日本を虐げる人々 渡部昇一、松浦光修、八木秀次

遠田大亮 @DaisukeEnta

司馬さんの『「昭和」という国家』(NHKブックス)にも、「日本という国の森に、大正 末年、昭和元年ぐらいから敗戦まで、魔法使いが杖をポンとたたいたのではないでしょうか。〜 日本を虐げる人々渡部昇一他 pic.twitter.com/hqneu9u7Qx

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遠田大亮 @DaisukeEnta

〜その森全体を魔法の森にしてしまった。発想された政略、戦略、あるいは国内の締め つけ、これらは全部変な、いびつなものでした」という述懐がありますが、〜 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

〜「この国のかたち四」には、「日本史のなかに連続してきた諸政権は、大づかみな印象としては、国民や他国のひとびとに対しておだやかで柔和だった。ただ昭和五、六年ごろか ら敗戦までの十数年間の”日本”は、別国の観があり、自国を亡ぼしたばかりか、他国にも迷惑をかけた。〜 日本を虐げる人々渡部昇一

遠田大亮 @DaisukeEnta

(中略)わたしは、二十二歳のとき、凄惨な戦況のなかで敗戦を迎えた。 おろかな国にうまれたものだ、とおもった。昭和初年から十数年、みずからを虎のように思い、愛国を咆哮し、足もとを掘りくずして亡国の結果をみた」という記述もあります。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

同じような意味合いのことはほかの著作にも少なからず記されていて、これらの記述を 並べるだけでも、半藤、保阪両氏の著作に記された「昭和」観は、司馬さんの影響を強く 受けていると言わざるを得ません。 日本を虐げる人々渡部昇一の

遠田大亮 @DaisukeEnta

問題なのは、「国民や他国のひとびとに対しておだやかで柔和だった」日本が、なぜ自らを虎のように思い、愛国心を鼓舞しなければならなくなったのか、その原因についての 司馬さんの考究と結論があまりにも偏っていることです。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

司馬さんは「『昭和」という国家』の中で、GHQの占領行政について、「占領といっても、この占領は屈辱的ではない。 要するに、その前がいけなかったんだと。何度も同じ言葉を使いますが、『魔法の杖の占 領者』たちがいけなかったんだと」と語っています。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

司馬さんは、昭和の日本が行ったことを、「ほとんど正常な人間が考えることではあり ませんでした。中国を侵略し、 ・・・軍部がやりたいからやったとしかいいようがないのです」とも言う。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

潮氏も、「『戦犯』処刑、憲法改定、言論統制を含む占領統治を『よかった」 などと肯定的に受け入れ、『屈辱的ではない』と評する神経がわからない。同胞の先人を 罵倒しつつ、他国の占領者に阿る感覚が理解できない」と嘆息していますが(前掲論文)、 〜 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

〜戦車兵として個人的にどのような体験をお持ちであれ、昭和前期の日本を、「狂気」だとか「愚か」といった言葉に端的に落とし込んでしまうほどの決めつけのできる司馬さんの感覚が、私にもわかりません。自らが生きた時代は近すぎて見えないということなのかーー。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

昭和よりもずっと遠い、明治や幕末の日本に寄せる眼差しの温かさと比べて、この落差は何なのだろう、と。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

【追い詰められた非アウタルキー国家・日本】 昨年(平成十七年)、石原慎太郎東京都知事が、『産経新聞』のコラム「日本よ」 (九月五日付)で、東條英機たち、いわゆるA級戦犯の靖国神社からの分祀を求めるようにも読める一文を発表したことで、東條さんら戦争指導者の責任という問題が従来の左翼ではない立場からクローズアップされましたが、〜 日本を虐げる人々渡部昇一他

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〜渡部さんが供述書の解説で、「東條の供述や見解に賛成反対にかかわらず(中略)、あの当時の日本の立場について、日本の首相が考察し、それを議会が承認し枢密院も承認し、天皇陛下も承認せざるを得ない事情があったことを理解しなければ、日本が一方的に悪い国だったと見えてきてしまう。それは歴史にたいして公平な態度ではない」と述べられたことに私も同感です。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

司馬遼太郎さんは、「東条英機 (1884~1948)という人は、ふつうのつまらない 人であります。せいぜい町内会長が務まる程度の人でして、いまここにもし東条が生きて いて、『東条さん、あなたはむちゃをやりましたね。どういう了見ですか』と言っても、 何の答えも出てきそうにない人ですね」(『「昭和」という国家』)と突き放していますが、 果たして同胞としてそれだけの受け止め方でいいのか。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

裁判に名を借りた一方的な〝報復劇〟で処刑されたことに対する憐憫の情は、司馬さんにはなかったのかという気がします。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

