炭善芸能界パロ、エキストラバイトが好きすぎる天才型という残念過ぎるスペックの善逸君が見たいんだ僕は 炭さんはアイドルでも俳優でもいい 伊之助はアクション俳優一択です
2021-10-24 12:27:15「え?今日は我妻さんがいらっしゃるんですか?」 「そうだ、今期このドラマはワンクールそれだ。気合入れろよ竈門」 「がんばろうね、たんじろう」 「ああ、まったりしてはいられないな。全力を出そう、カナヲ!」
2021-11-07 15:20:08あがつまぜんいつは、エキストラバイトである。 群衆に溶け込む、群衆になるのが彼の仕事だ。 ――にも、関わらず。 彼の演技は、専業俳優の仕事を喰う。
2021-11-07 15:20:08あがつまぜんいつは、空気を作る。 「アレ」に負けないように気ばれる奴が俳優として成功するのだ。宇随が音楽を得たように。竈門が太陽の温感を得たように。嘴平が穏やかな心音を得たように。栗花落が軽やかな笑みを得たように。あがつまぜんいつは、ステージを用意し俳優の切磋琢磨を導いてくれる。
2021-11-07 17:56:34あがつまくん、エキストラバイトのくせにいっつも台本を丸々通しでもらってしまって「なぜ…?」と思うんだけどとりあえず熟読してから演技に臨むタイプ
2021-11-07 17:59:15「おー我妻久しぶりだな、最近顔見なかったけど食ってるか?お前」 「村田さぁん!聞いてくださいようちの会社ほんと糞でね!?いや働かせてくれるだけありがたいです土下座しますでもね!?」
2021-11-22 18:22:07村田さんはあがつまくんと仲良し 子役の時から現場にいるけど割とエキストラレベルだったのが最近助演として顔を覚えられるようになった 割とあがつまくんと現場が被る 後藤さんもいる 彼は完全にエキストラバイトから専業になって徐々にのし上がっていった人 この人も現場が被る
2021-11-22 18:22:07あがつまくん、地毛が金髪なのでたいてい黒髪に染めてくる 割と無理やり染める そうすれば身内バレしないと思っているがよく近くにいる村田さんや後藤さんはたまに現場に配達にやってくるかいがくくんに「うちのがご迷惑をおかけして申し訳ございません」って念入りな謝罪を会うたびにゴリ押される
2021-11-22 18:22:08この時空の桑島一門はよく芸能界で差し入れとかの御用達にされる程度の知る人ぞ知る老舗の和菓子屋 かいがくくんは跡取り若旦那 あがつまくんはこちら方面でも才能あったくせに「向いていませんので!」と社畜に走った そこ割とブラック会社だよ かいがくくん絶対教えないけど
2021-11-22 18:22:08※ちなみにゴリゴリに会社に糞みてえな業務を連日休日なしで詰め込まれたあがつまくんがうっかり寝坊して白髪染め片手に現場に走ってきた日、あがつまくんが実は金髪と知った現場は(主に役者が)様々な意味で阿鼻叫喚となったしあがつまくんはたまたま配達に来てたかいがくくんに本気でぶん殴られた
2021-11-22 18:22:08※なおかいがくくんの脅し文句 「早起きが苦手、金髪二度見されるの辛い、そんな薄っぺらな言い訳で逃げ出したんだ、もう一度裏で倍増しの修行するか?アァン?」
2021-11-22 19:14:45たとえ裏方でも従業員が金髪だと老舗の和菓子屋のイメージ落とす、って勝手に思って逃げ出したあがつまくんの襟首掴みながら遠回しな「実家帰ってこい」
