「竈門のお兄さんめちゃくちゃ青春ドラマ似合いそうだよねえ」「嘴平さんとか不死川さん所の弟さんは刑事ものとかすごい合うよね、もうがっちり出来上がった体してるし足さばきだけで身軽そうだし目つきもいいよね」
2021-12-15 02:02:24「それで竈門さんの妹さんの方にっこり微笑んだだけですっごいかわいい!俺大ファンになっちゃった天女様みたい!ぜひとも貢ぎたい!」「ああそうか彼女が握手会でもすれば七人の彼女全敗神話を持つお前でも手ぐらいは握れるのか…」「後藤さん容赦って言葉知ってる?」
2021-12-15 02:02:25大根も大根だった長男が、群衆の中にいるあがつまくんの目に引き込まれて、頷かれたような気がした瞬間身の軽さと演技が変わる 己の読解力と想像力(あとこれはしょせん『嘘』という意識があって苦手だった)に困難を感じていたのに、何が起こったってレベル これは『真実』の話
2021-12-15 02:05:39意外と嘴平君が理論で動くタイプな気がして げんやくんはもうがちがちに己の中で設定を積み重ねて強固にして動く派 カナヲちゃんは何だろうな、ねずこちゃんもその気があるけど割と感覚型かもしれない リハーサルで相方の感覚や思考回路と合わせながら演技を作るタイプ
2021-12-15 02:11:56「正座しろカス」 「ハイ」 「先生のお言葉を繰り返せ」 「『店舗持ちが朝寝坊など許されると思っとるのか』」 「…今は何時だろうなあ?そんでテメェは何その時間でも夢遊病かっ喰らっていい夢いい気分から醒めてねえんだろうなあ?」 「ごめんなさい!」 大変なご迷惑をおかけしましたぁ!(わぁっ!
2021-12-19 20:50:56でも其れがなければこの逸材おぶ逸材を捕まえることはできなかった…!って周りの人間が叱っていいのか感謝していいのか困惑しきりな中雷兄弟のうるささったら
2021-12-19 20:50:56『山吹鬱金の琥珀菓子』 - min.t (ミント) min.togetter.com/4x4jixm. お肉が欲しいので一番ノーストレスな炭善をはっつけておきます #今年もあと少しなので一年間の頑張りを見てくださいできたら褒めてください
2021-12-23 05:15:14かいがくくんが家に戻れって言う理由はあって(ほんとはきょうだいって感覚は少しはあるけどだからこそ放っときたかったほんとに)、飾りつけのセンスと土台の味が雷兄弟でどっか違うんだな 特に土台の味の微妙な差異、基本となるところがぜんいつくんのほうがおいしい ほんのちょっとね
2021-12-23 14:03:56かいがくくんの味だって桑島の老舗の味に近いし別に爺ちゃんはそれでいいって言ってくれるんだけど、かいがくくんは納得できない ぜんいつくんのほうがふてぶてしい味がするんだ それでいて口に入れるとはっきりとやさしい 作り手の真心が滲む味がする かいがくくんはそこに「空虚でない世界」を見る
2021-12-23 14:03:57バラエティに出演した長男、観覧席に座るにぎやかしのサクラの中にあがつまくんを発見して二度見の後にひゅぼぼぼぼって真っ赤になった ちなみにあがつまくんは黒染めしてる
2021-12-30 15:05:46当然弄られる長男 彼女でも来たんか?ってなったら男に反応していて「え?(文春もの?)」って会場を沸かせるがここぞとばかりに必死であがつまぜんいつ推しを隠さないあたり鬼気迫っていてちゃっかりしてる なおあんまりに「この人業界人なんで…!」って念を押されたあがつまくんが隣に座った
2021-12-30 15:05:46ここぞとばかりにあがつまくんの出演作を上げ連ねていく長男 いや俺エキストラだからなって言うあがつまくんに「なんで黒染めしてるんだ!」って文句言うし「いや金髪は目立つじゃろがい…」って心底困った顔で宥められる 長男の新しい甘えたな駄々にどよめく現場
2021-12-30 15:05:46何が言いたいかっていったらウォーリーを探せ並みに過去作からあがつまくんを探すブームが起きたらいいなって話なんですが めちゃくちゃ難しいので割と長期間で映画好きや長男推しの人々のTLがうるさくなる なお難しいのに割といろんな現場でお目見えするので最終的に「忍者か?」って言われる
