https://min.togetter.com/1LVAK1m これの続きです。まだあと一回更新します。
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まさむね♂♂🔞big 🍆 justice @ingsevens

あれから幾月かを跨いだ頃、シルヴァンの体は日に日に病魔に蝕まれ、血を吐くことも多くなってきた。見た目こそまだ痩せた程度だったが、進行が遅い事が更にシルヴァンを苦しめた。肺をやられ、横になると呼吸が乱れるようになっていた。

2020-01-13 05:51:58
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フェリクスは夜は彼の寝所に留まり、シルヴァンが血を吐くごとにに彼の体が血で汚れないよう彼を自身の体に寄りかからせて顎に布を当てて吐き終わるまで静かに待つ。ゴホゴホと咳き込むと鮮血が白い布を赤く染めた。 彼は落ち着くと血と泡とが混じった布を見ながらフェリクスにこう言うのだった。

2020-01-13 05:55:36
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「悪いな…ひと月くらいになるか…毎晩…こうじゃ、フェリクスも寝られないだろう、横に吐けば喉に血もたまらないから大丈夫だ。お前は…他の部屋で寝てくれ、頼む」シルヴァンは胸に広がる鈍痛で意識を失うように眠れたとしても譫言を放っているのもわかっていた。

2020-01-13 06:00:23
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一晩中フェリクスが自身を見守っている事も。 「俺を寝所から追い出す気か?俺が居ない間にお前が逝ってしまったら、明日どんな顔をすればいいのか分からない。」2人は手を握り合っていたが、フェリクスの手は氷のように冷たく、シルヴァンの手は燃えるような熱さを持っていた。

2020-01-13 06:03:34
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「病人と一緒じゃお前も寝れないだろう?」 フェリクスは深くため息をついた。彼は片手でシルヴァンの首を冷たい手で冷やしながらしばらく目を閉じていたが、彼の高熱が手から伝わりフェリクスの手を温めた頃、意を決して口を開いた。

2020-01-13 06:07:59
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「シルヴァン、どのくらい苦しい?戦場で腹を刺されたくらいか?それよりも辛く長い痛みか?嘘は許さんぞ」 俺たちの間で嘘はもう許されない。 もう嘘をつく時間は残されていなかったからだ。シルヴァンは観念して今の状況を語り始めた。

2020-01-13 06:11:21
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何度も胸を刺されるような痛みを感じ、それはナイフで刺されるよりも内側から襲ってくると。それを緩和する方法もなく、お前が横に居なければ死にたいとさえ思っている事。こうして夜が明けるのを待っている間、一晩がどれだけ長いかと言う事、

2020-01-13 06:12:44
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それに付き合ってるフェリクスに申し訳なく思っていると話すと、「ごめんな」と、彼はいつもの笑顔で謝ってくる。 フェリクスは汗で張り付いたシルヴァンの髪を撫でつけながらこめかみにキスをした。シルヴァンが愛しい。

2020-01-13 06:14:44
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自然とフェリクスの頬に涙が伝っていた。「お前の状況は分かった。死を待つだけの時間、どれ程苦しいのかを。俺には何も出来ない、どうする事も。」

2020-01-13 06:17:52
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フェリクスは底が抜けたような哀れみと自身が彼と共にいる事しか出来ない状況をまざまざと感じ、その晩はもう何も言わずにシルヴァンに肩を抱かれていた。時間は重い鎖を繋がれたように流れて彼らの空間を永遠に止めるかのように思えたが、次第に空が白みがかってきた。夜が明けたのだ。

2020-01-13 06:23:37