタ・エージが登場!あちらではみなぽんのフォロワーとして登場していたが果たして。

2-6、7.死神は機嫌が悪い

※場面転換後
<登場人物>
南野梨杏(みなみの・りあん)
臼杵未央(うすき・みお)
竹田啓司
霧間凪

・竹田くん→凪
 ここテンポ良くてコントみたい
 捨て台詞も全然注意喚起になってないの草
・臼杵/呪いについて/シャドウプレイ
 〝影を喰うもの〟ではない名前なので生成おほうがそれだったり?

〈雑感〉
臼杵=シャドウプレイが悪意のある存在として書かれてエピソード幕。南野さん~~!誰かを救うために動かずにいられない、そんな人をターゲットにしているとしたら本当に悪質。竹田くんはちょっと、しっかりしような。

3-1、2、3 魔女の炎を消せ

<登場人物>
向居準一
生成亮
霧間凪
佐藤
山田

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・(ああ……わかるよ、おまえの気持ちが)
 向居の凪への鬱屈がすごい。
・赤いキャップのボールペンを持っていて、無意識に振り回していたらしい。
 〝シャドウプレイ〟の影響だとすれば指向性のない能力なのかも
・凪の顔を見ながら普通に訊いた。
 山田君は健太郎にはならなかったタイプ
・山田の顔を、がしっ、といきなり鷲づかみにした。
・〝ツボ押し〟で緩めてくれたんじゃねーのかな
 凪のアイアンクローもめちゃくちゃ面白いのに向居のフォローが妙に上手いから余計に面白いんだけど
・「君は霧間凪という呪縛から解放されなくっちゃいけない」

<雑感>
南野さんのラストシーンから一週間前の時系列。
生成にコントロールされている向居が凪に接触して、深陽学園できた奇妙な暴力事件と「呪い」についての調査を始める。
向居の凪に対する鬱屈でどろどろしたテキストわりと不快感なく読める。アイアンクローでそんなことどうでもよくなるし。
生成が何者で何をしているのか?

3-4、5、6 魔女の炎を消せ

<登場人物>
向居準一
生成亮
霧間凪
鬼乗汰栄二(ギノルタ・エージ)
釘人博士

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・あの霧間凪が俺達の計画通りに
・まったく最高だぜ……!
・この深陽学園ではあまりにも暴力事件が多すぎる
・このおれ、向居準一になってしまうのではないだろうか?
 向居くんわりとなかなか読んでて面白いんだよねこういうところ
・なんだか困ったような顔をしている髭面の男
 これは南野さんがギノルタと接触するより前だよね?
・誰かに責任転嫁したいという強い気持ち──それが呪いの本質
・臼杵の早退
・オレは二度目なんだよ

<雑感>
シャドウ・プレイの発動でそれぞれの立ち位置の確認ができる。生成は統和機構の構成員としてMPLSに対処中、「呪い」の調査をする凪に対して臼杵は向居を利用して準備を済ませていた。
前章でギノルタが南野に聞き込みをしていたのは凪と協力態勢を取っている可能性も。
向居くんは早乙女くんオマージュ的存在と見かけて確かに

3-7 魔女の炎を消せ

<登場人物>
向居準一
霧間凪

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・全部

<雑感>
向居の独白、ほんとうにただ彼が生きていていくなかで自分であるというささやかさそのものを蹂躙されながら、それでも彼をつなぎとめているものが彼の奥底にささった小さな疑問で……。
向居~~~~~~~~!!!
……えっここで釘人博士に一縷の望みを託さなきゃいけないの???