2021-11-22 19:14:46※現場が再び阿鼻叫喚した めちゃくちゃきれいな金髪と琥珀の瞳(カラコン入れてエキストラしてた)に見とれる役者勢が泣いた(俳優界の損失) なおエキストラ時は睫も眉毛もちゃんと黒く化粧してたあがつま 職人体質
2021-11-22 19:14:46「よしその糞みてえなカラコン外せ。そしたら殴る」 「嘘だろ言い放ちやがったこの兄弟子様がこのクソ発言」 「言い訳できる立場なら弁明してほしいもんだなあ弟弟子カス」
2021-11-23 05:26:53「――俺たちは、土台だ」 最初の頃は「信じられねえ、大根じゃねえか」みたいなこと陰で言われてた長男とかカナヲちゃんとか それを聞いて俯くしかない「化ける」前の彼らとか そんなモブを一蹴するあがつまくんとか 割と物理で
2021-11-23 17:13:34「俺たちの役目は世界だ。主演たちが堂々と、輝いた顔で歌い踊れるための堅牢な舞台だ。それすら満足に作れねえ奴らが主演がどうたら?笑わせる」 そうだな、それができないのなら。目じりをゆがめ、 「――せめて、肉の壁となる覚悟くらいは見せつけて死ねよ、大根役者」
2021-11-23 17:13:35あがつまくんの経歴 幼いころ、小学校の学芸会で義兄のかいがくくんが舞台上でそこそこいい役を演じたのを見て感動した。昔施設にいたころに機械的にへらへら笑顔を作ってたんじゃない、『”魂がありながら”演じる』ことにあこがれた
2021-11-23 17:13:35数年後、己が同じ年頃になって、兄弟子とはまるで似つかない端役を割り当てられて、それでもおんなじ舞台に立って ――ああ、違うのだ、と思ってしまった 己は、あんなふうにキラキラできない。おそらくは一生 なんだか、それがとっても残酷で、しかし嬉しく、誇らしいことですらあるように思えた
2021-11-23 17:13:35あがつまくんがセット脇で台本を読んでるだけで空気が変わる 「化ける」役者やスタッフたちほどそれがわかる おこがましい言い方をすれば、故田村正和氏みたいな
2021-11-23 17:13:36「いっだぁ!誰よ誰なのよひえっかいがくテメエいきなり何しやがる!」 「叩いたらその馬鹿直らねえかなと」 「地頭が馬鹿なのに治るわけないでしょ!というか放せ背中から足をどかせ俺はこれから超特急でこの髪染めて来なけりゃなりませんので!」
2021-11-23 17:43:52「高校んとき風紀委員までやったくせして『地毛ですので!染めたら頭皮が死にますので!』で三年間逃げ切った往生際の悪さどこやったんだテメエはよ」 「それで懲りたから今こうやって染めてんでしょうが!将来的な毛根の死滅と引き換えに今俺は全力で世界を満喫していますのでほっといてくれよ!」
2021-11-23 17:43:52「我妻さん!」 「ひえっ」 「牡蠣とか食べに行きましょう!」 「えっ、あの、初めまして竈門さん…スミマセンこんなうるさくお邪魔して…あの、」 「あ!初めまして!竈門たんじろうです!それで牡蠣とか…ねずこ他にも何かないか亜鉛とか含んでそうなやつ!」 「待ってお兄ちゃん今調べてる!」
2021-11-24 09:21:34これがあの竈門兄妹の謎の圧力…と思いながら肩掴まれてるあがつま なんであの竈門兄妹が俺の名前を知っているのだ?とそこからわからん そして嘴平さんと宇随さんが目ぇかっぴらいてこっち見てるのは何なのかなぁ!食われるのか俺は!