『紫禁城の黄昏』が東京裁判の証拠として却下されたことはすでに述べましたが、 東條英機の供述書も、GHQによって「発禁第一号」に指定され、長いあいだ一部の人に しか知られていませんでした。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

これは供述書が日本国民の目に触れれば占領政策にマイナスになると彼らが判断したからです。ということは、そこには踏まえるべき日本の立場の主張があったということです。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

東條を個々のエピソードを積み重ねて揶揄したり批判したりすることは容易です。 しかし、それだけでは東條が背負った日本の立場は見えてこない。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

残念なことに、供述書に書かれている証言が引用された文献等をあまり見たことがありません。 東條英機「悪人」説 があまりに蔓延って、参照するに足らずという空気があるとしたら、とんでもない間違いだと私は思います。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

近現代史を論ずる人たちが陥りやすいのは、日本の行動を単に時系列的に並べて済ませてしまうことです。その作業だけでは、"日本は侵略国だった"という単純な構図しか見えてこないのです。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

イギリス外交官のよき伝統の資質をそれは一流の学者にして著述家であることですが―日本人として持っておられる岡崎久彦氏 (元駐タイ大使)は、東條さんの毅然として論理的な姿に対して、戦争の勝ち負けは別として、対外的には日露戦争勝利時の首相だった桂太郎より東條英機のほうが立派だったのではないか、と指摘されています。けだし名言であろうと思います。 日本を虐げる人々渡部昇一他

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日本国民にとっての大東亜戦争の動機は、宣戦の詔勅に、「今ヤ不幸ニシテ米英両国ト爨端ヲ開クニ至ル洵ニ已ムヲ得サルモノアリ豈朕カ志ナラムヤ」とあるとおりで、〜 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

〜これまで論じたように、いわゆるABCD包囲網によって政治的、経済的に追い詰められた結果、「自存自衛」のために戦端を開かざるを得なかったということを、〜 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

戦後にお いても日本国民の共通了解にしていく必要があるだろうと思います。これは言い逃れでも詭弁でもない。当時の紛いもない実感だったでしょう。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

【「日本が悪かったから原爆を落とされた」という刷り込み】 鳥居民氏による「原爆を投下するまで日本を降伏させるな』(草思社)も、そう した意味で大変興味深く読みました。 トルーマン大統領が原爆投下を正当化する理由として挙げた一つに、戦争が長引いて日本本土上陸作戦を行うことになった場合、百万人に及ぶ米兵の生命を守るためという説が ありました。 日本を虐げる人々渡部昇一他

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遠田大亮 @DaisukeEnta

しかし鳥居氏は、「ルソン島と硫黄島と沖縄戦におけるアメリカ軍の戦死者 総計が二万七千人程度であったことから考えて、トルーマンの言う日本本土上陸作戦で 百万人という数字は戦傷者を加えてのことだとしても桁外れに多いと言わざるを得ない」 と指摘しています。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

そもそも原爆を投下する前の四ヶ月間、本土上陸作戦で予想される犠牲者の数に懸念を表明するアメリカ陸軍の首脳はいなかったという。海軍の首脳にもなく、陸軍参謀総長の ジョージ・マーシャルも、九州に強襲上陸を予定していた太平洋方面軍司令官ダグラス・マッカーサーも、そんな数字を挙げたことはない。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

戦死者だけであれば一万人以下という推定であり、アメリカの軍首脳のうち誰一人論じることもなければ、考えもしなかった「百万人の犠牲者」という数字が登場したのは、アメリカの正当性と大統領の名誉を守るため、原爆の開発、製造のすべてに精通していた陸 軍長官ヘンリー・スティムソンが、戦後になってから、かつての部下の協力を得て創作し弁護〟によるものだという結論は、きわめて説得力に富むものだと思います。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

定説としては、鈴木貫太郎首相の「継戦意志」によるポツダム宣言の黙殺 (拒否)と、 それへの応報としての原爆投下という流れになっていますが、なぜアメリカは─トルー マンは当初ポツダム宣言を公表するにあたって、日本がそれを受け入れないように入念な細工をほどこし、陸軍長官スティムソンの原案から天皇の地位保全の条項を削ったのか。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

さらには、なぜ日本側をしてその宣言が正式の外交文書だと思わせないようにつくり、 最後通告だという認識を持たせないように細心の注意を払い、日本側が間違いなく黙殺するように仕組んだのか、そのことに目を向ける必要がある、という鳥居氏の指摘には、そもそも歴史の検証とはこうやって事実を積み上げていくものなのだ、と感嘆させるものが あります。 日本を虐げる人々渡部昇一他

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鳥居氏の結論は、「アメリカ合衆国大統領ハリー・トルーマンと国務長官ジェームズ・ バーンズの二人は、原爆の威力を実証するために手持ちの二発の原爆を日本の二つの都市に投下し終えるまで日本を降伏させなかった」というものです。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