4-1、2 おまえは何者でもない

<登場人物>
生成亮(きなり・りょう)
鬼乗汰栄二(ギノルタ・エージ)
カチューシャ

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・<クロース・トゥ・エッジ>
・あれか。
 ギノルタさん「あれか」なんてめちゃ俗な言葉を挟むのか
・彼本来の困り顔と相まって、それはひどく突き放した態度に見えた。
・機構に目を付けられるってのは、いつでも犠牲になることを覚悟しろ、って話だからね
・例の〝霧間凪〟ですか。
・彼は人が〝開き直る〟瞬間を見抜ける。

<雑感>
生成メインエピソード、開幕ギノルタ&カチューシャ査察組ごちそうさまです。この公開エピソードで書かれている生成は年相応の精神性のように思うし、査察組にあそこまで辛辣に言いたい放題+顔芸までされるのはさすがに気の毒……。
ギノルタの水乃星透子、霧間凪との関係性が今のシリーズの世界観の中でどこまで明かされるのかとても気になる導入。
MPLS能力者の「世界って結局○○で決まってるわけよ」という感覚、大なり小なりは実は自分の中にもあるのかも……と今回はそんなことを考えてしまった。

4-3 おまえは何者でもない

<登場人物>
生成亮(きなり・りょう)
ブギーポップ

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・〝ただぼんやりとした不安〟を、根拠がなくても〝呪い〟として定義すると、人は不安に打ち勝ったような気分になる
・県立深陽学園は呪われている、というのは、生徒達だけではなく、周囲の街でも囁かれている。
 そりゃそうだよ!!!!!
・(ストレス溜まってんだろうな──問題のある彼氏との軋轢が耐えないんだろうよ)
・コスプレ遊びがとうとう見つかったか。
・「まあ、君がその名前を知らなかったというのは、君の立ち位置を明確に表しているね」
・「君は噂をばらまく方で、掘り下げる立場じゃないってことさ」
 自分の能力の使い勝手のことしか考えてないとこ短絡的すぎてやばい
・「おまえは──おまえも〝構成員〟なのか?」
 ここで切ったのは「おまえは何者でもない」ってことよ

<雑感>
生成を掘り下げつつ進行、「死神は機嫌が悪い」内エピソードに接続。「学園の呪いの噂話」を広めたのは生成かもしらんが学園でこれまで何が起こっているのか知ってたら(化け物に麻薬合成人間に改造された女生徒が夜な夜な目から口から麻薬ダラダラ流して集めたのを配ったり宇宙人は自身の肉体を情報に変えて身元に報告したりしている)こんなに???気に「よしよし……今日もみんな呪いの噂話してるよ」とか言ってられないのよ!!!!!ある意味おもしれーやつだな……。
しかし今回ついにブギーさんに遭遇していよいよ「呪い」について他人事でいられなくなる流れなんじゃないかな。
一方で藤花への妙に同情めいた感想を持ちつつもう一方で竹田君に対しては辛辣(なんで?)。

いま生成くんに同情してほしい人:カレイドスコープ

4-4 おまえは何者でもない

<登場人物>
ブギーポップ
生成亮(きなり・りょう)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・君の小賢しさは君を救わないし、自体を整理もしない/呪われているのと同じだ
・「専門家である僕より詳しいと?」
・「もしかして、末真も〝構成員〟だったりするのか?」
・「こらっ、もう授業は始まっているんだぞ!」
 かわいい怒り方の教師

<雑感>
何者でもない③に続きブギーポップと生成の会話。
「何者でもない」更新の度にTLが「これどうしようかな……」という奥歯に物の挟まった空気感になることが続いた。あまりにも、世界に対して生成君は「ふつう」なのではないだろうか。生成君の世界で身の回りで起きていること、起きようとしていること、危機に対して彼の「常識」はピントが全くあっておらず、それをどうしても彼は認識できないゆえに相手に攻撃的になったり拒否感をいだいたりしてしまう。
「ふつう」なんだよ……!!!!
自身を「特別だ」と思い込めるくらい彼が「ふつう」であることに、彼だけが致命的に気がついていない……。

4-4、5 おまえは何者でもない

※場面転換から

<登場人物>
生成亮(きなり・りょう)
末真和子
新刻敬
臼杵未央(うすき・みお)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・平凡で意外性の何もないヤツ
・「なーんか頑なに決めてくんないときあるよね」
 この感じ方鋭いな
・「〝きっと家のローンが大変なんだな〟って思うことにしてるよ」
・「そんな馬鹿なって思いながらも多少は怖がることを前提にしてその言葉を使ってる」「あなた、そんなに強くないよ」
・見た目がちっちゃくて可愛らしすぎることを除けば
・それを明確には言語化しない
・学校の方を見て、しげしげと観察している

