本当の題名を、『キャバレーの女』(縁総受け傾向)キャバレーで働く「とある秘密」を抱えた縁を巡り、高等遊民な無や将校の兄上、商人の炭/吉さんが、それぞれの運命に翻弄される。戦前の退廃的でノスタルジックな俺の強めの幻覚Part.2
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ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

元々🍙はヨリの母親の家を出入りする商人の息子だった。親の仕事を勉強するためにも、よく一緒について行っていて、父親から「体の弱い子どもがいるのだ」と聞かされていた。その子と仲良くなれたらな、と思いながらも母親の家に出入りしていたショタ🍙。

2020-05-05 12:09:50
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

そんなある日、父親についてヨリの母親の家にきていたショタ🍙。好奇心に負けて、家の中を探検するんだな。かわよっ。広い御屋敷を探検していると、少し扉が空いている部屋があって、いけないと思いながら、隙間から中を覗いてしまうショタ🍙。

2020-05-05 12:13:44
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

中をチラリと覗いてみると、そこは子供部屋で、おもちゃや綺麗なものが沢山あるところだった。そのとき、開けた窓から入り込んだ風がカーテンをふわりと持ち上げた。「──っ、」 窓辺に立っていた、黄色いワンピースに赤いストールを羽織る【女の子】の下ろした赫の散る黒檀の髪や、耳飾りが揺れた。

2020-05-05 12:22:12
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

物悲しげな後ろ姿にぽぅっと見惚れてしまう🍙。今思えば、これが彼の初恋だったのかもしれない。キィッと扉が軋んで、【女の子】がこちらを振り返る前に、🍙はその場から慌てて引き返すんですよね。それで、父親に叱られてほしい。かわいい。

2020-05-05 12:27:58
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

それからもヨリの母親の家に行くたび、「(もしかしたら、またあの子に会えるかもしれない)」とドキドキソワソワしてしまう🍙。かわいい。そんなある日、ヨリの母親から「会ってあげてほしい子がいるの」といわれる。「(あの子かな……)」とソワソワしてると、母親に連れられて1人の【男の子】が現れる

2020-05-05 12:31:35
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

赫の散る黒檀の髪に深緋の瞳、耳元で揺れる花札のような耳飾りをみて、🍙は目の前の【男の子】が自分が見た【女の子】だったとことに気づくんですよね。自分の初恋の終わりを悟りながらも、目の前の【男の子】に笑いかける🍙。

2020-05-05 12:35:47
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「初めまして、🍙です」と手を伸ばせば、きょとりと目を瞬かせた後、【男の子】はほわりと目元を綻ばせて、差し出された手を握り返した。「初めまして、ヨリです」と、教えてもらった名前が大切な宝物のように思えて、🍙は口の中で何度か転がして、「よろしくお願いします、ヨリさん」と笑うんですね

2020-05-05 12:38:23
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

それから、🍙は仕事の手伝いだけではなく、【男の子】の家に遊びに行く仲になるんです。学舎に通いながらも、2人は良き友として、彼の隣を共に歩んでいく🍙さん。彼と過ごす中で、彼の持つ"二面性"に気づくんですね。

2020-05-05 12:41:59
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

最初はほんの違和感だった。なんだか雰囲気的が違うな?とか、話し方や表情の作り方が違うなとか。それが確信に変わったのは、学生の頃だった。あれは、彼の家で過ごしていた時だっただろうか。ソファーで本を読んでいる時、キシリと隣が沈んだのだ。

2020-05-05 12:46:39
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「ヨリさん?」と隣を見れば、先程まで予習をしていた彼が腰を下ろしていた。深緋の瞳は涙で濡れ、ゆぅるりと蕩けるように細められる。その妖しい雰囲気にゴクリと唾を飲んだ。これはちがう、【彼】ではない。「……すみよし……」と呟かれた名前には熱が籠っていて、🍙は固まってしまう

2020-05-05 12:50:14
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

まるで猫のようなしなやかな動きで体を自分の方に擦り寄せ、そっと太腿に手を置かれる。胸にするりと触れられた手に戸惑っていると、身体を伸ばして唇に触れてこようとする友の姿に、「っ、ヨリさんっ!」と名前を呼びかけた。その瞬間、目の前の友はハッと我に返り、サァッと顔を青くした。

2020-05-05 12:54:45
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「っ、すまない、🍙。私は、なんてことを……っ」と狼狽える姿は、己のよく知る【彼】の姿で。そこで潔く、友の持つ二面性をはっきりと確信した。そして、さっきまでの友が、初めて自分が垣間見た【女の子】であることも、察してしまった。理解力EXすぎでは??

