「ナイブズ・アウト」
「ナイブズ・アウト」を観た。思ったよりもミステリーしていた(もっとコメディかと)。最初は「嘘をついたら吐く」なんて設定どんなご都合主義(苦笑)とも思ったけども、それを活かして物語をまとめていたのでまぁ。この設定すらもひとつのネタなんだろうけど。
2020-02-07 22:10:16謎解きミステリーってもうコメディものしか流行らないのですかね。私は2017年の「オリエント急行殺人事件」好きだったよ。🍅の評価はあまりよくないけど。まぁあれは何度も映画化されている作品なのでまた評価のポイントが違うのだろうね。
2020-02-07 22:10:172017年版「オリエント急行殺人事件」の続編としての「ナイルに死す」映画化の計画、最近聞かないので頓挫したのかと思ったら今年の10月に公開予定なのね。当初の計画では2019年末公開予定だったので1年くらい延びたね。でも良かった、ハリウッドってすぐ頓挫するから心配になってしまった。 twitter.com/meme_chan000/s…
2020-02-07 22:22:21@boukunharinero ですよね!豪華キャスト陣と美術センスの高い画作りがアガサ・クリスティ代表作の格式高い雰囲気に合っていて良かったなぁと思うのです。 確かに展開は早かったですよね(笑)それに台詞量も多く置いていかれる感じはありました。ハリネロさんの言う通りその前提で作ったのだと思います(笑)
2020-02-08 00:21:55「アンカット・ダイヤモンド」
「アンカット・ダイヤモンド」2回目を観た。スコセッシでいう「カジノ」「グッドフェローズ」。うまくいくはずだった()狂ったニューヨーカーがなぜかどんどん悪い方向に進んでいく感じがね。あと終始誰かが怒鳴っている、でもそれすら心地良い。「しでかした、しでかし過ぎた」、最高。
2020-02-05 19:05:40「アンカット・ダイヤモンド」、オパールが手に入った時の“Holy shit. I'm gonna cum…”のアダム・サンドラーの演技(顔)で一気に持っていかれる。心の底から「狂ってる」と感じられるこのシーンが好き。
2020-02-05 23:15:49あと「悲しすぎる、しでかしすぎた」とメソメソ泣くハワードに、浮気相手のジュリアが「これを見たら気分上がる」と新しくお尻に彫った“Howie”のタトゥーを見せるシーンも好き。ハワードはそこでは泣き止まないのに「オパールを買う」という電話一本で泣き止むの。そこに彼の全てが現れている。
2020-02-05 23:29:54ハワードは家族も浮気相手も、極端な話、金すらもどうでもいいのだ。金はギャンブルに必要な道具でしかない。彼にとって最も重要なのは“勝つ”こと。
2020-02-05 23:43:50何もかもダメになった後、ハワードがオフィスで開いたオパールの輝きが消えていたのはわざと?KGの手に渡ってまた輝きはじめた。石に取り憑かれている人間には輝いて見えるのか?
2020-02-05 23:49:03アダム・サンドラーが演じる理屈や常識の通じなさ具合が絶妙なんだな。同じ狂った人物でも同情を買ったり思いっきり人道から外れる人物を描くことは簡単だけど、個人的には人間らしいクズさを持っていることがリアリティとして大事。 twitter.com/meme_chan000/s…
2020-02-07 00:30:23@kanatoto33 義兄のアルノに「これお前に返す金だよ」って写真を送った直後にその金で賭けるの頭おかしすぎて笑いました。道端で立ち止まり現金の写真を撮って送るのも行き当たりばったりって感じで良いです(笑)
2020-02-07 02:12:15ハワード自体がアンカットなんですよね。広い宇宙の中の自分が成功すると信じている、価値があると思い込んでいるただのクソ人間(映画のオパールも実際は大した価値が無かった)。監督のサフディ兄弟って人間の愚かさみたいなものを描くの上手なんですよ。 twitter.com/kanatoto33/sta…
2020-02-11 00:21:52これは「アンカット・ダイヤモンド」に関するサフディ兄弟の興味深いインタビュー記事。とてもおもしろい。スレッドにサフディ兄弟の言葉を引用しながら少し呟いていきます。 indietokyo.com/?p=13078
2020-02-28 05:36:07“僕にとってハワードは「アンカット・ダイアモンド」そのもので、「過激なヒューマニズム映画」の申し子なんだ” I feel you completely. ハワードはあのオパール。私は以前、彼を“クソ”だと表現したが、その“クソ”の中に人間の魅力も愚かさも全てが詰まっている。綺麗な他の宝石より魅力的なんだ。 twitter.com/meme_chan000/s…