<雑感>
ああもう!!
別に読者側が「末真が……」という情報を持っているからという理由ではなく、単純に会話の中で、生成が会話も自身もコントロールできていないというだけの部分で勝手に末真に攻撃的になってしまっているととてもよく理解できてしまうので、こちらもフォローできる部分がなく……。
しかも「あいつ嫌いだから利用してやろ」を「世界を守る組織の〝構成員〟」様が堂々とやろうとするわ、したら逆に向こうに探されていると知ってびびって逃げるし。新刻がちっちゃくて可愛らしすぎるし。
末真とギノルタのあたりのやつは、ギノルタが生徒の誰かに「機嫌が悪い」南野さんにしたのと同様の質問かなんかをしたのを、生徒が末真に相談して、それで末真が生成を探したりギノルタに説教したりの流れになったりしたとかじゃないかなあ? と推測したりしている。

そしてついに生成くんに臼杵の方から接触してくる──。

4-6、7 おまえは何者でもない

<登場人物>
生成亮(きなり・りょう)
臼杵未央(うすき・みお)
鬼乗汰栄二(ギノルタ・エージ)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・喫茶<トリスタン>の内装は派手でも地味でも泣く、凡庸で誰でも受け入れます、という風情だ。
・やたらと甘いクリームブリュレ・ラテ
・店内BGM<アイランズ>→<フォーメンテラ・レディ>
 BGM担当の人、夜明け並に良い仕事してる
・「私たちって、いつから呪われてるんだろうね?」
・「ところで──水乃星透子について、あなたはどう感じているのかな」
 introductionの水乃星透子の言葉を臼杵は引きずってたりするのか?
・「う、うううう……」
・それは妙に不安定で、端がギザギザとささくれだっていて、へらへらと笑っているようなおぞましさがあって
・僕などは何者でもありませんから

<雑感>
「君は、君自身が期待しているような〝何者か〟というわけではないよ」と「おまえは何者でもない」の差~~~~!
生成くんの意識の最後にひっかかっていたのはまたもや霧間凪……。彼が自分の能力で殺人者から人を守ったこと、彼なりに人を守ろうとしているという気持ちは彼自身のものではあったのに……う、ううう……! 最近イマジネーターに登場した安能くんについての最高なコメントを見かけたから生成くんの胸にぽっかり空いた穴……彼がまだ誰かを助けようとする「何者か」であったはずのそこが失われてしまったことについてもう気付くことなく失われてしまい何者でもなくなっているという虚無に震えてしまう……。
でも、そもそも水乃星透子生前時の生成くんはどうだったんだ?
生成がみなぽんフォロワーであったことはちょっと意外で、今作は〝ストレインジ〟(著者が以前「最終回の構想」として挙げていたタイトル、水乃星透子関連エピソード)に近しい位置づけの作品だよという宣言なのかもしれない。

まあギノルタもさすがに別人生成のことは気付いてると思うけど。「何者でもない」冒頭でのギノルタとカチューシャの宣言通りにあおられて囮として消費されたとまたしんどいが……この後の展開はどうなっていくのか……。

今回トリスタンに追加された情報がなんかとっちらかってて面白いなw

🍨☕️ @cie_l7

「クリームブリュレラテ」が味わえるカフェ6選 ☕️ fashionsnap.com/article/2021-0…

2023-08-15 18:31:47
こちらマキノン @achira_cochira

スタバでクリームブリュレラテ提供してたのか その味を読者のみんなに伝えたかったのかな

2023-08-17 12:29:26
achira_dochira @achira_dochira

これはストレス溜まってるww この展開に「対自壊」のタイトルは面白すぎるでしょ

2023-08-18 21:46:58
achira_dochira @achira_dochira

そのころフォルテッシモさんは約束をすっぽかされていた…(かもしれない)

2023-08-18 21:47:32

5-1 対自壊

<登場人物>
鬼乗汰栄二(ギノルタ・エージ)
生成亮(きなり・りょう)
臼杵未央(うすき・みお)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・ついさっきまで話をしていたひとりの女子高生のことで大いに困惑していた。
・「……えと、君は?」
 これは困惑してますわ
・風紀委員長にも確認したんですけど
・意地悪な様子で
・彼がまだ監査部門の、その他大勢の一人だったときに〝あのお方〟と初めて出会った時に感じた、あの寒気
・「もしかして、水乃星さんのことも影響してるんですか?」
・「──ぷはっ……!」
・「いや、末真みたいにはできないって──」
・「生成くんはいないかな?」

<雑感>
(前回雑感)まあギノルタもさすがに別人生成のことは気付いてると思うけど。
……ああ~~~~~~結構鈍かったな??? いや、それは末真のこととか他の要因もあるのか?