2020-05-05 12:57:34
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

自分から体を離して、少し距離を開けたところで頭を抱える【彼】に、🍙は言葉を選びながら声をかける。ここで間違えてしまえば、きっと目の前の友は、自分から離れていってしまうと思ったからだ。「すこしおどろいただけで、俺は大丈夫ですよ」と声をかければ、青白い顔をした友がこちらを伺い見る

2020-05-05 13:00:59
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「気をつかなくてもいい。……こんなの、おかしいに決まっている」と、友は顔を覆って項垂れる。今まで見たことのない姿に、「(これが、彼の抱える孤独なのかもしれない)」と思い至る🍙。何時からだとか、きっかけは分からないけれど、きっとこれは彼が根深く抱える"陰"の部分なのだろう。

2020-05-05 13:05:59
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「貴方が知ってほしくないなら、深く聞いたりはしません。俺から詮索なんて一切するつもりはありません。けれど、話したくなったらいつでも話してください。俺なんかでも、話を聞いたり、貴方の傍に寄り添うことはできますから」 と、自分の本音を友に告げる🍙。友はほろほろと涙を溢れさせた。

2020-05-05 13:16:39
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

ハンカチを友に渡し、その背を宥めるように撫でる。声も出さずに泣く友の姿に胸を痛め、「(何があっても、この人のそばに寄り添っていよう)」と心に決める🍙。たとえこの先、2人がどんな人生を歩もうとも、友として、この人の傍に寄り添っていく。そう、自分の心に誓った

2020-05-05 13:20:02
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「物心がついた頃には、既に俺は女児として育てられていた。だから、自分のことを【女】だと思っていたんだ。一時期は」「けど、病が快調に向かうと、徐々に【男】として教育されるようになった。最初は戸惑った。俺は、【女】だと思っていたから」

2020-05-05 13:28:42
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「自分の性別をはっきりと理解した時、酷く混乱したんだ。混乱して、心が不安定になったとき、母が落ち着かせる為に【女】と【男】の俺を"別人"として接した」「……別人、ですか?」「ああ。【女】の"わたし"と、【男】の"俺"として、まるで2人の人格があるように接してくれたんだ」

2020-05-05 13:33:44
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

その話を聞きながら、🍙さんは聞きづらそうに「二重人格、というものですか?」と問いかける。それに友は首を横に振った。「いいや、そういうのではない。なんと言えばいいのか分からないが、"演じているんだ"」「演じる……?」「ああ、役割を分けて演じているんだ。【女】と【男】の自分を」

2020-05-05 13:41:08
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

※捕捉※ 所謂、解離i性i同一i性i障害ではありません。心がどっちという訳でもありません。 ヨリという人物が<自覚>や<自意識>のもと、<意図的>に、【女】を演じているんです。それを幼い頃からやっていたがために、傍からみたらまるで2人の人格があるようにみえるだけで、1人の人格です。

2020-05-05 13:47:46
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

🍙はヨリの話に耳を傾けながら、友の中で複雑に絡み合っている自己意識に、眉を寄せた。【彼女】と【彼】は、あまりにも違うのだろう。だから、友の中でも上手く折り合いをつけれずにいるのかもしれない。人は誰しも二面性はもっている。友はそれを消化できずにいた。だからこんなことになったのだろう

2020-05-05 13:52:00
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「………分からなくなるんだ、時々」と零された言葉はあまりにも弱々しい。「これが演じてるだけなのか、本当は【女】のほうが現実なんじゃないかって、分からなくなる。俺は、……俺は……」そう言って項垂れる友の姿を見て、🍙はその手を握る。「俺が、【男】の貴方を証明する」

2020-05-05 14:01:30
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「俺を……?」とこちらを見上げるともの瞳が不安げに揺れる。「はい。俺と会うときは、【男】の貴方として会えばいいんです。俺は【女】の貴方の存在に会ったりしません。今のことも忘れます」我ながら無茶苦茶な理屈だと思う。それでも、友の心を守るためにも、何かをしなくてはならなかった。

2020-05-05 14:05:43
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「…………だが、」と口篭る友の手をにぎり、🍙は答える。「大丈夫です。【女】でも【男】でも、俺は貴方の友人です。何かあればすぐにでも駆けつけます」「だから、試してみましょう」と言えば、友は逡巡してからコクリと頷いた。そこから、2人だけの作戦がはじまった。

2020-05-05 14:08:31
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

その作戦は、成功と言ってよかった。🍙は父の仕事を引き継ぎ、友も事情を知る母親の親戚の仕事先に就職をした。そして、夜は【女】としてキャバレーで働き始めたことも。その頃は仕事の関係か、朝と夜で友は演じ分けを行っているようで、歪ではありながらも安定はしていた。──二人の男に会うまでは。