2020-02-28 05:36:13“僕たちの全作品はそういうラディカルなヒューマニズムを備えてる。僕らはいわゆる「陰のある/傷をもった」人たちに囲まれて育ったんだ” 「ラディカルなヒューマニズム(人道主義の意ではない)」という表現が完璧。まさにアメリカン・ニューシネマの世界。サフディ兄弟はそれを現代に蘇らせる。
2020-02-28 05:36:15“アンカットのダイアを熱烈に愛するジョシュアだが、彼はカットされた「普通」のダイアを好まない。「僕はダイアが嫌いなんだ。ダイアは液体が結晶したみたいで綺麗だけど、それは宝飾業界のPRみたいな「綺麗さ」さ。ダイアなんて珍しいものじゃない、結局は退屈な存在なんだ。」”
2020-02-28 05:54:27かなりおもしろい。サフディ兄弟のインタビュー記事、今まで読んだことなかったな。これで彼らの映画から伝わる雰囲気が明確に言語化された感じ、とても良い。彼らに言わせてみれば、ハートフルな映画で描かれるような小綺麗な人間性は人間業界のPRのよう、とでも言えるのだろうか(笑)
2020-02-28 05:54:32「アンカット・ダイヤモンド」の終盤、KGを煽って最大の賭けに出る場面で流れる曲が「AKIRA」のあのチャカチャカ音にそっくりなんですね。 open.spotify.com/track/4N3h7Nml…
2020-05-26 11:27:05「アンカット・ダイヤモンド」また観てしまった。狂ってる映画なんだけどサフディ兄弟特有のシンセサイザーの音楽に心底惚れるし、ザ・ウィークエンドの歌の中、ブラックライトの中で光るオレンジパーカーとかのセンスも好き。
2020-05-30 00:55:40母の感想を含めよく見るネットの感想は「終始誰かが怒鳴っていて疲れる」だが、私は初見の時から全くそう感じないのよね。いつものスコセッシ映画のおかげかもしれない。スコセッシのマフィア映画は終始誰かが怒っているのに加えて、いつ殺されてもおかしくない世界という緊張感もあるからかな。
2020-05-30 01:03:38「時計じかけのオレンジ」
「時計じかけのオレンジ」を観た。ナッドサット言葉の表を見ながら鑑賞(楽しかった)。人間の本質は暴力であると同時に、その人間によって構成されている社会を皮肉交じりに描いている。最後まで更生しないキューブリックver.も良いけど、全て若気の至りで片付ける小説版もなかなかに狂っていて良いな。 pic.twitter.com/fsjp8gN5ir
2020-02-01 22:38:34「時計じかけのオレンジ」に影響を受けた人物が州知事暗殺を図り逮捕→獄中で書いた日記が後に出版→脚本家がその日記を基に「タクシードライバー」の脚本を書く→映画化→「タクシードライバー」に影響を受けた人物が大統領暗殺未遂事件を起こす 暴力の連鎖が映画を体現していておもしろい。
2020-02-02 00:14:38刑法における古典学派の道義的責任論と近代学派の社会的責任論の対立おもしろい。自由意思(理性)における心理強制が期待できないとなると、責任を「社会の防衛処分を受ける法的地位」と考える立場が出てくるのは必然。倫理に頼らない責任論。そしてこの対立は「時計じかけのオレンジ」そのものだよね。 pic.twitter.com/V9ww9uAWiK
2020-03-16 22:57:44社会的責任論や性格責任論も行き過ぎると危険。行為責任論は「行為の非難」で済むのだけど、性格責任論は人格形成の部分まで及ぶからね。「時計じかけのオレンジ」でもルドヴィコ療法が批判されて、療法を見直しアレックスを元の人格に戻したラストで終わる。個々の人格と社会、犠牲は何か。
2020-03-16 22:57:44「刑法は何のために存在するべきか」その刑法学で長きに渡る対立を風刺的に映画化したのが「時計じかけのオレンジ」。暴力的と批判されたがキューブリックが描くのはその先。法学部刑法専攻の私がクライム映画を好む理由でもあるかも。 Wikipedia分かりやすいので参考に。 ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%88%91…