2021-11-24 09:21:34――キラキラした「何か」が立っていた。 蕩けた金と琥珀で編み上げられた繊細な細工物が、色めいた影をちらつかせながらあえかな光を放っているように見えた。 そこにいた全員が、何よりたんじろうが、それに寸時の永遠を認めた。
2021-11-24 18:41:55きれいな何かが、息を弾ませ、潤んだ瞳で、「間に、合って、…ない!」といつもの我妻の声でギャッと尾を踏まれた猫のように叫んだ。 は、とそこにいた誰もが我に返ったように何度も、幾度も瞬きをする。 金色の髪と金色の瞳を持った我妻善逸が肩で息をしてそこにいた。
2021-11-24 18:41:56「アッ――!ごめん!ごめんなさい爺ちゃん!俺今日裏回る、裏回るからごめんかいがく今日全部表で」「いい加減起きろ」「ぎゃん!」 かいがくくんのぜんいつくん目覚ましスキル:EX
2021-11-25 16:05:23店舗持ちとして寝坊だけはするなときつく躾けられていたので(あと普通に朝の仕込みで)風紀委員会には無遅刻だったあがつまめでたい そしてかいがくくんの目覚ましはつらい
2021-11-25 16:05:23――びっくりするくらい、やりやすかったのだ。 「違うだろ」と村田さんがニコニコしていた。 思わず、エキストラたちがはけた辺りを見やる。ちょうど中心の辺りで、何かの儀式のように瞑目し深く息をついた『彼』が、ふとゆっくりと瞬きをして、そしてなんの未練もなさそうに踵を返した。
2021-11-26 11:48:55それを見送る監督たちのさりげなく、しかし信頼の籠った眼差しも、その理由も今ではよくわかる。 「彼…エキストラなんですか?ほんとに?」 「おう。でもやたらと話しかけちゃだめだぞ。あいつはいるはずのないバイトだからな。いるって認識されたらいなくなっちまう」
2021-11-26 11:48:56謎めいた村田さんの言い方に首を傾げた。 「あいつの会社、副業禁止なんだ」 バイトできるくらい余裕なんだって思われたらもっと業務詰め込まれるに決まってるじゃないですかぁって泣くんだよなあ。うるせえうるせえ。
2021-11-26 11:48:56村田さんが苦笑し、後ろに立っていた後藤さんが「俺みたいなのですら『魂がある』って言うあいつの図太い神経はわからん」と唸った。それでも、彼の言う『魂』があるからこそ、彼らはそこに立っている。 ――そして、その彼に、己らは認められたのだとわかって。 なんだか、顔から脳まで熱くなった。
2021-11-26 11:48:57歳の近い同期組+ねずこちゃんが親睦を深めようと歩いてたところにぼろくそな陰口が言われてた感じで。「しょせん顔だけ」とか「コネ頼りの七光り」とかそんな感じで。
2021-11-26 11:48:57よそよそしかったテーブルの色の深層が、まるで幾年も己が手で磨いたような輝きを見せた。手に取る小物の一つ一つが、長年の相棒のごとき頼もしさを感じさせた。
2021-11-26 12:01:26群衆が正しく群衆となり、空気が正しく空気となり。 紙の上の文字を読んで必死に想像するしかできなかった『世界』が、こんなにもリアルで、こんなにも己の振舞いの何もかもをを受け入れているのだと悟った時の――とてつもない安堵感と、安定感。
2021-11-26 12:01:26こく、と唾をのんで、一歩を踏み出す。その一歩でさえも。 ――信じられないほど、違う。 己が演じる、その人物の、その世界の、来歴そのものを感じさせるような、そんな軽く重たい一歩だった。
2021-11-26 12:28:29「やってみてわかった。俺多分助演型だわ」とげんやくんがあっけらかんと言ったりする。「後藤さんとかとお前らの演技見てるのがすげー楽」「俺と一緒にすんな不死川弟!俺から見ればお前だってずっと主演寄りだ!」
2021-11-26 12:30:59あがつまくん、普通の陰口くらいなら「かわいい子といい人(音)が多くて俺幸せだけどなあ」「栗花落さんとか竈門さん(兄妹両方)とか、恋愛ドラマに出たらすごく映えそう!見たい!」とかのフワフワした頭悪そうムーブでかわせるんだけど、
2021-12-15 02:02:23「ああ確かに顔と体はいいよな、若いし」「一晩いくらで買われたんだろな、俺たちもおこぼれにあずかりたいねえ」なんていうガチの下ネタ中傷が入るとマジギレするタイプ(重い机を蹴倒すレベル)
2021-12-15 02:02:23「まあまあ…」とか無難に宥めようとしていた村田さんなんかの我妻対応ベテランが篭盛になってたお菓子とか飲み物(ただし特大ペットボトルと自分のドリンクだけ)とかを流れるように退避させてる 慣れてる
2021-12-15 02:02:24