場面が転換したらギノルタ・エージが女子高生にこてんぱんにやりこめられてるシーンから始まるというクセの強い掴みで次のエピソードが始まっていた。
とにかく冷静でずばずば見抜いて指摘してくる末真と世界の敵としてやっぱり外側の視点で物事を捉える水乃星を比較しているギノルタ、生成とは違ってみなぽんのことは覚えている様子。
末真はどうしてとどめにみなぽんのこと訊いたんだ? そういうところがめちゃくちゃ怖いって。

5-2 対自壊

<登場人物>
鬼乗汰栄二(ギノルタ・エージ)
カチューシャ
生成亮(きなり・りょう)
臼杵未央(うすき・みお)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・(待てよ──これは利用できるな)
・不機嫌そうな顔のままだ。(中略)彼は思い知っていた。
・(おいおい、マジかよぉ──)
 (さすがに大大大問題になるだろーがよぉーっ……)

<雑感>
めちゃ苦手な女子高生と不審(=面倒なことになりそう)な部下。おっこれ対自壊させちゃお……タイトル〝対自壊〟。面白いこと始まっちゃったよ。
それを100%押しつけられたカチューシャさん、今回もとても苦労している。あと今回セリフのクセが強すぎてかどちんまだジョジョの小説書いているのでは?
さすがに上司の様子がおかしいことに気付いているカチューシャさん、このあとギリギリのところで上司を見捨ててみてほしいなと思ってます。

5-2~5 対自壊

※場面切り替え後から

<登場人物>
鬼乗汰栄二(ギノルタ・エージ)
生成亮(きなり・りょう)
臼杵未央(うすき・みお)
ウェイトレス

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・〝どうにかなると思ったか〟って聞こえて
 このあたり妙にディテール細かいのは意味があるのか?→落語のオチみたいなやつだった
・「佐々木政則だと?」
・人間は何で世界を把握しているのかと言えば、それは……〝つじつま〟だ。/連鎖している記憶の流れを断ち切る
・直接のライバルであるカレイドスコープ
・なんだ? 何がまずかったんだ? どこに問題が?
・どうにかなる──と思ったか?
・だってこれ、おまえの能力そのまんまだからね/おまえの能力は、他の誰とも共有できない
・末真さんみたいに裏表がなくて馬鹿正直な小娘
 これはめずらしいタイプの末真評
・生まれた時からこの赤い線は、私を縛ってきたのか──?
・〝あのお方〟
 みなぽんではなく酸素にもその言葉を使うのね
・さらに操ることができるというのか……?
 上位互換というわけではないと思うけど
・口元は上げずに、目元だけでにっこりと微笑む
 ちょっと怖いかも? 笑い方気になるな…

<雑感>
ああ~っ鬼乗汰刑事……すでに「呪い」に捕らわれていた!!
この章冒頭から振り返ってみて、製造人間シリーズに登場していた時のギノルタの性質と比較して、妙に焦った立ち回りをしている(させられている)。「呪い」の効果もあるけれど、末真がなんの脈絡もなく水乃星透子の名前なんて出すのも相当攻撃力が高かったから可哀想…。
あちらのシリーズでは不気味な謎に包まれていた<ノー・ブルース>について、能力の秘密がわりとあっさりと解き明かされたのは意外な展開。臼杵に対して発動したはずの<ノー・ブルース>がギノルタに返されたように見えるのは、生成くんが感じたように〝鏡〟のような効果を利用した能力なんだろうか。それと〝糸〟。「呪い」に捕らわれた状態になると跳ね返された自分の運命が見えるようになるというようなことなんだろうか?
〝影を喰うもの〟という言葉についてはまだちょっとピンときていない。

