?「さて、ついに来たぞ、渋谷。」 ある暑い夏の日、一人の少年が渋谷駅に降り立ち、そう呟いた。 彼は神村流夜。 今日はあるイベントで、渋谷に来ている。
2020-05-30 23:04:26流夜「しかし、大変だったな。乙女神楽のイベント。リアルイベントだって言うから確定枠取るの大変だったわ。」 そう、流夜は乙女神楽というアプリゲーム内でのイベントで入賞し、渋谷で行われるリアルイベントに参加する為に、渋谷を訪れていたのだ。
2020-05-30 23:08:50乙女神楽とは、乃木坂46というアイドルグループの一大プロジェクト、ザンビプロジェクトの第三弾の企画である。 乙女神楽はドラマ『ザンビ』の続編のストーリーを描いたスマホアプリゲームである。 その乙女神楽のゲーム内イベントで、見事入選し、流夜はリアルイベントに招待されたのだ。
2020-05-30 23:09:22リアルイベントに入選し、招待されたのは、流夜を含めて20人。 つまり、ゲーム内イベントの20位から1位までの入賞者が招待されている。 ちなみに流夜は3位に入賞している。 流夜「さて、行くか。」 流夜はそう言って、リアルイベント会場に向かった。
2020-05-30 23:09:44今回、行われるリアルイベントの内容だが、乙女神楽に登場するキャラクターを演じているキャストと、一緒にホラーアトラクションに挑むというものだ。 そのホラーアトラクションというのが、乃木坂46のザンビプロジェクト第5弾、『ザンビ THE ROOM 最後の選択』である。
2020-05-30 23:11:09ザンビ THE ROOMはお化け屋敷的恐怖をくぐり抜け、自分の選択によって、異なるエンディング迎える。 いわゆる、マルチエンディング型のホラーアトラクションである。 また、ザンビ THE ROOM自体は前売り券と当日券も販売もしており、期間中は、その券さえ買えれば、何度でも挑戦できる。
2020-05-30 23:12:20それからしばらくして、流夜はイベント会場である渋谷ヒカリエに到着した。 リアルイベントは渋谷ヒカリエ九階で行われる為、まず九階を目指し、エレベーターに乗り込んだ。 流夜「確か、ゲーム内イベントのトップ3はキャストを二人選べるんだったっけかな?」
2020-05-30 23:12:55このリアルイベント、実はゲーム内イベントのトップ5にはある特典がある。 それは、アトラクションに同行するキャストを選べる権利だ。 4位〜5位は一人選べ、1位〜3位は二人まで選べる。 6〜20位は選ばれなかったキャストの中からランダムで一人の同行キャストが決まる。
2020-05-30 23:13:58そして九階に上がった流夜は指定された集合場所の部屋の前まで行き、そこに立っていたスタッフに手続きをしてもらい、その部屋に入った。 部屋に入ると、既に何人かの人が席に座っていた。 そして流夜は、手続きの際に指定された席に座った。
2020-05-30 20:18:41流夜「ふぅ、とりあえず乙女神楽でもやるか。」 流夜はそう言って、スマホを取り出し、軽くゲームをやり始めた。 それから数分後、イベントの司会者らしきスタッフが登場し、イベントが開始された。
2020-05-30 20:21:35司会者「皆さん、この度は乙女神楽のリアルイベントにご参加いただきありがとうこざいます。」 司会者「そして同時にゲーム内イベントの入選、誠におめでとうございます。」 司会者「さっそくイベントを開始したいのですが、その前に5位〜1位までの方は、こちらの用紙に記入をお願いします。」
2020-05-30 20:24:11司会者のその声で、流夜は含めた5人にある用紙が配られた。 司会者「今の5人の方には、一緒に同行したいキャストの乃木坂46のメンバーを記入してもらいます。。」 用紙を渡された5人はすぐさま、それに記入をした。 ちなみに流夜が記入したのは、与田祐希と久保史緒里だった。
2020-05-30 20:29:44司会者「言い忘れましたが、1位〜3位の方は二人選べるので、二人記入してくださいね。」 そしてその5人は、それぞれ同行して欲しいメンバーを記入し終えた。 司会者「はい、お疲れ様です。スタッフさん回収お願いします。」
2020-05-30 20:31:41司会者がそう言うと、一人のスタッフが用紙を回収し、司会者に手渡した。 司会者「はい、ありがとうございます。今、確認しますね。」 司会者はそう言って、記入された用紙に目を通す。
2020-05-30 20:32:55司会者「あ、皆さんそれぞれ違うメンバーを書いてますね。では、これでこの5人の方はこれで決定です。」 司会者「では、残りはくじ引きで決めますので、まずは6位の方から、前に出てくじを引いてください。」 その後は、ランダムで同行メンバーを決める為、くじ引きとなった。