2021-12-30 15:05:47のちに正式に同期組なんかと一緒にバラエティに出る(会場型じゃなくて同期組と(同期組に人気の)あがつまくんで街を闊歩しようみたいなゆるいやつ)あがつまくんの染めてない外見を見てえ?って騒然となるTLはあるし、その後和菓子屋桑島家の跡取り候補だった身内ということも知られてえ?となる
2021-12-30 15:11:20そのころ和菓子屋桑島家の跡取りのかいがくくんがめちゃくちゃこき下ろしながら「あれはうちの子です」と認める紹介文をHPにあっぷするのでいろんな界隈が騒然とするよな 佐〇木酒造みたいな感じでさ 騒然としてくれ…
2021-12-30 15:11:20長男が大根だった原因の一つとして、エキストラを「群衆」として整理整頓できなかったというのがある 自分でも悪い癖だと思っていたけど、どうしても気遣ってしまう フワフワした土台を力いっぱい踏み込み足蹴にするのが気が引ける
2021-12-30 18:51:09んな必要はねえよ、俺らの役目はそれだよ、って、堅牢な土台を作って、情報を整理整頓させてもらって、踏み出し方を教えてもらったから無事「化けれた」 言い方を変えるなら、「肉の壁になるほどの覚悟を見せつけられた」からそれを尊重しようとできて情報をそぎ落とせた
2021-12-30 18:51:10「そういや善逸の仕事はどうだ?」 「おかげさまで退職よ。肩叩かれたわ」 「え」 「っじゃあ善逸!俺の次の作品のオーディションを一緒に受けないか!」 「お兄ちゃん気が逸りすぎ!まずは一緒の事務所に入りましょ?善逸さん」 「ええ…コンビニバイトの方が採用簡単そう…」 「そんなことはない!」
2022-01-05 03:42:33行かないでくれ、と叫んだ。恋人に捨てられる間際の――実質、それは勘違いに近いのだが、の男の、「役」だ。 できる限りで、その男の心情を理解しようと台本と何度も向き合った。マーカーを引き、滑らかに発語できるよう繰り返し読み上げる。これまでの経緯だって、冊子にはつまびらかに書いてある。
2022-01-05 11:52:42――それでも、胸の内に隠せない自分が、その男に対して「情けない」と冷たい声を出しているのが聞こえた気がして、竈門たんじろうは眦を細めた。 当然、それはベテランのスタッフが並み居る場に率直に伝わる。「カット!」と大きな声が掛かり、悩ましく頭を振った監督が、
2022-01-05 11:52:43ちらり、と横目で何かを見た後、困ったように笑って「昼休憩を挟もう」と云った。それがたんじろうのためであるのは明らかだった。 ――なぜ、己はここにいるのだろうと、何度目かに思う。そもそも、己に想像力があるとたんじろうは思ったことがない。
2022-01-05 11:52:43冷たい目がそこら中から突き刺さってくる錯覚――いや、おそらくこれが現実だ――がして身を縮める。それでもどうにか続けているのは、どこからか漂う「いい匂い」があるからだ。 己の努力を肯定してくれているような、励ますような、あたたかい何かをたんじろうに対してついぞもたらす「何か」がある。
2022-01-05 11:52:44この匂いを逃してはならないのだとだけ思うからこそ、たんじろうはこの理解できない現場に必死でしがみついている。 …例え、劇中でこのセリフを読み上げるたびに、誰よりも冷たい目が、隣を歩く群衆の中から『竈門たんじろう』という役者を鋭く刺すのだとしても。
2022-01-05 11:52:44――嘘だろう、と思った。たんじろうは己が信じられない。それでも、役柄の男の抱える屈託を帯びた卑下と、社会への呪詛と、それでも必死で縋りつきたいその感情の源が何から来るのか。重層に積み重なったそれを――まるでその役柄の幼少期からの記憶と来歴から理解し尽くして、いや、正確に言えば。