2020-05-05 14:13:58
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

街中で少し草臥れた様子の【彼】をみつけた。思わずその背に声をかければ、赤く腫らした瞳に仄暗い光をたえた【彼】が振り向いた。その手を引き、自宅への道を戻る。「(この人を独りにしてはいけない)」と、「(さもなくば、この人は消えてしまう)」と。

2020-05-02 19:31:04
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「よりちさん、どうしたのですか。いったい何が……」と声をかければ、【彼】は項垂れながら、ぼんやりとそこに座っている。握る【彼】の手が震えていることに気づく。「よりちさ、」「…………れた」「え?」暗い声でポツリと零された言葉に泣きたくなった。「…………つかれた……」

2020-05-02 19:35:03
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

友が零した本音に、思わずその身体を強く抱き締めた。涙も流さず、ただただぼんやりと俯く友を腕に抱きしめながら、激しい後悔が🍙を襲う。「(俺はいったい何をしていたんだ……!)」友の心はもうボロボロに磨り減っていた。こんなになるまで、なんにもしてやれなかった。

2020-05-05 14:40:35
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

傍に寄り添うと誓ったのに、【彼】を守るための約束で、【彼】を追い詰めた自分が許せなかった。腕の中の友を抱きしめながら、あることに気づき、また愕然とする。「(……痩せた……こんなに、細くなんてなかった……っ)」 抱きしめた自身の腕が回るほど痩せた体に涙が出てきた。

2020-05-05 14:46:30
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「……っ」と溢れる涙で視界が滲む。そんな自分にも腹が立った。俺が泣く資格なんてない。けれど、【彼】のことを思うと涙が止まらなかった。彼は辛い時は泣ける人間だった。それができないくらい、追い詰められたこの人を見ると、自分が情けなくて仕方がない。流れる涙が不意に優しい仕草で拭われた

2020-05-05 14:50:05
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「っ、」と顔をあげれば、【彼】が俺の涙を指で拭いながら、眉を下げていた。「……どうした、🍙?なにか、辛いことでもあったのか?」と心配そうに聞いてくる【彼】にぐっと唇をかみ締めて、溢れる涙が止められなかった

2020-05-05 14:52:40
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「🍙……?どうした、私が何かをしてしまったのか?」そう問いかけてくる【彼】に首を横に振る。あふれる涙を袖で拭い、【彼】の手をそっと包む。まだ心配げにこちらを伺う【彼】をみながら、愛しさが胸に溢れてくる。

2020-05-05 14:55:45
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

すんっと鼻をすすりながら、少し隈の濃い目元を指でそっと触れる。ピクリッと跳ねた体に、チラリと見えてしまった首元の跡に、【彼】の身に起きていることを、【彼女】のしたことも、わかった。わかってしまった。それに気付かぬふりをしながら、彼に声をかける。

2020-05-05 14:59:51
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「最近、眠れていますか?」と問えば、気まずげに逸らされる瞳。「食事とかもきちんと食べれていますか?一人暮らしとはいえ、ちゃんと気をつけなきゃダメですよ」と苦笑いしながら言えば、少し安堵した表情を浮かべて、「1人だとつい抜いてしまってな」と答える【彼】

2020-05-05 15:07:25
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「もしよかったら、今日は家で食べていってください。最近、お互いに忙しくてなかなか会えませんでしたから」と誘えば、目を伏せて少し逡巡する【彼】。少しの間沈黙が落ちたあと、【彼】は「……そうだな。お前が良ければ、ご馳走様になろう」と、柔らかな雰囲気で答える。

2020-05-05 15:10:51
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「俺から誘ったんですからいいんですよ!」と快活に笑う🍙。その後、2人で台所に立って、料理をする2人。久しぶりの穏やかで和やかな時間に【彼】も気を緩めて、顔色も少しづつ良くなっていく。その様子を伺いながら、ほっとひと息をつく。

2020-05-05 15:15:20
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

2人で食卓を囲んで、目の前で食事をする【彼】をみながら、ちゃんと食べれていることにほっとする🍙さん。そのままお酒も開けて、2人で最近のことについて話しながら、「ヨリさん、もう遅いですし……今日はこのまま泊まっていてきませんか?」と持ちかける🍙さん。おやぁ?

2020-05-05 15:18:47
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

酔いが回っているのかほわほわとした【彼】は、「そこまで世話になるのは悪い……」と零す。「気にしなくていいんですよ。それに、随分と酔いが回ってるじゃありませんか」と言えば、むぅと悩んで、「…………本当に、いいのか?」と再度🍙を気遣う【彼】。「独り身なので気にしないでください」と笑う

2020-05-05 15:22:08
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

浴室に【彼】を案内した後に、布団の準備をする🍙さん。ふたつの布団を並べながら、なんだかドキドキしてる自分に喝を入れる。「ヨリさん、着替えおいておきますね」と替えの洋服を用意して、仕事の残りとかを片付けていると、カタンッと浴室の扉が開く音がした。はわわわっ。

2020-05-05 15:26:27
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「ヨリさん、お湯加減いかかでしたか?」と言いながら振り返り、目に飛び込んできた姿にヒュッと息を飲み込む🍙さん。そこには、槐色の浴衣を身にまとった【彼】が濡れた髪を手拭いで拭いながら、立っていた。湯上りで火照っている白絹のような肌に、晒される胸もと。つぅと雫が首筋を伝う。ほわーっ!