2020-05-30 20:35:57そのくじ引きは滞りなく進んでいき、無事に終わった。 司会者「はい、ありがとうございます。では、この後はアトラクションの方の入り口に行きますので、皆さんついて来てください。」 そして司会者の先導の元、参加者達は、アトラクションの入り口に向かった。
2020-05-30 20:38:18流夜「おお、ついに来た!」 流夜と参加者達は、少し興奮しながら、司会者の後について行った。 そしていよいよアトラクションの入り口に到着した。
2020-05-30 20:41:45司会者「それではこれからプレショーが始まりますので、少しお待ちください。」 司会者「では、私はこれで失礼いたしますので、皆さん頑張ってくださいね!!」 参加者「はーい!!!」
2020-05-30 20:43:43司会者が退室すると、同時に乃木坂46メンバーが姿を現した。 今回ここに来た乃木坂メンバーは、齋藤飛鳥以外のドラマ『ザンビ』の出演メンバーだ。 乃木坂メンバーの登場に参加者達は大いに盛り上がった。
2020-05-30 20:46:27メンバー達はそれぞれ自分を選んでくれた参加者の所へ向かった。 流夜の所にも、メンバーの与田祐希と久保史緒里が歩いて来た。 祐希「今日はよろしくお願いしますね。」 史緒里「が、頑張りましょう!」
2020-05-30 20:48:19流夜「よ、よろしくね。(か、可愛すぎる!!)」 流夜達はそれぞれ挨拶を交わした。 それから少しの間、流夜は二人と談笑を楽しんだ。
2020-05-30 20:50:13そして辺りが暗くなり、BGMが流れ、プレショーが始まり、壇上の上に自衛隊の隊長役の人が走って来た。 隊長「みんな!良く集まってくれた!君たちの勇気に感謝する。」 隊長「フリージア学園でザンビが発生してから、人々が襲われ、今もその数を増やしている。」
2020-05-30 20:53:09隊長「だが、ザンビを倒す方法が見つかった!」 隊長「見つかったのはいいのだが…その方法を知っている山室楓くんが、帝都大学にいたのだが、そこでもザンビが現れ、友人を庇おうとし、楓くんはザンビに追われてしまった。」
2020-05-30 20:56:10隊長「その為、楓くんは今、かなり危機的状況にある!」 隊長「君達には、どうにかして楓くんを救ってもらいたい!!」 そうしてプレショーは次のステップへと進んで行く。
2020-05-30 20:58:03隊長「ここで楓くんの友人から話があるので、聞いてほしい。」 隊長役の人がそう言うと、壇上に一人の友人役の女の子が現れた。 その友人役というのが日向坂46のメンバー、小坂菜緒だった。
2020-05-30 21:15:30祐希「菜緒ちゃん!」 流夜「こさかな!?」 史緒里「え、すごい!!」 そこにいた乃木坂メンバーと参加者達から歓声が上がった。
2020-05-30 21:16:56その歓声の中、菜緒は一礼をし、語り始めた。 菜緒「楓の友達の小坂菜緒です。」 菜緒「楓は私を庇い、ザンビに追われてしまいました。」
2020-05-30 21:18:23菜緒「見つからないように身を隠していると、連絡がありましたが、いつまで持つか分かりません。」 菜緒「皆さん、どうか楓を助けて下さい!!お願いします!!」 菜緒はまたそこで深く頭を下げた。
2020-05-30 21:20:48隊長「小坂くん、ありがとう。」 隊長「さて、君達にはこれから、二つの道どちらかを選択して進んでもらう事になる。」 隊長「君達にその選択する力あるか、確かめたい。では、1回のみ選択の練習をしよう。」
2020-05-30 21:23:37そうして、隊長は菜緒に一つの質問を投げかけた。 隊長「こさかなくん、犬と猫、どっちが好き?」 流夜(ええええ!?ここでその質問!?ってかこさかなくん!?)
2020-05-30 21:25:43隊長のあまりの場違いな質問に、会場は笑いに包まれた。 隊長「さあ、君達にはどちらかを選び、こさかなくんと同じ答えになるようにしてもらう!」 流夜「よし、猫だ!」
2020-05-30 21:27:14隊長「よし、決まったみたいだな。では、こさかなくん答えを頼む。」 流夜(だから、こさかなくんってwww) 菜緒は少し深呼吸をして、答えを発表した。
2020-05-30 21:30:11菜緒「私は犬が好きですね。」 菜緒の答えが出され、ガッツポーズをする人、残念がる人、それぞれいた。 流夜「あ〜外したか。」 祐希「私もだよ…」 史緒里「やった!当たった!!」
2020-05-30 21:33:37選択の練習が終わるとまた隊長が真剣モードで話し始める。 隊長「最後になるが、君達が楓くんを助けられるように、こさかなに喝を入れてもらおう。」 流夜(ついにこさかなって呼び出したよ!!)