2022-01-05 11:52:45その時たんじろうは「その男」に「なった」。 「カット!」 頭髪と髭に白いものが混じり始めたグレイッシュな監督のしゃがれた声が高らかに響いた。それにハッとこめかみを叩かれた気がして、目が覚めたようにパチパチとしばたたいて。それから、その声に混じった、満足感と称賛とを理解するに至る。
2022-01-05 11:52:45そうして、そうして。 あの冷たい目線が。あれが今回に限っては、路上に這いつくばった哀れな「男」を、心配してオロオロと右往左往している、そんな匂いを振り撒いているのが心地よくて。
2022-01-05 11:52:46ああ、それは冷たい目をするはずだと納得した。「あの目」は、その劇場の中にいる男に対して「群衆」が向けるであろう目を表していただけなのだから。 今ならば。あの目は、群衆は、男に対して同情を向けるだろう。男の姿に心惹かれ、哀れみを寄せることだろう。
2022-01-05 11:52:46目の前に対する「恋人」だって、こんなにも情けないばかりの「男」の一挙手一投足に心をざわめかせることができる。 まさか、己にそんな芸当ができるだなんて。本当はたんじろうは、――ひどい話だ、この現場に立っていてすら、できると思ったことはなかったのに。
2022-01-05 11:52:47あっはっは、とその人は言った。「だってさあ、竈門のお兄さん、あの役の人を『かわいそうだな』って思っちゃってるもん。そりゃあの人みたいなタイプは演じにくいよ」
2022-01-05 12:24:52俺だったら逆恨みするね!みっともなくったって諦めねえよビンタされるまで縋りつくわ。もらえるもんはもらうよ。隙があるならどんな小さい隙でも付け入っちまうよ。卑怯上等!俺だったらね!と笑み含んだ声がふふふっと笑った。
2022-01-05 12:26:49もともと、己は察しが悪い方だ。竹を割ったような性格をしているたんじろうの中には、このどこかまごまごした男の心情を理解できるだけの材料がほとんどなかった。降ってきた役は完全に想像の埒外だ。
2022-01-05 17:32:49元からそんなこんなで難儀なのに、ビギナーに対して求められるハードルは高かった。弱音が言える立場ではない。そも己は長男だ。わかっていても、難事を求められていることには違いなかった。
2022-01-05 17:32:50先ほど撮った映像を眉間にしわを寄せて眺める監督のもとに、助監督やディレクターが集っている。 時間がないんだよなあ、その言葉を発したのは、スタッフか、それとも「群衆」の中からこぼれた誰かか。
2022-01-05 17:49:49「俺、このあと別のバイトがあるんだけど」膠着状態を作ってしまっている立場としては、身をすくめることしかできない。 助監督の若い男性が、「さすがに、時間が…」と小声で監督に進言したのが漏れ聞こえた。
2022-01-05 17:49:49「竈門君」 「ハイッ!」ピッと背筋が伸びた。 「午後イチでもう一回だけ撮ろう。それでうまいことハマらなかったら、別日に回して他の場面を撮ろうか」 「わかりました!」喉が絞まるのをこらえて、せめてもやる気を示した声はから回った。どこか甲高い悲鳴のような声が一転、転(まろ)ぶ。
2022-01-05 17:49:50周りで走り回るスタッフに比べて、監督はどこか余裕がある。どこか穏やかに微笑んで「次は、アドリブを入れてもいいよ」となだらかに言った。優しいはずの声は、しかし今のたんじろうにとっては死刑宣告にも近い。アドリブ。四角四面を誇って生きてきた竈門家の長男に、そんな余地は端から無い。
2022-01-05 17:49:50今ならばこの男の心がわかる。 あれが欲しい。あの目が欲しい。あの声が欲しい。あの優しく強い匂いを柔らかに発する、しなやかでしたたかなあの人の関心が得たい。 ――アドリブ。 入れてもいいと、言うのなら。
2022-01-05 18:07:02「――カット!」一瞬、我を忘れた。 それでも、その一瞬の己の目つきがたんじろうにはよくわかった。 きっと、胸の内にある太陽があかあかと情熱を照らして燃え上がったが如く、挑戦的な瞳になったことだろう。
2022-01-05 18:07:03