2020-05-05 15:30:23
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「🍙?」と声をかけられて、はっと我に返る🍙さん。ほわほわとした【彼】が首を傾けてこちらを見てくるのに、🍙は誤魔化すように笑みを浮かべて、「どうかしましたか、ヨリさん?」と問い返す。「すまない、仕事の邪魔をしたか?」と【彼】がいうので、机の上の帳簿を片付けながら、首を横に振る。

2020-05-05 15:36:44
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

「いえ、丁度キリが良かったので。浴衣のサイズ、大丈夫そうですね」と言いながら、円卓も片していく。「ああ、問題ない。先に入らせてもらってすまないな」と髪を拭きながら、【彼】が布団のそばに座る。チラリと見えた項の白さと赤い跡に、カァッと顔に熱が集まる。おわぁあっ

2020-05-05 15:39:58
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

赤くなった顔を誤魔化すように着替えを持ち、「お客さんだからいいんですよ!じゃあ、俺も入ってきますね」といって浴室に駆け込む。チラリとジブの下半身を見れば、僅かに反応を見せている自分自身に、ぐしゃぐしゃと髪をかき乱す。「(ちがう。【彼】は友人だ)」と思いながらもそこに手を伸ばしていた

2020-05-05 15:48:00
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

脳裏に思い浮かぶのは、首筋を伝う雫や項の白さ、抱きしめた体の細さを思い出してしまい、自分の手に吐き出されたソレを見て、頭を抱える🍙さん。頭から水を被り、名残を全て洗い流して上がる。髪を拭きながら戻れば、布団に潜ってすぅすぅと寝ている【彼】がいたんですね。はぅわーっ!

2020-05-05 15:52:44
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

灯りを落として、寝ている【彼】の隣の布団の上に座る🍙さん。すぅすぅと寝息をたてる【彼】の顔を見つめながら、きゅうっと胸が切なく締め付けられる。「(…………俺ではダメですか、なんて言えるわけがない)」 【彼女】が初恋だった。でも気がつけば、【彼】もまた愛してしまっていた。

2020-05-05 15:56:11
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

物静かで素朴で優しい人だ。自分の抱える孤独に押し潰されそうになりながら、それでも前を向いて歩いていこうとする、弱くて強い人なのだ。隣で共に歩むたび、彼のそんな不器用さが愛おしく思えてしまった。──友愛、ではなく。そうだ、これは友愛なんかじゃない。俺は一人の人間として愛している

2020-05-05 16:01:41
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

眠る【彼】の横に片手をついて、そっと身を屈ませる。もう少しで彼の唇に触れそうになったところで、ぴたりと動きを止める。ぐっと掌を握りしめ、体を起こして、隣の布団に潜り込む。自分の中に溢れる想いを押さえつけながらぎゅっと瞳を閉じる🍙さん。そんな🍙の横顔を見る【彼】の視線には気づかずに

2020-05-05 16:15:35
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

隣に眠る友の横顔を見つめながら、【彼】は切なげに眉を寄せた。この友は、自分に勿体ないくらいの人だ。どうか、この友が健やか出会って欲しいと願う。だからこそ、あの男や兄のことを知られてはいけない。そうすれば、この友人は余計な心を痛めてしまうだろうから。【彼】は再び目を閉じた。

2020-05-05 16:19:51
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

次の日、目を覚ました2人はいつもと変わらず、それぞれの仕事へと出向いた。二人の間には、【友】という絆がある。それは何人たりとも踏み入れられない確かな絆だ──お互いにとっても。 そんなある日、🍙の目の前にある男が現れた。その男は身なりのいい、紅梅色の瞳を持つ美しい男だった。

2020-05-05 16:22:56
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

>>>無様、エンカウント<<<

2020-05-05 16:23:25
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まとめたひと
ゆうさき@低浮上 @yu3k1_4r1

おい!!!!!なんで🎴の耳飾り触った!!!!!ゆうさき(腐/25↑) kmtの縁受け・黒十(字書き)/twst創作寮生·オリキャラ語り(🥥推しの右固定)/一次創作 ※単行本・プレイ感想ネタバレ 左右固定 自衛中 18↓FR等勘弁。アイコンは彩季さまから🙏 詳細はツイプロ