6-1、2 ぼくらは二人で

<登場人物>
河上睦朗(かわかみ・むつろう)
木下哲也
生成亮(きなり・りょう)
臼杵未央(うすき・みお)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・「おれ、百合原美奈子が好きなんだよ」
 せつねぇ~…木下君……
・「まるで哲也が原因みたいじゃねえか!」
 旧アニメで早乙女君失踪を自分のせいだと思ってるガールいたね
・「臼杵さんって、あんなに綺麗だったんだなあ……」
 今度は河上君……。両者の恋愛対象がやばやばなんだが
・臼杵未央はむしいろ暗い表情で話し出した。
・それこそ宮下藤花と竹田啓司みたいに
・その日から河上睦朗には奇妙な習慣ができてしまった

<雑感>
ついに上下コンビとモブ扱いされていた木下、河上が登場。冒頭とてもかわいい…とてもかわいいのにめちゃくちゃ不穏。かどちんどんな顔してこれ書いてんだよ、と思ってしまった。もっとやって欲しい。
もちろん中学生の百合原美奈子はただの中学生で、ただ彼女の未来に人喰いが待っていることは彼女のせいじゃない。
でも臼杵未央は彼女自身がやべーので、上下コンビにはやはりなにかそういう資質があるのかもしれない。

つまり学園の中に河上が臼杵のペンで書いた「ぐるぐる」が呪い、呪いによって自己のなかの「自分は悪くない」が目の前の相手に向かっての暴力として発動して……。河上、木下、どうなってしまうんだよ~~!

6-3、4 ぼくらは二人で

<登場人物>
河上睦朗(かわかみ・むつろう)
木下哲也
霧間凪
臼杵未央(うすき・みお)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・(妙に、すらすらと書けるな──)
 ん? あれ?
・(オレには見えない、ということか?)
 凪するどいんよ
・臼杵未央はどこか突き放したように言った。そこには奇妙なまでに屈託がなかった。
・ほら、みんなが、って言ってる
・なんか気軽に話せるのよね、あんただと
 このあたりの臼杵が普通に会話を楽しんでいるんだよな~
・その善良さはきっと、あんたの人生を狭いものにしてしまう
・呪いの本質はあくまで、いつのまにか、誰にやられたのかもわからない──そういうものでなければならない
・この前も宮下藤花と竹田啓司が学校でどう噂されてるか、みたいに言ってただろ
 あ~~~!ファンネルを飛ばそうとしている(そして飛んでいった)

<雑感>
この辺りまで読んで、深陽学園の「呪い」がどう仕組まれていったのかが見えてくる。ちょっとお前もやってみ? と言われた木下くんのところ、そして木下くんの前では「呪い」を意識せずに気楽に会話ができてしまうと言う臼杵、考えすぎてやばいような気がしてしまう。でも木下くんが「善良」ではあると臼杵も言ってるわけだし……。
一方ファンネルと化した河上は竹田くんのところに飛んでいくのである。

呪いの話をしている臼杵と木下、「そういう」会話をしてる凪と末真みたいだもんな~そういう穏やかな彼らだってあっていいんだ……否定するな可能性の全てを…………。

ところで竹田くんパートやばない?

こちらマキノン @achira_cochira

竹田くんとこはあとでゆっくり楽しみたい

2023-08-26 17:02:07

6-5 ぼくらは二人で

※竹田くんシーン後から

<登場人物>
河上睦朗(かわかみ・むつろう)
木下哲也
霧間凪
臼杵未央(うすき・みお)
竹田啓司
生成亮(きなり・りょう)
鬼乗汰栄二(ギノルタ・エージ)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・彼はいつものように、他人のことにクチバシを突っ込んでくるモノの言い方をしてきた
 かどちんの言い方も大概だが
・なんとも不機嫌そうな顔をして
・自分の気持ちをどうやって守ってるか、周囲のヤツらからあれこれ言われても、気にしないでいられるためには何をすればいいのか
・他人の目を気にして、それが断る一番の理由って悲しくないか?
・霧間凪って人が、行方不明の宮下藤花さんと言い争っているところを確かに見ました