2020-03-16 22:57:45「時計じかけのオレンジ」はクライム映画の最高傑作かもしれない(急に)。現在の責任論は古典学派と近代学派の枠を超えて規範的責任論に落ち着いてるけど、行為者に規範が全く存在しなかったらどうなの。やはり刑法の存在意義という意味で社会的責任論と道義的責任論について考えるべきなのでは。
2020-05-12 22:54:04自由意志の存在自体も論点だが、それが存在するとしても、問題はその自由意志による心理強制(すなわち理性による抑止)が全くなされない人格の場合だよ。その場合に行為批判しても何にもならない。まんま「時計じかけのオレンジ」なんだよなぁ。
2020-05-12 22:54:05まぁこんなこと言っても負うのは法的責任のみなのだ。法律には憲法も含めて「人を殺してはいけない」なんて一言も書いてないのだから。刑法199条に「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と明記してあるだけ、禁止なんてしてない、禁止なんてできない。
2020-05-12 22:54:05これを内容にしたのが相棒13の「鮎川教授最後の授業」。「なぜ人を殺してはいけないのか、その問いに明快に答えることは不可能。しかし人を殺せば罰を受ける、それは明快なルール。人が人として生きる為に定めた、万人が等しく従うべきルール。」という倫理観や感情論に訴えかけない法的な結論が良い。 twitter.com/meme_chan000/s…
2020-05-12 23:34:09「象は静かに座っている」
「象は静かに座っている」感想。「お前なんかクズだ」の叫びは自分自身に対してか。人に暴言を吐いて吐いて吐いて。自分の中に渦巻いている鬱憤や苦しみ憎しみを暴力や暴言として吐き出して、地獄のような日々を誰かのせいにして、それで辛うじて生きていくことができる世界。youtu.be/HAwPu7iln_4
2020-01-30 23:13:37“向こう側”の話を聞いて「死」も“向こう側”になり得るのだと理解。そしてフー・ボー監督はその選択肢を選んだ、映画に一筋の希望を遺して。最後の羽根蹴りは他者との繋がりの回復として象徴的。劇中に出てくる人々は皆同じようにこの地獄に生きていて、誰も責められないことがこの映画のポイントよ。
2020-01-30 23:13:39観客に空間を認識させる力が凄い。リンが自室の窓から外へ降りてぐるっと回って玄関へ、そこに置いてある(映画冒頭でも出して観客に意識させた)金属バットで殴る。そこで自室の前にいた母親と対峙。ビリヤード場での視点がブーからチェンに変わるシーンも空間を十分に使った技法でおもしろかった。
2020-01-30 23:13:39「象は静かに座っている」は、ふとした瞬間に「彼らは今何をして”生きているんだろう”」と考えてしまうくらい、リアリティに溢れていて私の心に根を張る映画。窮屈な世界の全て。 pic.twitter.com/QAEFNl9gjE
2020-03-08 15:38:28「パラサイト 半地下の家族」
「パラサイト 半地下の家族」を観てきた。 メタファー的な視覚効果が満載。彼らは下に下に階段を降りて行く。水は下に下に流れてゆく。雨水は下水と混ざり合いやがて家もあの山水景石をも飲み込んでゆく。次からこの“石”について少し考えてみる。
2020-01-27 15:26:47「石がどこにでもついてくる=自分の社会階級」という意見が多いけど、それは“臭い”によって十分に表されているので“石”はまた別のものを表していると思う。
2020-01-27 15:30:52「パラサイト」考察。石はギウの友人が持ってきた。彼は大学生。ギウは受験に何度も落ちた現フリーター。酔っ払いを追い払う友人に対してのギウ母の「やっぱり大学生は違うね」の言葉がギウの中に渦巻いていたのだろう。だからその後、彼は外の酔っ払いを“石で”追い払おうとした(父に止められたが)。
2020-01-27 15:34:32自分だって酔っ払いを追い払える、と。ここで石とギウの希望や欲望が結び付けられる。金持ちの観賞用の山水景石。ギウにとってみればあの石は上流階級との繋がり、希望や欲望の象徴、そんなところか。そして後半、その石が雨水によって汚れてしまう(冒頭に母が石を綺麗に磨いていたこととの対比)。
2020-01-27 15:34:32雨水は下水と混ざり、下へ下へと流れてこの石をも呑み込んだ。石にもあの“臭い”が付く。現実を突きつけられたギウ。「石が離れない」の台詞はそれでも上流階級との繋がり、希望欲望を捨てられない、ということか。そして彼はパク家地下の男を殺害しにゆく。またあの生活に戻るために。しかし……。
2020-01-27 15:34:32