ポツダム宣言までに原爆を完成させていたアメリカが、ソ連の対日参戦(満洲侵攻)がなくとも日本を制圧できる として急ぎ原爆を投下したというのが歴史の真実である、と。 日本を虐げる人々渡部昇一他

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さらに、新兵器の効果を試すとともにソ連に対して牽制すること、トルーマンが執拗にソ連の対日参戦日を気にし、昭和二十年五月下旬にルーズベルトの個人特使だったハリー・ホプキンズをモスクワに派遣して、ポーランドの処遇をソ連に委ねることをモロトフ 外相に約したうえで、正確な対日参戦日を聞き出させようとしたことなどは、それを証する事実の一つだとも言っています。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

鳥居氏が解いたトルーマンの陰謀は、「日本が悪かったから、原爆を落とされて 当然だったのだ」という自虐史観を打ち破るものでもありますね。 日本を虐げる人々渡部昇一他

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真綿で首を絞めてきたのはどちらかということです。もう落ちる寸前だった。大東亜戦争開戦を受けて、たとえば詩人の三好達治はこう詠っています。 ああその恫喝 ああその示威 ああその経済封鎖 ああそのABCD線 笑うべし脂肪過多デモクラシー 大統領が飴よりもなお甘かりけん昨夜の魂胆のことごとくは アメリカ太平洋艦隊は全滅せり! 日本を虐げる人々渡部昇一他

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また、作家の伊藤整はこう記しています。 「私は急激な感激の中で、妙に静かに、ああこれでいい、これで大丈夫だ。もう決まったのだ、と安堵の念の湧くのを覚えた。この開始された米英相手の戦争に、予想のような重つ苦しさはちっとも感じられなかった。方向をはっきりと与えられた喜びと、弾むような身の軽さとがあって、不思議であった」 日本を虐げる人々渡部昇一他

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戦前・戦中の日本の振る舞いを反省するにしても、私は大東亜戦争開戦に当時の日本人の多くが何を苦しんでいたかということを、しっかりと受け止めたうえで、それがなされなければならないと思います。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

そして事実としては、日本は、内からは共産主義という敵にーそれが右翼を名乗ろうと左翼を名乗ろうとー外からはブロック経済による締めつけ、そして、これも忘れてはならない人種差別などの敵に包囲されていたということでは ないでしょうか。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

内外の敵をしっかり見据えなければならない。そしてさらに、自存自衛だけではない、わが国が大東亜宣言に謳った「大東亜を米英の桎梏より解放して其の自存自衛を全う」するとした大東亜戦争の理念、目的について考察することが、あの時代を自らの歴史として背負っていくために不可欠な知的作業だと思います。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

他のアジア諸国が置かれていた当時の状況とわが国との関係の中でそれを考えることは、日本のみならず世界史におけるifを考えることになり、あの戦争の全体像につながってゆくものです。 日本を虐げる人々渡部昇一他

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〈抑(そもそも)世界各国が各其の所を相倚り相抜けて万邦共栄の楽にするは世界平和確立の根本要義なり。 然るに米英は自国の繁栄の為には他国家民族を抑圧し、特に大東亜に対しては飽くなき侵略搾取を行い、大東亜隷属化の野望を逞しうし遂には大東亜の安定を根底から覆さんとせり。大東亜戦争の原因茲に僧存す。 〜 日本を虐げる人々渡部昇一他

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〜 大東亜各国は提携して、大東亜戦争を完遂し大東亜を米英の桎梏より解放して、其の自 存自衛を全うし(中略)以て世界平和の確立に寄与せんことを期す〉 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

というもので、「共存共栄」「相互敦睦」「伝統尊重」「経済発展」「人種差別の撤廃」と いった目的を掲げ、新たな「大東亜を建設」すると宣したのです。 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

大東亜戦争に公明正大な理念を掲げようと努めたのは重光葵で、昭和十七年四月末、駐華大使から外相に就任した彼は、「大戦争を戦う日本には、戦う目的について堂々たる主張がなければならぬ。自存自衛のために戦うというのは、戦う気分の問題で、主張の問題 ではない」 日本を虐げる人々渡部昇一他

遠田大亮 @DaisukeEnta

「日本の戦争目的は、東亜の解放、アジアの復興であって、東亜民族が植民地的地位を脱して、各国平等の地位に立つことが、世界平和の基礎であり、その実現が即ち、 戦争目的であり、この目的を達することをもって日本は完全に満足する」として、それま で「自存自衛」のためとしてきた戦争目的に、「アジア解放」という理念を導入したのです。 日本を虐げる人々渡部昇一他