<雑感>
臼杵と南野のトラブルの元になっていると聞かされた相手が妙な仮装をしていたときの河上くんの気持ちよ……。
臼杵の工作はここまでのところ十全に機能したけれどもまあ、これでブギーさんがどうにかなるとも思えないのでここからどうなっていくのか。カチューシャは上司を見限るのか、そのまえにギノルタさんが元に戻るのか。
ブギーポップと世界の敵ではない、普通の人が一生懸命に鬱屈を告白するシーンというのはどれもが私たちの中にある呪いを指差していて、胸に迫るのだ。

6-4、5 ぼくらは二人で

7-1 影の行くさき

※竹田くんシーン

<登場人物>
河上睦朗(かわかみ・むつろう)
竹田啓司
南野梨杏(みなみの・りあん)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・(……たしかにいい男だな。周りから妬まれるのもわかるぜ……)
・「宮下さんの不満をどう処理してんですか?」
 なんで? 言い方???
・「おい──俺のことはいいが、藤花のことをあれこれ言うんじゃない……!」と、つるし上げた。
・彼女に連絡を取ろうかどうしようか、くよくよと悩み始めた。
・竹田啓司は昨日からずっと焦っていた。
 同日のつもりだったけど、ひょっとしてくよくよ悩んで一日経ちました? いやSNS未読か(新アニメ1話)
・啓司の脳裏に、あの黒帽子の黒マントが校舎の壁を蜘蛛のようによじ登って、鍵を内側から開けてしまう、という光景が浮かんだ。
・それはお互いに異なり、食い違い、ときには矛盾し合うような雑多な思念の融合であり、一度それが形成されてしまったら、解きほぐすのは至難の業なのだった。
 「呪い」と「運命」の表裏の表現という感じなるほど……
・どさっ、という鈍い衝突音が校庭に響いた。
 ~「機嫌が悪い」ラストの補完ここまで~ だ!
・「た、竹田先輩……よかった……」
 南野さんもね!!!!
・(なんか、学校全体が妙に静かじゃないか?)
・ただし──血まみれで。
・「な、ななな……なんで?」
 「あー……まー、なんつーか……」
 急に可愛いやりとり

<雑感>
竹田くんと河上くんの殺伐すれ違いコント。河上は頭に血が上って(誘導されて)いるにしても、選べよ、言葉をさ。でも新鮮な竹田くんの反応を見られたから結果オーライです。
「機嫌が悪い」ラストからずっと心配だった南野さんは竹田くんがちゃんと救出。そこから保健室でのやりとりまで、この二人の善性だとか初対面相手同士での距離感の遠さ、ちょっと似てるな…とも思ってしまった。

今回特に、河上くんから見て竹田啓司が「確かに」「いい男」であるという記述についてはアンダーラインだけでは足りないので花丸を付けたい。(竹田くんのルックスの話といういより河上くんの感覚に対しての評価)

最後また凪がコントのオチみたいに登場してくる。事態はいよいよ進行している。

7−2〜6 影の行くさき

<登場人物>
霧間凪
指導教諭
生成亮(きなり・りょう)

河上睦朗(かわかみ・むつろう)
木下哲也
臼杵未央(うすき・みお)
竹田啓司
鬼乗汰栄二(ギノルタ・エージ)

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・こんなことで怒りだしたら、それこそ直子に顔向けができないだろうが……
・正義の味方ってのはしょせん、現状維持以上のことはできないからね
・僕は、ずっと自分は呪われてるんじゃないか、って怖かったものだ。/普通の人間ではないことが、おぞましい恐怖でもあった。
・その表情と一致しない、ちぐはぐな涙だった。
 生成ィ……! 伝わったぞ〜!
・「おまえは──そこまで呪われていないな」
 どういうことなんだろ?
・「ほう──勘づくか。気配を消したつもりだったが──」
 今エピソードいちかっこいいギノルタ
・必殺の、相手からあらゆる判断能力を剥奪する<過剰情報>の打ち込みである。
 四字熟語にしてしまうとちょっと……
・「なんのことだ? どうして私が?」
・鉄板と同じだ
・気絶したギノルタをさらに縛り上げようと
 とにかく手際良く縛り上げていく凪、好き
・未央の言葉には淡々とした落ち着きがあって、隠されていた正体をついに明かした、みたいな高揚はない
 デューポイントくんさあ……
・でもそれは、野外でアイスキャンディーを食べてるときにたかってくる蟻にイラつくってのと同じ/いつだって踏み潰せるんだから
・逃げた──凪を見捨てて、自分だけ
 これはもう「笑わない」のあれの再現でしょ完全に
・まず足が動いていた。ほとんど自動的で、彼の意思すらもそこには介在していなかった。
・なんだ、と哲也が思うよりも先に、それは始まっていた。
・木下哲也の心に落ちている影、彼の人生で決定的な挫折として深く突き刺さっている大きな棘、それじゃ──

