日田市営 桃山団地(大分県日田市)の紹介と、給水塔の最末期の時期について。
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タケ @take_all_a

写真は大分県日田市を流れる大山川だ。盆地を囲む山々、川に入って釣りを楽しむ人や沈み橋など、「水郷日田」らしい景観である。大山川は写真左手で玖珠川と合流し、その先は三隈川、さらに下流で筑後川に名前が変わって有明海へと注いでいる。 pic.twitter.com/vS7gFvfNcH

2023-10-01 22:07:43
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この大山川と玖珠川の合流部のふたつの川に挟まれた丘陵地の頂部に、日田市営 桃山団地の住棟と給水塔が見える。下からの見え方を考慮したデザインだろう、不規則に角度を振った勾配屋根の住棟群が連なっている。 pic.twitter.com/ep7cxZKM7m

2023-10-01 22:10:00
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外観から判断するに、最上階の一部住戸はメゾネットのようだ。公営住宅の中層棟でメゾネットタイプはかなり珍しい。 pic.twitter.com/bqS2rNLdV0

2023-10-01 22:15:41
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桃山団地の廊下・階段側立面。階段の腰壁と(写真では見えにくいが)ドアの色を棟ごとに変えて区別を付けている。 pic.twitter.com/kAFqU7yCdS

2023-10-01 22:17:03
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大分県の公営住宅は住棟の符号に数字ではなくアルファベットを用いる傾向があって、桃山団地もその例に漏れない。さらに数字に付ける場合が一般的な「号」をアルファベットに付けた点がユニークだ。 pic.twitter.com/OvuFTJ3AqR

2023-10-01 22:26:06
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「F」の一文字で意味は通じるはずなのに「市営桃山団地F号」とわざわざ “フルネーム” で記してあるのは、市の担当者に何かこだわりがあったのだろう。団地マニアはこういうところに面白さを感じる。 pic.twitter.com/LFUkiScLqf

2023-10-01 22:27:28
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日田市営 桃山団地の給水塔。形状はボックス型で、頂部と基壇(ポンプ室)は勾配屋根に覆われている。基壇まで勾配屋根とした事例は他に見覚えがない。それはともかく、晴れた日に訪れたかった。 pic.twitter.com/kT1xJtQOHG

2023-10-01 22:30:31
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ここからは給水塔の建設年に関する団地マニア向けの細かい話がダラダラ続きます。興味がない方は読み飛ばしてください。 pic.twitter.com/UhbfA9S0uU

2023-10-01 22:32:14
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日田市営 桃山団地は A ~ I 号の9棟で構成され、敷地はおおむね A~D と E~I の2エリアに分かれる。「日田市公共施設等総合管理計画」によると建設年は A~D が1987~1990(S62~H2)、E~I が1992~1993(H4~5)。 pic.twitter.com/CM9tPw62fX

2023-10-01 22:35:54
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両エリアの住棟はデザインが異なり、今回紹介したのは E~I 号棟の方。設計者は未確認。給水塔は E~I 号のエリアのみカバーしているようで、A~D 号は未見だがストリートビューで確認すると屋上に高架水槽が載っている。 pic.twitter.com/MTiQA55Ukv

2023-10-01 22:39:21
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給水塔の建設年は前述の資料によると1992・H4。一番最後と言い切れないまでも、最末期の給水塔のひとつであることは確かだ。同じ団地で前期が高架水槽なのに後期は給水塔を採用した点がちょっと不思議だが、何らかの理由があるのだろう。 pic.twitter.com/wEpDB7DCYl

2023-10-01 22:42:32
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かつては多くの団地に設置された給水塔だが、受水槽 + 高架水槽給水方式を採用するケースが増え、さらに直結給水方式の普及により、団地に新規で給水塔が建つことはなくなった。では給水塔はいつ頃に途絶えたのだろうか。 pic.twitter.com/wJisC2pvub

2023-10-01 22:45:28
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佐賀県みやき町にある石貝団地の給水塔(写真)が最後の建設例だとこれまで団地マニア界では考えられていた。そこで、今回改めて桃山団地の他に最末期の給水塔を有する2団地(石貝団地、同県吉野ヶ里町の川原団地)の建設時期を調べてみた。 pic.twitter.com/Aq8IJGU6X1

2023-10-01 22:49:32
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「みやき町公共施設等総合管理計画」によると、石貝団地の建設年は1991~1996(H3~8)年度。給水塔については未記載だが、給水できなければ人は住めないので第1棟と同じ1991・H3年度と考えてよい。 pic.twitter.com/P3rAq9rewu

2023-10-01 22:50:55
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注)石貝団地を設計したアルセッド建築研究所のウェブサイトにかつて記載されていた1998・H10と情報が食い違うが、みやき町公式資料が正と判断した。アルセッドはサイトをリニューアルして石貝団地を含む古い実績データを消してしまい、Internet Archive でもサルベージできなかった(大ショック…)。

2023-10-01 22:52:49
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次に「吉野ヶ里町公営住宅等長寿命化計画」によると、川原団地の建設年は1993~2000(H5~H12)年度。給水塔は前述と同じ理由でA-1棟と同じ1993・H5年度と考えられる。 pic.twitter.com/JOr92OYCqF

2023-10-01 22:56:31
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建設年順に並べると次の通り。今のところ平成ヒトケタ年の前半が給水塔の最末期で、川原団地が最後ということになる。 1枚目:町営 石貝団地(佐賀県みやき町)1991・H3年度 2枚目:市営 桃山団地(大分県日田市)1992・H4年(度?) 3枚目:町営 川原団地(佐賀県吉野ヶ里町)1993・H5年度 pic.twitter.com/K6yrbRz0Qy

2023-10-01 22:58:19
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まとめたひと
タケ @take_all_a

福岡県を中心に、建築・団地・土木・産業遺産などについて、ツイッターにつぶやいたことをまとめています。個人サイトの方は放置中。