2020-05-30 21:49:21菜緒「では、私が『楓を助けましょう!!』と言うので、皆さんそれに続いて『オォーーー!!』と返して下さい。」 菜緒「それでは、行きますよ?」 菜緒「楓を助けましょう!!」 参加者達「オオーー!!!」
2020-05-30 21:52:07菜緒の掛け声に参加者達は精一杯の掛け声を返した。 だが、また隊長が前に出てきた。 隊長「君達の気持ちは十分伝わった。だが、気持ちが十二分でなければ、楓くんは助けられない。もう一度頼む。」
2020-05-30 21:53:37菜緒が再び前に出て、掛け声を放つ。 菜緒「楓を助けましょう!!」 それに参加者達はさらに気持ちを込めて、掛け声を返した。 参加者達「オォーーーーーー!!!!」
2020-05-30 21:55:43隊長「ありがとう!!では、最初の選択だ。」 隊長「君達から見て左手には武器がある倉庫。右手にはモニターなどがある看護室がある。」 隊長「そのどちらかを選んで進んで行ってくれ。では幸運を祈る!!」 隊長のその一言で、プレショーが終わり、いよいよアトラクションへの挑戦の時が来た。
2020-05-30 22:07:47流夜達三人はどう進むか簡単に話し合った。 流夜「さて、ここから本番だね。」 祐希「どっちに進む。」 史緒里「やっぱり武器がある倉庫かな。」 流夜「オレもそう思うな。」 話し合いの結果、第一の選択は、倉庫となった。
2020-05-30 22:10:00そして参加者達はそれぞれ、自分の選んだルートに従って進んで行った。 次の部屋に進むと、二つの扉があり、その扉の前に隊員役の人が一人ずつ立っていた。 隊員「君達、よく来てくれた!」
2020-05-30 22:13:11隊員の内の一人が話し始める。 隊員「さて、この先だが、ザンビが徘徊する危険なエリアとなる。」 隊員「危険は最小限に抑えるため、この先、君達には、三人一組または二人一組で進んで行ったもらう。」
2020-05-30 22:17:22隊員「そしてここには、二つの扉がある。」 隊員「右の扉には武器を備えている武器庫、左の扉にはお札がある祈祷室に続く通路がある。」 隊員「時間を少しやろう。どっちを選ぶか考えてくれ。」
2020-05-30 22:21:52流夜「だんだん雰囲気出てきたな。」 祐希「そうやね。」 史緒里「こ、怖い((((;゜Д゜)))」 流夜「久保ちゃんこういうのダメだもんね。」 史緒里「うん…」 今にも泣き出しそう史緒里を見て、流夜はリードしてあげようと心に決めた。
2020-05-30 22:24:10流夜「それでどっちに行く?」 祐希「うーん、やっぱり武器庫かな。」 史緒里「私もそう思う。ナイフとかあれば、延髄を破壊して倒せるし。」 史緒里と祐希のその案に、流夜は最初は賛成した。 だが、そこである事に気付いた。
2020-05-30 22:26:15流夜(そういや、ザンビって元々呪いから始まったんだよな。) 流夜(そうか、わかったぞ!お札だ!!) 流夜「いや、祈祷室に行こう。」 祐希「え!?なんで!?」
2020-05-30 22:27:38流夜「ザンビって最初何から、始まった?」 史緒里「あ!もしかして、呪いのこと?」 流夜「そういう事、ザンビはあの美しい女の呪いから始まったんだ。だったら、それを鎮めるお札があってもおかしくない。」 祐希「なるほどね!カッコイイ!!」 流夜「え?ありがとう///」
2020-05-30 22:30:05そして話し合いの結果、第二の選択は、祈祷室になった。 そこで隊員から、招集がかかる。 隊員「時間だ。では、自分が選択した扉の前に並んでくれ。」 隊員の指示に従って、参加者達はそれぞれ自分が選んだ扉の前に並ぶ。
2020-05-30 22:33:29隊員「ここから先は一組ずつ進んで行ってもらう。まずその前に人数確認だ。こちらはチーム名、ファルコンにしよう。先頭の者、人数確認を頼む。」 参加者A「わかりました。」 隊員の指示で、先頭の参加者が人数を数える。 参加者A「全員で13人です。」
2020-05-30 22:36:52隊員「13人か。わかった。」 隊員はそう言うと、無線を繋げ、別の隊員に連絡を入れた。 隊員『こちらチーム名ファルコン、13名が今からそちらに向かう。』 隊員『了解した。』 そこで無線での会話は終了した。
2020-05-30 22:39:40