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Togi / 萠ひとし @Togi_tweet

1624年、フランスの化学者エチエンヌ・ド・クラーヴが異端の罪で逮捕されました。 聖書の解釈でも、政治的見解でもなく、彼は「元素の異端者」でした。万物は水、土の2元素と、水銀、硫黄、塩の3本質からできると言ったのです。 当時、万物は土、水、空気、火の4元素からできると考えられていました。

2023-06-10 16:18:09
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それは、紀元前5世紀のアテネ黄金時代を生きたエンペドクレスが唱え、プラトンを経てアリストテレスが継いだ説です。  西洋の文明は、467年の西ローマ滅亡の余波で混乱した暗黒時代のあと、古代哲学とキリスト教の教義が合体し中世に復活しますが、彼らが自然界のことを自力で考えるようになるには、

2023-06-10 16:24:05
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ガリレオやニュートン、デカルトを経た17世紀後半まで待たなくてはなりません。  始めに、ミレトス学派を開いたタレスが、万物の根源、原質を水とみました。 彼の弟子アナクシマンドロスは、原質をアペイロン(知りようがないもの)としています。 アナクシメネスは空気、ヘラクレイトスは火を原質と

2023-06-10 16:30:16
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みました。 万物はたえず変わります。 水は凍り、沸騰します。 木は燃えると灰になります。 金属は融け、食物は胃の中で消えてしまいます。 しかし姿は変わっても、本質は不変なのでは? 古代の人々は、身近で起こるいろいろなことの根源をつかもうとしました。  自然界の変化は「熱ー冷」「乾ー湿」

2023-06-10 16:37:15
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という対立する性質の働きあいで起こる、とアナクシマンドロスは考えました。 彼と同様アリストテレスも、熱、冷、湿、乾という4つの性質が元素を変える鍵とみました。 元素とは物質のありようです。 川の水も融けた鉛も「水」というように、流れるものの全てが「水という元素」でした。 「土」は

2023-06-10 16:51:48
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土壌だけではなく、肉も木も金属も固体だから「土という元素」だったのです。 私たちは、金や銀、鉄、銅、鉛、スズ、水銀などの金属を、それぞれ別の元素とみます。 金属を手に入れる冶金の技術は、古い元素観と新しい元素観に橋を架けました。  人類の知る最古の金属は天然に単体がでる金と銅です。

2023-06-10 17:12:59
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黒海~カスピ海間のアルメニアや、トルコのアナトリアには、紀元前5000年より古い金の採鉱、利用の跡が残ります。 銅もアジアでは同じほど古い金属です。 孔雀石などの化合物になっており、鉱石は顔料や釉薬に使われました。

2023-06-10 17:21:22