<雑感>
生成、ギノルタとの対決を経て、凪とシャドウプレイ/臼杵が直接対峙する。生成〜〜〜〜〜! この展開、読んでいて全身に力が入ってしまった。
自身の能力のこと、これは本当に彼にとって呪いだったのだろうし、だからシャドウプレイの能力に抗えなかった、だけど彼自身の意思はまだ微かに残っていた、それ〜〜〜〜〜〜〜そういうものが!! ほんとうに力を持って世界を作っている作品!!!!!
頼む……頼む………頼む………………………来た!!!!!!!!!!
どうしようこの先販売前なのに読んでしまうのか? どうする????

某機構幹部のことだと思うんですけど、TLに「チョロ…」というぽそっとしたコメントが流れていたのを見逃さなかったぜ。 すっかり尊厳破壊されててかわいそう……(親近感はアップしてます)。

こちらマキノン @achira_cochira

わ~! 朝起きたらKindleが〝呪われ〟ている!

2023-09-08 08:44:21
こちらマキノン @achira_cochira

「呪われる」完走しました!🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊

2023-09-08 12:10:26

7 影の行くさき

<なんとなくライン挽きたくなるところ>
・それは彼女の意思とは少しズレた行動のはずだったが、それに気づくことさえなかった。
・あいつはもう、死んじゃったからね。何も文句言えないのよね。残念でしたあ!
 臼杵さん人生でいちばんイキイキしてるね?
・もういいから。あなたはあなたで、勝手に生きていけばいい
・宮下さんは来てますかね? 変な格好してるかも、ですが
・そういう心の隙間にこそ、呪いは染み込んでくるものだ
・今回の学校の怪談はこれでおしまい
・あなたって、ずいぶんと可愛らしい姿だけど、なんでそんなに偉そうなの?
・真実に辿り着かせない能力
・あのいけ好かない陰険で陰湿なねじくれ野郎に、おまえも辿り着けないんだぞっ、て

<雑観〜感想>
百合原美奈子の登場、まさしく呪いに直接触れるような体験だった。彼女はただ茶室にいただけなのに殺されたという悲惨な体験をした少女で、彼女にこっそり好意を持っていた人間がいて、彼女に失恋を体験した人間がいることを、自分から考えたこともなかった。彼女からうらみつらみを聞かされ、放置されたのは木下くんだけではなくほとんどの読者も同様なのではないか。
真剣に百合原の死を悼み怒っていた木下くんのことを、配信で読みながら長いことずっと疑っていた……本当に申しわけない……。河上くんも木下くんも、南野さんも……みんな呪いだらけの世界で一生懸命戦う、そういうエピソードでしたね……。いつも以上に時間をかけて読んだので、一緒にそこにいて体験したような感覚がいつもより強くて不思議な読後感がある。

相殺人間くんは頑張れよ。

追記

直子のことも誠一のことも、呪いではなくなりますように

achira_dochira @achira_dochira

「ブギーポップの〝boogie〟は「不気味な」という意味ではないよね」というツィートを見かけてboogieで辞書引くと確かに直接の約としてはあってない ただ個人的には「ブギーマン」からの発想のネーミングかなと

2023-09-08 16:59:44
achira_dochira @achira_dochira

Wikipediaのぞいてみたら、綴りかたにバリエーションが割とあって、そういう「遊び」みたいの好きそうだな…と思ったりしました

2023-09-08 16:59:45